建設省住街発第六号
昭和六〇年二月八日

特定行政庁建築主務部長あて

住宅局市街地建築課長通達


敷地共同利用に係る建築基準法第八六条第一項の認定準則に関する技術基準について


標記については、昭和六〇年二月八日付け建設省住街発第五号建設省住宅局長通達「敷地共同利用の促進のための建築基準法第八六条第一項の規定の運用について」において、認定準則に関する技術基準を別途通達することとしていたところであるが、今般、別添のとおり定めたので通達する。



別添

敷地共同利用に係る建築基準法第八六条第一項の認定準則に関する技術基準

第1 敷地及び道路

1 一団地の区域の接する前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員が最大のもの。以下「有効前面道路」という。)は、当該区域の一敷地とみなして、その幅員のメートルの数値に、次の各号の区分に従い、当該各号に掲げる数値を乗じたものが、指定容積率の数値以上となるか又は幅員が一二メートル以上でなければならない。ただし、当該一団地の区域を含む地区の道路密度等を勘案し、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認められるものについてはこの限りでない。

(1) 第一種住居専用地域、第二種住居専用地域若しくは住居地域又は建築基準法(以下「法」という。)第五二条第一項の規定に基づき特定行政庁が都市計画地方審議会の議を経て指定する区域内 一〇分の四
(2) 前号に掲げる地域又は区域以外の地域又は区 一〇分の六域

2 一団地の区域が有効前面道路に接する長さは、一団地内の各建築物の敷地につき法第八六条第一項の規定を適用しないとした場合において法第四三条の規定により必要とされる接道長を全敷地分につき合計した値以上であること。
3 一団地の区域の面積が、五〇〇平方メートル以上(第一種住居専用地域においては一、〇〇〇平方メートル以上)であること。
4 一団地内の各敷地(有効前面道路に接する敷地を除く。)の全周の八分の一以上が、一団地内の他の敷地に接していること等により、一団地の形状が不整形でないこと。

第2 構造

各建築物の主要構造部は、耐火構造であること。

第3 通路

一団地内に限定容積敷地(一団地内の各敷地のうち、法第八六条第一項の規定を適用しないとした場合において、基準容積率が指定容積率に満たないこととなる敷地をいう。以下同じ。)を貫通し、有効前面道路に至る次の各号の要件に適合する通路が設けてあること。ただし、限定容積敷地における建築物の規模、用途等及び一団地内の空地の配置、形状等を総合的に勘案して安全上支障がないと認められるときは、この限りでない。
(1) 通路の幅員は、当該幅員のメートルの数値に、第1の1の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる数値を乗じたものが当該限定容積敷地において建築されることとなる建築物の容積率の数値以上、かつ、指定容積率の数値以上であること、又は一二メートル以上であること。ただし、当該通路が既存の道路に沿って一体的に設けられる場合は、当該既存道路の幅員と通路の幅員の和が、前記の要件を満たすこと。
(2) 歩行者が日常自由に通行又は利用できるものであること。

第4 空地

1 一団地の区域内に、次の表の区分に従い、必要とされる空地面積以上の空地が設けてあること。ただし、敷地内に歩行者が日常自由に通行又は利用できる空地を設ける等の配慮がなされていることにより安全上、防火上及び衛生上支障がないと認められるときにはこの限りでない。

 
法第五三条の規定による建ぺい率の最高限度
空地の面積の敷地面積に対する割合
(1)
一〇分の五以下の場合
一から法第五三条の規定による建ぺい率の最高限度を減じた数値に一〇分の一・五を加えた数値
(2)
一〇分の五を超え、一〇分の五・五以下の場合
一〇分の六・五
(3)
一〇分の五・五を超える場合
一から法第五三条の規定による建ぺい率の最高限度を減じた数値に一〇分の二を加えた数値
(4)
定められていない場合
一〇分の二

2 建築物の敷地について当該建築物の容積率が指定容積率を超えることとなる場合は、原則として当該建築物の容積率に応じてその周囲に適切な空地が設けてあること。

第5 容積率の移動

一団地内の各敷地における建築物の延べ面積の値と法第八六条第一項の規定を適用しないとした場合における当該敷地の基準容積率に基づく延べ面積の限度の値とのうち大きい方の値を一団地内の全敷地につき合計した値は、各敷地における指定容積率に基づく延べ面積の限度の値を一団地内の全敷地につき合計した値を超えないこと。

第6 斜線制限等の緩和

1 法第八六条第一項の規定の適用により、一団地内の各敷地相互間における隣地斜線制限(法第五六条第一項第二号)を適用しない場合は、当該建築物が原則として「総合設計許可準則に関する技術基準の改正について」(昭和五八年二月七日付け建設省住街発第一四号建設省住宅局市街地建築課長通達)の別添第3の(イ)の要件を満たしていること。
2 法第八六条第一項の規定の適用により、一団地内の各敷地相互間における北側斜線制限(法第五六条第一項第三号)又は日影規制(法第五六条の二)を適用しない場合は、当該建築物の日影で法第五六条の二の規定に適合しないこととなる部分を含む各敷地内の住宅について適切な日照が確保されていること。

第7 標示

第3の通路内の適当な位置に、当該通路及び第四の空地の位置を明らかにした平面図を付して、一団地内の各建築物が法第八六条第一項の規定による認定を受けたものである旨を標示すること。


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