

住指発第二九五号
昭和四五年六月二九日
通知
建築確認申請書の不適合部分の訂正処理について
建築基準法が改正され、執行体制の整備拡充とあわせて、違反建築物の取締りの強化が図られることになつた。そのために、組織を拡充する必要があることはいうまでもないが、当面限られた人員で、建築行政を適切に行なうためには、行政事務手続等の処理に関し、従来までの慣行にとらわれることなく、抜本的に合理化、簡素化を図る必要がある。
とりわけ、建築確認申請書の処理事務に関しては、建築設計者の責任分野を明確にすることによつて、その合理化を図ることが望まれる。
すなわち、従来、建築確認申請書の内容のうち、関係法令に適合しない部分がある場合には、建築主事が申請者にその旨を連絡し、訂正させたうえで確認するという慣習がみられた。
このため、一部の設計者の建築主事に対する依頼心を助長する結果を招来しているとの見方もあり、確認申請書提出前にあらかじめ、適法性を十分検討していないとみられる確認申請書も少なくない。
また、従来の建築確認事務は、その処理過程において、上述の訂正事務に日時を要するため、法定の期限内に建築確認が行なわれない結果となるのみならず、この種の事務量は、年々増大し、建築行政事務に大きな影響を及ぼすに至つている。
一方、最近の急激な技術革新によつて、新材料、新構法が次々に開発され、また、建築確認対象法令も年々複雑化していることから、建築物の設計に際し、法令上の取り扱い等に関し、事前相談がなされる例も多くなつてきているが、事前相談の段階での取扱い方針があいまいにしか示されなかつたため、それが確認申請段階で問題になり、建築確認事務をいたずらに混乱させている事例も見受けられるので、事前相談については、責任をもつて明確な指導を行なうよう十分留意されたい。
以上の趣旨及び方針に従い、今後、建築確認事務は左記要領に即して取り扱うものとするが、この切換えを円滑に行なうため、この通達の実施は少くとも二ケ月間の周知期間の経過後とする。
なお、このことについては、本職からも関係団体にその趣旨を通知したので、念のため申し添える。
1 建築確認対象法令に適合していないものについては、次項の場合を除いて、訂正は行なわず、不適合通知を出すものとする。また、不適合通知を出した建築物については、建築確認を受けないまま着工する事例が、これまでも多数みられたので、必ず現場検査を行なうものとする。
2 建築基準法第四二条に規定する道路で「みなし道路」その他特定行政庁の立会いを要するもの等で建築確認申請書提出後訂正を要する場合にあつては、その訂正のために必要な相当な期間を指定し、その期間を過ぎても訂正が行なわれないときは、原則として、不適合通知を出すものとする。
なお、この場合においても前項同様現場検査を行なうものとする。
All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport
|