自技第二三〇号の三・自整第一七五号の三
平成一〇年一一月一九日

(社)日本自動車整備振興会連合会会長・(社)全国ダンプカー協会会長・(社)日本バス協会会長・(社)全国レンタカー協会会長・(社)全日本トラック協会会長・(社)日本自動車工業会会長・(社)全国乗用自動車連合会会長・(社)日本自動車車体工業会会長・(社)全国個人タクシー協会会長・(社)日本産業車両協会会長・(社)日本自動車輸入組合理事長・(社)日本自動車販売協会連合会会長・(社)日本中古自動車販売協会連合会会長・(社)全国軽自動車協会連合会会長・(社)日本自動車会議所会長あて

運輸省自動車交通局長通達


道路運送車両法の一部を改正する法律等の施行による分解整備検査の廃止等について(依命通達)


分解整備検査の廃止及びこれに関係する点検整備及び検査の見直しについては、道路運送車両法の一部を改正する法律(平成一〇年法律第七四号)及び道路運送車両法施行規則等の一部を改正する省令(平成一〇年運輸省令第六七号)が公布され、所要の法令の改正措置が講じられたところであり、本年一一月二四日をもって施行されます。
つきましては、主要な改正点及び今後の運用に当たっての留意点等を左記のとおりとりまとめましたので、これらを貴団体傘下の会員等に対し、周知徹底されるようお願いします。

第1 主要改正点

1 自動車使用者関係

(1) 分解整備検査の廃止及び点検整備記録簿への記載、保存

今回の法律改正により、自動車使用者が分解整備を実施した場合に義務付けられていた国の分解整備検査が廃止された。
これにより、自動車使用者は、分解整備を実施した場合、分解整備検査を受検する必要がなくなるが、安全確保のための対策として、定期点検整備を実施した場合と同様に、分解整備の概要及び実施日等について記録簿に記載し、保存することが義務付けられた。これに伴い、記録簿の名称を定期点検整備記録簿から点検整備記録簿に変更することとした。
このため、今後は、自動車使用者自らの保守管理を促進する観点から、定期点検整備を実施した場合はいうまでもなく、分解整備を行った場合においても、点検整備記録簿への確実な記載及び保存を行うことが必要である。

(2) 分解整備記録簿の写しの活用

自動車使用者の保守管理責任の醸成を図るため、自動車使用者が自動車分解整備事業者(以下「分解整備事業者」という。)に分解整備を依頼した場合には、分解整備事業者は、自動車使用者からの請求の有無にかかわらず分解整備記録簿の写しを交付することが義務付けられた。今後、自動車使用者に対し、分解整備事業者から当該記録簿の写しが必ず交付されることから、自動車使用者は当該記録簿の写しを確実に受領・保存し、整備内容の把握及びその後の整備への活用に努めることが必要である。

2 分解整備事業者関係

(1) 認証基準における経理的基礎の廃止

整備等の要件の緩和、専門認証制度の創設等分解整備事業の認証基準の見直しにより、事業に必要な資金が従前に比べ少なくなり、経営の健全性を確認する必要がなくなったと判断されるため、経理的基礎に関する基準を廃止した。

(2) 分解整備記録簿の写しの交付

分解整備事業者が分解整備を行った場合には、自動車使用者の請求の有無にかかわらず、分解整備記録簿の写しを交付することが分解整備事業者に義務付けられた。
このため、自動車使用者に対する当該記録簿の交付、整備内容等についての適切な情報提供が確実に行われることが必要である。

(3) 整備主任者の届出

国の分解整備検査が廃止されたことから、分解整備事業者における整備箇所の検査及びこの検査の実施責任者である検査主任者の制度を廃止し、分解整備事業者の責任において、保安基準に適合するよう分解整備を実施することとした。
これに伴い、分解整備事業者に対しては、分解整備を実施する場合の保安基準適合義務及び分解整備記録簿の記載に関する事項を統括管理する者として、一級又は二級自動車整備士から少なくとも一名の整備主任者の届出を義務付けた。
分解整備事業者及び整備主任者は、適正な整備水準を維持し、車両の保安基準適合性を確保する上で支障のないよう、分解整備に係る部分の保安基準への適合性の確保及び分解整備記録簿の記載に関する業務を行う必要がある。

第2 自動車検査員の要件の解釈

検査主任者制度の廃止に伴い、自動車検査員の要件から検査主任者に係る事項を削除した。また、整備主任者制度の創設に伴い、自動車検査員の要件として、整備主任者として一年以上の実務経験の後、地方運輸局長が行う教習を修了することを加えるとともに、自動車検査員は、自動車が保安基準に適合する旨を証明し、指定自動車整備事業者が保安基準適合証を交付した場合には国への現車提示を省略できることにかんがみ、整備主任者として適切に業務を行っていたことをこの要件に含めることとした。
整備主任者として適切に業務を行っていないことに係る解釈については、分解整備事業者が事業の停止又は認証の取消処分を受けた場合であって、当該分解整備事業者に対する監査の結果、整備主任者が不適切な分解整備に係る業務又は分解整備記録簿の記載を行っていたときは、当該整備主任者は適切に整備主任者としての業務を行っていなかったものとし、当該整備主任者は分解整備事業者が処分を受けた日から起算して二年間自動車検査員になれないこととする。

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