建設省住指発第一二五号
昭和五九年四月二日

都道府県建築主務部長あて

住宅局建築指導課長通知


建築基準法第一二条の規定に基づく定期報告対象建築物等の指定について


建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律(昭和五八年法律第四四号)及び建築基準法施行令及び消防法施行令の一部を改正する政令(昭和五九年政令第一五号)により、建築基準法及び建築基準法施行令が改正され、定期報告の対象建築物に事務所その他これに類する用途に供する建築物のうち、階数が五以上で延べ面積が一、〇〇〇m2を超える建築物が加えられた。
これに伴い、昭和四六年七月一日付け建設省住指発第四三六号及び昭和五三年二月一日付け建設省住指発第三六号を廃止し、改めて定期調査・検査の規模及び時期の指定方針を次のとおり定めたので通知する。
この指定方針に基づき、早急に調査・検査の規模及び時期の見直し等を行って、定期報告制度の積極的な運用を図られたい。
なお、貴管下特定行政庁に対しても、この旨を周知されたい。
定期調査・検査の規模及び時期の指定方針
1 特殊建築物等の定期調査

用途ごとの規模及び時期は原則として、左表によるものとする。

用途
 
規模
期間
(1)
劇場、映画館又は演芸場
地階、F≧3、A≧200m2又は主階が1階にないもの
1年間隔
(2)
観覧場(屋外観覧場は除く。)公会堂又は集会場
地階、F≧3又はA≧200m2
1年間隔
(3)
病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、養老院又は児童福祉施設等
地階、F≧3又はA≧300m2
2年間隔
(4)
旅館又はホテル
地階、F≧3又はA≧300m2
1年間隔
(5)
下宿、共同住宅又は寄宿舎
地階、F≧3又はA≧300m2
3年間隔
(6)
学校又は体育館
地階、F≧3又はA≧2,000m2
2年間隔
(7)
博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場
地階、F≧3又はA≧2,000m2
3年間隔
(8)
百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、舞踏場、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店又は物品販売業を含む店舗(床面積が10m2以内のものを除く。)
地階、F≧3又はA≧500m2
1年間隔
(9)
事務所その他これに類するもの(階数が5以上で延べ面積が1,000m2を超えるものに限る。)
地階、F≧3
3年間隔

1 地階、F≧3は地階又は3階以上の階でその用途に供する部分(100m2以下のものは除く。)を有するものを、Aはその用途に供する部分の床面積の合計をそれぞれ示す。
2 (1)項から(8)項までの複数の用途に供する建築物にあっては、それぞれの用途に供する部分の床面積の合計をもってその主要な用途に供する部分の床面積の合計とするものとする。
3 地下街、高さ31mを超える建築物その他防火避難上の安全性の確保が極めて重要なものについては、上表にかかわらず、「期間」を0.5年間隔までとするよう配慮するものとする。

また、精神病院その他の用途上特殊なものについて同様とする。

 
 
 
2 昇降機の定期検査

原則として、エレベーター、エスカレーター、電動ダムウエーター及び遊戯施設のすべてを指定するものとし、「期間」は一年間隔とする。
なお、用途、規模又は構造上安全の確保が極めて重要なもの、その他必要がある場合には、「期間」を〇・五年間隔まで短縮するものとする。

3 特殊建築物等のその他の建築設備の定期検査

原則として、特殊建築物等の定期調査の対象として指定のある特殊建築物等の換気設備、排煙設備及び非常用の照明装置のすべてを指定するものとし、「期間」は一年間隔とする。
なお、用途、規模又は構造上安全の確保が極めて重要なもの、その他必要がある場合には、「期間」を〇・五年間隔まで短縮するものとする。
また、執行体制の整備を行い、前記建築物の給排水設備その他の建築設備についても、順次、検査の対象として指定するものとする。


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