港管第二三六三号
昭和四八年一〇月一日

港湾管理者の長あて

運輸省港湾局長通達


港湾法の一部改正について


港湾法等の一部を改正する法律(昭和四八年法律第五四号)の施行に伴い、港湾法(昭和二五年法律第二一八号)の一部改正が昭和四八年七月一七日に行なわれた。
改正内容は、第一条の目的規定を含め、極めて多数の条項に及んでいる。そのうち、本年七月一七日に公布施行されたのはその一部であるが、施行された諸規定の解釈及び運用については、本日付けをもつて、別添一のとおり、港湾管理者の長あて通知したところである。貴職においても改正法及び右記通達の趣旨を十分に理解し、今後、市町村管理に係る港湾区域の認可、公告水域の設定等の業務を適切に処理するほか、左記の点に留意し、法の運用に遺漏なきよう努められたい。なお、従来の通達(関係各省との共同通達を含む。)であつて今回の港湾法の改正によつて改正を必要とするものについては、別途通達する。

一 公告水域における行為の規制等(第五六条関係)

(一) 水域の範囲について

従来、公告水域(港湾法第五六条第一項の規定により都道府県知事が公告した水域をいう。以下同じ。)の上空及び水底下における同条第二項の行為の規制の適用については、疑義のあるところであつたが、今回の改正(第三七条第一項第一号括弧書中「以下本条中同じ。」が「以下同じ。」に改められた。)により明確となり、水域の上空は一〇〇mまで、水底下は六〇mまで(港湾法施行令(昭和二六年政令第四項)第一三条)の範囲において行為の規制が行なわれることとなつた。
また、公告水域における行為の規制対象として「港湾の利用若しくは保全に支障を与えるおそれのある政令で定める行為」が加えられた(第一項)。これは、公告水域においてもその公共的利用を確保するとともに、環境の保全等を積極的に図る必要があり、港湾区域と同様港湾法施行令第一九条により廃物の投棄が規制対象とされたものである。
運用にあたつては、右記通達中記五を参考のうえ、適切な処理を行なうこと。

(二) 占用料等の帰属について

公告水域における占用料及び土砂採取料の帰属については、国庫帰属から都道府県帰属に改められた(第三項)ので、念のため申し添える。

二 海浜の管理について

今回の港湾法の改正により、海浜は港湾施設として管理されることになり、国有財産としての管理及び処分に関する事務も変更されるので(右記通達中記一(三)(3))参照)、あらかじめ、了知しておくこと。


別添一

港管第二三六三号
昭和四八年一〇月一日

港湾管理の長 殿

運輸省港湾局長
竹内良夫

港湾法の一部改正について

港湾法等の一部を改正する法律(昭和四八年法律第五四号)の施行に伴い、港湾法(昭和二五年法律第二一八号)の一部改正が昭和四八年七月一七日に行なわれた。
その目的は、最近の社会情勢にかんがみ、港湾環境整備施設、廃棄物処理施設、港湾公害防止施設等の整備を推進すること等により、港湾の環境保全を図るほか、港湾及び航路の計画的な開発、利用及び保全の体制を確立するとともに、マリーナ等港湾区域外の港湾の諸施設の保全の確保を図ることにあるが、その改正内容は、第一条の目的規定を含め、極めて多数の条項に及んでいる。そのうち本年七月一七日に施行されたのは、その一部であるが、施行された諸規定の解釈及び運用については、左記の点に留意し、遺漏なきよう努められたい。
なお、従来の通達(関係各省との協同通達を含む。)であつて、今回の港湾法の改正によつて改正を必要とするものについては、別途通達する。
なお、貴都道府県管内の市町村管理に係る地方港湾の港湾管理者の長には貴職よりこの旨周知方お願いする。
一 港湾施設について(第二条第五項関係)

(一) 新規追加港湾施設の解釈運用について

(1) 港湾施設の追加の観点

港湾施設の追加は、I 港湾の環境の整備及び保全、II 港湾機能の充実、III 港湾管理の強化の三つの観点から行なわれた。

(2) 港湾公害防止施設(第九号)について

I 港湾公害防止施設とは、「港湾における公害の防止のための施設」を総称したものであり、港湾公害防止施設と第九号の三の港湾環境整備施設との相違は、その機能の相違による。例えば「緑地」であつても公害防止用緩衝緑地としての機能を果たすものは本号でいう「公害防止用緩衝地帯」として取扱うものとする。
II 「汚濁水の浄化のための導水施設」とは、水質の汚濁しやすい港湾の水面を浄化するための施設の総体をいい、例えば河川からの導水路のように、その一部が港湾施設及び臨港地区内にないものについても同条第六項による施設認定の制度の活用により港湾施設として取り扱うものとする。
III 「公害防止用緩衝地帯」とは、港湾における生産、流通等の諸活動に伴う公害を周辺に及ぼすことを防止するための施設であり、緩衝緑地、緩衝空地、緩衝水面等が含まれる。
IV 本号で例示されている施設以外で本号に該当するものは、瀑気施設、防油塵さく、共同汚水浄化装置、遮音壁等である。

(3) 廃棄物処理施設(第九号の二)について

I 廃棄物処理施設とは、「廃棄物の処理のための施設」を総称したものであり、本号でいう「廃棄物」とは、船舶発生廃棄物のみならず、一般廃棄物、産業廃棄物、放射性廃棄物等総ての廃棄物を含む。従つて、例えば本号で例示する「廃油処理施設」には、海洋汚染防止法(昭和四五年法律第一三六号)第三条第九号に規定する廃油処理施設に限らず、工場において発生した廃油の処理施設も含まれる。
II 本号で例示されている施設以外で本号に該当するものは、廃棄物の溶融施設、圧縮施設、中和施設等である。

(4) 港湾環境整備施設(第九号の三)について

I 港湾環境整備施設とは、「港湾の環境の整備のための施設」を総称したものである。

また、「港湾の環境の整備」とは、港湾の環境を積極的に向上させることをいい、公害の防止、廃棄物の処理等環境の現状回復又は現状維持を目的とする行為よりは、前向きにとらえられるものである。

II 本号の施設には、単体としてとらえられる施設(植栽、休憩所等)と集合体としてとらえられる施設(海浜、緑地、広場等)とがあり、後者の施設として整備する場合は、前者に属する個々の施設もあわせて整備する場合がある。
III 本号でいう「海浜」とは、海水浴場、景勝的価値のある砂浜、磯等港湾の環境の整備に資する海浜をいい、自然海浜、人工海浜の別、公有、私有の別を問わず、港湾区域又は臨港地区に存するものである。
IV いわゆる養浜事業は、海浜の新設、改良等の事業に該当する。この場合、公有水面埋立法(大正一〇年法律第五七号)は、一般的には適用されない。

但し、養浜事業のうち、例えば海浜を新設するため、恒久的な護岸(例えば階段式護岸)を築造して行なう場合等養浜により陸地を造成することを目的とする場合は、公有水面埋立法に基づく手続が必要である。

V 本号で例示されている施設以外で本号に該当するものは、遊歩道、サイクリング・ロード、ベンチ、運動施設、便所、花壇、池、噴水等である。

(5) その他今回追加された港湾施設について

I 「駐車場」及び「ヘリポート」(第四号)

これらの施設は、港湾機能の充実を図るために追加されたものであり、「駐車場」には、カーフエリーに係る駐車場も該当する。

II 「宿泊所」(第七号)

これは、旅客船、フエリー等の乗降旅客、観光船、ヨツト、モーターボート等を利用する者等に対し、供用される宿泊所をいう。

III 「船舶修理施設」及び「船舶保管施設」(第八号)

これらは、船舶に対するサービスを提供する施設であり、これらの追加に伴い「船舶補給施設」が「船舶役務用施設」と改められた。「船舶保管施設」とは、ヨツト、モーターボート等を保管するための艇庫等をいい、使用中の船舶を一時的に係留しておくための船揚場等は「船舶保管施設」ではなく、第三号の係留施設である。例えば、斜路は係留施設のうちの「船揚場」として取り扱うものとする。

IV 「その他の福利厚生施設」(第一〇号)

これは、港湾管理者の業務として、第一二条第一項第一二号において、一般的に福利厚生施設を設置し、管理することが定められており、当該業務との斉合性を保つため、福利厚生施設の範囲を改めたものである。これには、港湾会館、集会場、食堂等が含まれる。

V 「港湾管理施設」(第一〇号の二)及び「港湾管理用移動施設」(第一四号)

「港湾の管理のための施設」とは、港湾の管理主体である港湾管理者の業務の遂行上必要な施設をいい、第一〇号の二の「その他の港湾の管理のための施設」には、巡視所、監視塔、通信施設等があり、第一四号の「その他の港湾の管理のための移動施設」には、消防船、広報車等がある。

VI その他

従前の港湾役務提供用船舶に、車両等が加えられ、「港湾役務提供用移動施設」(第一三号)と改められた。

(6) 港湾施設の範囲について

港湾法第二条第五項でいう「港湾施設」には、附属施設及び港湾施設と一体として整備される附帯施設が含まれる。従つて、例えば緑地に設置される照明設備、廃棄物埋立護岸と一体的に整備される運搬車の通路等は、それぞれ緑地、廃棄物埋立護岸として取り扱うものとする。

(二) 港湾施設の公示について

(1) 港湾施設は、港湾法第一二条第五項の規定により、港湾管理者が管理するものは、公示しなければならないこととされている。港湾管理者によつては、当該公示がいまだなされていない場合も見受けられるが、今回の法改正を機会に早急に公示を行ない、管理すべき施設の範囲を明確にすること。
(2) 航路、泊地、緑地、海浜等の港湾施設については、港湾管理者が管理すべき範囲が物理的に明確でないので、公示にあたつてはその範囲が明らかになるよう留意すること。

(三) 港湾施設の管理について

(1) 港湾施設の追加に伴い、港湾管理者が管理処分すべき港湾施設が増加するので、港湾施設管理条例の改正等管理体制を整備すること。

なお、モデル条例は別途通知する。

(2) 港湾における安全の確保、公害の防止、環境の保全等の重要性に鑑み、航路、泊地、緑地、海浜等の施設のうち自然の状態においても、これらの施設としての効用を有するものについても、極力港湾管理者において、管理するよう努めること。
(3) 港湾施設たる海浜の管理は、次のように取り扱うものとする。

I 港湾隣接地域内における公共空地としての海浜は、昭和四七年一月二八日付官会第一二七号「国有財産に関する事務の範囲について」により、都道府県知事が、運輸省所管の国有財産部局長として、その管理及び処分に関する事務を行なつてきたところであるが、今回の法改正により海浜が港湾施設となつたことに伴い、港湾施設として管理される海浜は、都道府県知事の所掌範囲から除外されることになる。
II I以外の港湾隣接地域内にある国有の海浜は、従来どおり、運輸省所管国有財産部局長として、都道府県知事がその管理を所掌するとともに、港湾管理者の長が港湾法第三七条第一項により公共空地として管理するものとする。
III 港湾施設として港湾管理者が管理する海浜(従来、建設省所管であつた海浜のうち臨港地区内にあるものを含む。)は昭和三八年一月一〇日付け「港湾施設の部局長等を定める件第五条の運用について」により港湾局長が部局長としてその管理及び処分に関する事務を行ない、当該海浜については、他の公共財産たる国有港湾施設と同様、港湾管理者にその管理を委託するものとする。

なお、これに該当するものは、別途調査する予定であるので念の為申し添える。

IV 海浜は、港湾管理者が(一)(4)IVにより、公有水面埋立法に基づき改良したものを除き、国有として取り扱う。

二 港湾工事について(第二条第七項関係)

港湾施設の追加に伴う港湾工事の範囲が自動的に拡大されたほか、従来の公害防止のために行なうもの以外に、広く漂流物の除去その他の港湾の保全のために行なう工事も港湾工事となつた。これは、港湾管理者の業務として、港湾区域内の水域の清掃等の保全業務を明示した(第一二条第一項第二号)ことに伴うものである。
新たに追加された「港湾工事」の具体例としては、港湾区域内の水域その他の清掃、沈廃船の処理、漂流物の除去、除雪等があり、これらの工事と連続して行なう収集された沈廃船の焼却等の行為も港湾工事に含まれる。

三 港湾管理者の業務について(第一二条第一項関係)

(一) 廃船の処理、水域の清掃その他の港湾の保全業務について(第二号)

(1) 当該業務は、改正前の港湾法(以下「旧港湾法」という。)の規定による業務の範囲(旧港湾法第一二条第一号)にも含まれていたものであるが、当該業務の重要性に鑑み、今回、港湾管理者の業務であることを明定したものである。
(2) 当該業務には、港湾区域内に流出した油の防除のための業務も含まれるが、港湾管理者が油の防除に係る業務を遂行するにあたつては、海上保安庁、港湾建設局、石油業者等の関係者と十分連絡をとり行なうこと。

(二) オイルフエンス等の備えつけ業務について(第六号)

(1) 当該業務は、水域に流出した油についても適切な防除措置を行なうことにより、港湾区域内を常に良好な状態にしておくため、追加されたものである。
(2) 今回海洋汚染防止法が改正され、同法第三九条の二の規定が追加されたが、同条が施行された場合は、一定の係留施設等を管理する港湾管理者についてもオイルフエンス等の備蓄義務が課されることとなるので、念のため申し添える。

(三) 廃棄物埋立護岸等の管理運営業務について(第三号及び第一一号の三)

(1) 廃棄物埋立護岸については、港湾において一般廃棄物及び産業廃棄物を処理する必要性が大きくなつてきたこと、港湾内における埋立が港湾管理と密接不可分の関係を有していること等の理由により、港湾管理者においてもその整備を行なう必要があり、港湾管理者の業務として追加されたものである。
(2) 廃棄物埋立護岸以外の廃棄物処理施設については、そこで処理される廃棄物が船舶若しくは海洋施設において生じた廃棄物又は港湾法第一二条第一項第二号に掲げる業務の実施その他海洋における汚染の防除により収集された廃棄物(海洋性廃棄物)に限定されている。これらの廃棄物以外の廃棄物は、港湾の管理運営と密接な関係を有しておらず、かつ、市町村(一般廃棄物)及び事業者(産業廃棄物)が処理することとなつているので、港湾管理者が処理する必要はない。

四 地方港湾審議会について(第二四条の二及び第三五条の二関係)

(一) 地方港湾審議会設置の趣旨

地方港湾審議会は、昭和二九年港管第一八六号港湾局長通達により、既に一部の港湾管理者において設置されているものもある。
しかし、最近、流通近代化問題、環境問題、レクリエーシヨン問題等従来以上に港湾と地域との関係に十分な配慮をする必要が生じており、今後適正かつ円滑な港湾の開発、管理運営を行なうには広く地域住民、学識経験者、港湾関係者、関係行政機関等の意見を反映させることが不可欠であり、このため今回の改正により法定の審議会として地方港湾審議会が設置されることとなつたものである。
なお、審議会は地方港湾については必ずしも設ける必要がないこととされているが、これは、行政上の実態、重要港湾に比して港湾の規模、活動、周辺への影響等が小さいことを勘案して定められたことであり、地方港湾においても審議すべき重要事項がある場合には、審議会の設置の趣旨から、できるかぎり当該制度の活用を図ること。

(二) 設置単位

(1) 審議会は、重要港湾にあつては、港務局又は港湾管理者としての地方公共団体に設置することとされており、又地方港湾にあつては、必要に応じそれぞれに設置することとされている。
(2) 一つの地方公共団体が二以上の港湾の港湾管理者である場合は、各港湾ごとの個別の審議会又は数港を併合した一つの審議会のいずれの審議会を設置しても差しつかえない。

(三) 名称、組織及び運営

(1) 審議会の名称、組織及び運営に関し必要な事項は、重要港湾、地方港湾の別を問わず港務局の規定又は条例(以下単に「条例」という。)で定めなければならないこととされている。
(2) 「名称」は、当該審議会の設置の目的及び実態を明確に表わす表現とし、名称中には、「○○港地方港湾審議会」、「○○県(市町村)地方港湾審議会」というように、「地方港湾審議会」の用語を用いること。
(3) 「組織」は、当該港湾の規模等に応じた適切な規模とし、いたずらに過大な組織とならないよう努めること。
(4) 二以上の重要港湾に係る審議会にあつては、港湾ごとの専門事項を審議させるため、当該港湾に係る部会を設けること。
(5) 二以上の地方港湾に係る審議会にあつては、港湾ごとの審議に際し、当該港湾に関する専門的知識を有する者又は当該港湾の地元市町村を代表する者を臨時委員として加えるよう努めること。
(6) 審議会の審議を補助するための機関として、必要に応じ、幹事会を設けるものとする。
(7) 審議会は、学識経験者、港湾関係者、地元市町村を代表する者、関係地方公共団体の職員、当該地方公共団体の議会の議員を代表する者及び国の地方行政機関の職員その他港湾管理者の長が必要と認める者により構成すること。
(8) 学識経験者は、大学教授、金融関係者、産業関係者、貿易関係者等のうちから、港湾に関し広い知識又は経験を有する者を選任すること。
(9) 港湾関係者は船会社、港湾運送事業者、倉庫業者、水先案内業者、水産関係者等の団体の代表者、関係労働団体の代表者等のうちから選任すること。
(10) 関係地方公共団体の職員は、当該港湾に係る公害、都市計画、道路、河川等の行政を担当する関係地方公共団体の部局又はこれらを統括した企画調整部局等の職員のうちから選任すること。
(11) 国の地方行政機関の職員は、港湾建設局、海上保安官署(港長を含む。)、地方海運局、陸運局、通商産業局、地方建設局、地方農政局、財務局、鉄道管理局、税関、検疫所等の職員のうちから選任すること。
(12) 幹事会は、審議会の事務を担当する職員、関係地方公共団体の職員及び国の地方行政機関の職員(委員に任命された者を除く。)のうちから審議会が選任した者により構成すること。

(四) 諮問事項

(1) 審議会に対する諮問事項は、港湾に関する重要事項全般とされているが、このうち港湾計画の策定及び変更(第三条の三第二項)並びに環境整備負担金の徴収(第四三条の五第二項)については、法の規定により、審議会の意見をきかなければならないこととされている。
(2) 前記以外の重要事項については、適宜、港湾管理者の長が判断して諮問することとするが、次に掲げる事項については、港湾行政上重要性が高いので原則として審議会に諮問すること。

1) 港湾区域の変更及び解除
2) 港湾隣接地域及び臨港地区の指定、変更及び解除
3) 臨港地区の分区の指定、変更及び解除

(五) 議決

審議会の決定は原則として審議会の議決によること。但し、審議会に部会又は幹事会が設けられている場合は次によつても差しつかえない。その場合は、その旨を条例に規定しておくこと。
1) 審議会に部会が設けられている場合において、当該部会に係る港湾のみに係る事項は部会の決定を審議会の決定とする。
2) 審議会に幹事会が設けられている場合において、港湾計画の軽微な変更等あらかじめ審議会又は部会が軽微事案として幹事会に委任した事項については、幹事会の決定を審議会又は部会の決定とすることができる。

(六) その他

(1) 審議会の設置は、できるだけ、すみやかに行なうこと。
(2) 審議会を設置したときは、港湾建設局長を通じ、条例、委員名簿等関係書類を添え、その旨港湾局長あて通知すること。
(3) 別紙一のとおり標準条例を定めたので参考とすること。

五 港湾区域内の工事等の許可の対象範囲の変更等について(第三七条第一項並びに港湾法施行令第一三条及び第一四条第二号関係)

(一) 港湾区域内の水域の上空及び水底の区域の範囲について

今回、港湾法の改正に伴い、港湾法施行令(昭和二六年政令第四号)が改正(昭和四八年政令第二〇四号七月一七日施行)され、港湾区域内の工事等の許可を要する水域の上空の区域が従来の四五mから一〇〇mへ、水底下の区域が五mから六〇mへと拡大されることとなつた。これは上空については、作業船、起重機等が大型化したこと、水底下については、シーバース等の大型化に伴い基礎杭等が長大化したこと等に伴い、その範囲が拡大されたものであり、審査にあたつては、これらの点に十分留意すること。
なお、工事等の許可を要する公共空地の範囲については、河川法、道路法と同様その上下に及び、その制限がないので、念のため申し添える。

(二) 許可対象行為の変更

港湾法第三七条第一項第四号に規定する許可対象行為を定めた港湾法施行令第一四条第二号中「廃油の投棄」が削られた。これは「廃油の投棄」が既に海洋汚染防止法、港則法等により禁止されているため、政令上許可対象とすることは、実益がないことによるものである。

(三) 「廃物の指定」について

「廃物の指定」については、昭和四五年八月一四日付港管第二〇一三号により通知しているところであるが、港湾区域内の水域をより良好な状態に保ち港湾の環境の保全を図るためには、「廃物の指定」を促進する必要がある。よつて当該規定に基づく指定の遅延している港湾等にあつては、指定を促進するほか既に指定済の港湾にあつても、指定につき再検討すること。なお、指定すべき廃物としては、「汚物(ごみ、燃えがら、汚でい及びふん尿をいう。)、汚水、廃液、鉱さい、廃木、土砂及び残さい並びにこれらに類するもの」が考えられるが、指定にあたつては、各港湾ごとの事情により適宜追加して指定すること。また、運用にあたつては、漁業との調整に十分配慮するとともに、港湾(造成中の埋立地を含む。)の保全を図る見地から塵さくを設ける等の条件を付し、その実効を期すこと。

六 港湾隣接地域及び臨港地区の区域の公告について(第三七条の二第三項及び第三八条第三項関係)

港湾隣接地域及び臨港地区内においては、一定の行為が規制されており、その範囲を一般公衆に知らしめておく必要があるので、これらの区域を指定した場合は、その区域の範囲を公告しなければならないこととなつた。
なお、港湾法等の一部を改正する法律の施行の際(昭和四八年七月一七日)現に指定されている港湾隣接地域及び臨港地区の公告については、施行の日から三月以内(同年一〇月一六日まで)の猶予期間が設けられているので(港湾法等の一部を改正する法律附則第二条第一項及び第三項)、その間にこれらの区域に関する公告を行なうこと。

七 臨港地区及び分区の指定の促進等について(第三八条及び第三九条関係)

(一) 臨港地区の指定の促進等

臨港地区の指定については、かねてから通達等により、その促進を図つているところであるが、今回の港湾法の改正により、臨港地区内においては、工場又は事業場の新設等の行為が規制される一方(第三八条の二)、港湾環境整備負担金が徴収できることとされ(第四三条の五)、また、臨港地区の分区として、新たに、マリーナ港区(第三九条第一項第八号)及び修景厚生港区(第三九条第一項第九号)が追加され、港湾の管理運営上、臨港地区の重要性はますます高くなつた。
よつて臨港地区の指定が遅延している港湾又は港湾の利用実態に比べ臨港地区の範囲が不適当である港湾は、今回の法改正の趣旨にそつて臨港地区の指定事務を促進し、又は再検討すること。
なお、臨港地区の指定は、分区の指定と相まつて、港湾機能の確保を図るほか、分区に不必要な構築物の建築等を規制することにより港湾計画のよりスムーズな実現を図るための手段でもあり、計画段階から当該指定が進むよう十分配慮すること。

(二) 臨港地区指定(変更)に係る取扱いについて

臨港地区の指定(変更)にあたつては、次の点を勘案し、適切に措置すること。
(1) 臨港地区内における緑化を推進するため、港湾管理者が、新たに森林法(昭和二六年法律第二四九号)第二条第一項の森林を含め臨港地区を指定しようとするときは、緑化に関する専門的知識を有する都道府県林務部局の協力を得て行なう見地から、当該林務部局の意見を徴すること。
(2) マリーナ港区の指定により、漁業に重大な支障を及ぼすおそれが生ずることも考えられるので、当該指定にあたつては、都道府県水産部局の意見を徴すること。
(3) 工業港区となるべき臨港地区は、水際線を利用する工業の用に供する工場敷地(附帯施設の敷地を含む。以下同じ。)の全部及び当該工業と関連する事業の用地を含むものとし、具体的な地区指定については、水際線に係る港湾施設の現況及び計画を勘案して港湾の有効な管理運営を確保するために必要な区域を指定するものとし、この指定区域の範囲は、当分の間、次によることとする。

(i) 重要港湾

水際線からおおむね一、〇〇〇mの区域を指定範囲とする。但し、水際線を利用する工業の用に供する工場敷地の大半が、この一、〇〇〇mの区域内にあるときは、一、〇〇〇mを超過した部分についても指定範囲とする。
また、水際線を利用する工業の用に供する工場と密接に関連する事業所の敷地については、それらを含めて大半が一、〇〇〇mの区域内にあるときは、一、〇〇〇mの区域を超過した関連施設についても指定範囲とする。

(ii) 地方港湾

重要港湾の取扱いを準用するが、この場合「一、〇〇〇m」とあるのを「五〇〇m」と読み替えるものとする。

八 事業者の負担金を徴収する港湾工事に係る費用負担について(第四二条第一項及び第五五条の五の二関係)

(一) 企業合理化促進法(昭和二七年法律第五号)に係る港湾工事に係る国の費用の負担割合については、旧港湾法第四二条第一項但書により、重要港湾における水域施設、外郭施設又は係留施設の建設、改良であつて事業者の負担割合が一〇分の五である場合について、また、改正前の特定港湾施設整備特別措置法(昭和三四年法律第六七号)第四条第一項により事業者の負担割合が一〇分の五以上である場合の直轄工事について定められ、これら以外の場合については、負担割合に関する規定がなく、また、北海道、沖縄等一般的に国の負担割合の特例が定められている場合においても、その特例措置が適用されていなかつた。
(二) 企業合理化促進法については、受益者負担の原則に鑑み、これを広く適用すべきであり、旧法におけるように工事種別等により特別な制限を課す合理的理由はない。従つて、今回の改正により、企業合理化促進法に係る港湾工事に係る国の費用の負担割合は、当該工事に要する費用から企業者の負担金を差し引いた額につき、すべて、他の一般工事と同様とされることとなつた。
(三) 公害防止事業費事業者負担法(昭和四五年法律第一三三号)第二条第二項に規定する公害防止事業に係る港湾工事に係る国の費用負担についても、同様の原則が適用されることとなつた。
(四) (三)の港湾工事が、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四六年法律第七〇号)の公害防止対策事業である場合においては、同法第三条の規定が適用される。

九 港湾公害防止施設等の建設、改良に対する費用の補助等について(第四三条第四号及び第五号並びに第五二条第三項第三号及び第四号関係)

(一) 次の割合で国は補助又は負担することとなつた。

(1) 港湾公害防止施設又は港湾環境整備施設の建設又は改良

一〇分の五以内(沖縄にあつては、一〇分の六)

(2) 廃棄物埋立護岸又は海洋性廃棄物処理施設の建設又は改良

一〇分の二・五以内(沖縄にあつては、一〇分の三)

(注)○ 海洋汚染防止法第三条第九号に規定する廃油処理施設の建設又は改良については、従前どおり海洋汚染防止法第三六条第二項の規定により一〇分の五の補助率となる。

(二) 右記の補助又は負担は共通の課題を達成するためのものであるので、重要港湾、地方港湾という港格等に関係なく同一の割合とされた。
(三) 港湾公害防止施設及び港湾環境整備施設の建設又は改良については、「一般公衆の利用に供する」という制限は課されていない。
(四) 以上のほか、今回の改正により追加された駐車場及びヘリポートについては、従来からの臨港交通施設に係る補助又は負担の割合と同様の補助又は負担が行なわれることとなる。

一〇 滞船の場合における要請(第四五条の三)

滞船の場合に水際線の効率的な使用を促進するため、港湾管理者以外の者が管理する係留施設(以下「私営埠頭」という。)に対する要請権が認められた。私営埠頭は、本来当該私人の所有、管理のもとにあり、いかに公共利用を促進する目的であつても、当該私人の運営計画をいたずらに混乱させてはならないものと考えられる。本条の規定が相手方に対する法的拘束力をもたない単なる「要請」権に止められているのは、このような事情を考慮されたものであるが、本規定制定の趣旨からしてその実効を期する必要があるので、場合によつては、当該「要請」を公表する等により、相手方の社会的責務を求めるなど、その適切な運用を図ること。なお、その際、消防用船舶、警備救難用船舶、防衛用船舶等緊急の用に供する係留施設に対しては原則として要請を行なわないものとし、やむをえず要請を行なう場合であつても、これらの船舶等の活動を妨げないよう要請権の行使にあたつては、十分慎重を期すこと。

一一 港湾管理者の連絡協議会の設置について(第五〇条の二関係)

(一) 趣旨

港湾利用者の利便の増進を図るためのみではなく、最近における環境汚染問題等広域的な処理を要する問題の解決のためには、諸問題の広域的処理が必要となつてきたので、今回の改正で、港湾管理者の連絡協議会(以下単に「協議会」という。)の制度が設けられることとなつた。

(二) 協議会の自主的設置について

協議会は、港湾管理者の個有の業務について協議する場であり、港湾管理者の意志により本来自主的に設置されるものである。運輸大臣の勧告は、関係港湾管理者により協議会が設置されない場合、協議会の構成が適切でない場合等に行なわれることとなる。

(三) 協議会の設置が必要な場合

協議会の設置が必要と考えられるのは、二以上の港湾が地理的に近接して存在するか、港湾の背後圏における社会経済活動が一体として行なわれているため、当該港湾の機能の重複、分担関係を調整することが港湾一帯の水域の利用、保全あるいは港湾の発展に資することになる場合等である。
さしあたり、協議会の設置が必要と考えられる港湾は、東京湾、大阪湾、伊勢湾、関門の各港等である。
これらの港湾にあつては、できる限りすみやかに協議会を設置するよう努めること。

(四) 協議会の運営及び組織

協議会の運営及び組織は、地方自治法(昭和二二年法律第六七号)第二五二条の三及び第二五二条の四の規定を参考にするほか次によること。
(1) 連絡調整事項

1) 港湾計画の作成
2) 各港間の機能分担に係る調整
3) 環境保全対策の調整
4) 港湾利用手続の簡略化
5) 共同情報処理機構の確立
6) その他港湾の開発、利用、保全につき特に連絡調整が必要とされる事項

(2) 協議会において議決した事項は協定等としてとりまとめ、各港湾における管理運営にあたつては十分尊重すること。
(3) 協議会を開催したときは、その目的、出席者、議事の概要、決議事項及び右記(2)による協定書等の写しを添えて、その都度港湾建設局長を経由して港湾局長あて報告すること。

以上



別紙一

{/○○港地方港湾審議会条例(港務局にあつては、規程)/○○都府県(市町村)地方港湾審議会条例/

(設置)

第一条 
の管理する港湾の開発、利用、保全及び管理に関する重要事項を調査審議するため、
に、地方港湾審議会(以下単に「審議会」という。)を置く。

(名称)

第二条 審議会は、{/○○港地方港湾審議会/○○都府県(市町村)地方港湾審議会/}という。

(所掌事務)

第三条 審議会は、
の諮問に応じて、次に掲げる事項を調査審議し、及びこれらに関し必要と認める事項を
に建議する。

一 港湾法(昭和二五年法律第二一八号。以下「法」という。)第三条の三第一項の港湾計画
二 法第四三条の五第一項の港湾環境整備負担金
三 前二号に掲げるもののほか、港湾の開発、利用、保全及び管理に関する重要事項
(組織)

第四条 審議会は、委員○○人以内で組織する。
2 前条の諮問に係る事項を調査審議するため、必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。
第五条 委員は、次に掲げる者のうちから、
が任命する。

一 学識経験者
二 港湾関係者
三 地元市町村を代表する者
四 関係地方公共団体の職員
五 当該地方公共団体の議会の議員を代表する者(港湾局にあつては、港湾局を組織する地方公共団体の議会の議員を代表する者)
六 国の地方行政機関の職員
七 前各号に掲げる者のほか
が必要と認める者

2 委員の任期は、二年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残存期間とする。
3 臨時委員は、第一項各号に掲げる者のうちから、
が任命する。
4 臨時委員は、第三条の諮問に係る事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。
5 委員及び臨時委員は、非常勤とする。

(会長)

第六条 審議会に、委員の互選による会長を置く。
2 会長は、会務を総理する。
3 会長に事故あるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理する。

(議決の方法)

第七条 審議会は、委員及び議事に関係のある臨時委員の総数の過半数の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
2 審議会の議事は、出席した委員及び議事に関係のある臨時委員の総数の過半数をもつて決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

(部会)

第八条 審議会は、その定めるところにより、部会を置くことができる。
2 部会に属させる委員及び臨時委員は、会長が指名する。
3 部会に、その部会に所属する委員の互選による部会長を置く。
4 審議会は、その定めるところにより、部会の決議をもつて審議会の決議とすることができる。
5 第六条第二項及び第三項並びに第七条の規定は、部会に関して準用する。

(幹事)

第九条 審議会に、幹事○○人以内を置く。
2 幹事は、審議会が選任した者のうちから
が任命する。
3 幹事は、審議会の所掌事務について委員及び臨時委員を助ける。
4 幹事は、非常勤とする。

(庶務)

第十条 審議会の庶務は、○○都府県(市町村、一部事務組合、港務局)○○部○○課において処理する。

(雑則)

第十一条 この条例(規程)に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会にはかつて定める。

附 則

この条例(規程)は、昭和○○年○月○○日から施行する。
(注1) 固有名詞、例えば横浜市、青森県等を記入する。
(注2) 港湾管理者たる地方公共団体の長(当該地方公共団体に法第三五条第一項の委員会が設置されているときは、その委員会)又は港務局の委員長とする。



別紙二

マリーナ港区の区域内に建設してはならない構築物

次の各号に掲げる建築物その他の構築物以外のもの

1 港湾法第二条第五項第二号から第五号まで、第七号、第八号の二、第九号の二(当該港区で発生する廃棄物を処分するための施設であつて港湾管理者の長が指定する規模以下のものに限る。)、第九号の三、第一〇号及び第一〇号の二に掲げる港湾施設
2 スポーツ又はレクリエーシヨンの用に供するヨツト、モーターボート、釣り船、遊覧船等(以下「レクリエーシヨン用船舶」という。)のための用具倉庫及び船舶上架施設
3 レクリエーシヨン用船舶の利用者のための集会所、クラブ事務所その他港湾管理者の長が指定する福利厚生施設
4 海上保安官署、警察署その他港湾管理者の長が指定する官公署の事務所
5 旅館、ホテル及び飲食店(風俗営業等取締法第一条に定める風俗営業に該当するものを除く。)
6 売店その他港湾管理者の長が指定する便益施設



別紙三

修景厚生港区の区域内に建設してはならない構築物

次の各号に掲げる建築物その他の構築物以外のもの

1 港湾法第二条第五項第二号、第三号、第四号、第五号、第九号の二(当該港区において発生する廃棄物を処理するための施設であつて、港湾管理者の長が指定する規模以下のものに限る。)、第九号の三、第一〇号及び第一〇号の二に掲げる港湾施設
2 図書館、博物館、水族館、展示場、公会堂及び展望施設
3 海上保安官署、警察署その他港湾管理者の長が指定する官公署の事務所
4 休泊所、食堂、売店その他港湾管理者の長が指定する便益施設


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