建設省住指発第二二八号
昭和六三年六月二七日

特定行政庁建築主務部長あて

建設省住宅局建築指導課長通知


燃焼機器等に直結する排気筒に対する安全対策について


本年四月に、鹿児島県鹿児島市及び神奈川県相模原市の共同住宅において、ガス機器の不完全燃焼に起因する一酸化炭素中毒により四人の死者を出したことは誠に遺憾である。
本来、燃焼機器等に直結する排気筒は煙突であり(昭和五六年六月一五日付け建設省住指発第一六七号参照)、当該排気筒内に防火ダンパー等燃焼機器等の正常な燃焼及び排気を妨げるおそれのあるものを設けてはならないことはいうまでもない。
現在、これらの事故については関係当局により事故原因の究明が行われているところであるが、事故の再発を防止するため、当面左記の対策を講じられたい。

一 既存の建築物において、燃焼機器等に直結する排気筒に防火ダンパー等が設置されている場合については、早急に当該ダンパー等を取り外し、延焼のおそれのある部分の外壁を当該排気筒が貫通している場合にあつては、防火おおいを設けるよう設計者、工事監理者、施工者等に関係団体を通じ指導すること。

なお、当該部分の開口面積が一〇〇平方センチメートルを超える場合の改善方法については、改めて通知する予定である。

二 今後の指導については、設計者、工事監理者及び施工者に別紙を配布すること等により燃焼機器等に直結する排気筒に対する安全対策の周知徹底を図ること。


別紙

燃焼機器の設置に関する手引き

一 密閉式及び半密閉式の燃焼機器の排気筒(以下「排気筒」という。)については、適正な部材((財)日本ガス機器検査協会の検査品等)を使用し、適正な施工を確保すること。なお、機器により排気筒の口径、許容最大長さ等が規定されているので、設置に際しては十分に注意すること。
二 排気筒は煙突であるので、そもそも排気筒内に防火ダンパー等燃焼機器等の正常な燃焼及び排気を妨げるようなものを設けないこと。
三 延焼のおそれのある部分の外壁を排気筒が貫通し、建築基準法の規定により防火戸その他の防火設備を要求される場合には、開口面積を一〇〇平方センチメートル以内とし、鉄板、モルタル板等で造られた防火おおいを設けること。

なお、燃焼機器の能力により排気筒の開口面積が一〇〇平方センチメートルを超えることがやむを得ない場合にあつては、延焼のおそれのある部分の外壁を貫通しないよう計画することが望ましい。


All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport