自動車連転代行業の業務の適正化に関する法律(平成一三年法律第五七号。以下「運転代行業法」という。)の解釈及び運用については、平成一四年五月一七日付け警察庁丙交企発第八五号、警察庁丙交指発第二八号により通達されたところであるが、同法の施行に伴う交通指導取締り上の留意事項、読替え後の道路交通法第二二条の二第一項等の規定による指示の運用基準及び同法第七五条第二項等の規定による自動車の使用制限の運用については、左記の通りであるので、事務処理上誤りのないようにされたい。
なお、この通達で使用する用語は、運転代行業法及び自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律施行令(平成一四年政令第二六号。以下「施行令」という。)で使用する用語の例による。
第1 〔略〕
第2 読替え後の道路交通法第二二条の二第一項等の規定による指示の運用基準について
1 本基準の適用について
ここに示す基準は、読替え後の道路交通法第二二条の二第一項、第五一条の四(第七五条の八第三項において準用する場合を含む。)、第五八条の四及び第六六条の二第一項の規定による指示について適用するものとする。
これらの指示は、自動車運転代行業者の業務に関して最高速度違反行為等が行われた場合に行うものであるが、自動車運転代行業者の業務は、「運転代行業務」と「その他の業務」に分けることができる。
2 「運転代行業務」に関し行われた違反に係る指示について
(1) 用語の定義等
この基準において、次に掲げる用語の定義は、それぞれ次に定めるところによるものとする。
ア 運転代行業務
代行運転自動車又は随伴用自動車を運転する業務をいう(運転代行業法第二条第四項)。
イ 代行運転自動車
自動車運転代行業を営む者による代行運転役務の対象となっている自動車をいう(同法第二条第六項)。
ウ 随伴用自動車
自動車運転代行業の用に供される自動車のうち、代行運転自動車の随伴に用いられるものをいう(同法第二条第七項)。
「随伴用自動車」については、施行令第二条の規定により、道路運送車両法の規定による自動車登録番号若しくは車両番号又は地方税法第四四六条第三項に規定する標識の番号(これらが存しない場合は車台番号)を運転代行業法第五条第一項の申請書に記載する義務のあるほか、変更のあった場合は、同法第八条の規定により、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会に届出書を提出しなければならないこととされている。また、随伴用自動車については、同法第一七条の規定により、国土交通省令の定めるところによって、表示等を行わなければならないこととされている。このため、随伴用自動車であるかどうかの確認については、通常、外観上から判断し得ると思われる。
ただし、随伴用自動車としての届出がなされ、国土交通省令で定める表示等がされた自動車であっても、一般の営業活動等に用いられている場合は、当該自動車は、運転代行業法第二条第七項にいう「随伴用自動車」には該当せず、当該活動中に行われた違反行為は、「運転代行業務に関し」行われたものではないと解される。
具体的には、代行運転自動車に随伴して運行する場合のほか、
・顧客を目的地まで送り届けた後、営業所まで戻る行為
・顧客から依頼を受けて、顧客のいる場所まで運転していく行為
・繁華街等に駐停車して客待ちをする行為
などに伴って行われた違反行為は、「運転代行業務に関し」行われた違反行為となる一方、
・随伴用自動車を使って社長を送迎する行為
・随伴用自動車を使って自社の宣伝ビラを頒布する行為
などに伴って行われた違反行為は、「運転代行業務に関し」行われた違反行為ではないと解される。
従って、外観上随伴用自動車である自動車が、顧客車に随伴することなく運行している場合に取締りを行う際は、運転者から運行目的について聴取する等して、「運転代行業務中」かどうかを明らかにすること。
なお、随伴用自動車としての外観を有さない自動車であっても、現実に代行運転自動車の随伴に用いられていれば、当該自動車は随伴用自動車に該当し、当該自動車を運転する業務は「運転代行業務」に該当することとなる。
(2) 指示の対象等
ア 運転代行業務に関し行われた違反行為について、読替え後の道路交通法による指示の対象となるのは、次の場合である。
1) 代行運転自動車又は随伴用自動車の運転者が最高速度違反行為をした場合において、当該最高速度違反行為に係る車両につき自動車運転代行業者が最高速度違反行為を防止するため必要な運行の管理を行っていると認められないとき(読替え後の道路交通法第二二条の二第一項)。
2) 代行運転自動車又は随伴用自動車の運転者が駐停車違反行為をした場合において、自動車運転代行業者が当該駐停車違反行為に係る車両につき駐停車違反行為を防止するため必要な運行の管理を行っていると認められないとき(読替え後の道路交通法第五一条の四(同法第七五条の八第三項において準用する場合を含む。))。
3) 随伴用自動車につき道路交通法第五八条の三第一項又は第二項の規定による命令(過積載車両に係る措置命令)がされた場合において、当該命令に係る随伴用自動車につき自動車運転代行業者が当該車両に係る過積載を防止するため必要な運行の管理を行っていると認められないとき(読替え後の道路交通法第五八条の四)。
4) 代行運転自動車又は随伴用自動車の運転者が過労運転をした場合において、当該過労運転に係る車両につき自動車運転代行業者が過労運転を防止するため必要な運行の管理を行っていると認められないとき(読替え後の道路交通法第六六条の二第一項)。
イ 前記1)、2)又は4)の指示が行われた後、当該指示に係る違反行為が行われたとしても、読替え後の道路交通法第七五条の二第一項の規定による自動車の使用制限の対象とはならない。前記3)の指示が行われた後、当該指示に係る違反行為が行われた場合は、同項の規定による自動車の使用制限の対象となる。
自動車運転代行業者が、前記1)、2)又は4)の指示に違反した場合において自動車運転代行業の業務の適正な運営が著しく害されるおそれがあると認められるときは、運転代行業法第二三条第一項等により、施行令で定める基準に従い、営業の停止が命じられることとなる。
ウ 読替え後の道路交通法第二二条の二第一項、第五一条の四(同法第七五条の八第三項において準用する場合を含む。)、第五八条の四又は第六六条の二第一項の規定による指示は、行政手続法(平成五年法律第八八号)上不利益処分に当たることから、同法第一三条第一項第二号の規定による弁明の機会の付与の手続を執ること。
なお、弁明の機会の付与に当たっては、聴聞及び弁明の機会の付与に関する規則(平成六年国家公安委員会規則第二六号)に定めるところによるとともに、予想される指示の内容を具体的に示すことにより、不利益処分の内容を明らかにすること。
(3) 指示の運用基準
1) 最高速度違反行為に係る指示の運用基準
ア 最高速度違反行為に係る指示は、運転代行業務に関し最高速度違反行為が行われた場合において、次の1)から6)までのいずれかの要件に該当し、
○ 当該自動車の運転者に対して最高速度違反行為を防止するための指導・監督又は交通安全教育が適切に行われていない。
○ 当該自動車による運行について、最高速度違反行為が行われていないかどうか的確に把握されていない。
○ 顧客から運転代行の依頼を受けた際の配車指示等が、最高速度違反行為の防止に留意したものとなっていない。
など当該自動車運転代行業者が当該自動車につき最高速度違反行為を防止するために必要な運行の管理を行っていると認められないときに限り行うものとする。
1) 自動車運転代行業者が、その業務に関して使用する車両について、過去一年以内に二回以上の最高速度違反行為が行われていた場合
2) 自動車運転代行業者又はその安全運転管理者等が、当該運転者に対して、当該自動車運転代行業者の業務に関して当該最高速度違反行為をすることを命じ、若しくは、当該運転者が当該自動車運転代行業者の業務に関して最高速度違反行為をすることを容認していた場合又はこれに準ずるような事情がある場合
3) 自動車運転代行業者又はその安全運転管理者等が、当該運転者に対して、当該自動車運転代行業者の業務に関して最高速度違反行為をすることを誘発するような行為をしていた場合
4) 自動車運転代行業者が、その業務に関して使用する車両の運転について、過去一年以内に最高速度違反行為に係る指示(運転代行業務中の最高速度違反行為に係る指示を除く。)を受けた者である場合
5) 自動車運転代行業者が、その業務に関して使用する車両の運転について、過去一年以内に下命・容認に係る使用制限(最高速度違反行為に係るものに限る。)又は指示に係る使用制限(最高速度違反行為に係るものに限る。)を受けた者である場合
6) 自動車運転代行業者が、過去一年以内に、最高速度違反行為に係る指示に違反したとして、運転代行業法第二三条第一項等の規定により、営業の停止を命令された者である場合
イ 前記アにかかわらず、次のいずれかに該当する場合には、指示を行わないものとする。
1) 前記アの1)から6)までのいずれかに該当することとなる最高速度違反行為について、運転代行業法第二二条第一項等の規定による指示又は同法第二三条第一項等の規定による営業停止命令を行うこととなる場合
2) 指示の対象となるべき自動車運転代行業者が、運転代行業務に関し、過去一年以内に最高速度違反行為に係る指示を受けた者である場合(当該指示が現に効力を有する場合に限る。)
ウ 「自動車運転代行業者の業務に関して」とは、自動車運転代行業者の業務と関係なく車両が使用されていた場合を除くという意味であり、運転代行業務と一般営業活動等その他の業務の双方が含まれる。従って、例えば、運転代行業務に関し最高速度違反行為が行われた場合、その時点から過去一年以内に、運転代行業務に関してか、その他業務に関してかを問わず、当該自動車運転代行業者の業務に関して二回以上最高速度違反行為が行われていれば、前記ア1)により、指示の対象となる。
エ 指示の内容
運転代行業務に関し行われた違反について指示を行う場合には、指示に係る自動車を個別に特定することなく、運転代行業務全般に関して、最高速度違反行為を防止するため必要な措置を採ることを指示するものとする。
また、当該指示においては、自動車運転代行業者が講ずべき措置をできるだけ明確かつ具体的に示すように努めるものとする。
なお、指示の具体例は、別紙1〔略〕のとおりである。
オ 指示の方法
指示は、理由を付した文書を交付して行うものとする。
なお、指示書の様式は、別紙2〔略〕の様式例を参考として各都道府県公安委員会の定めるところによる。
カ 留意事項
1) 前記アからオまでが適用されるのは、運転代行業務に関し行われた最高速度違反行為に係る指示である。運転代行業務以外の自動車運転代行業者の業務に関して行われた最高速度違反行為に係る指示については、左記3によること。
2) 運転者が自動車運転代行業者である場合においても、その運転代行業務に関し行われた最高速度違反行為は、前記アからオまでに定める基準により、指示の対象となること。
3) 指示の内容の確定に当たっては、自動車運転代行業者が最高速度違反行為を防止するために講じている措置の内容等を確認するとともに、必要に応じて、道路交通法第七五条の二の二第二項の規定による報告又は資料の提出を要求するなどにより疑問点の解明に努め、指示の内容が適正かつ効果的なものとなるように配意すること。
4) 指示の発出に当たっては、指示の事務を担当する課と監督事務担当課との間で十分な協議を行うこと。
キ 指示発出後の手続
1) 指示を発出した場合、その旨及びその内容が、監督事務担当課に確実に通知されるようにすること。
2) 指示発出後、当該指示を受けた自動車運転代行業者の運転代行業務に関し最高速度違反行為が行われた場合、その旨及びその内容が、監督事務担当課に確実に通知されるようにすること。
2) 駐停車違反行為に係る指示の運用基準
ア 駐停車違反行為に係る指示は、運転代行業務に関し駐停車違反行為が行われた場合において、次のいずれかに該当しているときに限り行うものとする。
1) 自動車運転代行業者が、その使用する車両について、過去一年以内に二回以上の駐停車違反行為(運転代行業務以外の業務に関して行われたものについては、放置行為(道路交通法第七五条第一項第七号に規定する「放置行為」をいう。以下同じ。)に該当するものに限る。)が行われていた場合
2) 自動車運転代行業者又はその安全運転管理者等が、当該運転者に当該駐停車違反行為をすることを命じ、若しくは当該運転者が当該駐停車違反行為をすることを容認していた場合又はこれに準ずるような事情がある場合
3) 自動車運転代行業者又はその安全運転管理者等が、当該運転者に対して、当該駐停車違反行為をすることを誘発するような行為をしていた場合
4) 自動車運転代行業者が、その使用する車両の運転について、過去一年以内に放置行為に係る指示を受けた者である場合
5) 自動車運転代行業者が、その使用する車両の運転について、過去一年以内に下命・容認に係る使用制限(放置行為に係るものに限る。)又は指示に係る使用制限(放置行為に係るものに限る。)を受けた者である場合
6) 自動車運転代行業者が、過去一年以内に、駐停車違反行為に係る指示に違反したとして、運転代行業法第二三条第一項等の規定により、営業の停止を命令された者である場合
イ 上記アにかかわらず、次のいずれかに該当する場合には、指示を行わないものとする。
1) 前記アの1)から4)までのいずれかに該当することとなる駐停車違反行為について、運転代行業法第二二条第一項等の規定による指示又は同法第二三条第一項等の規定による営業停止命令を行うこととなる場合
2) 指示の対象となるべき自動車運転代行業者が、運転代行業務に関し、過去一年以内に駐停車違反に係る指示を受けた者である場合(当該指示が現に効力を有する場合に限る。)
ウ 指示の内容
運転代行業務に関し行われた違反について指示を行う場合には、指示に係る自動車を個別に特定することなく、運転代行業務全般に関して、駐停車違反行為を防止するため必要な措置を採ることを指示するものとする。
また、当該指示においては、自動車運転代行業者が講ずべき措置をできるだけ明確かつ具体的に示すように努めるものとする。
なお、指示の具体例は、別紙3〔略〕のとおりである。
エ 指示の方法
指示は、理由を付した文書を交付して行うものとする。
なお、指示書の様式は、別紙4〔略〕の様式例を参考として各都道府県公安委員会の定めるところによる。
オ 留意事項
1) 運転代行業務以外の業務に関して行われた駐停車違反行為については、放置行為に該当する場合を除き、指示の対象とはならないことに留意すること。運転代行業務以外の業務に関して行われた放置行為に係る指示については、下記3によること。
2) 運転者が自動車運転代行業者である場合においても、その運転代行業務に関し行われた駐停車違反行為は、前記アからエまでに定める基準により、指示の対象となること。
3) 指示の内容の確定に当たっては、自動車運転代行業者が駐停車違反行為を防止するために講じている措置の内容等を確認するとともに、必要に応じて、道路交通法第七五条の二の二第二項の規定による報告又は資料の提出を要求するなどにより疑問点の解明に努め、指示の内容が適正かつ効果的なものとなるように配意すること。
4) 指示の発出に当たっては、指示の事務を担当する課と監督事務担当課との間で十分な協議を行うこと。
カ 指示発出後の手続
1) 指示を発出した場合、その旨及びその内容が、監督事務担当課に確実に通知されるようにすること。
2) 指示発出後、当該指示を受けた自動車運転代行業者の運転代行業務に関し駐停車違反行為が行われた場合、その旨及びその内容が、監督事務担当課に確実に通知されるようにすること。
3) 過積載運転行為に係る指示の運用基準
ア 過積載運転行為(道路交通法第五八条の三第一項に規定する「過積載」をして車両を運転する行為をいう。)に係る指示は、随伴用自動車について過積載運転行為が行われ、当該運転者に道路交通法第五八条の三第一項又は第二項の規定による命令(以下「措置命令」という。)がされた場合において、次のいずれかに該当しているときに限り行うものとする。
1) 自動車運転代行業者が使用する車両について過去一年以内に一回以上過積載運転行為が行われ、当該車両につき措置命令がされていた場合
2) 自動車運転代行業者又はその安全運転管理者等が、当該運転者に当該過積載運転行為をすることを命じ、若しくは当該運転者が当該過積載運転行為をすることを容認していた場合又はこれに準ずるような事情がある場合
3) 自動車運転代行業者又はその安全運転管理者等が、当該運転者に当該過積載運転行為をすることを誘発するような行為をしていた場合
4) 自動車運転代行業者が、その使用する車両の運転について、過去一年以内に過積載運転行為に係る指示を受けた者である場合
5) 自動車運転代行業者が、その使用する車両の運転について、過去一年以内に下命・容認に係る使用制限(過積載運転行為に係るものに限る。)又は指示に係る使用制限(過積載運転行為に係るものに限る。)を受けた者である場合
イ 上記アにかかわらず、次のいずれかに該当する場合には、指示を行わないものとする。
1) 前記アの1)から5)までのいずれかに該当することとなる過積載運転行為について、下命・容認に係る使用制限又は指示に係る使用制限をすることとなる場合
2) 前記アの1)から5)までのいずれかに該当することとなる過積載運転行為に係る車両が、過去一年以内に過積載運転行為に係る指示を受けた自動車運転代行業者の当該指示に係る車両である場合(当該指示が現に効力を有する場合に限る。)
ウ 指示の内容
指示の内容は、過積載運転行為に係る自動車を特定し、当該自動車の使用の態様に応じて、自動車運転代行業者が講ずべき措置をできるだけ具体的に示すように努めるものとする。
指示の具体例については、別紙5〔略〕を参照のこと。
エ 指示の方法
指示は、理由を付した文書を交付して行うものとする。
なお、指示書の様式は、別紙6〔略〕の様式例を参考として各都道府県公安委員会の定めるところによる。
オ 留意事項
1) 運転代行業務に関し行われる過積載運転行為のうち、指示の対象となるのは、随伴用自動車を運転する業務に関して行われるものに限られる。運転代行業務以外の業務に関して行われた過積載運転行為に係る指示については、左記3によること。
2) 運転者が自動車運転代行業者である場合においても、その運転代行業務のうち随伴用自動車を運転する業務に関して行われた過積載運転行為については、前記アからエまでに定める基準により、指示の対象となること。
3) 指示の内容の確定に当たっては、自動車運転代行業者が過積載運転行為を防止するために講じている措置の内容等を確認するとともに、必要に応じて、道路交通法第七五条の二の二第二項の規定による報告又は資料の提出を要求するなど疑問点の解明に努めること。
4) 指示発出後一年以内に、当該指示に係る車両が過積載運転行為を行った場合、読替え後の道路交通法第七五条の二第一項の規定による自動車の使用制限の理由となる。一方、指示に違反しても、運転代行業法による営業停止処分の対象とはならないことに留意すること。
4) 過労運転に係る指示の運用基準
ア 過労運転(道路交通法第六六条の規定に違反して過労により正常な運転ができないおそれがある状態で車両を運転する行為をいう。)に係る指示は、運転代行業務に関し過労運転が行われた場合において、次の1)から6)までのいずれかの要件に該当し、
○当該自動車の運転者に対して過労運転を防止するための指導・監督又は交通安全教育が適切に行われていない。
○当該自動車による運行について、過労運転が行われていないかどうか的確に把握されていない。
○当該自動車の運転者に対して運行前の点呼等により過労運転となるおそれのある状態で自動車を運転させないようにするための措置が的確に行われていない。
○顧客から運転代行の依頼を受けた際の配車指示等が、過労運転の防止に留意したものとなっていない。
など当該自動車運転代行業者が当該自動車につき過労運転を防止するために必要な運行の管理を行っていると認められないときに限り行うものとする。
1) 自動車運転代行業者が、その業務に関して使用する車両について、過去一年以内に一回以上の過労運転が行われていた場合
2) 自動車運転代行業者又はその安全運転管理者等が、当該運転者に対して、当該自動車運転代行業者の業務に関して過労運転をすることを命じ、若しくは当該運転者が当該自動車運転代行業者の業務に関して過労運転をすることを容認していた場合又はこれに準ずるような事情がある場合
3) 自動車運転代行業者又はその安全運転管理者等が、当該運転者に対して、当該自動車運転代行業者の業務に関して過労運転をすることを誘発するような行為をしていた場合
4) 自動車運転代行業者が、その業務に関して使用する車両の運転について、過去一年以内に過労運転に係る指示(運転代行業務に関し行われた違反に係る指示を除く。)を受けた者である場合
5) 自動車運転代行業者が、その業務に関して使用する車両の運転について、過去一年以内に下命・容認に係る使用制限(過労運転に係るものに限る。)又は指示に係る使用制限(過労運転に係るものに限る。)を受けた者である場合
6) 自動車運転代行業者が、過去一年以内に、過労運転に係る指示に違反したとして、運転代行業法第二三条第一項等の規定により、営業の停止を命令された者である場合
イ 前記アにかかわらず、次のいずれかに該当する場合には、指示を行わないものとする。
1) 前記アの1)から6)までのいずれかに該当することとなる過労運転について、運転代行業法第二二条第一項等の規定による指示又は同法第二三条第一項等の規定による営業停止命令を行うこととなる場合
2) 指示の対象となるべき自動車運転代行業者が、運転代行業務に関し、過去一年以内に過労運転に係る指示を受けた者である場合(当該指示が現に効力を有する場合に限る。)
ウ 「自動車運転代行業者の業務に関し」とは、自動車運転代行業者の業務と関係なく車両が使用されていた場合を除くという意味であり、運転代行業務と一般営業活動等その他の業務の双方が含まれる。従って、例えば、運転代行業務に関し過労運転が行われた場合、その時点から過去一年以内に、運転代行業務に関してかその他の業務に関してかを問わず、当該自動車運転代行業者の業務に関して一回以上過労運転行為が行われていれば、前記ア1)により、指示の対象となる。
エ 指示の内容
運転代行業務に関し行われた違反に係る指示を行う場合には、指示に係る自動車を特定することなく、運転代行業務全般に関して、過労運転を防止するため必要な措置を採ることを指示するものとする。
また、当該指示においては、自動車運転代行業者が講ずべき措置をできるだけ明確かつ具体的に示すように努めるものとする。
なお、指示の具体例は、別紙7〔略〕のとおりである。
オ 指示の方法
指示は、理由を付した文書を交付して行うものとする。
なお、指示書の様式は、別紙8〔略〕の様式例を参考として各都道府県公安委員会の定めるところによる。
カ 留意事項
1) 前記アからオまでが適用されるのは、運転代行業務に関し行われた過労運転に係る指示である。運転代行業務以外の自動車運転代行業者の業務に関して行われた過労運転に係る指示については、左記3によること。
2) 運転者が自動車運転代行業者である場合においても、その運転代行業務に関し行われた過労運転は、前記アからオまでに定める基準により、指示の対象となること。
3) 指示の内容の確定に当たっては、自動車運転代行業者が過労運転を防止するために講じている措置の内容等を確認するとともに、必要に応じて、道路交通法第七五条の二の二第二項の規定による報告又は資料の提出を要求するなどにより疑問点の解明に努め、指示の内容が適正かつ効果的なものとなるように配意すること。
4) 指示の発出に当たっては、指示の事務を担当する課と監督事務担当課との間で十分な協議を行うこと。
キ 指示発出後の手続
1) 指示を発出した場合、その旨及びその内容が、監督事務担当課に確実に通知されるようにすること。
2) 指示発出後、当該指示を受けた自動車運転代行業者の運転代行業務に関し過労運転が行われた場合、その旨及びその内容が、監督事務担当課に確実に通知されるようにすること。
3 「その他の業務」に関して行われた違反に係る指示について
自動車運転代行業者の業務のうち運転代行業務以外のものに関して行われた最高速度違反行為、放置行為、過積載運転行為、過労運転に係る読替え後の道路交通法第二二条の二第一項、第五一条の四(第七五条の八第三項において準用する場合を含む。)、第五八条の四又は第六六条の二第一項の規定による指示については、運転者が自動車運転代行業者以外の者である場合にのみ、「道路交通法第七五条第二項の規定による自動車の使用制限並びに同法第二二条の二第一項等の規定による指示及び当該指示に係る同法第七五条の二第一項の規定による自動車の使用制限に係る処分量定の細目基準について」(平成一三年八月七日付け警察庁丁交指発第三三二号。以下「平成一三年通達」という。)の別添二に定める基準を必要な読替えを行った上で適用して、行うものとする。
第3 読替え後の道路交通法第七五条第二項及び第七五条の二第一項の規定による自動車の使用制限の運用及び処分量定の細目基準について
1 読替え後の道路交通法第七五条第二項の規定による自動車の使用制限の運用及び処分量定の細目基準について
(1) 自動車運転代行業者が使用する自動車について、読替え後の道路交通法第七五条第二項の規定による自動車の使用制限の対象となるのは、自動車運転代行業者又はその安全運転管理者等が、その自動車運転代行業の業務に関し、自動車の運転者に対して、無免許運転、最高速度違反行為、酒気帯び運転、過労運転、無資格運転、過積載運転行為又は駐停車違反行為を行うことを下命し、又はこれらの行為を容認した場合で、
1) 随伴用自動車の運転者が、無資格運転又は過積載運転行為をした場合
又は
2) 随伴用自動車以外の運転代行業の用に供される自動車の運転者が、無免許運転、最高速度違反行為、酒気帯び運転、過労運転、無資格運転、過積載運転行為又は放置行為をした場合
である。
(2) 代行運転自動車及び随伴用自動車については、自動車運転代行業者が、その運転者に対して、無免許運転、最高速度違反行為、酒気帯び運転、過労運転又は駐停車違反行為を行うことを下命し、又はこれらの行為を容認した場合でも、使用制限の対象とはならない。
ただし、この場合、読替え後の道路交通法第一一七条の二第二号等の規定による処罰の対象となるほか、運転代行業法第二二条第一項等の規定による指示の対象となる。
(3) 読替え後の道路交通法第七五条第二項の規定により使用制限を命ずるのは、自動車運転代行業者の主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会である。
(4) 前記の他、読替え後の道路交通法第七五条第二項の規定による使用制限の運用及び処分量定の基準については、平成一三年通達によること。
2 読替え後の道路交通法第七五条の二第一項の規定による自動車の使用制限の運用及び処分量定の細目基準について
(1) 自動車運転代行業者が使用する自動車について、読替え後の道路交通法第七五条の二第一項の規定による自動車の使用制限の対象となるのは、公安委員会が自動車運転代行業者に対し、読替え後の道路交通法第二二条の二第一項、第五一条の四(第七五条の八第三項において準用する場合を含む。)、第五八条の四又は第六六条の二第一項の規定による指示をした場合において、当該指示に係る当該自動車の運転者が、指示を受けた後一年以内に当該指示に係る違反行為と同種の違反行為を行った場合であるが、代行運転自動車又は随伴用自動車が最高速度違反行為、駐停車違反行為又は過労運転を行った場合は適用対象外とされている。したがって、適用対象となるのは、随伴用自動車について、過積載運転行為に係る指示の後一年以内に過積載運転行為が行われた場合又は随伴用自動車以外の自動車運転代行業の用に供される自動車について指示が行われた後一年以内に当該指示に係る違反行為と同種の違反行為が行われた場合に限られることになる。
自動車運転代行業者が、運転代行業務に関し、読替え後の道路交通法第二二条の二第一項、第五一条の四(第七五条の八第三項において準用する場合を含む。)又は第六六条の二第一項の規定による指示に違反した場合には、運転代行業法第二三条第一項等の規定による営業停止命令の対象となる。
(2) 読替え後の道路交通法第七五条の二第一項の規定による使用制限を命ずるのは、自動車運転代行業者の主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会である。
(3) 前記の他、読替え後の道路交通法第七五条の二第一項の規定による使用制限の運用及び処分量定の基準については、平成一三年通達によること。