住街発第四八号
昭和四六年九月一日

各特定行政庁あて

建設省住宅局長通知


総合設計に係る許可準則について


標記については、昭和四六年一月二九日付け建設省住指発第四四号「建築基準法の一部を改正する法律等の施行及び運用について」において、総合設計許可準則を追つて通達することとしていたところであるが、今般、別添のとおり決定したので通達する。本許可準則の具体的な運用にあたつては、左記の方針に従い、その積極的な活用を図るよう努められたい。
なお、本許可準則の技術的基準については、別途通達する総合設計許可準則に関する技術基準によられたい。

(1) 総合設計制度創設の意義

近年、市街地において建築物の中高層化が進行しているが、零細な敷地に小規模な中高層建築物が乱立するという現象を呈しており、長期的な都市資産の形成という立場からみると、必ずしも望ましくない場合が多い。さきに都市再開発法が制定され、市街地の計画的な再開発を図るため市街地再開発事業が推進されているが、このほか、任意の民間の建築活動を計画面で誘導することが強く要請されてきたところである。この見地から、先般建築基準法が改正され、市街地における環境の改善に資する敷地内空地を確保した大規模建築物の建設を積極的に推進するため、一定規模以上の敷地面積を有し、一定割合以上の空地を伴つた建築物の計画に対して、同法第五二条第三項第三号、第五五条第一項第三号及び第五六条第三項の規定によりそれぞれ容積率制限、絶対高さ制限及び斜線制限についての例外許可を適用することができる制度としていわゆる総合設計制度を設けることとしたものである。
なお、従来、特定街区制度により都市計画上重要な街区についてこのような民間建築活動の誘導が行なわれてきたが、総合設計制度の創設に伴い、特定街区制度の活用をさらに促進するとともに、特定街区以外における個々の建築計画について総合設計制度を活用し、誘導再開発の推進を図ることとされたい。この場合、都市中心部の市街地建築計画を作成して民間の建築活動を誘導するための指針とする等、本制度の効果的な推進に努められたい。

(2) 運用の基本方針

(イ) 従来、建築基準法上の例外許可の運用は一般に消極的に扱われてきたが、前記の総合設計制度の意義にかんがみ、総合設計に係る許可についてはつとめて積極的に運用し、民間の建築活動の誘導を通じて、市街地の環境の整備に努めれらたい。
(ロ) 総合設計制度に係る許可は、原則として本許可準則に従つて行なうこととするが、特別の建築計画について本許可準則を適用することが、必ずしも妥当でないと認められる場合においては、本許可準則の趣旨に従い、総合的な判断に基づいて本制度を運用されたい。

(3) その他

(イ) 昭和四六年度より、日本開発銀行及び住宅金融公庫に再開発融資制度が創設されたが、この融資制度の対象として総合設計制度による建築物をも含むことになつたので、その活用に努められたい。
(ロ) 総合設計制度の活用のためには、民間の開発業者、建築業者及び建築技術者が積極的にこの制度を利用することが不可欠であるので、この制度及びこれに関連する融資制度について周知させるよう取り計らわれたい。
(ハ) 総合設計に係る許可は、建築審査会の同意を必要とするが、本制度の創設に伴う建築審査会の事務の増大に備えて、必要となる予算、人員等の措置を配慮されたい。


(別添)

総合設計許可準則

第一 許可方針

総合設計制度は、適切な規模の敷地における土地の有効利用を推進し、併せて敷地内に日常一般に開放された空地(以下「公開空地」という。)を確保させるとともに、良好な市街地住宅の供給の促進等良好な建築物の誘導を図り、もつて市街地環境の整備改善に資することを目的とするものである。
建築基準法(以下「法」という。)第五九条の二第一項の許可(以下「許可」という。)は、第二の許可基準に従い、敷地周辺の都市施設の状況、土地の状況、建築群としての防災性、地域の特殊性等を勘案し、総合的判断に基づいて運用するものとする。

第二 許可基準

一 法第五二条第一項及び第二項の規定による容積率(以下「基準容積率」という。)に係る許可(容積率の割増し)は、次に掲げるところによるものとする。

(一) 建築物の敷地が、原則として幅員六メートル以上(商業地域、近隣商業地域、工業地域又は工業専用地域においては八メートル以上)の道路に接しているものであること。
(二) 容積率の割増しは、公開空地の面積の敷地面積に対する割合に応じて行うものとし、割増し後の容積率の限度は、基準容積率の一・五倍と基準容積率に一〇分の二〇を加えたもののうちいずれか小さいものとする。ただし、市街地住宅総合設計又は再開発方針等適合型総合設計(それぞれ下表の(い)欄に掲げる地域又は区域で同表(ろ)欄に掲げる建築物を対象とするものをいう。)にあつては、同表の区分に従い、同表(は)欄に掲げるものを限度とする。

 
(い)
(ろ)
(は)
 
地域又は区域
対象建築物
割増し後の容積率の限度
市街地住宅総合設計
市街地住宅の供給の促進が必要な三大都市圏等の既成市街地等における第一種住居専用地域、第二種住居専用地域、住居地域、近隣商業地域、商業地域又は準工業地域
延べ面積の四分の一以上を住宅の用に供する建築物
基準容積率の一・七五倍と基準容積率に住宅の用に供する部分の延べ面積に対する割合に応じて一〇分の二三・七五から一〇分の三〇までの範囲内の数値を加えたもののうちいずれか小さいもの
再開発方針等適合型総合設計
都市再開発法第二条の三第一項に規定する都市再開発の方針(この表において「再開発方針」という。)において定められた同項第二号に規定する地区等内で地区計画等により高度利用を図るべきとされた区域
再開発方針、地区計画等に適合する建築物
基準容積率の一・五倍と基準容積率に一〇分の二五を加えたもののうちいずれか小さいもの

なお、特別に高度利用を図る必要性があるとされた区域における再開発方針等適合型総合設計については、上表(は)欄に掲げる限度について、再開発方針等の内容に即して、特別な容積率の割増しを行うことができるものとする。

二 法第五五条第一項の規定に係る許可(絶対高さ制限の緩和)を受けることのできる建築物は、同項の規定の適用により確保される天空光と同量以上の天空光を確保しうるものであること。
三 法第五六条第一項の規定に係る許可(斜線制度の緩和)は次に掲げるところによるものとする。

(一) 道路斜線制限又は隣地斜線制限の緩和を受けることのできる建築物は、同項の規定の適用により道路又は隣地に対して確保されている天空光と同量以上の天空光を確保しうるものであること。
(二) 第一種住居専用地域及び第二種住居専用地域においては、原則として、北側斜線制度を緩和しないものとする。ただし、塔状建築物等で隣地に対する日照条件を十分考慮したものについては、この限りでないものとする。


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