運輸省地総第一四三号・貨政第一〇五号
平成元年三月二九日

各地方運輸局長・沖縄総合事務局長あて

地域交通局長・貨物流通局長通達


自動車運転者の労働条件改善のための相互通報制度について

自動車運送事業における事故の防止及び輸送サービスの向上を図るためには自動車運転者の労働条件の改善を図る必要があることにかんがみ、自動車運送事業における自動車運転者の労働条件については、これまで昭和五五年九月二七日付け自総第五二五号により指導を推進してきたところであるが、この効果を一層大ならしめるため、今般、新たに「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年二月九日労働省告示第七号)並びに「一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間の特例について」(平成元年三月一日付け基発第九二号、労働省局長通達)及び「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」(平成元年三月一日付け基発第九三号、労働省局長通達)の施行を契機として労働省労働基準局長との間で別紙1のとおり「自動車運転者の労働条件改善のための相互通報について」の覚書を交換したところである。
この覚書に基づく相互通報制度の実施に当たっては、労働基準監督機関との連絡を図り、左記事項に留意のうえ、本制度の実効を期することとされたい。なお、本件については、労働省と打合せ済であるので申し添える。
また、「自動車運転者の労働条件改善のための相互通報制度について」(昭和五五年九月二七日付け自総第五二五号)は平成元年三月三一日限りで廃止する。

1 実施時期

本制度は平成元年四月一日から実施すること。

2 通報の方法

地方運輸局長(沖縄総合事務局長を含む。以下同じ。)は、別紙二の様式により、当該事案を管轄する陸運支局長(沖縄総合事務局陸運事務所長を含む。以下同じ。)を経由して、関係都道府県労働基準局長あて通報すること。
なお、労働基準監督機関からは、関係都道府県労働基準局長より当該事案を管轄する陸運支局長を経由して、地方運輸局長あて通報がある。

3 通報すべき事案

労働基準法(昭和二二年法律第四九号)、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年二月九日労働省告示第七号)及び平成元年三月一日付け基発第九三号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」記の第三の「労働時間等の取扱い及び賃金制度等に関する基準」について重大な違反の疑いがあると認められるもの。

4 通報事案の処理

(1) 都道府県労働基準局長から通報された事案については、必要に応じ監査を実施し、処分を行った場合には、その結果を別紙三の様式により回報すること。
(2) 地方運輸局長から関係都道府県労働基準局長へ通報した事案のうち、所轄労働基準局において労働基準法の規定に基づく処分等が行われたものについては、その結果について回報がある。

5 関係都道府県労働基準局との連携

(1) 地方運輸局(沖縄総合事務局を含む。以下同じ。)及び陸運支局(沖縄総合事務局陸運事務所を含む。)は、関係都道府県労働基準局との連携を密にし、本制度の実効を期するため、次の事項について相互に情報を交換し、必要な措置を講ずること。

ア 労働基準監督機関が行う一斉監督の実施結果等自動車運送事業に係る監督の一般的情報
イ 労働基準監督機関が行う監督の過程で労働条件と関連し、道路運送法上問題があると認められた事項
ウ 陸運関係機関の自動車運送事業者に対する監査等のうち労働条件に関連のあるものの状況
エ その他本制度の実効を高めるための必要な事項

(2) 地方運輸局は、その所在地の都道府県労働基準局と協議機関を設置する等により、本制度の円滑な運用が行われるよう連絡調整を図ること。

6 その他

労使間において紛争中の事業者に関する指導の扱いについては、労使間の紛争に対する介入とならないよう慎重を期すること。


(別紙1)

自動車運転者の労働条件改善のための相互通報について

(平成元年三月二七日)
(運輸省地域交通局長・貨物流通局長・労働省労働基準局長)
自動車運送事業に従事する自動車運転者の労働条件の改善を図るため、運輸省の陸運関係機関と労働省の労働基準監督機関は、左記により監査又は監督の結果を相互に通報し、これに基づき所要の措置を講ずる等相互の連絡協力を一層緊密に行うものとする。
1 陸運関係機関は、監査の結果、自動車運送事業者について、労働基準法、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年二月九日労働省告示第七号)及び平成元年三月一日付け基発第九三号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」記の第三の「労働時間等の取扱い及び賃金制度等に関する基準」について重大な違反の疑いがあると認める場合には、労働基準監督機関にその旨を通報することとする。
2 労働基準監督機関は、臨検監督の結果、自動車運送事業者について道路運送法の運行管理に関する規定に重大な違反の疑いがあると認める場合には、陸運関係機関にその旨を通報することとする。
3 前記の通報を受けた陸運関係機関又は労働基準監督機関は、それぞれ所要の措置を講じ、その結果を速やかに回報することとする。



(別紙2)
<別添資料>



(別紙3)
<別添資料>


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