平成一四年二月一日からの改正道路運送法施行後における個人タクシー事業に係る許可期限の更新、代務運転制度及び事業の休止・廃止の各取扱い等について、左記のとおり定めたので、各地方運輸局及び沖縄総合事務局(以下「各局等」という。)においては、各局等において定めている公示の改正を行う等、所要の措置を講じることとされたい。
I 許可等に付した期限の更新の処理について
個人タクシー事業の許可(平成一四年一月三一日までの免許を含む。以下同じ。)並びに譲渡譲受又は相続の認可(以下「許可等」という。)の際に許可等に付した期限(以下「許可期限」という。)の更新(以下「期限更新」という。)は、次に定めるところにより行うこととする。
なお、前回の期限更新の際に付した期限の更新についても本規定を準用する。
なお、本規定の適用に当たっては、地域の実情に応じて改正道路運送法施行後六か月間を限度に所要の経過措置を設けることができることとする。
1 期限更新の手続き
(1) 地方運輸局長(沖縄総合事務局長を含む。以下同じ。)に対して「一般乗用旅客自動車運送事業(一人一車制個人タクシー)の許可等に付された期限の更新申請書」(別添様式例一による。以下「申請書」という。)を当該許可期限が満了する日以前の地方運輸局長が定める日までに、提出させるものとする。
(2) 申請書には、少なくとも次の1)〜8)に掲げる書類を添付させることとする。ただし、地方運輸局の判断によりヒアリングを実施する場合にあっては、当該ヒアリングの実施日に提出させることができるものとする。なお、2)、6)及び7)の書類については、地方運輸局が定める時期に発行されたものであることとする。
1) 自動車運転免許証の写し
2) 自動車安全運転センターが発行する運転記録証明書
3) 事業用自動車の自動車検査証の写し
4) 対人八、〇〇〇万円以上及び対物二〇〇万円以上の任意保険又は共済に加入していることを証する書面
5) 法令遵守(道路運送法(昭和二六年法律第一八三号)第七条の欠格事由及び2(3)の期限更新を認めない場合に該当しない旨)に係る宣誓書
6) 自動車事故対策センター等において運転に関する適性診断を受診したことを証する書面(平成一四年八月一日以降を期限更新日(許可期限が満了する日の翌日をいう。以下同じ。)とする申請で、当該期限更新日において年齢が満六五歳以上の者にあっては、旅客自動車運送事業運輸規則(昭和三一年運輸省令第四四号)第三八条第二項に定めるところにより同項の認定を受けた高齢者に対する適性診断(以下「高齢者診断」という。)を受けていることを証する書面(年齢が満七五歳以上の者にあっては、当該高齢者診断に係る適性診断書)。また、平成一七年八月一日以降を期限更新日とする申請で、前回の期限更新日における年齢が満六三歳又は満六四歳、かつ、更新後の許可期限を五年後とされた者については、これに加え、年齢が満六五歳に達した日以降二年以内において高齢者診断を受けたことを証する書面。)
7) 公的医療機関等の医療提供施設において、胸部疾患、心臓疾患及び血圧等に係る診断を受けたことを証する書面(年齢が満七五歳以上の者にあっては、営業の支障の有無に係る医師の所見が記載された健康診断書)
8) 営業所及び自動車車庫の使用権原に係る宣誓書
(3) 事業者負担の軽減と事務処理の迅速化の観点から、地域の実情に応じ、更新申請に係る事務手続に必要な書類のとりまとめ、必要事項の記入の有無の確認等の形式的な事務については、その一部を事業者団体が行うことができるものとする。
ただし、このような場合においては、事業者団体が行う事務の範囲をあらかじめ限定し、当該事務の実施計画書を提出させる等の適切な措置を講じることとし、審査及び期限更新の可否の判断に係る事務が行政において行われるものであることを明確化する必要があるので留意すること。
2 期限更新に当たっての審査及び期限更新の可否の判断等
(1) 期限更新に当たっての審査
1(2)の添付書類等により、許可等を受けた日又は前回の期限更新日から当該申請書提出時の許可期限の満了日までの期間(以下「審査期間」という。)における事業の実施状況及び法令違反行為の有無等を審査するものとする。
(2) 期限更新を認める場合
別表に定めるところのいずれかに該当する者については、更新後の許可期限を付した上、期限更新を認めるものとし、別添様式例二の書面を交付するとともに、1)〜4)の必要な措置を講じることとする。
ただし、平成一四年二月一日以降に許可又は譲渡譲受若しくは相続の認可を受けた者に付す更新後の許可期限は、当該事業者の満七五歳の誕生日の前日を超えない日とする。
1) 事業計画が確保されていないことが明らかな者、利用者からの苦情が多い者等特に悪質な者(以下「悪質事業者」という。)に対しては、必要に応じて事業計画に定める業務の確保命令又は事業改善命令を発動するほか、別表の定めよりさらに短縮した期限を付すことができるものとする。なお、当該短縮した期限を付す場合、別添様式例二の書面に期限を短縮した理由を付記することとする。
2) 別表のA3)(オ及びカを除く。次のB3)、C2)及びD2)で適用する場合においても同じ。)、B3)、C2)及びD2)のいずれかに該当する者又は悪質事業者に対しては、期限更新日から六か月以内に地方運輸局等が主催する研修(地方運輸局が認める事業者団体又はタクシー近代化センターの研修を含む。)を受けさせるものとし、その旨を別添様式例二の書面に付記することとする。
3) 平成一四年一月三一日現在における個人タクシー事業者(以下「既存事業者」という。)に対しては、既に当該事業者の許可等に付されている条件を「一般乗用旅客自動車運送事業(一人一車制個人タクシーに限る。)の申請に対する処理方針(平成一三年九月一二日付け国自旅第七八号)」(以下「処理方針通達」という。)の別紙II2(1)〜(10)に変更するものとし、その旨を別添様式例二の書面に付記することとする。
4) 期限更新日における年齢が満六三歳又は満六四歳であって、更新後の許可期限を五年後とする者に対しては、年齢が満六五歳に達する日から二年を経過する日までの間に高齢者診断を受診させるものとし、その旨を別添様式例二の書面に付記することとする。
(3) 期限更新を認めない場合
次のいずれかに該当する場合には、許可期限の更新を認めないこととする。
1) 許可等に付した条件により、許可等を取り消すべき事由又は許可期限の更新を行わないこととする事由に該当している場合
2) 代務運転者を使用している場合で、代務期間を一年間継続した後も特段の事情(回復の見込みが明らかであり、なお若干の療養が必要である場合等)がなく運転業務に従事できない場合
3) 既存事業者で、平成一四年二月一日以降、処理方針通達の別紙II2(1)なお書きの場合に該当したことがある場合
(4) その他
概ね過去一年間において特段の事情がなく事業を実施していない者に対しては、事業廃止の届出を行うよう指導するものとする。
また、既存事業者で、期限更新日における年齢が満七五歳以上の者については、高齢者診断・健康診断の結果により個人タクシーの営業に支障があることが明らかな場合及び特段の事情がなく稼働率が著しく低い場合については、これらの者に対して必要な業務の見直しに関する勧告を行うものとする。なお、勧告に応じた見直しが行われない場合には、必要に応じて公表を行うこととする。
II 代務運転制度について
個人タクシーの代務運転制度は、事業者本人が病気又は負傷等(以下「傷病等」という。)により、自ら事業を遂行できない場合において、当該事業者及び家族の当面の生活の安定を確保するため、一定期間に限って当該事業用自動車を他人に運転させ事業を継続することを認める特例措置として、これまで特別に認めてきたところである。
本制度については、今般の需給調整規制の廃止に伴い事業継続義務がなくなること及び運用の如何によっては一人一車制個人タクシーの趣旨になじまない事態を惹起する可能性もあること等から、慎重に取り扱う必要があると考えられるが、現段階においては本制度が定着していること等を考慮し、引き続き当分の間、本制度を認めることとしたので、各局等においては、次に定めるところにより厳正かつ適正な運用を行うこととされたい。
1 代務運転の承認方法
代務運転者を使用しようとする事業者からの申請に基づいて、許可等に付された条件のうち「他人に当該事業用自動車を営業のために運転させてはならない」旨の条件を一定期間変更(以下「代務運転に係る許可条件変更」という。)することにより行うこととする。
2 承認要件
代務運転者を使用しようとする事業者及び代務運転者のいずれもが、少なくとも次のそれぞれの要件のすべてを満たしている場合に限って認めることとする。
(1) 代務運転者を使用しようとする事業者(以下IIにおいて「事業者」という。)の要件
1) 傷病等によって入院・療養が必要なため、自ら運転業務を実施できないことが、医師の診断書により明らかであること。
2) 1)により、当該事業者が運転業務を実施することができない結果、個人タクシー事業以外の収入の途がないため、医療費を含めた生計の維持が著しく困難であることが認められる場合。
3) 1)の原因となった負傷が、自らの重大な法令違反行為が原因で生じた交通事故によるものではないこと。
4) 申請時において、年齢が七五歳未満であること。
(2) 代務運転者の要件
1) 申請時において、年齢が六五歳未満であること。
2) 有効な第二種運転免許証(普通免許又は大型免許に限る。)を有していること。
3) 申請に係る営業区域において、タクシー又はハイヤーの運転を職業とした期間(個人タクシーの代務運転者であった期間を含む。)が、申請日以前五年以内に三年以上である者
4) 申請に係る営業区域がタクシー業務適正化特別措置法(昭和四五年法律第七五号)に基づく指定地域である場合には、同法に基づく登録を受けていること。
5) 法令遵守状況
イ 申請日以前五年間に、次に掲げる処分を受けていないこと。また、過去にこれらの処分を受けたことがある場合には、申請日の五年前においてその処分期間が終了していること。
(イ) 道路運送法(昭和二六年法律第一八三号)又は貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八三号)の違反による輸送施設の使用停止以上の処分又は使用制限(禁止)の処分
(ロ) 道路交通法(昭和三五年法律第一〇五号)の違反による運転免許の取消し処分
(ハ) タクシー業務適正化特別措置法に基づく登録の取消し処分及びこれに伴う登録の禁止処分(平成一四年一月三一日以前のタクシー業務適正化臨時措置法に基づく処分を含む。)
(ニ) 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(平成一三年法律第五七号)の違反による営業の停止命令又は営業の廃止命令の処分
(ホ) 刑法(昭和四〇年法律第四五号)、暴力行為等処罰に関する法律(大正一五年法律第六〇号)、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二八年法律第一四号)、覚せい剤取締法(昭和二六年法律第二五二号)、売春防止法(昭和三一年法律第一一八号)、銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三三年法律第六号)、その他これらに準ずる法令の違反による処分
(ヘ) 自らの行為により、その雇用主が受けた道路運送法、貨物自動車運送事業法又はタクシー業務適正化特別措置法に基づく輸送施設の使用停止以上の処分(平成一四年一月三一日以前のタクシー業務適正化臨時措置法に基づく処分を含む。)
ロ 申請日以前三年間及び申請日以降に、道路交通法の違反による処分(同法の規定による反則金の納付を命ぜられた場合又は反則点を課せられた場合を含む。)を受けていないこと。ただし、申請日の一年前以前において、反則点一点を付された場合(併せて同法の規定による反則金の納付を命ぜられた場合を含む。)又は反則金の納付のみを命ぜられた場合のいずれか一回に限っては、処分を受けていないものとみなす。
ハ イ又はロの違反により現に公訴を提起されていないこと。
6) 事業計画
事業者の事業計画を確実に遂行できるものであること。
3 代務運転に係る許可条件変更の手続
「一般乗用旅客自動車運送事業(一人一車制個人タクシー)の代務運転に係る許可条件変更承認申請書」(別添様式例3による。)及び添付書類を地方運輸局長へ提出させるものとする。
4 承認する期間
(1) 代務運転に係る許可条件変更の承認期間は六か月間を限度とし、承認の際に期限を付すこととする。なお、当該承認期限については、当初承認が行われた日から一年間までの範囲において更新できるものとする。
(2) 承認が行われた日から一年を経過した場合において、特段の事情(回復の見込みが明らかであり、なお若干の療養が必要である場合等)がある場合に限り、(1)の承認期間を更新できるものとする。
(3) 当該承認期間内であっても、事業者が死亡又は事業の廃止等により個人タクシー事業者でなくなったときは、当該承認の期間は終了するものとする。
5 承認の処理
代務運転に係る許可条件変更の承認をしたときは、事業者に対して次の条件を付した別添様式例4の書面及び代務運転者の写真票(地方運輸局が定める様式による。)を交付することとする。
(1) 代務運転者以外の者に、当該事業用自動車を営業のために運転させてはならない。
(2) 代務運転者が運転業務に従事する際には、車内に代務運転者の写真票を表示しなければならない。
(3) 承認期間内は、事業者が運転業務に従事してはならない。
(4) 代務運転者は、地方運輸局長等が日時及び場所を指定して出頭を求めたときは、特別な事情がない限りこれに応じること。
(5) 承認期間内に事業者の傷病等が治癒し、事業者が運転業務に復帰することが可能となったときは、速やかに代務運転に係る許可条件変更の解除届(別添様式例5による。)を地方運輸局長へ提出し、事業者は運転業務に復帰しなければならない。
(6) 事業者が死亡又は事業の廃止等により個人タクシー事業者でなくなったときは、承認期間が満了するものであること。
(7) (5)又は(6)の場合並びに承認期間が満了した場合には、速やかに代務運転者の写真票を地方運輸局陸運支局長に返付しなければならない。
6 代務運転に係る許可条件変更の承認の取消
次のいずれかに該当する場合は、代務運転に係る許可条件変更の承認を取消すこととする。
(1) 代務運転者以外の者に当該事業用自動車を営業のために運転させた場合
(2) 代務運転者が、2(2)2)又は4)の要件に適合しなくなった場合
III 事業の休止及び廃止について
個人タクシー事業者に係る道路運送法第三八条第一項の規定(以下「法の規定」という。)による手続については、一人一車制という特殊性に鑑み、次に定めるところによるものとする。
1 事業の休止
以下の取扱によるところとする。
(1) 休止期間が三〇日以内の場合
運転日報に明記させることとする。
(2) 休止期間が三〇日を超える場合
法の規定に基づき事業休止届出書(別添様式例6による。)を提出させることとする。
なお、当該届出書については、事業者が所属する事業者団体を経由して提出することができるものとし、この場合、事業者団体は提出された届出書を一定期間ごとにとりまとめの上、管轄の陸運支局長へ一括して提出することができるものとする。
2 事業の廃止
事業を廃止した場合には、法の規定に基づき廃止した日から三〇日以内に地方運輸局長あて事業廃止届出書(別添様式例7による。)を提出させるものとする。
IV 個人タクシー事業全体のレベルの維持、向上のために取り組むべき事項について
個人タクシー事業全体のレベルの維持、向上を図るために、事業者団体において以下のような措置を講じることとし、行政としては、これらの措置についての積極的な指導・連携や優良事業者の表彰等の措置を講じることとする。
1 個人タクシーが、優良・優秀な運転者に限って認められる特別な制度であることを含め、個人タクシーの誕生経緯、事業者数等の情報について、利用者等への積極的な開示・PRに努めること。
2 「利用者相談窓口」の一層の充実を図ることにより、利用者からの苦情や要望に対して確実かつ迅速に対応するとともに、その傾向等の的確な把握に努めること。
3 時間帯別稼働状況、月別輸送実績等の営業実態の把握のほか、交通事故件数、年齢別事業者数、導入車両、新しいサービスの導入状況等、事業に関係する数値の把握に努めること。
4 利用者団体との定期的な懇談、モニター制度の導入、利用者アンケート等の実施により利用者ニーズを的確に把握し、各事業者へ周知することにより一層のサービスの向上を図ること。
5 これまで取り組んできた交通安全や税務講習会に加え、タクシー事業者としての基本的な接遇、利用者からの苦情や要望を踏まえた旅客サービス等の適正化についての講習会を少なくとも年一回以上確実に実施し、良質な個人タクシーとの評価を常に維持し、利用者からのより一層の信頼の醸成が図られるよう万全を期すこと。