地自第七六号
昭和六〇年四月一九日

各地方運輸局長・沖縄総合事務局長あて

運輸省地域交通局長通達


軽貨物運送事業者等による道路運送法違反行為の防止及び取締り対策の強化について


軽自動車を使用して貨物を運送する軽車両等運送事業者(以下「軽貨物運送事業者」という。)が反復継続して有償旅客運送行為を行う場合は、道路運送法第四条第一項に違反するものとして、従来からその防止及び取締りに努めてきたところであるが、今般、道路運送法の一部を改正する法律(昭和六〇年法律第二二号)が施行されることに伴い、一回限りの有償旅客運送行為を行う場合であっても違法となることから、今後は、左記により、警察当局との連携を更に密にしつつ、違反行為の防止及び取締りについてなお一層の強化を図ることとされたい。
また、これと併行して、自家用自動車を使用する者による道路運送法違反行為についても、今後は、警察当局との連携を更に密にしつつ、違反行為の防止及び取締りについてなお一層の強化を図るよう、念のため申し添える。

1 道路運送法第四条第一項及び第九八条第二項において準用する第二四条の三の規定の適用について

(1) 軽貨物運送事業者が、当該事業用自動車による貨物の運送に際して荷主等を同乗させる行為は、危険物運送の際不慮の事故がないように当該危険物を監視する者を同乗させる場合等その同乗が客観的にみて社会通念上やむを得ないと認められる場合を除き、旅客運送行為に該当すると解されるので、当該旅客運送行為を同法第九八条第二項において準用する第二四条の三ただし書の規定により適法に行う場合以外は同条に違反することとなり、また、これを反復継続して行う場合は同法第四条第一項に違反することとなる。
(2) なお、軽貨物運送事業者による貨物運送においては、その事業の性格等からみて、荷主等を同乗させることが客観的にみて社会通念上やむを得ないと認められる場合は、極めてまれであると考えられる。

2 違反行為の防止及び取締り対策について

(1) 今後とも、軽貨物運送事業に係る届出の受理に際し違反行為を行わないよう十分指導すること、軽貨物運送事業者及び利用者に対し印刷物により軽貨物運送事業者による有償旅客運送行為は違法である旨のPR活動を行うこと等の方法により、軽貨物運送事業者による違反行為の防止対策を従来以上に強力に進めるものとする。
(2) 違反行為を行う軽貨物運送事業者に対しては、法律の規定に照らし行政処分の厳正な適用を行うこととし、そのなかで特に悪質な者及び行政処分に従わない者に対しては、警察当局への告発を行うものとする。

また、従来から、同法第四条第一項違反として警察当局への告発を前提に調査をすすめている事案については、その準備が完了し次第告発することとされたい。

(3) なお、違反行為を行う軽貨物運送事業者の取締りについては、当面は、当該軽貨物運送事業者が荷物を携帯していない旅客を運送する場合、及び同乗させている旅客の携帯している荷物が「社会通念上旅客の携帯品としてタクシー車両内に持ち込み得ると認められる荷物」である場合に重点を置いて行うものとする。

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