建設省住指発第一二〇号
平成四年四月七日

都道府県建築主務部長あて

建設省住宅局建築指導課長通知


枠組壁工法の技術的基準の運用について


標記については、昭和五七年二月五日付け建設省住指発第一九号、昭和六一年四月二四日付け建設省住指発第一一〇号及び昭和六三年四月一日付け建設省住指発第一一二号をもって貴職あて通知したところであるが、今般、昭和五七年一月一八日付け建設省告示第五六号(以下「告示」という。)の一部が、別添のとおり平成四年三月一〇日付け建設省告示第五九〇号(以下「改正告示」という。)により改正された。改正告示は、平成四年三月一〇日から施行されているが、その運用に当たっては、左記の事項を参考とし、遺憾のないよう取り扱われたい。
なお、貴管下特定行政庁に対しても、この旨、周知方お願いする。

1 改正の趣旨

(1) 既に告示第一第四号の規定に基づき建設大臣の認定が行われている材料(細め鉄丸くぎ、枠組璧工法構造用たて継ぎ材及び機械による曲げ応力等級区分を行う枠組璧工法構造用製材)について、改めて告示に位置付けた。
(2) 構造用単板積層材及び枠組璧工法構造用製材の日本農林規格において新たな寸法型式が追加されたことに伴い、これを告示に位置付けた。
(3) 一定の構造計算を行った場合における構造に関する規定の一部の適用の除外及び告示の適用範囲の拡大により枠組璧工法による設計の自由度を拡大した。

2 主な改正点

(1) 告示の適用範囲について

本告示前文に示す技術的基準を適用できる建築物の対象を「枠組璧工法を用いた建築物」から「枠組璧工法を用いた建築物又は建築物の構造部分」に改め、枠組璧工法とその他の構造方法とを併用した建築物の建築を可能とした。

(2) 枠組璧工法構造用たて継ぎ材、機械による曲げ応力等級区分を行う枠組璧工法構造用製材及び構造用単板積層材の使用に関する規定の整備について

告示第一第一号の表において、枠組璧工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格(平成三年農林水産省告示第七〇一号。以下「枠組璧工法構造用たて継ぎ材規格」という。)に規定する枠組璧工法構造用たて継ぎ材、機械による曲げ応力等級区分を行う枠組璧工法構造用製材の日本農林規格(平成三年農林水産省告示第七〇二号。以下「MSR製材規格」という。)に規定する機械による曲げ応力等級区分を行う枠組璧工法構造用製材(以下「MSR製材」という。)並びに構造用単板積層材の日本農林規格(昭和六三年農林水産省告示第一四四三号。以下「構造用単板積層材規格」という。)に規定する構造用単板積層材の特級、一級及び二級を新たに加え、それぞれ各構造部材への使用を可能とした。

(3) 枠組璧工法構造用製材の日本農林規格において新たに追加された寸法型式の枠組璧工法構造用製材の使用に関する規定の整備について

1) 枠組璧工法構造用製材の日本農林規格(昭和四九年農林省告示第六〇〇号。以下「枠組璧工法構造用製材規格」という。)において新たな寸法型式が追加されたことに伴い、同規格に規定する枠組璧工法構造用製材について、告示第一第一号の表を改正し、筋かいへの使用を可能とした。
2) 枠組璧工法構造用製材規格において新たな寸法型式が追加されたことに伴い、告示第二第三号及び第四号を改正し、土台に使用可能な寸法型式として枠組璧工法構造用製材規格に規定する寸法型式四〇六及び四〇八を追加するとともに、告示第四第三号を改正し、耐力壁の下枠、たて枠及び上枠に使用可能な寸法型式として枠組璧工法構造用製材規格に規定する寸法型式四〇六及び四〇八を追加した。併せて告示第四第七号を改正し、これらをたて枠に用いた場合のたて枠相互の間隔について規定を追加した。

(4) 細め鉄丸くぎ(BNくぎ)の使用に関する規定の整備について

日本工業規格A五五五五(細め鉄丸くぎ)―一九八九については、当該規格を告示第一第三号に位置付け、使用を可能とするとともに、告示第三第七号、第四第一四号及び第六第九号の表において当該くぎを用いて緊結する方法を定めた。

(5) 構造計算を行った場合における構造に関する規定の適用の合理化について

新たに告示第八(適用除外)の規定を設け、許容応力度計算等一定の構造計算を行った場合においては、構造に関する規定の一部を適用しないこととした。

(6) 耐力壁線によって囲まれる床面積の制限の合理化について

告示第四第五号を改正し、床の枠組と床材を緊結する部分を構造耐力上有効に補強した場合には耐力壁線によって囲まれる部分の面積を六〇m2以下とすることを可能とした。

(7) その他必要な改正を行った。

3 運用方針

(1) 昭和五七年二月五日付け建設省住指発第一九号及び第二〇号、昭和六一年四月二四日付け建設省住指発第一一〇号並びに昭和六三年四月一日付け建設省住指発第一一二号(以下それぞれ「通達一九号」、「通達二〇号」、「通達一一〇号」及び「通達一一二号」という。)の取扱いについて

改正告示により改められた部分以外の部分に対応する上記通達の取扱いについては従来どおりであるので、今後とも通達一九号、通達二〇号、通達一一〇号及び通達一一二号を参考とされたい。この場合において、通達一九号、通達二〇号、通達一一〇号及び通達一一二号中改正告示による改正前の告示の規定を引用している部分については、それぞれ当該規定に対応する改正後の告示の規定に読み替えて運用されたい。

(2) 告示第四第五号の改正部分の運用に当たっては従来どおり住宅金融公庫の「枠組璧工法住宅工事共通仕様書」の定めを参考として差し支えない。
(3) 告示第八の規定によって適用を除外することが認められる規定には、告示第一の規定は含まれないので、告示第八の規定を適用するに当たっては、告示第一の規定に適合する材料を用いた場合に限られるものであり、告示第一に規定されていない材料については告示第一第四号に基づく建設大臣の認定が必要となるので留意されたい。
(4) 現在、(社)日本ツーバイフォー建築協会により発行されている「二×四住宅設計の手引一九八八年版」による構造計算は各部の仕様が告示第三第七号、第四第一四号及び第六第九号の規定に適合していることを前提として構造計算の方法を示したものであるので、告示第八第一号及び第二号の規定により告示の規定を除外するために必要な構造計算に適合するものではないことに留意されたい。新たに設けられた告示第八の規定の運用については、(社)日本ツーバイフォー建築協会において同手引が改訂される予定であるので、これを参考とされたい。
(5) 構造計算を行う場合において用いる木材の許容応力度については、通達一一二号をもつて通知しているところであるが、改正告示により新たに告示に位置付けられた木材の許容応力度については、別紙の表を参考とされたい。
(6) 本措置に伴い、平成二年六月二六日付け建設省住指発第三一七号並びに平成三年一二月二四日付け建設省住指発第五六五号及び第五六六号は廃止する。


別紙
<別添資料>


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