建設省住防発第五号
昭和六一年二月一七日

建設省住宅局長都道府県知事あて



旅館、ホテル等の防災対策の推進について


去る二月一一日静岡県熱川温泉のホテル大東館において発生した木造旅館の火災により多数の死傷者を出したことは、誠に遺憾である。
現在、この事故については、関係当局により事故原因の究明が行われているところであるが、かかる事故の発生を防止するため、左記に留意の上、一層の指導の徹底を図られたい。
また、貴管下の特定行政庁にもこの旨指導方お願いする。

一 木造の旅館、ホテル等に対する防災査察の重点実施

来たる三月七日から一三日まで実施される昭和六〇年度下期建築物防災週間の実施については、既に通知したところであるが、同実施要領に基づく防災査察については今回の事故に鑑み、特に木造の旅館、ホテル等について重点的に行い、当該旅館、ホテル等の所有者、管理者等に対して、安全性確保のための方策についての指導を徹底すること。

二 総合的な防災対策に基づく重点指導の推進

既存建築物総合防災対策推進計画の基本方針の作成については、既に指示したところであるが、今回の事故に鑑み、旅館、ホテル等に関する防災対策推進のための実施計画を早急に作成するものとし、当該実施計画に基づいて個々の対象建築物に対する指導を徹底すること。
なお、当該実施計画の作成に当たっては、避難経路の適切な管理、改修の計画等防災対策に特に配慮した維持保全の計画の作成指導を重点的に考慮すること。

三 定期報告制度の徹底

防災対策及び維持保全の実効性を確保するためには、定期調査・定期報告の徹底が極めて重要であるので、体制の整備、関係者及び関係団体の指導等について所要の措置を早急に講じ、報告制度の運用の徹底を図ること。

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