建築基準法の一部を改正する法律(昭和三八年七月一六日法律第一五一号)、建築基準法施行令の一部を改正する政令(昭和三九年一月一四日政令第四号)及び建築基準法施行規則の一部を改正する省令(昭和三九年一月一四日建設省令第一号)は、いずれも昭和三九年一月一五日から施行され、また、これに伴い建築基準法施行の規定に基づき耐火構造を指定する件(昭和三九年一月一六日建設省告示第四二号)及び建築工事現場における落下物による危害を防止するための措置の基準を定める件(昭和三九年一月二七日建設省告示第九一号)が施行された。
今回の建築基準法(以下「法」という。)の改正は、都市の発展に即応する適正な建築物の規模を確保するため、容積地区の制度を設け、その地区内の建築物について、高さの制限に代えて、延べ面積の敷地面積に対する割合(以下「容積率」という。)を規制すること、建築確認申請手数料の限度額を改訂することなどを主たる内容とするものである。また、建築基準法施行令(以下「令」という。)の改正は、これに伴い耐火構造、防火区画、避難施設、高層建築物の内装、容積地区内における隣地との関係についての高さの制限の緩和、建築確認手数料に関する規定等の整備を行なつたものである。
この容積地区の制度の実施は、将来の都市像の形成に大きな影響を及ぼす画期的なものであるから、下記の点に留意のうえ、改正の趣旨の周知徹底を図るとともに、高層建築物の構造及び防火上の安全性の確保に努めるなどその施行に遺憾なきを期せられたい。
一 容積地区の指定及び特定街区の制度の活用
イ 容積地区の指定の申出をするにあつては、都市の基本的性格、構造、市街地形態、土地利用形態及び公共施設の整備状況等を十分検討するとともに、法第五九条の二第四項第三号の条例を制定し、また、建築敷地の区画を集団的に把握する台帳を整備すること。
ロ 容積地区の制度の創設に伴い、特定街区の種別ごとの容積率の規定が廃止され、特定街区の指定の際、個々具体的に容積率が定められることになり、その弾力的活用の途が開かれたので、市街地の実情に即し、本制度の積極的活用を図ること。
なお、特定街区計画標準の改訂については、別途通達する予定であること。
ハ 容積地区が指定されていない地区について、法第五十七条第一項ただし書の規定により許可しようとする場合は、容積地区の制度の趣旨に準じて慎重に処理すること。
ニ 自動車ターミナル法(昭和三四年法律第一三六号)第二条第二項に規定する自動車ターミナルの用途に供する建築物等については、特定街区等の方法を活用すること。
二 高層建築物の構造上の安全性の確保
容積地区の制度の実施に伴つて、現行の構造計算に関する規定にていしよくする建築物の建築が予想されるが、これに関しては法第三六条の規定に基づく令第八一条ただし書の規定にしたがつて、別途構造計算基準を設け、個々に審査する予定であること。
三 特殊の構造方法に関する技術的基準
令第八〇条の二各号に規定する特殊の構造方法(プレハブ建築などの特殊の構造及び軽金属造、プラスチツク造などの新構造)については、逐次、その安全上必要な技術的基準を定める予定であるが、当分の間は、個々の建築確認申請ごとに建設省に連絡するなどその取扱いに慎重を期すること。
四 高層建築物とマイクロ波通信路の障害対策について
高層建築物の建築によるマイクロ波通信路の障害がおこるおそれがある場合は、当該通信路を監理する地方電波監理局とマイクロ波通信路の障害対策について、密接な連絡が保たれるよう措置すること。