自整第七号
昭和四二年一月二一日

各陸運局長あて

運輸省自動車局長通達


優良自動車整備事業者認定規則の運用について


優良自動車整備事業者認定規則(以下「規則」という。)の改正に伴い、その適正な実施を図るため、今後左記の要領により運用されたい。
なお、優良自動車整備事業者認定規則の運用について(依命通達)(昭和三八年八月一日自整第一一一号)は、これを廃止する。

一 規則第五条から第七条までに規定する基準に適合するかどうかを審査する場合は、次に掲げる事項に十分留意して判定すること。

(一) 規則第五条から第七条までの第一号及び規則第五条第二号

実施できる整備作業の範囲及び検査作業と整備作業との分業化の状態についての人員及び施設の関連

(二) 規則第五条第三号

イ 機械工具及び計器類の種類及び数量(別紙により判定すること。)
ロ 機械工具及び計器類の機能及び精度
ハ 機械類の配列
ニ 建屋の構造及び配列
ホ 作業場及び車両置場の面積(別紙により判定すること。)
ヘ 作業場の採光、照明、通風、排水、天上の高さ及び床面積等作業環境
ト 車両通路の確保
チ 機械工具、計器類及び建屋の管理状況

(三) 規則第五条第四号

イ 作業の流れ、作業指示等作業工程の管理状況
ロ 作業の標準化、作業の改善等技術の管理状況
ハ 定期点検の実施体制(一種整備工場及び二種整備工場の場合に限る。)
ニ 検査の実施体制
ホ 整備完了車又は整備完了品のできばえ及びその管理状況
ヘ 外注作業のできばえ及びその管理状況
ト 使用部品の管理状況
チ 機械工具及び計器類の活用状況
リ 整理、整とん
ヌ 工員の経験年数及び作業態度
ル 整備主任者の研修受講その他従業員の教育状況
オ 作業能率及びその向上対策

(四) 規則第五条第七号

自動車整備士の数及びその工員中に占める割合(別紙により判定すること。)

(五) 規則第五条第八号

イ 事業経営の態度
ロ 事業場管理責任者の管理能力
ハ 保有する工員の数(別紙により判定すること。)
ニ 事業場の立地条件
ホ 営業成績
ヘ 原価の管理状況
ト 財務の管理状況
チ 事業場の将来性

(六) 規則第五条第九号

道路運送車両法及びこれに基づく諸規則に対する理解の程度及びこれの遵守状況


別紙

第1表 一種整備工場及び二種整備工場
種別
番号
 
認定の種類
一種整備工場
二種整備工場
備考
 
 
要目
 
 
 
 
A
1
工員数
 
10人以上
5人以上
 
 
2
整備士数
 
4人以上
2人以上
自動車工のうち整備士数
 
3
整備士保有率
 
1/3以上
1/3以上
自動車工の数に対する整備士数の割合
B
1
屋内現車作業場
 
道路運送車両法施行規則別表第4の規定に基づく車両整備作業場及び点検作業場の面積×1.6以上
道路運送車両法施行規則別表第4の規定に基づく車両整備作業場及び点検作業場の面積以上
現車についての点検・整備作業を行うための作業場とする。
 
2
その他の作業場
 
機械加工、原動機、塗装、鍛冶等の各作業場
 
3
車両置場
 
a×0.3以上
a×0.3以上
屋内、屋外を問わない。
aは当該事業場の屋内現車作業場面積
 
4
完成検査場
 
屋内
指定整備工場の検査設備として完成検査場を有している場合(共用設備を使用する場合を含む。)は、当該完成検査場で足りる。
C
1
卓上ボール盤
 
 
 
2
シャシ・ルブリケータ
 
二輪の自動車のみを対象とする場合は不要
 
3
オイル・バケットポンプ
 
 
 
4
ホイール・バランサ
 
大型特殊自動車のみを対象とする場合は不要
 
5
フリー・ローラ
 
四輪の自動車を対象とする場合に限る(可搬式のものであっても可)。
D
1
バルブ・シート・グラインダ
 
 
 
2
バルブ・リフェーサ
 
 
 
3
バルブ・リフタ
 
 
 
4
シリンダ・ゲージ
 
 
 
5
コンロッド・アライナ
 
 
 
6
スプリング・テスタ
 
 
 
7
ラジエータ・キャップ・テスタ
 
 
 
8
マイクロ・メータ
 
 
E
1
メガー
 
 
 
2
レギュレータ・テスタ
 
 
 
3
コンデンサ・テスタ
 
自家工場であってジーゼル自動車のみを対象とする場合は不要
 
4
コイル・テスタ
 
同上
 
5
電子計測機器
 
オシロスコープ等
F
1
溶接機
 
 
G
1
検車装置
 
検車台、ピット、リフト等
 
2
ホイール・アライメント・テスタ又はサイド・スリップ・テスタ
 
三輪以下の自動車のみを対象とする場合は不要
 
3
ブレーキ・テスタ
 
 
 
4
前照灯試験機
 
 
 
5
音量計
 
 
 
6
速度計試験機
 
 
 
7
黒煙測定器
 
ジーゼル自動車を対象としない場合は不要

(注)

1 ◎印の面積は、屋内現車作業場の基準面積の外とする。
2 ○印は、当該事業場の作業に必要な数量及び機能を保有していなければならないことを示す。
3 △印は、保有することが望ましいことを示す。
4 当該事業場に設置されたサーキット・テスタがレギュレータ・テスタ、コンデンサ・テスタ及びコイル・テスタの代用となり得る場合には、これらを保有しているものと見なす。

第2表 特殊整備工場(車体整備作業(一種)及び車体整備作業(二種))
種別
番号
項目
車体整備作業(一種)
車体整備作業(二種)
備考
A
1
工員数
5人以上
3人以上
車体整備作業に従事する工員数
 
2
整備士数
2人以上
2人以上
自動車車体整備士
B
1
屋内現車作業場
60m2以上
50m2以上
現車についての車体整備作業を行う場所のみとし、最低1両分の塗装作業場を含み、その他の作業場、完成検査場及び洗車場を除く。
 
2
その他の作業場
機械加工、木工、鍛冶等の作業場、機器は1箇所に集中されていなくてもよい。
 
3
車両置場
a×0.3以上
a×0.3以上
屋内、屋外を問わない。
aは当該事業場の屋内現車作業場の面積
 
4
完成検査場
屋内
 
5
洗車場
 
C
1
洗車機器
スチーム・クリーナ、カーワッシャ等
D
1
アーク溶接器
ガスシールド・アーク溶接器を含む。
 
2
点溶接器
ガスシールド・アーク溶接器がある場合にはなくてもよい。
 
3
ガス溶接器
 
 
4
車枠矯正装置
自動車を固定し、車枠の曲り、ねじれ等の点検、修正及び検査ができるもの。
 
5
車体修正機
自動車を固定し、又は修正機を保持具により自動車に固定して車体の変形を修正できるもの。車枠矯正装置がある場合にはなくてもよい。
 
6
板金用油圧機器
ポートパワー等
 
7
板金定盤
 
 
8
板金工具一式
 
E
1
スコヤ
大型のもの
F
1
ボール盤
卓上用のものでも可
 
2
ポータブル・グラインダ
板金用のもの
 
3
サンダ
板金用及び塗装用各1
 
4
ポリシャ
 
G
1
塗装機器
スプレーガン等
 
2
塗装乾燥装置
赤外線、ガス等の強制乾燥機(250w×12燈クラス以上)
H
1
ヘッドライト・テスタ
 
 
2
ホイール・アライメント・テスタ
可搬式にても可
 
3
フレーム・センタリング・ゲージ
測定のため必要な自動車の保持具等を含む。車枠矯正装置がある場合にはなくてもよい。
 
4
トラム・トラッキング・ゲージ
車枠矯正装置がある場合にはなくてもよい。

(注)

1 ◎印は、機械の配置及び当該機器に係る作業を行うために十分な面積を有していなければならないことを示す。
2 ○印は、その事業場の作業を行うために十分な面積又は必要な数量及び機能を有していなければならないことを示す。

第3表 特殊整備工場(電気装置整備作業)
種別
番号
要目
基準
備考
A
1
工員数
3人以上
電気装置整備作業に従事する工員数
 
2
整備士数
2人以上
自動車電気装置整備士
B
1
屋内現車作業場
35m2以上
現車についての電気装置整備作業を行う場所
 
2
屋内電気装置整備作業場
20m2以上
現車から取り外した電気装置の整備作業を行う場所
 
3
車両置場
a×0.3以上
屋内、屋外を問わない。
aは屋内現車作業場の面積
C
1
オルタネータ・テスタ
変速装置付電動機、直流電圧、電流計、回転計のあるもの
 
2
スタータ・テスタ
トルク計、直流電圧、電流計のあるもの
 
3
オルタネータ・オシロスコープ
自動車用オルタネータの波形試験のできるもの
 
4
グローラ・テスタ
 
 
5
バッテリ・テスタ
 
 
6
半導体試験器
トランジスタ、ダイオード等半導体の試験のできるもの
 
7
回路試験器
 
 
8
ボルト・メータ
 
 
9
アンペア・メータ
 
 
10
メガー
 
D
1
プレス
 
 
2
バイス
 
 
3
電気ドリル
空圧式のものでも可
 
4
マイクロメータ
 
 
5
ダイヤルゲージ
 
 
6
ガレージ・ジャッキ
 
 
7
エア・コンプレッサ
 
E
1
充電器
急速充電器を含む。
 
2
溶接器
ハンディ式のものでも可
 
3
部品洗浄そう
 
 
4
乾燥装置
 

注)

1 ○印は、その事業場の作業を行うために必要な数量及び機能を有していなければならないことを示す。

第4表 特殊整備工場(原動機整備作業)
 
 
設備等
基準
備考
A
1
工員数
7人以上
自動車用原動機整備作業に従事する工員数
 
2
整備士数
1人以上
二級自動車シャシ整備士及び三級自動車シャシ整備士を除く。
B
1
原動機分解組立作業場
20m2以上
自動車用原動機の分解、組立等の整備作業を行う屋内作業場
 
2
原動機部品整備作業場
60m2以上
自動車用原動機の単体部品の機械加工作業等を行う屋内作業場
 
3
その他の屋内作業場
熔接、鍛冶等を行う作業場
 
4
受注品置場
a×0.1以上
受注品を収容する場所であって、うち完成品を格納する場所は屋内に現る。
aは原動機分解組立作業場及び原動機部品整備作業場の面積の和を示す。
 
5
屋内完成検査場
完成品の検査を行う場所
 
6
洗浄場
自動車用原動機の洗浄を行う場所
C
1
シリンダ・ボーリング・マシン
 
 
2
シリンダ・ホーニング・マシン
 
 
3
サーフェース・グラインダ
平面切削盤を含む。
 
4
クランクシャフト・グラインダ
 
 
5
ライン・ボーリング・マシン
 
 
6
コンロッド・グラインダ
 
 
7
ピンホール・ホーニング・マシン
 
 
8
バルブ・シート・グラインダ
 
 
9
バルブ・リフェーサ
 
D
1
旋盤
 
 
2
ボール盤
卓上用のものでよい。
 
3
プレス
能力が19.6KN(2tf)以上で、油圧式又は手動式のもの
E
1
バイス
 
 
2
チェーン・ブロック
つり上げ能力9.8KN(1tf)以上のもの
 
3
作業台
縦1メートル以上、横1.5メートル以上のもの
 
4
部品洗浄槽
縦500ミリメートル以上、横700ミリメートル以上、深さ150ミリメートル以上で台付のもの
 
5
エア・コンプレッサ
 
 
6
洗浄機器
スチーム・クリーナ、カーワッシャー等
 
7
運搬機器
原動機の運搬が容易にできるもの
F
1
シリンダ・ゲージ
 
 
2
マイクロ・メータ
 
 
3
ダイアル・ゲージ
 
 
4
ノギス
最大測定値が150ミリメートル以上、単位目盛が副尺利用で0.05ミリメートル(1/20ミリメートル)以下のもの
 
5
シックネス・ゲージ
長さ75ミリメートル以上のリーフが8種類以上組み合わされているもの
 
6
フィーラ・ゲージ
長さ230ミリメートル以上のリーフが8種類以上組み合わされているもの
 
7
直定規
断面の幅が5ミリメートル以上で高さ25ミリメートル以上、長さ500ミリメートル以上のもの
 
8
定盤
縦450ミリメートル、横600ミリメートル以上のもの
 
9
表面アラサ測定機
JIS―0659 表面アラサ標準片でもよい。
 
10
コンロッド・アライナ
 
 
11
ノズル・テスタ
 
 
12
コンプレッション・ゲージ
 
 
13
エンジン・タコ・テスタ
 
 
14
バキューム・ゲージ
 
 
15
タイミング・ライト
ガソリン車用のもの
 
16
バルブ・スプリング・テスタ
 
 
17
温度計
 
 
18
燃料消費計
 
G
1
バルブシート・カッタ
 
 
2
トルク・レンチ
クランク軸の軸受締付ボルト、コンロッド大端ボルト及びシリンダヘッド・ボルト等の締付トルクの測定ができるもの。
 
3
作業用工具
原動機の分解、組立作業及び部品の脱着作業等に必要なもの(特殊工具を含む)
 
4
バルブ・リフタ
 
 
5
ベアリング・レース・プーラ
 
 
6
ギヤ・プーラ
 
H
1
亀裂点検装置
磁気探傷器、けい光探傷器、染色探傷器または、いぶし検査用具(ガスバーナ又はトーチランプ)など。
 
2
水圧検査装置
加圧ポンプ、耐圧ホース及び締付金具を含む。
 
3
噴射ポンプ・テスタ
 
 
4
原動機試験装置
水動力計、電気動力計等原動機の馬力の測定ができるもの

(注)

1 ◎印は、作業を行うために必要とする十分な面積を有していなければならない。
2 ○印は、作業対象に応じた機能を有するもの1基以上を作業量に応じて保有しなければならない。

第5表 特殊整備工場(タイヤ整備作業)
種別
番号
項目
基準
備考
A
1
工員数
3人以上
タイヤ整備作業に従事する工員数
 
2
整備士数
2人以上
自動車タイヤ整備士
B
1
屋内現車作業場
35m2以上
現車についてのタイヤ整備作業を行う場所
 
2
屋内タイヤ整備作業場
20m2以上
現車から取り外したタイヤの整備作業を行う場所
 
3
車両置場
a×0.3以上
屋内、屋外を問わない。
aは屋内現車作業場の面積
 
4
洗浄場
 
C
1
エア・コンプレッサー
 
 
2
エア・減圧弁
 
 
3
リフト
ガレージ・ジャッキを含む
 
4
インパクト・レンチ
 
 
5
タイヤ・フレータ
 
D
1
タイヤ・チェンジャ
 
 
2
ビート・ブレーカ
 
 
3
タイヤ・スプレッダ
 
 
4
タイヤ修理機
チューブレス・タイヤ修理機を含む
 
5
チューブ焼付機
 
 
6
グラインダ
 
 
7
チューブ・テストタンク
 
 
8
チューブ・ハンガ
 
E
1
作業台
 
 
2
作業用工具
タイヤの取り外し、組み付け、修理に必要なもの
 
3
タイヤ収納棚
タイヤを縦置きに収納できるもの
F
1
ホイール・バランサ
 
 
2
タイヤ・ゲージ
高精度ゲージ
 
3
デプス・ゲージ
 
 
4
トルク・レンチ
 
 
5
巻尺
 
 
6
亀裂点検装置
染色探傷用具を含む。

注) ○印は、その事業場の作業を行うために十分な面積又は必要な数量及び機能を有していなければならないことを示す。


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