住指発第五三号
昭和四三年三月八日

建設省住宅局長から知事あて

通達


耐火建築物等における火災による死傷事故の防止について

標記については、かねがねその未然の防止を図るべく努力をわずらわせているところであるが、不特定多数の者、或は老幼弱者、病人等の使用、宿泊又は居住の用途に供される建築物、並びに高層部分又は地下部分に居室を有する建築物及び地下街については、最近の事例にかんがみ下記により消防用の施設、消防活動等の要素をも総合的に勘案して建築基準法の強力、かつ、適切な施行の確保を図られたい。更に消防担当部局との密接な連繋を保持されるよう配慮されたい。
なお、下記のうち法令の改正により明確に規制すべき部分については、目下所要の改正をするよう検討中であるので申し添える。

一 建築基準法における防火及び避難関係の規定の適用にあたつては、安全、かつ、円滑な避難の確保について第一義的に配慮し強力な施行を図るとともに、これと並行して建築物の利用者の特性による避難の実態に即した適切な行政指導に努めること。
二 最近の耐火建築物等における火災事例により煙による避難行動を阻害することがないよう避難経路となる廊下、階段等の機能の保持とその適切な配置に努めるとともに特に排煙を考慮した構造とすること。

また、建築物の各層ごとの水平区画の完備を図ること。

三 廊下、階段等の避難経路、防火区画、防火上主要な間仕切壁等の構造、室内に面する部分の仕上等については、適正な施行の確保を図るとともに極力、不燃化するようにすること。
四 使用開始後に不適法に改変されることのないよう適法な維持管理の徹底を図らしめること。

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