国自総第四六四号・国自貨第七九号
平成一五年二月一四日

各地方運輸局自動車交通部長・沖縄総合事務局運輸部長あて

自動車交通局総務課安全対策室長・自動車交通局貨物課長通知


特別積合せ貨物運送等の取扱いについて


鉄道事業法等の一部を改正する法律(平成一四年法律第七七号)の施行に伴い、特別積合せ貨物運送等の取扱いについて別紙のとおり定めたので、事務処理上遺漏のないよう取り計らわれたい。
なお、本通達は平成一五年四月一日以降の申請事案について適用することとし、これに伴い、「特別積合せ貨物運送等の取扱いについて」(平成二年一一月二六日貨技第一二二号、貨陸第一二七号)は平成一五年三月三一日限りで廃止する。



別紙

特別積合せ貨物運送等の取扱いについて

1 特別積合せ貨物運送の定義

特別積合せ貨物運送とは、法第二条第六項の規定により定義されたものをいうが、具体的には、次の1)〜3)のいずれも満たすものをいう。
1) 起点(運行系統の発地をいう。)及び終点(運行系統の着地をいう。)の営業所又は荷扱所において必要な仕分(起点が一運行系統のみに係るものである場合は、起点における集荷又は配達を行う事業用自動車(以下「集配車」という。)から運行車への貨物の積み換えを含む。以下同じ。)を行う。
2) 集荷された貨物を定期的に運送する。
3) 1)及び2)を自ら行う。

なお、特別積合せ貨物運送は、異なる地域的な経済圏相互間において、安定した輸送需要を前提として、集荷、地域間運行及び配達が計画的に行われている貨物運送について、その形態上利用者保護及び輸送の安全確保の観点から一定の規制を行う必要があるものとして法において定義されているのである。したがって、特別積合せ貨物運送に該当するか否かは、起点及び終点における仕分の必要性、貨物の取扱量が極端に少なすぎることはないか等を総合的に勘案して判断すること。具体的には、以下の事項を確認すること。
(イ) 運行の往路、復路それぞれに複数の荷主の輸送需要が確実にあるものか。
(ロ) 運行の往路、復路それぞれに定期的に運行することが必要な程度の輸送需要が確実にあるものか。
(ハ) 取扱う貨物の種類が積合せて運送することに不適当なもの(例えば、土砂、長大物)でないものか。
(ニ) 営業所又は荷扱所において仕分を行うものか。
(ホ) 運行系統が、異なる地域的な経済相互間を結ぶものであるものか(例えば、同一最小行政区画又は周辺の最小行政区画との間の運行系統のようなものでないもの。ただし、これらのものであっても事業形態上ターミナルを複数の分けているもの(いわゆる横持ち)については事案に応じて判断する。)

2 営業所及び荷扱所の取扱い

特別積合せ貨物運送に係る営業所及び荷扱所の取扱いについては、以下のとおりとする。
1) 定義

(イ) 営業所

事業者が自らの事業用自動車を配置し、かつ、五に定める積卸施設を整備しているものをいう。

(ロ) 荷扱所

事業者が自らの事業用自動車を配置せず、かつ、五に定める積卸施設を整備しているものをいう。(以下「直営荷扱所」という。)ただし、他の事業者の営業所又は荷扱所も荷扱所とすることができる。(以下「委託荷扱所」という。)

2) 運行系統の起点又は終点には、営業所又は直営荷扱所を設置することとし、委託荷扱所は設置しないこととする。
3) 委託荷扱所の場合は、事業計画に委託先の事業者名を記載すること。

3 運行系統の記載方式等

事業計画に係る運行系統の記載方式等については、以下のとおりとする。
1) 運行系統は起点、経過地、終点及びキロ程によって表示すること。

また、運行系統の起点、経過地及び終点の営業所又は荷扱所の所在地を結ぶ最短経路の距離(以下「運行系統の距離」という。)に基づき、貨物自動車運送事業輸送安全規則(平成二年運輸省令第二二号。以下「輸送安全規則」という。)第三条第七項の規定により、事業用自動車の乗務に関する基準(以下「乗務基準」という。)を定める必要がある場合には、運行系統別に乗務基準を定める旨を表示すること。

2) 起点及び終点については、最小行政区画によって表示し、経過地については運行車が立ち寄る営業所又は荷扱所の所在地の運輸支局又は運輸監理部(以下「運輸支局等」という。)の管轄区域によって表示すること。
3) 同一支局管内の運行系統については、経過地を表示しないこと。
4) 経過地の営業所又は荷扱所が起点又は終点と同一運輸支局等の管内にあるものについては、経過地を表示しないこと。
5) 循環運行系統は、運行系統を複数にする等により、起点と終点を分離して記載すること。
6) キロ程は、運行系統の距離(一〇未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)によって記載すること。

なお、事業計画に記載されているキロ程が前段の規定によらないものである場合には、当該キロ程は前段の規定に基づき記載されたものとみなし、1)の後段の規定は適用しないこととする。

7) 運行系統に係る1)に定める表示(以下「運行系統の表示」という。)の一部又は全部を変更しようとする場合は、事業計画の変更認可(運行系統の新設、廃止、変更)の対象となる。ただし、次に掲げる事項のいずれにも該当する場合には、運行系統の表示に変更がないものとみなし、変更認可は必要としないこととする。

(イ) 変更しようとする運行系統の表示が当該運行系統のキロ程に限るとき。
(ロ) 記載されている当該運行系統に係るキロ程(一〇未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)が変更した場合における運行系統の距離(一〇未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)と同一であるとき。

なお、輸送安全規則第三条第七項に規定する運行系統については、「貨物自動車運送事業輸送安全規則の細部取扱いについて」(平成二年九月二〇日付け貨技第八八号)の記「第三条過労運転の防止」4によること。

4 事業用自動車

営業所に配置する事業用自動車の数は五両以上であること。

5 積卸施設

積卸施設とは、集荷した貨物を運行車に積み込み、また、運行車により運送された貨物を方面別に仕分けして配達するために必要な施設をいい、次のような施設が整備されていること。
(イ) 運行車及び集荷、配達を行う事業用自動車の停留場所
(ロ) 貨物の自動車からの取卸し、自動車への積込み用の施設
(ハ) 貨物の仕分け用施設
(ニ) 貨物の一時保管用施設

6 特別積合せ貨物運送類似の運送形態の取扱い

他の運送事業者と1の特別積合せ貨物運送の定義1)及び2)に該当する運送を行っている場合は、貨物の管理体制、運行管理等に問題が生じるおそれがあることは特別積合せ貨物運送と同様であるため、特別積合せ貨物運送類似の運送形態を共同して行う旨の連絡運輸協定を締結させること等により、乗務基準、服務規律及び貨物の管理体制について、特別積合せ貨物運送に準じた指導を行うこと。

7 権限の委任について

貨物自動車運送事業法施行規則(平成二年運輸省令第二一号)第四二条の規定に関する運行系統の起点から終点までの距離については、36)の定めるキロ程によること。
1) 事業の許可及び事業計画変更認可

新たに特別積合せ貨物運送をしようとする場合の許可及び特別積合せ貨物運送に係る事業計画変更の変更認可については、申請に係る運行系統のうちに二以上の地方運輸局長の管轄区域にわたり(運行系統が既存の運行系統と重複する部分があるときは、その重複する部分以外の部分が二以上の地方運輸局長の管轄区域にわたり)、かつ、その起点から終点までの距離(当該運行系統が既存の運行系統と重複する部分があるときは、その重複する部分に係る距離を除く。)が一〇〇キロメートル以上の場合を国土交通大臣の権限とし、申請に係る運行系統が一の地方運輸局長の管轄区域で完結する場合又は運行系統の起点から終点までの距離(当該運行系統が既存の運行系統と重複する部分があるときは、その重複する部分に係る距離を除く。)が一〇〇キロメートル未満の場合を地方運輸局長の権限とする。
具体例は参考(1)のとおりである。

2) その他

特別積合せ貨物運送に係る運賃及び料金の届出書の受理、事業改善の命令、輸送の安全に関する業務の管理の受委託の許可、事業の譲渡し及び譲受けの認可、法人の合併及び分割の認可、相続の認可及び事業の停止の命令又は許可の取消しについては、運行系統が二以上の地方運輸局長の管轄区域に設定され、かつ、その起点から終点までの距離の合計(運行系統が重複する部分に係る距離を除く。以下「運行系統の長さ」という。)が一〇〇キロメートル以上である場合を国土交通大臣の権限とし、運行系統が一の地方運輸局長の管轄区域で完結する場合又は運行系統の長さが一〇〇キロメートル未満の場合を地方運輸局長の権限とする。
具体例は参考(2)のとおりである。



<別添資料>


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