建設省住指発第九九号
昭和五六年五月一日

各特定行政庁建築主務部長あて

住宅局建築指導課長通達


建築基準法施行令の一部改正(一般構造及び建築設備関係)について


標記については、昭和五五年九月一八日付け建設省住指発第二三一号をもって住宅局長から各都道府県知事あて通達したところであるが、改正後の建築基準法施行令(以下「令」という。)中一般構造及び建築設備関係規定についての細目及び運用の方針は左記のとおりであるので、今後の施行に遺憾のないよう措置されたい。

1 学校等における居室の採光(令第一九条第二項)

学校等の居室の採光について、近年、普通教室の大型化、特別教室の設置の増加等により、従来の開口面積の割合を維持することが必ずしも現実的でないこと、開口部が大きいため、地震力に対し、構造耐力上支障が生じる例が見られること、人工照明設備技術が発達したこと等に鑑み、今回の政令改正において、建設大臣が定める基準に従い照明設備の設置等の措置が講じられているものにあっては、居室の窓その他の開口部で採光に有効な部分の面積のその床面積に対する割合を、別に定める割合まで緩和することができることとした。
前記の建設大臣が定める基準及び別に定める割合は、昭和五五年一二月一日建設省告示第一八〇〇号で定めているところである。

2 屎尿浄化槽(令第三二条第一項)

屎尿浄化槽について、近年、その普及が急速に進むとともに、水質保全に対する社会的要請も高まっていることに鑑み、今回、特定行政庁が衛生上特に支障があると認めて指定する区域においては、BODの除去率が六五パーセント以上、放流水のBOD量九〇PPM以下の性能とすべき屎尿浄化槽の処理対象人員の範囲を従来の一〇〇人以下から五〇人以下とすることとしたものである。この結果、この区域においては、処理対象人員五一人から一〇〇人までの屎尿浄化槽は、従来の単独処理方式から合併処理方式とすることとなった。
なお、屎尿浄化槽の構造基準についても抜本的な見直しを行ったところであるがこれについては、昭和五五年八月五日付け建設省住指発第一九三号により通知したとおりである。

3 防火ダンパー(令第一一二条第一六項第二号)

防火ダンパーの閉鎖機構に関する基準については、従来、令第一一二条第一六項第四号の規定に基づき昭和四八年建設省告示第二五六五号において定めていたところであるが、今回、令第一一二条第一六項第二号を根拠として基準を定めるべき規定の整備を図ったものである。
なお、建築物の防火区画又は風道の形態等によっては必ずしも現行告示の閉鎖機構の基準では十分ではなく、また、閉鎖機構以外の事項についても一部見直しが必要と考えられることから、現行告示を一部改正するとともに新たに告示を制定することにより基準の整備を図ることとしている。新告示の運用については別途通知する。

4 煙突

(1) 安全上及び防災上支障のない煙突の構造(令第一一五条第一項第七号)

煙突が地震等により倒壊、折損する事故が多くみられるが、これは想定地震力以上の入力が加わっていると考えられることのほか、煙突を構成するコンクリート等が廃ガスその他の生成物の熱や組成等により、ひび割れ等を起こし、構造耐力上弱体化していることが原因と考えられる。このため、今回、令第一一五条第一項第七号において、こうした事故に対する安全性の確保を図ることとしたものである。
なお、本規定の運用の参考に資するため、別途、煙突に関する設計、施工指針を作成することとしている。

(2) ボイラーの煙突(令第一一五条第一項第八号)

ボイラーの煙突に関する現行の規定は、主として石炭燃料のボイラーを想定して定められているものであり、石油又はガスを燃料とするボイラーが大半を占める現在では必ずしも実情に沿うものではないことから、ボイラーの煙突に関する規定を全面的に改めるとともに、今後の技術開発に対応するため、別途、建設大臣が基準を定めることとしたものである。告示の具体的運用については、別途、通知する。

(3) 廃ガス等の温度が低い煙突(令第一一五条第二項)

煙突について、廃ガス等の温度が木材の着火温度以下であり、かつ、その先端の付近に可燃材料が無いこと等、防火上支障がないと認めて建設大臣が指定する場合に該当する場合には、煙突に関する防火上の規定の一部を緩和することとしたものである。
なお、建設大臣が防火上支障がないと認めて指定する場合を定める告示の運用については、別途通知する。

5 配管設備

(1) 配管設備の地震対策(令第一二九条の二第一項第八号)

最近、建築設備が高度化、多様化し、建築物の効用が建築設備に依存する傾向が強くなってきている反面、近年の地震被災例に見られるように建築設備に対する耐震上の配慮が必ずしも十分でないと考えられることから、今回、配管設備について地震対策を講ずるとともに、併せて風圧、土圧等の外力に対する安全性の確保を図ることとしたものである。本規定の対象となる設備には、管や風道本体の他、これらの管や風道によって連結された機器(ボイラー、冷凍機、送風機等)も含まれるので注意されたい。
なお、本規定の運用にあたっての参考とするため、別途、設計、施工指針を作成することとしている。

(2) ガス安全対策(令第一二九条の二第一項第九号)

近年、共同住宅において、ガスの漏洩爆発事故が続発していることに鑑み、今回、三階以上の階を共同住宅の用途に供する住戸におけるガスの配管設備についての規定を新たに設け、生ガスの漏洩による事故の対策を図ることとしたものである。
なお、具体的な技術基準は、告示で定め、その運用については、別途通知する。

6 昇降機

(1) エレベーターの地震対策(令第一二九条の四第二項第二号、同条第四項第三号令第一二九条の六第一項第六号、令第一二九条の七)

エレベーターについては、宮城県沖地震等において相当の被災例が見られることから、地震による主策の綱車等からの外れ防止、かご又はつり合おもりの脱レール防止、昇降路内の突出物により地震時にエレベーターの機能に支障が生じることの防止、及び原動機等の機器の転倒又は移動の防止に関する規定を新設することにより、エレベーターの地震時における安全性を確保しようとするものである。
これらの規定の運用にあたっては、地震力の想定あるいは講ずべき措置の内容等の目安として「エレベーター耐震設計、施工指針(昭和五六年三月二四日付け建設省住指発第六〇号により送付した「昇降機の技術基準の解説(一九八一年版)」に収録)を作成したところであるので、これを行政上の参考とされたい。

(2) エレベーター及びエスカレーターの日常使用時における安全対策(令第一二九条の六第四号、令第一二九条の九第一項第五号及び第七号、令第一二九条の一一第二項第三号及び第四号)

エレベーターにおけるかんづめ事故発生時の昇降路内への人の転落を防止するため、かごの床先と昇降路壁との水平距離に関する基準を設けるとともに、低速エレベーターにおけるかんづめ事故を防止するため、非常止め装置等の作動速度を改正したものである。
また、エスカレーターについても、はさまれ事故を防止するため、スカートガードスイッチ及びインレットスイッチの設置を義務付けることとしたものである。

7 避雷設備(令第一二九条の一五)

避雷設備については、従来、日本工業規格「避雷針(JISA 四二〇一)」により、その構造を定めているところであるが、同日本工業規格が、このほど大幅に改正され、「建築物等の避雷設備(避雷針)(JISA 四二〇一)」と改められたことに伴い、所要の改正を行ったものである。

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