

各地方運輸局長・沖縄総合事務局長あて
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(別添一) 自動車運転者の労働時間等労働条件の改善について
(平成九年三月二六日)
(基発第三〇二号)
(運輸省運輸政策局長・自動車交通局長あて労働省労働基準局長通知)
労働省では、別添一〔略〕のとおり、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第七号)を改正し(平成九年労働省告示第四号)、平成九年三月一一日付け基発第一四三号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部改正等について」(別添二)等により、本年四月一日以降、自動車運転者を使用する事業場に対し監督指導を実施することとしました。
つきましては、貴職におかれても、前記告示の改正の趣旨等を御理解いただき、自動車運転者の労働時間等の労働条件の改善について特段の配慮をお願いいたします。
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(別添二) 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部改正等について
(平成五年三月一七日)
(基発第一六五号)
(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)
最近改正 平成九年三月一一日基発第一四三号
自動車運転者の労働時間等の労働条件については、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第七号(以下「改善基準告示」という。)、平成元年三月一日付け基発第九二号「一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間の特例について」(以下「特例通達」という。)、同日付け基発第九三号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」(以下「九三号通達」という。)及び平成五年三月一七日付け基発第一六五号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部改正等について」(以下「一六五号通達」という。))により、その改善を図ってきたところである。
本改善基準告示については、今般、平成八年一二月六日の中央労働基準審議会の報告(別紙1〔略〕。以下「平成八年報告」という。)を踏まえ、告示された「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部を改正する件」(平成九年労働省告示第四号。別紙2〔略〕。以下「四号告示」という。)により別紙3〔略〕のとおり改正されたところである。平成九年四月一日以後はこの改正後の改善基準告示によって自動車運転者の労働時間等の労働条件の改善を図ることとしたので、左記の事項に留意の上、その適切な運用を期されたい。
記
第1 四号告示による改善基準告示の改正の概要等
1 四号告示による改正の概要
四号告示による改正の概要は以下のとおりである。
(1) 一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間について
イ 隔日勤務以外の勤務に就く一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間について
(イ) 一箇月についての拘束時間を短縮し、二九九時間を超えないものとした。
(ロ) 車庫待ち等の自動車運転者に延長が認められる一箇月についての拘束時間を短縮し、三二二時間を超えないものとした。
ロ 隔日勤務に就く一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間について
(イ) 一箇月についての拘束時間を短縮し、二六二時間を超えないものとし、また、地域的事情その他の特別な事情がある場合において、労使協定があるときは、一年のうち六箇月までは二七〇時間まで延長することができるものとした。
(ロ) 車庫待ち等の自動車運転者の二暦日についての拘束時間に「一箇月について七回(地域的事情その他の特別の事情がある場合において労使協定があるときは、八回)以内」で認められている延長について、「労使協定により定める回数(当該回数が一箇月について七回を超えるときは、七回)」に限り認めるものとした。
(ハ) 車庫待ち等の自動車運転者の二暦日についての拘束時間を延長した場合の一箇月の拘束時間の上限を短縮し、前記(1)のロの(イ)の拘束時間に二〇時間を加えた時間を超えないものとした。
(2) 貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間について
現行の二週間について一四三時間、四週間について二七三時間を超えないものとされているところを、一箇月について二九三時間を超えないものとし、また、労使協定があるときは、一年のうち六箇月までは、一年間についての拘束時間が三、五一六時間(二九三時間×一二箇月)を超えない範囲内において、一箇月についての拘束時間を三二〇時間まで延長することができるものとした。
(3) 一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者に係る拘束時間等について
イ 準用規定をやめ、拘束時間、休息時間及び運転時間等について新たに規定するものとした。
ロ 拘束時間について、現行の二週間を平均し一週間当たり七一・五時間を超えないものとされているところを、四週間を平均し一週間当たり六五時間を超えないものとし、また、貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者(高速バスの運転者)については、労使協定があるときは、五二週間のうち一六週間までは、四週間を平均し一週間当たり七一・五時間まで延長することができるものとした。
ハ 運転時間について、現行の二週間を平均し一週間当たり四四時間を超えないものとされているところを、四週間を平均し一週間当たり四〇時間を超えないものとし、また、貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者(高速バスの運転者)については、労使協定があるときは、五二週間についての運転時間が二、〇八〇時間(40時間×52週間)を超えない範囲内において、五二週間のうち一六週間までは四週間を平均し一週間当たり四四時間まで延長することができるものとした。なお、四号告示による改正事項の新旧対照表を添付したので参考とされたい(別紙4〔略〕)。
2 改善基準告示の遵守
今回の改正で労使協定により拘束時間及び運転時間を一定期間延長する措置が設けられたことから、これらの適正な管理が行われるよう従前以上に台帳の作成等による各種記録の整備を図る必要がある。また、改善基準告示は、関係労使の代表の合意に基づき策定され、見直されたものであり、関係当事者は定められた基準を遵守することを特に強く要請されるものである。
第2 改善基準告示の内容
1 目的等(第一条関係)
(1) 第一項は、長時間労働の実態が見られる自動車運転者について、労働時間等に関する改善のための基準を定めることにより、自動車運転者の労働時間等の労働条件の向上を図ることを目的とすることを明らかにしたものである。なお、四号告示により「労働省労働基準局長が定めるものを除く」こととしたが、これは平成八年報告記の二において「緊急輸送、緊急作業及び危険物輸送についての改善基準の適用除外の扱いについては、平成九年三月三一日までに労使の合意に基づいて別途通達等で措置することが適当である。」とされたことを踏まえ、当該措置を行う際の改善基準告示上の根拠として規定したものである。
(2) 第二項は、労働関係の当事者に対して、この基準を理由として自動車運転者の労働条件を低下させてはならないことを求めるとともに、その向上に努めるべき旨を規定したものであるが、特に、改善基準告示の改正を契機に労働条件を低下させるようなことのないように要請されるものである。
2 一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等(第二条及び第三条関係)
第二条は、一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間等についての基準を定めたものである。
(1) 隔日勤務以外の勤務に就く者の拘束時間及び休息期間(第二条第一項関係)
第一項は、一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者のうち隔日勤務以外の勤務に就く者の拘束時間及び休息期間について定めたものである。
イ 拘束時間
拘束時間とは、基本的には労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む。)の合計時間をいうものであるが、改善基準告示においては拘束時間規制の観点から、あらゆる場合における始業時刻から終業時刻までの使用者に拘束されているすべての時間を確実に含ましめるため、念のため「その他の使用者に拘束されている時間」を加えたものである。したがって、通常の場合「その他の使用者に拘束されている時間」が発生する余地はなく、労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む。)の合計時間が拘束時間となるものである。
なお、改善基準告示に定める拘束時間の範囲内であっても、法定労働時間を超えて労働させ、又は休日に労働させる場合には労働基準法(以下「法」という。)第三六条に定める協定の締結・届出を要することはいうまでもない。
ロ 一箇月についての拘束時間
一箇月の拘束時間については、四号告示による改善基準告示の改正により改正がなされたが、その改正の内容は次のとおりである。
(イ) 拘束時間については、四号告示による改正前は三一二時間以内とすることとしていたが、四号告示により、三一二時間から一日の原則的な拘束時間の上限に相当する一三時間を減じ二九九時間とすることとしたものである。
二九九時間とは、13時間×23日という計算によるものであるが、当該月の労働日数には直接かかわらず、一箇月についての総拘束時間を二九九時間としたものである。
なお、「一箇月」とは原則として暦月をいうものであるが、就業規則、勤務割表等において特定日を起算日と定めている場合には、当該特定日から起算した一箇月でも差し支えないものである。
(ロ) 顧客の需要に応ずるため常態として車庫等において待機する就労形態(以下「車庫待ち等」という。)の自動車運転者については、作業密度が比較的薄く、直ちに拘束時間の短縮を図ることが困難な事情も認められることから、四号告示による改正前は、改善基準告示により労使協定の締結を条件に一箇月について三三六時間(14時間×24日)までの拘束を認めることとしていたが、四号告示により、三三六時間から算定上の一日の拘束時間である一四時間を減じ三二二時間(14時間×23日)以内とすることとしたものである。
「車庫待ち等の自動車運転者」とは、旧改善基準(九三号通達により廃止された昭和五四年一二月二七日付け基発第六四二号「自動車運転者の労働時間等の改善基準について」をいう。以下同じ。)における「常態として車庫待ち、駅待ち等の形態によって就労する自動車運転者」と同様である。したがって、一般的には今回改めて車庫待ち等の自動車運転者に該当するか否かを判断する必要はなく、また、従来車庫待ち等の実態にないものとされた事業場については、就労の実態に特段の変化がないかぎり、本項第一号括弧書の適用の余地はないものである。
本項第一号に定める労使協定には、少なくとも1)協定の適用対象者、2)一箇月についての拘束時間の限度、3)協定の有効期間を定めるよう指導すること。なお、別紙5〔略〕のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
ハ 一日についての拘束時間
(イ) 一日(始業時刻から起算して二四時間をいう。以下同じ。)についての拘束時間は、一三時間以内を基本とするものであるが、必要がある場合には一日一六時間まで拘束することができる。この場合においても一箇月についての拘束時間が本項第一号に定める拘束時間を超えない範囲内において認められるものであることはいうまでもない。
なお、一日についての拘束時間の限度(以下「最大拘束時間」という。)を一六時間としたのは、始業時刻から起算して二四時間中に少なくとも継続八時間以上の休息期間を確保する必要があるためである。
(ロ) 車庫待ち等の自動車運転者については、一定の条件の下に最大拘束時間の延長を認めているが、これは、車庫待ち等の自動車運転者は比較的作業密度が薄く、かつ、営業区域が狭いこと等により、帰庫させ仮眠時間を与えることが可能な実態を有するためである。
この取扱は特例的なものであることから、改善基準第二条第一項第二号の要件については厳格に適用することとし、特に同号ハに定められた一日についての拘束時間が一八時間を超える場合における仮眠時間に関しては、仮眠設備において夜間四時間以上の仮眠時間を確実に与えることが要請されていることに留意すること。
最大拘束時間を延長することができる条件はおおむね旧改善基準と同様であるが、一日の拘束時間が一六時間を超えることのできる回数については、旧改善基準においては二週間を通じ三回を限度としていたものを、改善基準告示において拘束時間の規制の単位を一箇月としたことに伴い、一箇月について七回以内に改めたものである。
ニ 休息期間
休息期間については、拘束時間と表裏の関係にあることから、改善基準告示においては「使用者の拘束を受けない期間」としているが、休息期間についての考え方は、旧改善基準と全く同様である。すなわち、休息期間とは、勤務と次の勤務との間にあって、休息期間の直前の拘束時間における疲労の回復を図るとともに、睡眠時間を含む労働者の生活時間として、その処分は労働者の全く自由な判断にゆだねられる時間であって、休憩時間や仮眠時間等とは本質的に異なる性格を有するものである。
(2) 隔日勤務に就く者の拘束時間及び休息期間(第二条第二項関係)
隔日勤務制は都市部のタクシー業を中心に広く採用されている勤務形態であるので、二暦日における拘束時間を最大二一時間(一日平均一〇・五時間)とし、日勤勤務より総拘束時間を短くするとともに、勤務終了後、継続二〇時間以上の休息期間を与えることを条件として、認めることとしている。
なお、日勤勤務と隔日勤務を併用して頻繁に勤務態様を変えることは、労働者の生理的機能への影響にかんがみ認められない。したがって、日勤勤務と隔日勤務を併用する場合には、制度的に一定期間ごとに交替させるよう勤務割を編成しなければならない。
イ 拘束時間
拘束時間については、四号告示による改善基準告示の改正により改正がなされたが、その改正の内容は次のとおりである。
(イ) 隔日勤務については、四号告示による改正前は一箇月について二七〇時間以内とすることとされていたが、四号告示により、二七〇時間から八時間を減じ二六二時間以内とすることとしたものである。この場合においても当該月の労働日数には直接かかわらず、一箇月における総拘束時間を二六二時間以内としたものである。
(ロ) 地域的事情その他の特別な事情がある場合において、労使協定があるときは、一年のうち六箇月までは一箇月の拘束時間を二七〇時間まで延長することができることとしたが、これは、一般乗用旅客自動車運送事業をめぐる諸情勢は非常に厳しいものがあり、かつ先行きが不透明な情勢にあること等にかんがみ、隔日勤務に就く者の一箇月の拘束時間の例外措置として認めることとしたものである。
「地域的事情その他の特別な事情」とは、例えば地方都市における顧客需要の状況、大都市部における顧客需要の一時的増加等をいうものである。
当該延長を労使協定に係らしめることとしたのは、拘束時間の限度について、予め労働者に周知することを通じて、適正かつ明確な拘束時間の管理を期すためであり、当該労使協定には次の事項を定めておく必要がある。
1) 対象者
2) 拘束時間を延長する月及び当該月の拘束時間
3) 当該協定の始期及び終期
また、協定に定めることとした事項は、事情の変更に応じて変更する必要が生じることも考えられるので、その変更により影響を受ける労働者がある程度余裕をもって対応できるよう、一定期間前もって協議する事を明らかにする等、協定を変更するための手続きも併せて定めておく必要がある。
なお、別紙6〔略〕のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
労使協定では、一年の始期及び終期を定め、当該一年のうち六箇月までの範囲で一箇月の拘束時間を二七〇時間を超えない範囲で延長する旨を協定することとなるが、その場合の各月の拘束時間は、例えば次のようになり、すべての協定対象者の各月の拘束時間は、この範囲内とする必要がある。
(ハ) 車庫待ち等の自動車運転者については、夜間四時間以上の仮眠時間を与えることを条件に、一箇月について労使協定により定める回数(当該回数が一箇月について七回を超えるときは、七回)に限り、二四時間まで延長することができることとし、この場合の一箇月の拘束時間は二六二時間又は二七〇時間までで労使協定により定めた時間にそれぞれ二〇時間を加えた時間を超えないこととしたものである。
具体的には、一箇月の拘束時間を原則どおりとしている場合は車庫待ち等の自動車運転者の一箇月の拘束時間は二八二時間まで延長でき、労使協定により一箇月の拘束時間を二七〇時間を超えない範囲で延長した場合には、当該延長を行った月については、当該延長により定められた拘束時間に二〇時間を加えた時間(例えば、ある月の一箇月の拘束時間を労使協定により二六六時間まで延長した場合には、車庫待ち等の自動車運転者のその月の拘束時間は二六六+二〇時間で二八六時間)まで延長できることとなる。
二暦日についての拘束時間の延長の限度は三時間であるから、二一時間を超える回数が六回以内の場合には一箇月の拘束時間は二六二時間又は二七〇時間までで労使協定により定めた時間にそれぞれ二〇時間を加えた時間に達することはなく、七回の場合には二六二時間又は二七〇時間までで労使協定により定めた時間に二〇時間を加えた時間が限度となるものである。
一箇月についての拘束時間について通常の隔日勤務の場合より二〇時間の限度で延長を認めることとしたのは、二暦日についての拘束時間が二一時間を超える場合には、拘束時間中少なくとも四時間の仮眠時間が含まれていることから、月額二〇時間の限度で延長を認めても通常の隔日勤務に比べて過重とはいえないという理由によるものである。
この取扱は特例的なものであることから、改善基準告示第二条第二項第一号の要件については厳格に適用することとし、特に二暦日についての拘束時間が二一時間を超える場合における仮眠時間に関しては、仮眠設備において夜間四時間以上の仮眠時間を確実に与えることが要請されていることに留意すること。
なお、別紙7〔略〕のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
ロ 休息期間
勤務終了後、継続二〇時間以上の休息期間を与えなければならないこととしたのは、連続勤務を禁止する趣旨であるので、休息期間が確保されない連続勤務が行われないよう留意すること。
(3) 時間外労働(第二条第三項関係)
第三項は、法第三六条の協定をする場合において一箇月以外の一定の期間について協定することを排除するものではないが、少なくとも一箇月について協定しなければならない。
なお、自動車運転者については「労働基準法第三六条の協定において定められる一日を超える一定の期間についての延長することができる時間に関する指針」(昭和五七年労働省告示第六九号。以下「指針」という。)に定める目安時間の適用はないが、法第三六条に基づく協定における時間外労働については、改善基準告示に定める拘束時間の範囲内とする必要がある。
(4) 休日労働(第二条第四項関係)
休日労働については、回数は二週間に一回を限度とし、一箇月についての拘束時間の限度内でのみ行わせることができる。休日労働の場合であっても、当該休日における勤務と前後の勤務との間には、それぞれ所定の休息期間が必要である。
隔日勤務の場合の休日労働は二日をまとめて行うものであるが、次のような形の休日労働も「二週間を通じ一回を限度とする」との基準に該当する休日労働である。
(5) ハイヤーに乗務する自動車運転者についての取扱
イ 拘束時間及び休息時間等の適用除外(第二条第五項関係)
ハイヤーの定義は、タクシー業務適正化臨時措置法(昭和四五年法律第七五号)第二条第二項の規定を参考としているものであるが、具体的には地方運輸局長からハイヤー運賃の認可を受けた自動車をいうものである。
ハイヤーに乗務する自動車運転者については、その勤務の実態から、前項までの拘束時間、休息期間等の規定を適用しないこととしている。
なお、勤務の都合上、勤務の終了時刻から次の勤務の始業時刻までの間隔が短くなる場合においても、当該運転者の疲労回復を図る観点から、継続四時間以上の睡眠時間を確保するため少なくとも六時間程度は次の勤務に就かせないようにすること。
ロ 時間外労働の目安時間(第三条関係)
時間外労働の目安時間については、一定期間について、勤務の実態を踏まえ、一箇月又は三箇月について協定するとともに、年間の労働時間の短縮を図る観点から一年間について協定を求めることとし、目安時間について、一箇月五〇時間、三箇月一四〇時間、一年間四五〇時間としているものである。
その他の点については、指針第三条と同様の考え方によるものである。
3 貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等(第四条関係)
第四条は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間、運転時間等について定めたものである。
なお、旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者(主として人を運送することを目的とする自動車の運転の業務に従事する者を除く。)、例えば、販売業における配達部門の運転者については、本条によることとしている。
(1) 拘束時間
拘束時間については、四号告示による改善基準告示の改正により改正がなされたが、その改正の内容は次のとおりである。
イ 四号告示により、二週間及び四週間の拘束時間に替えて一箇月の拘束時間を定めることとし、当該一箇月の拘束時間を二九三時間とすることとしたものである。
一箇月の総拘束時間の計算に当たっては、特定の日を起算日とし、一箇月ごとに区切って計算すること。
なお、拘束時間についての考え方は、2の(1)のイのとおりである。
ロ 労使協定があるときは、一年のうち六箇月までは、一年間についての拘束時間が三、五一六時間を超えない範囲内において、一箇月についての拘束時間を三二〇時間まで延長することができることとしたが、これは、輸送体系の変化、顧客ニーズの多様化等の貨物自動車運送事業の諸情勢を踏まえ、事業の繁忙・閑散等を考慮しつつ総労働時間短縮に取り組むための現段階の措置として認めることとしたものである。
当該延長を労使協定に係らしめることとしたのは、拘束時間の限度について、予め労働者に周知することを通じて、適正かつ明確な拘束時間の管理を期すためであり、当該労使協定には、次の事項を定めておく必要がある。
1) 対象者
2) 各月の拘束時間
3) 当該協定の始期及び終期
また、協定に定めることとした事項は、事情の変更に応じて変更する必要が生じることも考えられるので、その変更により影響を受ける労働者がある程度余裕をもって対応できるよう、一定期間前もって協議することを明らかにする等、協定を変更するための手続きも併せて定めておく必要がある。
当該労使協定では、二九三時間を超える月数は六箇月以内となるよう当該一年のすべての月の拘束時間を定め、すべての月の拘束時間は三二〇時間以内で、その合計が三、五一六時間以内となっている必要がある。
なお、別紙8〔略〕のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
労使協定により定めた一年の各月の拘束時間の限度は、例えば次のようになり、すべての協定対象者の各月の拘束時間は、この範囲内とする必要がある。
(2) 最大拘束時間
一日についての拘束時間の基本は一三時間以内であるが、第一項第一号により一箇月を平均して計算する場合においても、最大拘束時間は一六時間を限度とすることとしたものである。
最大拘束時間を一六時間としたのは、始業時刻から起算して二四時間中に少なくとも継続八時間以上の休息期間を確保する必要があるためである。「一日についての拘束時間が一五時間を超える回数は、一週間について二回以内とする」とは、始業時刻から起算して二四時間中に継続した休息期間を九時間未満とすることのできる日は一週間について二回を限度とするとの意である。
(3) 休息期間
休息期間についての考え方は、2の(1)のニのとおりである。
(4) 運転時間
運転時間については、四号告示において改正が行われなかったが、これは運輸体系の変化等の貨物自動車運送業における実態を考慮したことによるものである。
(5) 最大運転時間
一日の運転時間の計算に当たっては、特定の日を起算日として二日ごとに区切り、その二日間の平均とすることが望ましいが、特定日の最大運転時間が改善基準に違反するか否かは、次によって判断すること。
1) ((A+B)/2)>9かつ((A+C)/2)>9の場合は、違反となる。
2) ((A+B)/2)又は((A+C)/2)のどちらか一方が九時間以内の場合は違反とならない。
二週間における総運転時間を計算する場合は、特定の日を起算日として二週間ごとに区切り、その二週間ごとに計算しなければならないものである。
(6) 連続運転時間
「一回が連続一〇分以上で、かつ、合計が三〇分以上の運転の中断」には、一回連続三〇分以上の運転の中断も当然含まれる。
(7) 拘束時間及び休息期間の特例(第三項関係)
業務の必要上、勤務の終了後継続八時間以上の休息期間を与えることが困難な場合等についての特例を認めた特例通達の運用に当たっては、次の事項に留意すること。
なお、休息期間の分割の特例の運用に当たっては、当分の間認められた措置であることに留意し、特に、「業務の必要上」については、厳格に運用すること。
イ 業務の必要上、勤務の終了後継続八時間以上の休息期間を与えることが困難な場合(特例通達記の1関係)
休息期間は、原則として始業時刻から起算して二四時間中に継続八時間以上与えなければならないものであるが、貨物自動車運送事業等における実態からみると、八時間以上の継続した休息期間を付与することは困難な場合もあるので、業務の必要上やむを得ない場合であって、始業時刻から起算して二四時間中に、一回当たり継続四時間以上、合計一〇時間以上の休息期間を与える場合には、休息期間の分割を認めることとしている。この分割は必ずしも四時間、六時間、合計一〇時間というような二分割に限らず四時間、四時間、四時間、合計一二時間というような三分割も認められるものである。
なお、休息期間を分割付与できる勤務は「一定期間における全勤務回数の二分の一」を限度としているが、休息期間の分割付与の状態が長期間継続することは好ましくないので、「一定期間」については、原則として二週間から四週間程度とし、業務の必要上やむを得ない場合であっても二箇月程度を限度とする。
ロ 自動車運転者が同時に一台の自動車に二人以上乗務する場合(特例通達記の2関係)
「車内に身体を伸ばして休息することのできる設備」には、バスの場合、身体を伸ばして休息できるリクライニング方式の座席で、運転者のために専用の座席が少なくとも一座席以上確保されていれば、これに該当するものである。
ハ 自動車運転者がフェリーに乗船する場合(特例通達記の4関係)
勤務の中途においてフェリーに乗船した場合については、乗船中の二時間を拘束時間として取り扱い、それ以外の時間は休息期間として取り扱うこととしている。
フェリーの乗船時間が一〇時間(ただし、二人乗務の場合には六時間、隔日勤務の場合には二二時間)を超え、八時間(二人乗務の場合には四時間、隔日勤務の場合には二〇時間)の休息期間が与えられた場合にはフェリー下船時刻から次の勤務が開始されたこととなる。この場合において、フェリー乗船中の二時間の拘束時間は、フェリー乗船前の勤務の拘束時間として取り扱うこと。
(8) 時間外労働(第四項関係)
自動車運転者については指針に定める目安時間の適用はないが、法第三六条に基づく協定における時間外労働については、改善基準に定める拘束時間の範囲内とする必要がある。
(9) 休日労働(第五項関係)
休日労働の場合であっても、当該休日における勤務と前後の勤務との間には、それぞれ所定の休息期間が必要である。
4 一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等(第五条関係)
第五条は、一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者、いわゆるバス運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間等について定めたものである。
なお、旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者であって、主として人を運送することを目的とする自動車の運転の業務に従事するもの、例えば、旅館の送迎用バスの運転者については、本条によることとした。
(1) 第四条の準用規定をやめ、新たに一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間等について定めることとした。
四号告示による改正前は、一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者、いわゆるバス運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間等については、四号告示による改正前の告示第四条を準用していたが、四号告示においては、第四条の準用規定をやめ、新たに別条を設け、一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間等について定めることとしたものである。
(2) 拘束時間
拘束時間については、四号告示による改善基準告示の改正により改正がなされたが、その改正の内容は次のとおりである。
イ 四号告示による改正前は、二週間を平均し一週間当たり七一・五時間を超えないものとしていたが、四号告示により、二週間の拘束時間に替えて四週間の拘束時間を定めることとし、四週間を平均し一週間当たり六五時間を超えないものとした。「四週間を平均し一週間当たり六五時間を超えない」とは、四号告示による改正前における考え方と同時に、総拘束時間は、できる限り各労働日又は各週の拘束時間を平準化することが望ましいとの意であり、六五時間は13時間×20日÷4という計算によるものである。
四週間における総拘束時間の計算に当たっては、特定の日を起算日とし、四週間ごとに区切って計算すること。
なお、拘束時間についての考え方は、2の(1)のイのとおりである。
ロ 貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者(高速バスの運転者)については、労使協定があるときは、五二週間のうち一六週間までは、四週間を平均し一週間当たり七一・五時間まで延長することができることとしたが、これは、バス事業をめぐる諸情勢は非常に厳しいものがあり、かつ、先行き不透明な情勢にあること等を踏まえつつ労働時間の短縮に取り組むための現段階の措置として認めることとしたものである。
当該延長の対象となる運転者の範囲は、貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者であり、これらの運転者に範囲を限定した趣旨は、これら以外の者については、季節的繁忙等がなく、前記延長を認める必要がないためである。
当該延長を労使協定に係らしめることとしたのは、拘束時間の限度について、予め労働者に周知することを通じて、適正かつ明確な拘束時間の管理を期すためであり、当該労使協定においては、次の事項を定めておく必要がある。
1) 対象者
2) 拘束時間を延長する四週間及び当該四週間の拘束時間
3) 当該協定の始期及び終期
また、労使協定に定めることとした事項は、事情の変更に応じて変更する必要が生じることも考えられるので、その変更により影響を受ける労働者がある程度余裕をもって対応できるよう、一定期間前もって協議することを明らかにする等、協定を変更するための手続きも併せて定めておく必要がある。
なお、別紙9〔略〕のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
協定の対象となる期間の始期から四週間ごとに区切り(そのそれぞれの期間を以下「スパン」という。五二週間のスパンの数は計一三(52週間÷4週間=13)となる。)、当該一三に区切られたスパンのうち四つのスパンについて、四週間を平均し一週間当たり七一・五時間まで延長できることとなる(この四つのスパンは基本的には協定の対象となる始期から四週間ごとに区切った各スパンと一致するものである。)。当該延長されたスパンの総拘束時間の限度は二八六時間となるが、この場合においても、一週間当たり七一・五時間となるようになるべく週ごとの拘束時間を平準化することが望ましいものである。
拘束時間の延長に関する協定について、その協定期間は、総拘束時間の定めに合わせ、拘束時間の延長も四週間ごととしたことから、五二週間となることが基本である。
このため、年間総暦日数との関係で最初に締結した労使協定の始期と次の労使協定の始期とがずれてくることとなるが(例えば、平成九年四月一日を始期として労使協定を締結した場合は、次の労使協定の始期は平成一〇年三月三一日、その次の労使協定の初日は平成一一年三月三〇日となる。)、端数となる日数を調整の上、労使協定の始期を同一日に合わせる場合は、それによって一スパン未満の期間(以下「端数期間」という。)が生ずるが、当該端数期間の総拘束時間については按分比例によって清算し、(端数期間)÷28×260時間より大きくならないようにする必要がある。
労使協定により五二週間のうち一六週間まで、四週間を平均し一週間当たり七一・五時間まで延長した場合の各月の拘束時間の限度は、例えば次のようになり、全ての協定対象労働者の拘束時間は、この範囲内とする必要がある。
なお、各スパンと拘束時間を延長する四週間が一致しない場合も考えられるが、この場合の端数期間の総拘束時間についても、先に述べたと同様に按分比例によって清算し、(端数期間)÷28×260時間より大きくならないようにする必要がある。
(3) 最大拘束時間
一日についての拘束時間の基本は一三時間以内であるが、第一項第二号により四週間を平均して計算する場合においても、最大拘束時間は一六時間を限度とすることとしたものである。
その他については、3の(2)のとおりである。
(4) 運転時間
運転時間については、四号告示による改善基準告示の改正により改正がなされたが、その改正の内容は次のとおりである。
イ 運転時間については、四号告示による改正前は、二日(始業時刻から起算して四八時間をいう。)を平均し一日当たり九時間、二週間を平均し一週間当たり四四時間としていたが、四号告示により、二週間の運転時間に替えて四週間の運転時間を定めることとし、四週間を平均し一週間当たり四〇時間を超えないものとした。
なお、今回の見直しによっても運転時間の概念そのものについては何ら変更が加えられるものではない。
ロ 貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者(高速バスの運転者)については、労使協定があるときは、五二週間について運転時間が二、〇八〇時間を超えない範囲内において、五二週間のうち一六週間までは、四週間を平均し一週間当たり四四時間まで延長することができることとした。その趣旨並びに運転時間を四週間を平均し一週間当たり四四時間まで延長することができる運転者の範囲を限定した趣旨及び対象となる運転者の範囲は(2)のロと同様である。
当該延長を労使協定にかからしめることとしたのは、運転時間の限度について、予め労働者に周知することを通じて、適正かつ明確な運転時間の管理を期すためであり、当該労使協定においては、次の事項を定めておく必要がある。
1) 対象者
2) 運転時間を延長する四週間並びに当該四週間の運転時間
3) 当該協定の始期及び終期
また、労使協定に定めることとした事項は、事情の変更に応じて変更する必要が生じることも考えられるので、その変更により影響を受ける労働者がある程度余裕をもって対応できるよう、一定期間前もって協議することを明らかにする等、協定を変更するための手続きも併せて定めておく必要がある。
なお、別紙10〔略〕のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
労使協定では五二週間の始期及び終期を定め、当該五二週間のうち一六週間までは、四週間を平均し一週間当たり四四時間まで延長する旨協定することとなるが、その場合の各スパンの運転時間の限度は、例えば、下図のようになり、すべての協定対象者の各スパンの運転時間はこの範囲内とする必要がある。
また、すべての運転者について五二週間を通じての運転時間は二、〇八〇時間に収まっていなければならないため。一週間当たりの運転時間が四〇時間を上回るスパンがあれば、当然四〇時間を下回るスパンもなければならないこととなる。
実際の個別の自動車運転者の運転時間の動きを例示したのが下図の折れ線である。運転手Aについては、第4、第5、第8スパンについて一週間当たり四〇時間を上回り、これら以外のスパンについて四〇時間を下回ることによって、年間を通しての総運転時間が二、〇八〇時間以内となっており、運転手Bについては、第4、第5、第7、第8スパンについて一週間当たり四〇時間を上回り、これら以外のスパンについて四〇時間を下回ることによって、年間を通しての総運転時間が二、〇八〇時間以内となっているものである。
このように一年間を通した運転時間の上限が定められたことから、従前にも増して運転時間についての記録を整備する等の適切な運転時間管理を行う必要がある。
(5) 休息期間、最大運転時間、連続運転時間、時間外労働又は休日労働についての基準並びに拘束時間及び休息期間の特例については、3と同様である。
5 労働時間短縮推進委員会の決議に関する取扱
時間外及び休日の労働に係る労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法(平成四年法律第九〇号)第七条に規定する労働時間短縮推進委員会の決議についても、法第三六条に基づく協定と同様に取り扱うこと。
6 モデル三六協定
別紙11〜13〔略〕のとおりモデル三六協定を作成したので、指導に当たって活用すること。
第3 重点対象
改善基準告示及び九三号通達の記の第3に定める基準は、自動車運転者を使用する全事業場に適用されるものであり、運送を業とすると否とは問わないが、当面、次に掲げる事業を重点対象とすること。
1 道路運送法(昭和二六年法律第一八三号)第二条に規定する旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八三号)第二条に規定する貨物自動車運送事業のうち、次に掲げる事業
(1) 一般乗合旅客自動車運送事業
(2) 一般貸切旅客自動車運送事業
(3) 一般乗用旅客自動車運送事業
(4) 一般貨物自動車運送事業
(5) 特定貨物自動車運送事業
2 次に掲げる物品を運搬する貨物自動車を使用する事業
(1) 土砂・砂利
(2) 危険物
(3) 生コンクリート
(4) 木材、紙又はパルプ
(5) 鉄鋼材又は建設用鉄骨・鉄筋
(6) 鮮魚
(7) 農産物
3 常態として長距離貨物運送(「一の運行」の運転時間が九時間以上又は「一の運行」の走行距離が四五〇キロメートル以上の貨物輸送をいう。)を行う貨物自動車を使用する事業
第4 通達の整理
本通達の適用をもって、特例通達の本文中、「及び平成四年労働省告示第九九号」を「、平成四年労働省告示第九九号及び平成九年労働省告示第四号」に改め、記の2中「第四条第一項第二号前段」の次に「及び第五条第一項第二号前段」を、「第四条第一項第三号」の次に「及び第五条第一項第三号」を加え、記の3中「第三号」の次に「及び第五条第一項第一号から第三号」を加え、記の4の(2)中「第四条第一項第三号」の次に「及び第五条第一項第三号」を加えるとともに、九三号通達中記の第2及び第5を削り、一六五号通達を廃止する。
一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間の特例について
(平成元年三月一日)
(基発第九二号)
(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)
最近改正 平成九年三月一一日
基発第一四三号
自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第七号。平成三年労働省告示第七九号、平成四年労働省告示第九九号及び平成九年労働省告示第四号により改正されたものをいい以下「改善基準」という。)第四条第三項各号に該当する場合(第四条第六項又は第五条により準用する場合を含む。)における一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間については、左記によることとしたので通知する。
記
1 業務の必要上、勤務の終了後継続八時間以上の休息期間を与えることが困難な場合
(1) 業務の必要上、勤務の終了後継続八時間以上の休息期間を与えることが困難な場合には、当分の間一定期間における全勤務回数の二分の一を限度に、休息期間を拘束時間の途中及び後続時間の経過直後に分割して与えることができるものとする。この場合において、分割された休息期間は、一日(始業時刻から起算して二四時間をいう。)において一回当たり継続四時間以上、合計一〇時間以上でなければならないものとする。
(2) 前記(1)は自動車運転者が勤務の中途においてフェリーに二時間を超えて乗船する場合には適用しないものとする。
2 自動車運転者が同時に一台の自動車に二人以上乗務する場合
自動車運転者が同時に一台の自動車に二人以上乗務する場合(車両内に身体を伸ばして休息することができる設備がある場合に限る。)においては、改善基準第四条第一項第二号前段及び第五条第一項第二号前段の規定にかかわらず最大拘束時間を二〇時間まで延長することができるものとし、同号後段の規定は、適用しないものとする。
また、休息期間は改善基準第四条第一項第三号及び第五条第一項第三号の規定にかかわらず四時間まで短縮することができるものとする。
3 自動車運転者が隔日勤務に就く場合
業務の必要上やむを得ない場合には、当分の間、改善基準第四条第一項第一号から第三号及び第五条第一項第一号から第三号までの規定並びに前記1及び2にかかわらず、次の条件の下で隔日勤務に就かせることができるものとする。
(1) 二暦日における拘束時間は、二一時間を超えてはならないものとする。
ただし、事業場内仮眠施設又は使用者が確保した同種の施設において、夜間に四時間以上の仮眠時間を与える場合には、二週間について三回を限度に、この二暦日における拘束時間を二四時間まで延長することができるものとする。この場合においても、二週間における総拘束時間は一二六時間(21時間×6勤務)を超えることができないものとする。
(2) 勤務終了後、継続二〇時間以上の休息期間を与えなければならないものとする。
4 自動車がフェリーに乗船する場合
自動車運転者が勤務の中途においてフェリーに乗船する場合における拘束時間及び休息期間は、次のとおり取り扱うものとする。
(1) フェリー乗船時間(a)のうち二時間(フェリー乗船時間が二時間未満の場合には、その時間)については拘束時間として取り扱い、その他の時間については休息期間として取り扱うものとする。
(2) フェリー乗船時間(a)が二時間を超える場合には、前記(1)により休息期間とされた時間を改善基準第四条第一項第三号及び第五条第一項第三号の規定(ただし、二人乗務の場合には前記2、隔日勤務の場合には前記3の(2))により与えるべき休息期間の時間から減ずることができるものとする。ただし、その場合においても、減算後の休息期間(c)は、二人乗務の場合を除き、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの間の時間(b)の二分の一を下回ってはならないものとする。
自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について
(平成元年三月一日)
(基発第九三号)
(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)
最近改正 平成九年三月一一日基発第一四三号
自動車運転者の労働時間等の労働条件については、これまで昭和五四年一二月二七日付け基発第六四二号「自動車運転者の労働時間等の改善基準について」(以下「旧改善基準」という。)によりその改善を図ってきたところであるが、今般、昭和六三年一〇月七日の中央労働基準審議会の中間報告を踏まえ、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第七号。以下「改善基準」という。別添1〔略〕が告示され、今後はこれを中心として自動車運転者の労働時間等の労働条件の改善を図ることとしたので、左記の事項に留意の上その運用に遺憾なきを期されたい。
改善基準については、本職より別添2〔略〕により関係労使団体及び陸上貨物運送事業労働災害防止協会に対しその遵守方を、また、別添3〔略〕及び4〔略〕により荷主団体及び旅行業者団体に対しその協力方を要請したところであるが、貴職においても管内における関係労使団体、荷主団体等に対し同様の要請をすることとされたい。
なお、改善基準及び本通達に基づく監督指導は、本年四月一日以降実施することとされたい。
おって、旧改善基準及び昭和五五年一月一六日付け基発第二一号「「自動車運転者の労働時間等の改善基準」運用上の留意事項について」は、本年三月三一日をもって廃止する。
記
第1 経緯
自動車運転者の労働時間等の労働条件については、これまで旧改善基準によりその改善指導に努めてきたところであるが、中央労働基準審議会においては、「自動車運転者の労働時間等の規制に係る問題については、関係労使等を加えた検討の場を設けて引き続き検討する」(昭和六一年一二月一〇日「労働時間法制等の整備について」の建議)こととされ、昭和六二年四月二四日、同審議会に関係労使の代表が参加する自動車運転者労働時間問題小委員会が設置された。
同小委員会は、トラック関係、バス関係及びハイヤー・タクシー関係の三つの作業部会を設け、一年余にわたり自動車運転者の労働時間等の規制に係る問題について検討を重ねた上、昭和六三年一〇月七日、旧改善基準のうち拘束時間、最大拘束時間、休息期間及び運転時間に係る事項については告示によることとすること、タクシーに乗務する自動車運転者について一日の拘束時間の基本を一四時間から一三時間に短縮すること等を内容とする中間的な報告(「自動車運転者の労働時間等の規制のあり方等について」)がまとめられ、同審議会から労働大臣あて報告がなされた。
改善基準は、この報告の趣旨に沿い策定されたものである。
なお、この報告では一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間等については触れられていないが、今回の報告は中間的なものであり、これらについては引き続き同小委員会において検討が行われることとされている。
第2 改善基準の内容
<削除>
第3 労働時間等の取扱い及び賃金制度等に関する基準
1 内容
(1) 労働時間等の取扱い
イ 労働時間の取扱い
労働時間は、拘束時間から休憩時間(仮眠時間を含む。)を差し引いたものとすること。この場合において、事業場外における仮眠時間を除く休憩時間は三時間を超えてはならないものとすること。ただし、業務の必要上やむを得ない場合であって、あらかじめ運行計画により三時間を超える休憩時間が定められている場合、又は運行記録計等により三時間を超えて休憩がとられたことが客観的に明らかな場合には、この限りでないものとすること。
ロ 休日の取扱い
休日は、休息期間に二四時間を加算して得た、連続した時間とすること。ただし、いかなる場合であっても、その時間が三〇時間を下回ってはならないものとすること。
(2) 賃金制度等
自動車運転者の賃金制度等は、次により改善を図るものとすること。
イ 保障給
歩合給制度が採用されている場合には、労働時間に応じ、固定的給与と併せて通常の賃金の六割以上の賃金が保障されるよう保障給を定めるものとすること。
ロ 累進歩合制度
歩合給制度のうち累進歩合制度は廃止するものとすること。
ハ 年次有給休暇の不利益取扱いの是正
法附則第一三四条の規定に従い、年次有給休暇を取得したとき、不当に賃金額を減少させないものとすること。
2 留意事項
(1) 労働時間等の取扱いに関する留意事項
イ 労働時間の取扱いについて
(イ) 自動車運転者の業務は事業場外において行われるものではあるが、通常は走行キロ数、運転日報等からも労働時間を算定し得るものであり、一般に法第三八条の二の「労働時間を算定し難いとき」という要件には該当しないこと。
事業場外における休憩時間については、就業規則等に定めた所定の休憩時間を休憩したものとして取り扱うこととしたが、休憩時間が不当に長い場合は歩合給等の賃金体系との関連から休憩時間中も働く可能性があるので、事業場外での休憩時間は、仮眠時間を除き、原則として三時間を超えてはならないものとしたこと。
なお、手待時間が労働時間に含まれることはいうまでもないこと。
(ロ) 自動車運転者の労働時間管理を適正に行うためには、運転日報等の記録の適正な管理によることのほか、運行記録計による記録を自動車運転者個人ごとに管理し、労働時間を把握することも有効な方法であること。
したがって、労働時間管理が不十分な事業場のうち、車両に運行記録計を装着している事業場に対しては、運行記録計の活用による適正な労働時間管理を行うよう指導するとともに、車両に運行記録計を装着していない事業場に対しては、運行記録計を装着する等により適正な労働時間管理を行うよう指導すること。
また、昭和六三年一〇月七日の中央労働基準審議会の中間報告においては、「自動車運転者の労働時間管理を適正に行うため、自動車運転者個人ごとの労働時間等を容易に把握し得る計器の活用が図られることが適当である。また、いわゆる流し営業を主体とするタクシーについては、現在運行記録計の装着を義務付けられていない車両についても、前記のような計器の活用が図られるべきである。」とされているので、留意すること。
ロ 休日の取扱いについて
法第三五条に規定する休日は原則として暦日を単位として付与されるべきものであるが、自動車運転者については、その業務の特殊性から暦日を単位として休日を付与することが困難であるため、休息期間に二四時間を加算して得た労働義務のない時間、すなわち通常勤務の場合には連続した労働義務のない三二時間を、隔日勤務の場合には連続した労働義務のない四四時間を休日として取り扱うこととしたこと。
また、休息期間を分割して付与した場合、二人乗務の場合及びフェリーに乗船した場合には、休息期間に二四時間を加算しても三〇時間に満たない場合があるが、この場合については、休息期間に二四時間を加算して得た時間ではなく、連続した三〇時間の労働義務のない時間を休日として取り扱うこととしたこと。
なお、休日が暦日を単位として付与されている場合であっても、当該時間が前記所定の時間に満たない場合は、前記1の(1)のロの要件を満たさないものであること。
(2) 賃金制度等に関する留意事項
イ 保障給について
前記1の(2)のイの趣旨は歩合給制度を採用している場合には、労働者ごとに労働時間に応じ各人の通常賃金の六割以上の賃金が保障されるようにすることを意図したものであって、六割以上の固定的給与を設けなければならないという趣旨ではないこと。
「通常の賃金」とは、原則として、労働者が各人の標準的能率で歩合給の算定期間における通常の労働時間(勤務割に組み込まれた時間外労働及び休日労働の時間を含む。)を満勤した場合に得られると想定される賃金額(前記の時間外労働及び休日労働に対する手当を含み、臨時に支払われる賃金及び賞与を除く。)をいい、「一時間当たりの保障給」の下限は次の算式により算定すること。
1時間当たりの保障給=(通常の賃金/算定期間における通常の労働時間)×0.6
なお、「一時間当たりの保障給」の実際の算定に当たっては、特段の事情のない限り、各人ごとに過去三箇月程度の期間において支払われた賃金の総額(すべての時間外労働及び休日労働に対する手当を含み、臨時に支払われた賃金及び賞与を除く。)を当該期間の総労働時間数で除して得た金額の一〇〇分の六〇以上の額をもって充てることとして差し支えなく、また、毎年一回等定期的にあらかじめ定めておく場合には、特段の事情のない限り、当該企業の歩合給制労働者に対し過去三箇月程度の期間に支払われた賃金の総額(すべての時間外労働及び休日労働に対する手当を含み、臨時に支払われた賃金及び賞与を除く。)を当該期間の延総労働時間数で除して得た金額の一〇〇分の六〇以上の金額をもって保障給として差し支えないこと。
ロ 累進歩合制度について
賃金制度は、本来、労使が自主的に決定すべきものであるが、前記1の(2)のロでは、歩合給制度のうち累進歩合制度を特に廃止すべきこととしたこと。
累進歩合制度には、水揚高、運搬量等に応じて歩合給が定められている場合にその歩合給の額が非連続的に増減するいわゆる「累進歩合給」(参考1)、水揚高等の最も高い者又はごく一部の労働者しか達成し得ない高い水揚高等を達成した者のみに支給するいわゆる「トップ賞」、水揚高等を数段階に区分し、その水揚高の区分の額に達するごとに一定額の加算を行う
いわゆる「奨励加給」(参考2)が該当するものであること。
第4 法定基準の確保
改善基準及び前記第3に定める基準は、自動車運転者の労働の実態にかんがみ、自動車運転者の労働時間等の労働条件の改善を図るため、法に定める事項のほかに必要な事項を定めているものであるが、割増賃金の適正かつ確実な支払い、実態に即した就業規則の整備、賃金台帳の適正な記録、仮眠施設の設置、健康診断の実施等法及び労働安全衛生法に定められた事項を遵守すべきことはいうまでもなく、特に割増賃金の支払について不適正な事例がみられるので、更に徹底させるよう監督指導を行うこと。
第5 重点対象
<削除>
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