

建設省住指発第五号
平成元年一月一九日
建設省住宅局建築指導課長通知
海洋建築物の取扱いについて
近年、余暇開発の進展等に伴い、船舶を利用したホテル、海中に設ける展望塔等の大規模な海洋建築物(淡水区域の建築物及び準用工作物を含む。以下本通達において同じ。)が増加しつつある。
従来より、建築基準法第二条にいう「土地に定着する」状態とは、単に陸上で土地に強固に結合された状態のみならず、水面、海底等に定常的に桟橋や鎖等で定着された状態も含むものであるとの判断が確立しており、このような状態にある工作物に対しても、その使用実態に即して建築基準法が適用され、建築確認等の必要な手続が行われてきたところである(別表参照)。
最近特に大規模化する傾向のあるこれらの海洋建築物は、その用途もホテル、レストラン、集会場、水族館等と多岐にわたつており、万一火災等が発生した場合の人的、物的被害の大きさ等を考えると、その構造上、防火上の安全性及び衛生の確保は、極めて重要な課題である。
海洋建築物については、既に昭和四四年九月一六日付け建設省住指発第三七一号「水面又は水中に設ける施設に関する安全性の確保について」により、その取扱方法を示しているところであるが、貴職におかれては現下の状況にかんがみ、今後とも建築基準法の適正かつ確実な執行に努められたく、念のため通達する。
なお、建設省においては、急増する海洋建築物に係る建築基準法上の手続きを円滑化するため、(財)日本建築センターに依頼し、安全性評価のための基準を策定しているところであるので申し添える。
また、海洋建築物の取扱いについては、消防部局とも十分に連絡を図られたい。
<別表> 昭和六〇年度以降建築基準法第三八条の認定を受けた海洋建築物
件名
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ふじ
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オリアナ号
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白浜水中展望塔
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串本海中公園センター外洋水槽
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所在地
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愛知県名古屋市
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大分県別府市
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和歌山県白浜町
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和歌山県串本町
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確認年月日
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昭和六〇年六月六日
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昭和六二年五月一三日
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昭和六二年八月一九日
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昭和六三年三月一四日
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用途・特徴
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元南極観測船(五、二五〇t)。博物館として利用。
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元客船(四一、九〇二t)。映画館、レストラン等として利用。
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海底に設置した観光用展望塔。
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大型水槽の飼育魚を観賞するための水底歩廊。
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延べ面積
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公開・限定使用部分
一、四一〇m2
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使用する部分
三〇、一五七m2
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海上及び海中の展望室部分
一〇八m2
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外洋水槽棟部分
五五六m2
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