標記については、昭和五九年四月二日付け建設省住指発第一二五号「建築基準法第一二条の規定に基づく定期報告対象建築物等の指定について」により建築指導課長から通知したところであるが、この通達による定期報告対象建築物の指定の拡大に当たっては、左記の事項に留意され、円滑な実施に努められたい。
1 建築基準法第一二条の改正の趣旨
定期報告対象建築物に事務所その他これに類する用途に供する建築物のうち、階数が五以上で延べ面積が一、〇〇〇m2を超えるものを加えたのは、これらの建築物については、多数の者が利用する等により発災の際に特殊建築物と同様の被害が予想されること、防火関係の規定が特殊建築物とほぼ同様に適用されていること等によるものである。
なお、事務所その他これに類する用途とは、居室の利用の形態が、専ら執務の用に供される事務所に類似する用途を示すものであり、事務所に類する用途には金融業、不動産業等の店舗のほか、利用の形態により教育施設等も含まれるものである。
2 定期調査・検査の規模及び時期の指定方針の改正
(1) 地下街の項の削除及び事務所その他これに類する用途の追加
ア 地下街の項の削除
複合用途及び地階の取扱いを定めたことにより、従来定めていた地下街はすべて今回の指定方針の表の(一)項から(八)項までに含まれることとなるため、地下街の項を削除した。
なお、地下街については一の建築物として取扱うこととされたい。
イ 事務所その他これに類する用途の追加
新たに(九)項として事務所その他これに類する用途の建築物を定期報告の対象に加えた。
なお、同項は建築基準法施行令第一六条の指定に基づくもののほか、特殊建築物のうち指定方針の表の(一)項から(八)項までに該当しない場合であって、事務所その他これに類する用途に供する建築物で階数が五以上で延べ面積が一、〇〇〇m2を超えるものと複合したものを含むものである。
(2) 地階の取扱い
対象用途に供する部分が地階にある場合について、新たに対象に含めることとした。
なお、指定方針の表の規模欄の「地階、F≧3」についての注一、かっこ書は、地階の床面積の合計と三階以上の階の床面積の合計を別途算定し、いずれもが一〇〇m2以下の場合には対象から除かれるものであること。
(3) 複合用途の取扱い
複合用途の場合は、それぞれの用に供する部分の床面積の合計を主要な用途の床面積の合計であるとすること。
この場合の主要な用途については、床面積の大きさのみでなく、建築物全体としての安全の確保に留意して判断すること。