住指発第一四二号
平成六年四月一五日

建設省住宅局建築指導課長から都道府県建築主務部長あて

通知


建築基準法第三八条の規定に基づき、同法第二一条第二項及び第二七条第二項第一号の規定によるものと同等以上の効力があると認める件について

標記については、別添のとおり平成六年三月二九日建設省告示第一〇五九号として制定され、同日施行されることとなった。
本告示は、建築基準法第三八条の規定に基づき、一定の構造の防火壁により区画された建築物で、延焼防止上有効であるための一定の基準に適合し、かつ、区画された建築物の部分をそれぞれ別の建築物とみなした場合にそれぞれが同法第二一条第二項及び第二七条第二項第一号の規定に適合するものについては、同法第二一条第二項及び第二七条第二項第一号の規定にかかわらず、これらの規定によるものと同等以上の効力があると認めるものである。
本告示の運用方針は左記のとおりであるので、関係市町村に対してもこの趣旨を十分に周知徹底されるとともに、今後の施行に遺漏のないよう措置されたい。

第1 二時間耐火の間仕切壁として建設大臣指定されている構造は、鉄筋コンクリート造、鉄材によって補強されたコンクリートブロック造その他の構造で通常の火災時の加熱に二時間以上耐える性能を有するものとして取扱うこととする。

なお、自立する構造としては、防火壁自体が構造耐力上自立しているか、又は防火壁を支持する柱、はり等が通常の火災時の加熱に二時間以上耐える性能を有していることが必要である。

第2 建築基準法施行令(以下「令」という。)第一一三条第三号の規定と同様の趣旨であるが、外壁面及び屋根面からの突出が九〇cm以上必要であること及び防火構造の壁等による突出寸法の緩和がないことに注意されたい(図1)。
第3 防火壁に開口部を設けることは、延焼防止上の観点から極力制限すべきであることから、通常、可燃物が少ない廊下その他これに類する部分(階段室、屋外通路、玄関ロビー等)に限定して認めることとしたものである。

また、防火壁から一・八mの範囲を区画することとしたのは、廊下等の部分が室部分と明確に分離されていることを担保するためである(図2)。

第4 防火壁に設ける開口部の構造を規定したものであるが、通常の火災時の加熱に一時間三〇分以上耐えることができる甲種防火戸については、通常の甲種防火戸と同様に当職において認定を行うとともに、貴職あて通知することとする。

なお、「骨組を鉄製とし、両面にそれぞれ厚さが一・〇mm以上の鉄板を張ったもの」及び「鉄製で鉄板の厚さが一・八mm以上のもの」については、別途の認定を取得する必要はないものであり、令第一一〇条第一項第一号及び第二号の規定と同様に運用されたい。

第5 第1から第4までの規定に適合する防火壁により区画されている場合においても、区画された建築物の部分の位置関係によっては、外壁からの屋外を通じた延焼経路が想定されることから、これを補うための規定である(図3)。
第6 第5と同様の趣旨に基づき、第1から第4までの規定に適合する防火壁により区画されている場合においても、区画された建築物の部分の高さが異なる場合にあっては、屋根からの屋外を通じた延焼経路が想定されることから、これを補うための規定である(図4)。
第7〜第9 防火壁を給水管、配電管その他の管又は換気、暖房若しくは冷房の設備の風道が貫通する場合における措置については、令第一一二条第一五項及び第一六項並びに令第一二九条の二の二第一項第七号に準ずるものとする。


<別添資料>


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