本告示は、建築基準法第二六条第三号の規定に基づき、畜舎、堆肥舎並びに水産物の増殖場及び養殖場の上家の用途に供する建築物(以下「畜舎等」という。)で、その周辺地域が農業上の利用に供され、又はこれと同様の状況にあって、その構造及び用途並びに周囲の状況に関し避難上及び延焼防止上支障がないものとして建設大臣が定める基準を定めたものである。
第1 構造
1 火災時に一の経路が通行不能となった場合であっても、他の経路によって避難できるよう措置すること。すなわち、畜舎等の内部で作業する者が容易に屋外へ避難することができる規模、構造を有する開口部を二以上設けることにより、畜舎等の各部分から二方向以上の避難経路を確保すること。
2 間仕切壁を設ける場合には、火災発生が容易に覚知できるように、畜舎等の各部分から当該畜舎等の内部の見通しを確保できるよう措置すること。例えば、通常の視点の高さ(一m〜二m程度)において、畜舎等の各部分から当該畜舎等の内部を見渡すことができること。
第2 用途
1 火災初期における避難安全性を確保するため、不特定又は多数の者が継続的に使用する用途に供されるものでないこととし、その用途の具体例としては、売場(サービスの販売のための部分を含む。)、集会室、展示室、会議室等がある。
2 避難安全性の観点から、火災の発生の覚知が遅れるおそれのある就寝の用に供する用途に供されるものでないこととし、その用途の具体例としては、寝室、宿直室、宿泊室等がある。
3 火災発生の危険性が高まることとなるため、かまど、炉、ボイラー、内燃機関その他火を使用する設備又は器具を設けて利用する用途に供されるものでないこととし、その用途の具体例としては、調理室、浴室、乾燥室、ボイラー室等がある。
第3 周囲の状況
(1) 不燃性を有する建築材料とは、法第二条第九号に規定されているコンクリート、れんが、瓦、石綿スレート、鉄鋼、アルミニューム、ガラス、モルタル、しっくいその他これらに類するものであり、必ずしも令第一〇八条の二の規定に基づく指定を受けたものである必要はない。
(2) 畜舎等に附属する建築物又は工作物とは、用途上畜舎等と一体となって利用される飼料サイロ、作業場等とする。
なお、建築基準法の一部を改正する法律(平成六年六月二九日法律第六二号)による建築基準法(昭和二五年法律第二〇一号)の改正に伴い、昭和六二年一二月三日付け住指発第三九六号住街発第一一〇号の第二第二号は廃止する。また、法第二六条第三号に規定する「これと同様の状況」としては、原野、川、沼その他これらに類する状況が該当するものとする。