住指発第二五号
昭和四四年三月三日

各都道府県知事あて

建設事務次官通達


建築基準法施行令の一部改正について


今般、建築基準法施行令の一部を改正する政令が昭和四四年一月二三日政令第八号として公布され、昭和四四年五月一日から施行されることとなつた。
この政令は、建築審議会の昭和四一年一二月二三日付け「既成市街地における建築物の整備の促進、建築物の防災衛生に関する基準及び新材料の認定機関の整備に関する中間報告」のうち、建築物における火災の発生の現況その他にかんがみ、建築物の防災衛生に関する基準を具体化したものである。
これらの基準のうち今回改正できなかつた部分については、建築基準法改正後引き続き予定している政令改正の際検討する予定である。
今回の改正はさしあたり緊急を要する事項について措置したものであるので、特に防火及び避難に関しては、この政令の施行期日前においても、改正後の基準に沿つて指導することとされたい。
貴職におかれては、今回の政令改正の趣旨を諒知され、貴管下市町村、関係団体その他一般国民に対しても事前に充分周知徹底を図られ、施行にあたつて遺憾なきを期されたく、命により通達する。
なお、今回の政令改正の要旨は左記のとおりである。

一 大規模建築物等の防火区画の設置基準の整備強化

(1) 地階又は三階以上の階に居室を有する建築物については、防火上支障がない場合を除き、階段、吹抜き等とその他の部分との間に防火区画を設けなければならないものとする。
(2) 防火区画の設置基準とする床面積の算定にあたつては、自動式スプリンクラー設備等の消火設備を設けた部分の面積の全部を控除できるのを改めて、その二分の一のみ控除できるものとする。
(3) 防火区画に用いる防火戸は、防火上及び避難上支障がないよう火災時に自動的に閉鎖する等の構造を有しなければならないものとする。

二 大規模建築物等の避難階段の設置基準の整備強化

(1) 五階以上の階を有する建築物は、避難階段又は特別避難階段を設けなければならないが、これに地下二階を有する建築物を加えるものとする。
(2) 一五階以上の階を有する建築物は、特別避難階段を設けなければならないが、これに地下三階以下の階を有する建築物を加えるものとする。
(3) 階段室の屋外に面する壁に設ける開口部は、外部からの煙及び火炎の進入を防止するため、他の開口部等から九〇センチメートル以上の距離に設けなければならないものとする。
(4) 二以上の直通階段を設けなければならない建築物については、火災時に二以上の方向に避難ができるよう直通階段を配置しなければならないものとする。

三 大規模建築物等の内装制限の強化

(1) 内装制限をしなければならない建築物にホテル、病院、共同住宅等の耐火建築物を加えるものとする。
(2) 劇場、ホテル、病院、共同住宅、百貨店等の建築物及び高さ三一メートルをこえる建築物については、その廊下、階段等の内装材料に不燃材料、準不燃材料又は難燃材料を使用できるのを改めて、難燃材料は使用できないものとする。
(3) 自動車車庫又は自動車修理工場については、その内装材料に不燃材料、準不燃材料又は難燃材料を使用できるのを改めて、難燃材料は使用できないものとする。

四 地下街の防火及び避難に関する基準の整備強化

(1) 地下街の各構えの接する地下道については、その壁、柱、床等を耐火構造とし、その内装及びその下地に不燃材料を使用しなければならないものとする。
(2) 地下街の各構えの接する地下道については、地下街と接する部分に防火区画を設けなければならないものとする。
(3) 地下街の各構えは、建築物の一一階以上の部分と同様に、防火区画を設けなければならないものとする。
(4) 地下街の各構えの居室の各部分から地下道への出入口の一に至る歩行距離は、三〇メートル以下でなければならないものとする。

五 屎尿浄化槽の構造基準の整備

水洗便所の屎尿浄化槽は、衛生上支障がないよう、区域及び処理対象人員の区分に応じ、一定の性能を有する構造としなければならないものとする。

六 その他

(1) 冷暖房等の設備の風道、ダストシユート等は不燃材料で造らなければならないものとする。
(2) 関係規定を整備するものとする。

七 施行期日

この政令は、昭和四四年五月一日から施行するものとする。

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