特定行政庁あて
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(別添1) 宅地の供給に関する行政監察結果に基づく勧告(抜粋) (昭和六二年九月、総務庁)
(2) 特定街区制度及び総合設計制度による規制緩和の推進
我が国の都市における既成市街地は、人口、産業が急激に集中した結果として、オープンスペースの不足、建築物の密集、土地の利用効率の低さ等多くの問題を抱えており、市街地環境の整備改善と土地の高度利用を推進するため、計画的な都市再開発の重要性が高まっている。
特定街区制度及び総合設計制度は、このような市街地における建築活動に対して、公共的な空間の確保等良好な市街地環境の形成に資する優良プロジェクトについては、建築基準法の一般的形態規制を緩和し、特例的な規制を適用することによってその推進を図ろうとするものであり、特定街区の指定及び総合設計の許可に当たっては、建設省が示した制度運用の準則(特定街区制度については「特定街区計画標準」等、総合設計制度については「総合設計許可準則」等)に基づき、地方公共団体において総合的判断に基づく弾力的運用を行うこととされている。
特定街区の指定実績をみると、昭和三六年の制度創設以来、昭和六〇年度までに七二件の指定が行われており、昭和四六年に総合設計制度が創設されて以降一時減少傾向をみせたが、街区単位の都市基盤整備を必要とする東京都(区部)を中心に多く利用され、近年指定要件等の緩和により件数も増加の傾向にある。
また、総合設計制度は、都市計画決定を必要とする特定街区と比較して特定行政庁の許可であることによる手続面での簡易さ、比較的小規模の敷地でも対象とされること等により、制度創設以来、比較的多く利用されており、政令指定都市等の大都市を中心に昭和六〇年度までに五七一件が許可されている。
今回、東京都、仙台市及び横浜市等の七政令指定都市における特定街区制度及び総合設計制度の運用状況を調査した結果、特定街区制度については、最も指定実績の多い東京都において独自の基準を定めているほかは特に定めておらず、国の計画標準に準拠して運用されており、また、総合設計制度については、許可実績の多い東京都、大阪市等五特定行政庁において運用基準を定めているほかは国の許可準則によって運用されている。
しかし、これらの制度による容積率の緩和についてみると、総合設計制度において国の許可準則に示された以上の緩和を行っているもの(横浜市、名古屋市及び大阪市)等がみられる反面、これらの制度の活用実績が比較的に多い東京都においては、両制度とも、公開空地による割増しのほか公益施設等他の要件による緩和を認めているものの、地域の状況等から、特に都心三区の業務ビルについては公園空地による割増しが低く抑えられた運用となっている。
一方、特定街区制度及び総合設計制度については、昭和六〇年九月の閣議決定「当面の行政改革の具体化方策」、昭和六〇年一〇月及び六一年四月の経済対策閣僚会議決定「内需拡大に関する対策」及び「総合経済対策」等において、良好な市街地環境の形成に資する優良プロジェクトについては、個別的な容積率の割増しを行うこととされ、さらに昭和六一年九月の総合経済対策においても、規制緩和によって民間活力の活用による都市の再開発をより一層推進するため、特定街区制度、総合設計制度等について大幅な容積率の割増しを可能とすること等の運用改善を行うこととされている。
また、最近においては、東京都心部等における旺盛な業務ビル需要とその不足を反映した地価の高騰がみられるところであり、土地の高度利用を図り、都市の再開発を推進していくことが、重要な政策課題となっている。
このため建設省では、特定街区制度及び総合設計制度についての基準を見直し、高度利用に関する位置付けがなされているなど一定の要件に適合する場合、容積率の割増しを引き上げるとともに、良好な公開空地に対して積極的評価を行うなど所要の改正を行い、昭和六一年一二月二七日付けで都道府県及び特定行政庁に通達したところであり、この運用改善の趣旨を踏まえた地方公共団体の運用の見直しが求められているところである。
したがって、建設省は、特定街区制度及び総合設計制度による市街地環境の整備改善、土地の高度利用の推進を図るため、例えば都市再開発に関連する個々の優良プロジェクトについては、昭和六一年一二月二七日付けの通達による運用改善の趣旨に照らして適切な運用を行うなど、これらの制度の積極的活用に努めるよう地方公共団体を指導する必要がある。
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(別添2) 当面の地価等土地対策に関する答申(抜粋) (昭和六二年一〇月一二日、臨時行政改革推進審議会)
1〜4(略)
5 都市再開発、住宅・宅地開発の促進等
土地取引の適正化に併せて、都市再開発や住宅・宅地開発等による供給対策を積極的に進める必要がある。このため、関係各省庁は、相互の調整・協力を一層進め地方公共団体と一体となって集中的な施策推進を行う。
(1)〜(2)(略)
(3) 都市再開発の促進
都市再開発を促進することとし、以下の措置をとる。
1)〜2)(略)
3) 用途地域、容積率及び最高限高度地区の指定の見直しと特定街区、総合設計制度の積極的活用、運用の改善
(以下略)
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(別添3) 緊急土地対策要綱(抜粋) (昭和六二年一〇月一六日、閣議決定)
1〜4(略)
5 都市再開発、住宅・宅地開発の促進等
(1)〜(2)(略)
(3) 都市再開発、宅地開発及び住宅建設の促進並びに工場跡地等の活用及び市街化区域内農地の宅地化の促進等
都市再開発、宅地開発及び住宅建設の促進並びに工場跡地等の活用及び市街化区域内農地の宅地化の促進等のため、答申の指摘する事項について地方公共団体に対する指導等所要の措置を講ずる。
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