建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律(昭和五八年法律第四四号)、建築士法施行令の一部を改正する政令(昭和五八年政令第二四〇号)、建築基準法施行令及び消防法施行令の一部を改正する政令(昭和五九年政令第一五号)、建築士法施行規則の一部を改正する省令(昭和五八年建設省令第二〇号)及び建築基準法施行規則の一部を改正する省令(昭和五九年建設省令第二号)によりそれぞれ改正された後の建築士法(以下「士法」という。)、建築基準法(以下「基法」という。)、建築士法施行令(以下「士令」という。)、建築基準法施行令(以下「基令」という。)、建築士法施行規則(以下「士規則」という。)及び建築基準法施行規則(以下「基規則」という。)については、昭和五九年三月三一日付け建設省住指発第一一五号をもって建設事務次官から通達されたところであるが、その細目は、左記のとおりであるので、これらの法令の執行に遺憾のないよう措置されたい。
第2 建築基準法関係
1 建築確認制度の合理化(基法第六条の二、基令第一三条の二、基規則第一条第二項及び第四項並びに第一条の二等関係)
(1) 建築確認制度を合理化するため、建築確認の特例を設けることとし、1)の((a))及び((b))並びに2)の((a))及び((b))の建築物の建築(1)の建築物にあっては、新築に限る。)について、確認対象法令の範囲を限定することとした。
1) 基法第六条第一項第一号から第三号までに掲げる建築物のうち、建築材料及び構造方法が一体として規格化された型式(一定の基準に該当するものとして建設大臣が指定したものに限られる。)の住宅
((a)) 一戸建て住宅(専用のものに限る。)
((b)) 長屋又は共同住宅(専用のものに限る。)
2) 基法第六条第一項第四号に掲げる建築物で建築士の設計に係るもの
((a)) 防火地域及び準防火地域以外の区域内における一戸建て住宅(住宅の用途以外の用途に供する部分の床面積の合計が、延べ面積の二分の一以上であるもの又は五〇平方メートルを超えるものを除く。)
((b)) ((a))の一戸建て住宅以外の建築物
(2) (1)の1)の((a))及び((b))並びに(1)の2)の((a))及び((b))の建築物の区分に応じた確認対象法令の限定の仕方については、別紙を参照されたいが、基本的考え方としては、(1)の1)の((a))及び(1)の2)の((a))の建築物については、敷地の衛生等、し尿浄化槽及び昇降機に関するいわば特殊な技術的基準以外の基法第二章の規定に係る技術的基準について、建築確認の審査を合理化することとし、(1)の1)の((b))及び(1)の2)の((b))の建築物については、特殊な技術的基準及び防火に関する技術的基準以外の基法第二章の規定に係る技術的基準について、建築確認の審査を合理化することとしたものである。基法第三九条、第四〇条及び第四一条の規定に基づく条例の取扱いについては、特定行政庁の規則の定めるところによることとしたが、特定行政庁が長である地方公共団体と当該条例を制定した地方公共団体とが異なる場合にあっては、特定行政庁が当該規則を制定するに当たり当該条例を制定した地方公共団体の意見を聴き、これを尊重することとされたい。なお、基令第八〇条の二の規定にあっては、建設大臣が定めた安全上必要な技術的基準のうちその指定する基準に係る部分に限り、建築確認を合理化することとなっているが、昭和五九年建設省告示第八三四号をもって次の三つの基準が指定されている。
1) 昭和五七年建設省告示第五六号(枠組壁工法の構造方法)
2) 昭和五八年建設省告示第一三一九号(壁式鉄筋コンクリート造の構造方法)
3) 昭和五八年建設省告示第一三二〇号第一から第一三まで(プレストレストコンクリート造の構造方法)
(3) 確認の申請書については、基規則第一条第二項及び第四項の規定において、図書及び書類を省略すること等とした。
確認通知書(基規則別記第一号様式の第一号様式副本)、適合しない旨の通知書(基規則別記第三号様式)及び検査済証(基規則別記第七号様式)の「建築基準法第六条第一項(建築基準法第六条の二第一項の規定により読み替えて適用される同法第六条第一項)」の部分については、建築確認の特例又は建築検査の特例の適用の有無に応じ、不要な部分を抹消して、通知し、又は交付するものである。
2 建築検査制度の合理化(基法第七条の二、基規則第四条の二等関係)
(1) 建築検査制度を合理化するため、建築検査の特例を設けることとし、建築確認の特例が認められる建築物の建築の工事で、建築士である工事監理者によって設計図書のとおりに実施されたことが確認されたものについて、検査対象法令の範囲を限定することとした。この確認については、工事の概況の記入を求める等その様式が拡充された工事完了届を審査し、必要に応じ、工事監理者等に対し施工の状況等に関する報告を求めることによって行うものである。
その余の検査対象法令の限定の仕方については、確認対象法令の限定の仕方と同一であるので、別紙を参照されたい。
(2) 工事完了届(基規則別記第六号様式)の「検査の特例」欄は、工事完了届の審査等によって工事が建築士である工事監理者によって設計図書のとおりに実施されたことが確認され、基法第七条の二の規定を適用し得る場合にあっては適用する旨、そうでない場合にあっては適用しない旨を記入し、「検査」欄は、基法第七条第二項の規定に基づく検査を行った結果を記入するものである。
また、昭和五九年六月三〇日までの間は、改正前の工事完了届を改正後の工事完了届とみなすこととしたが、この場合においては、基法第七条の二の規定の適用は、事実上考えられないところである。
3 建築物の適正な維持保全の確保
(1) 維持保全に関する準則又は計画の作成(基法第八条第二項関係)
建築物の機能が複雑化し、高度化して、建築物の不適切な維持保全による建築物災害が増加する等の状況にかんがみ、建築物の維持保全の体制整備を促進するため、基法第一二条第一項の定期報告を要する建築物の所有者又は管理者は、必要に応じ、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するための準則又は計画の作成その他適切な措置を講じなければならないこととするとともに、建設大臣は、当該準則又は計画の作成に関し必要な指針を定めることができることとした。
建築物の維持保全に関する準則又は計画の作成の指針は、近く告示される予定であり、告示され次第別途通知することとする。
(2) 定期報告を要する建築物の範囲の拡大(基法第一二条第一項及び第二項、基令第一六条関係)
建築物の機能及び利用形態の複雑化、建築物災害が発生した場合に想定される被害の大きさ等にかんがみ、事務所その他これに類する用途に供する建築物のうち階数が五以上で延べ面積が一、〇〇〇平方メートルを超える建築物(以下「特定事務所建築物等」という。)で、特定行政庁が指定するものについて、基法第一二条第一項の定期報告を要することとし、また、特定事務所建築物等の建築設備で、特定行政庁が指定するものについて、基法第一二条第二項の定期報告を要することとした。なお、定期報告制度の趣旨、当該建築物の実態等にかんがみ、専ら公衆電気通信設備の収納を目的とする電話局等の建築物については、指定する必要がないと考えるので、留意されたい。
これらに係る報告時期等については、基規則第五条及び第六条の規定に基づき、必要に応じ、定められたい。
4 消防同意制度の合理化(基法第九三条第一項、第二項及び第三項、基令第一四七条の三関係)
(1) 建築確認制度の合理化と併せて、消防同意制度を合理化することとし、防火地域及び準防火地域以外の区域内における一戸建て住宅であって、1)又は2)の住宅であるものについては、消防長等の同意を不要とし、建築主事は、確認申請書を受理したときに、消防長等に対して通知すれば足りることとした。この消防通知の事務については、消防長等と協議し、確認申請書、添付図書等の写しを送付する等によって処理することとされたい。
1) 基法第六条第一項第一号から第三号までに掲げる建築物に該当する専用住宅で、基法第六条の二第一項第一号に掲げる住宅であるもの
2) 基法第六条第一項第四号に掲げる建築物に該当し、住宅の用途以外の用途に供する部分の床面積の合計が延べ面積の二分の一未満で、かつ、当該床面積の合計が五〇平方メートル以内の住宅で、建築士の設計に係るもの
(2) なお、今回の建築確認制度の合理化に併せて、防火地域又は準防火地域内の基法第六条の二第一項第一号に掲げる住宅のうち一戸建て住宅等については、消防長等の同意に係る審査対象法令を限定することとした。
(3) 消防法第七条及び消防法施行令第一条においても、同趣旨の規定が設けられている。