運輸省貨陸第八九号・貨複第一〇一号・地管第五二号・地自第一三〇号
平成三年六月二五日

各地方運輸局長・沖縄総合事務局長あて

地域交通局長・貨物流通局長通達


自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律の施行について


近年、大都市地域を中心に交通渋滞の悪化、交通事故の増加等道路交通問題が一層深刻化してきており、特に大規模団地等周辺において道路上を保管場所として使用している自動車がこれらの原因となっていることが明らかとなってきている。
このような駐車問題の解決を図るべく「自動車の保管場所の確保等に関する法律」(以下「保管場所法」という。)が改正され、自動車の保有者に課されている保管場所確保義務の継続的履行を確保するための措置が整備されることとなった。
この「自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律」(平成二年七月三日法律第七四号)は本年七月一日から施行されることとされている。
当省は、警察庁等とともに保管場所法を所管しており、自家用自動車については自動車の登録時に保管場所確保の確認を行い、また、運送事業用自動車については道路運送法、貨物自動車運送事業法又は貨物運送取扱事業法における事業計画の審査によって保管場所の確保を担保しているところであり、このような観点から改正保管場所法の施行に際し、これが円滑に施行されるよう左記の諸点に留意のうえ関係者への趣旨の周知徹底を図られたい。
なお、次に掲げる通達は、平成三年七月一日以降これを廃止する。
一 自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令の一部を改正する政令実施に伴う事業用自動車の保管場所証明の取扱いについて(昭和四二年二月二三日付け自総第一四四号)
二 自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令及び自動車の保管場所の確保を証する書面に関する命令の一部改正について(昭和四八年四月一六日付け自管第六二号)

1 いわゆる車庫飛ばし問題について

近年、保管場所証明書を得るために証明書自体を偽造したり、他人名義での虚偽の申請を行う等の保管場所法違反行為が頻発し、特に自動車の販売を業とする者等がこれら事件に深く関与している事例が数多く発生している。これらいわゆる車庫飛ばし事件は単に保管場所法違反にとどまらず、ほとんどの場合必然的に自動車の登録そのものを偽る道路運送車両法違反となり自動車登録制度に対する侵害行為としても重大である。
したがって、改正保管場所法の施行に際し、改めて関係者の一層の指導徹底に努められたい。

2 運送事業用自動車の取扱いについて

運送事業用自動車については、これまで地方運輸局長が保管場所法に基づいて保管場所証明書を交付していたが、これら保管場所の確保を担保するための手続は別途道路運送法、貨物自動車運送事業法又は貨物運送取扱事業法の事業法体系の中で制度上十分に確保されていることにかんがみ、行政手続簡素化等の観点から今回の法改正に際して保管場所の継続的履行を確保するための同法手続の適用が除外されることとなった。
これに伴い、これまで地方運輸局長が行っていた保管場所証明書の交付手続は廃止されることとなるが(「自動車の保管場所の確保を証する書面に関する命令」(昭和三七年八月二〇日総理府・運輸省令第一号)は廃止された。)、事業用自動車の増減車及び代替の際の事務手続きについては、これまでどおり、まず、各陸運支局の旅客課若しくは貨物課又は輸送課において事業計画に反しないものであるかについての審査を行った上で、登録課において所定の手続きを行うこととされたい。
また、運送事業用自動車の保管場所の確保については、事業法体系における各種措置の履行をこれまでにも増して確実に行うよう各運送事業者に対する指導に努められたい。

3 運送事業用自動車に対する保管場所の要件について

これまでは、自動車の保管場所としてどのような要件を満たす必要があるかについては保管場所法上規定はなく、運用で基準が定められてきたが、今回の法改正に際し保管場所の要件を法律上明記することとされた。
運送事業用自動車についても、当然にこの保管場所の要件(法第三条、施行令第一条)を満たす保管場所を確保する必要があるが、当該要件の中における自動車の使用の本拠の位置と保管場所との距離については、運輸大臣が運送事業に関し土地の利用状況等を勘案して地域ごとに定めることとされている。
この距離については、今般別紙のとおり定めたので十分にこれを了知の上、各事業者の指導徹底に努められたい。


(別紙) 略


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