自旅第一三八号
平成七年六月一三日

各地方運輸局長・沖縄総合事務局長あて

運輸省自動車交通局長通達


貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて


1 許可手続きについて

(1) 許可基準

許可は、次の点について審査のうえ行うこと。
1) 申請者及びその役員が、次に定める欠格事由に該当しないこと。

ア 許可を受けようとする者が一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過していない者であるとき。
イ 許可を受けようとする者が、一般旅客自動車運送事業、特定旅客自動車運送事業、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業又は自家用自動車の有償貸渡しの許可の取消しを受け、取消しの日から二年を経過していない者であるとき。
ウ 許可を受けようとする者が営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者又は成年被後見人である場合において、その法定代理人が前記ア及びイに該当する者であるとき。
エ 許可を受けようとする者が法人である場合において、その法人の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下同じ。)が前記ア及びイ並びにウに該当する者であるとき。

2) 申請者及びその役員が、申請日前二年前以降において、自動車運送事業経営類似行為により処分を受けているものではないこと。
3) 貸渡自動車のすべてを収容する車庫を有していること。
4) 貸渡自動車は、事故を起こした場合に備えて、十分な補償を行いうる次に定める自動車保険に加入するものであること。

ア 対人保険 一人当り 八、〇〇〇万円以上
イ 対物保険 一件当り 二〇〇万円以上
ウ 搭乗者保険 一人当り 五〇〇万円以上

(2) 許可の車種区分

許可は、次の貸渡自動車の車種区分ごとに車両数について行うこと。ただし、自家用バス(乗車定員三〇人以上又は車両長が七mを超える車両に限る。)及び霊柩車は許可対象としない。
1) 自家用乗用車
2) 自家用マイクロバス(乗車定員二九人以下であり、かつ、車両長が七m以下の車両に限る。)
3) 自家用トラック
4) その他(特種用途自動車等)
5) 二輪車

2 許可に対する条件

許可は、次の例により条件を付すること。
(1) 次に掲げる事項を変更したときは、遅延なく陸運支局長に届け出なければならない。

ア 貸渡人の氏名又は名称及び住所
イ 法人の役員
ウ 貸渡人の事務所の名称及び所在地
エ 車庫の所在地及び収容能力
オ 事務所別車種別配置車両数
カ 貸渡料金及び貸渡約款
キ 貸渡しの全部又は一部の廃止

(2) 貸渡しに附随した運転者の労務供給(運転者の紹介及びあっせんを含む。)を行ってはならず、その旨を事務所において公衆の見やすいように掲示しなければならない。
(3) 自動車の貸渡しのため、自己の名義を他人に利用させてはならない。
(4) 貸渡料金及び貸渡約款は、事務所において公衆の見やすいように掲示しなければならない。
(5) 貸渡自動車がその配置事務所に存するか、それ以外の事務所に一時的に存するかにかかわらず、当該配置事務所において貸渡し状況、整備状況等車両の状況を把握し、適確な管理を実施しなければならない。
(6) 別記一の事項を記載する貸渡簿を備え、貸渡しの状況を的確に記録するとともに、少なくとも二年間以上保存しなければならない。
(7) 借受人には、別記二の事項を記載した貸渡証を交付し、貸渡自動車の運転者にこれを携行するように指示しなければならない。
(8) 前年の四月一日から三月三一日までの期間に係る様式1〔略〕の「貸渡実績報告書」を毎年五月三一日までに陸運支局の管轄区域ごとに陸運支局長あて提出しなければならない。
(9) 貸渡人が道路運送法、貨物自動車運送事業法及び道路運送車両法並びに本条件に違反したときは、貸渡自動車の貸渡しを停止させ、又は許可を取り消すことがある。
(10) 自家用マイクロバスの貸渡しの許可を受ける場合は、4(1)の要件を満たさなければならない。

3 申請手続き

(1) 許可の申請書は、貸渡しをしようとする自家用自動車の配置事務所の位置を管轄する陸運支局長に提出するものとする。
(2) 許可(新規許可)の申請に際しては、自家用自動車貸渡許可申請書に次に掲げる書類を添付するものとする。

1) 貸渡料金及び貸渡約款を記載した書類
2) 会社登記簿謄本(個人にあっては住民票、新法人にあっては発起人名簿とする。)
3) 申請者(法人にあっては役員、新法人にあっては発起人とする。)の欠格事由に該当しない旨の確認書
4) 同一陸運支局管内の事務所別車種別配置車両数一覧表

(3) 申請者が既に貸渡しの許可を受けている者である場合(他の陸運支局長により許可を受けている場合を含む。)の許可(増車許可)申請に係る添付書類については、(2)の規定にかかわらず次に掲げる書類を添付するものとする。

1) 主たる事務所(本社)に係る許可証の写(当該陸運支局長の許可を受けている場合を除く。)
2) 貸渡料金及び貸渡約款を記載した書類(当該陸運支局長の許可を受けている場合を除く。)
3) 同一陸運支局管内の事務所別車種別配置車両数一覧表

(4) 貸渡しの全部又は一部の廃止の届出は、次の事項について行うものとする。

1) 貸渡しの氏名又は名称及び住所
2) 貸渡しを廃止しようとする貸渡自動車の車種区分ごとの車両数
3) 事務所別車種別配置車両数新旧対照表

4 自家用マイクロバスの貸渡しの許可についての特例

自家用マイクロバスに係る貸渡しについては、従来より貸切バス経営類似行為の防止について指導を行ってきているところであるが、なお、貸渡しに付随して貸渡人が運転手の労務供給を行う等の貸切バス経営類似行為が跡を絶たないのが現状である。
このため、当分の間、自家用マイクロバスの貸渡しの許可(増車許可を含む。)については、他の車種と別個に判断するとともに、その取扱いについても1〜3の規定にかかわらず、次によることとする。
(1) 許可基準

1(1)の許可基準に加え、さらに、次の点について審査する等により、貸渡人が運送事業経営類似行為を行うおそれがないかどうか審査すること。
1) 現在、自家用マイクロバスによるレンタカー事業の許可を受けていない者にあっては、他車種でのレンタカー事業について、二年以上の経営実績を有し、かつ、申請前二年間及び申請日以降において車両停止以上の処分を受けていないこと。
2) 既に、自家用マイクロバスによるレンタカー事業の許可を受けている者にあっては、申請前二年間及び申請日以降において車両停止以上の処分を受けていないこと。

(2) 申請手続き

増車許可申請に当たっては、原則として3(2)に加えて、直近二年間の事業に係る自家用マイクロバスにおける貸渡簿の写しを添付又は提示することとする。

5 運行の運用に当たっての留意事項

(1) 許可基準及び申請手続の適用に当たり、事業の相続に伴う申請、法人の合併に伴う申請等特殊な申請については、その内容に応じ、それぞれの特性を踏まえて取り扱うこと。
(2) 許可を受けた貸渡人に対し、定期的に監査を行うこととともに必要に応じ報告を求めること。

この場合において自動車運送事業経営類似行為の防止及び貸渡自動車の安全の確保について特に留意すること。
また、許可に付した条件に違反する事実が確認された場合には、許可の取消しを含め、厳正に措置すること。

(3) 利用者の利便の確保について

利用者の利便の向上を図るため、貸渡料金及び貸渡約款の適正運用並びに苦情に対する対応等について指導すること。

(4) 貸渡実績表等の報告について

各地方運輸局及び沖縄総合事務局にあっては、次に定める事項を別添の様式(様式2〜様式4〔略〕)により毎年六月三〇日までに国土交通大臣あて報告すること。
1) 許可申請処理状況(様式2)
2) 監査結果及び処分状況(様式3)
3) 貸渡実績(様式4)

(5) 事業者団体による違法行為の防止対策について

自動車運送事業経営類似行為等違法行為の防止については、事業者に対する監査の際のチェック等も重要な方法であるが、事業者自身による違法行為に対する意識改革が必要である。
このため、事業者団体自ら違法行為を監視する組織の設置並びに啓発活動及び広報活動等を行う体制の整備について指導すること。

(6) 乗り捨て車両の有効活用について

同一企業内又は提携事業者の事務所に乗り捨てられた車両の貸渡しについては、乗り捨て車両の有効活用に資するものであり、それ自体問題を生じるものではないが、こうした場合であっても、貸渡し状況、整備状況等車両の状況の把握及び管理については、本来の配置事務所において的確に実施されなければならないものであるので、その旨誤解なきよう指導すること。
なお、提携事業者による車両の貸渡しについては、車両の所有事業者の代理貸渡しという形態で行われるように指導すること。


〔別記1〕

貸渡簿(貸渡原票を綴ったものによって、貸渡簿に代えることができる。)の記載事項については、次のとおりとする。

ア 借受人の氏名又は名称及び住所
イ 運転者の氏名、住所、運転免許の種類及び運転免許証の番号(運転免許証の写しの添付により代えることができる。)
ウ 貸渡自動車の登録番号又は車両番号
エ 貸渡日時及び時間
オ 貸渡事務所、返還事務所
カ 運行区間又は行先及び利用者人数並びに使用目的
キ 走行キロ数
ク 貸渡料金
ケ 事故に関する事項



〔別記2〕

貸渡証の記載事項については、次のとおりとする。

ア 借受人の氏名又は名称及び住所
イ 運転者の氏名、住所、運転免許の種類及び運転免許証の番号(運転免許証の写しの添付により代えることができる。)
ウ 貸渡自動車の登録番号又は車両番号
エ 貸渡日時及び時間
オ 貸渡事務所、返還事務所
カ 貸渡人の氏名又は名称及び住所
キ 次の遵守事項

(ア) 「運行中必ず携帯し、警察官又は地方運輸局若しくは陸運支局の職員の請求があったときは、呈示しなければならない」旨の記載
(イ) 「自動車の借受けに付随して、貸渡人から運転者の労務供給(運転者の紹介及び斡旋を含む。)を受けることができない」旨の記載
(ウ) 貸渡自動車に係る事故及び故障等が発生した場合の処置(処置方法、連絡先等)に関する記載
(エ) 「貸渡期間が二日以上となる場合には、日常点検を借受人が実施することとなる」旨の記載



(様式1)
<別添資料>



(様式2)
<別添資料>



(様式3)
<別添資料>



(様式4)
<別添資料>


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