

気象庁訓令第一七号
昭和五三年一二月二〇日
火山情報取扱規則
気象業務法(昭和二七年法律第一六五号)第一一条及び活動火山対策特別措置法(昭和四八年法律第六一号)第二一条第一項の規定を実施するため、火山情報取扱規則を次のように定める。
第一章 総則
(目的)
第一条 この規則は、気象官署において行う火山に関する情報の取扱いについて定めることを目的とする。
(定義)
第二条 この規則において「火山情報」とは、火山現象に関する観測成果等に基づき、火山現象の状況を一般及び関係機関に周知し、防災に資するために発表する情報をいう。
第二章 常時観測対象火山に係る火山情報の発表及び通報
(種類)
第三条 常時観測対象火山(気象官署観測業務規程(昭和二六年中央気象台達第二三号。以下「観測業務規程」という。)第四六条に規定する常時観測対象火山をいう。以下同じ。)に係る火山情報(以下この章において単に「火山情報」という。)の種類は、次のとおりとする。
一 定期火山情報
二 臨時火山情報
三 緊急火山情報
四 火山観測情報
(発表基準)
第四条 定期火山情報の発表は、浅間山、伊豆大島、阿蘇山、雲仙岳及び桜島については毎月一回、その他の常時観測対象火山については年三回行うものとする。
2 臨時火山情報の発表は、防災上注意喚起のため、次の各号の一に該当し、必要と認めるときに行うものとする。
一 火山現象について異常を認めた場合
二 市町村長から火山に関する異常な現象の通報を受けた場合
三 運輸省の機関その他の機関から火山に関する異常な現象の情報を入手した場合
3 緊急火山情報の発表は、火山現象による災害から人の生命及び身体を保護するため、次の各号の一に該当し、必要と認めるときに行うものとする。
一 火山の噴火に伴う溶岩、噴石、火山れき、強酸性の湧水、有毒ガス等の噴出により、直接人体に被害が生じ、又は生ずるおそれがある場合
二 火山の噴火に伴う溶岩、噴石、降灰等により人が居住し、又は滞在する建物等に損傷を加え、そのため人体に被害が生じ、又は生ずるおそれがある場合
三 火砕流、溶岩流、泥流を伴う火山噴火により、人体に被害を生じ、又は生ずるおそれがある場合
四 前各号のほか、火山性地震、地盤変動、その他火山現象の推移により人体に被害を生じ、又は生ずるおそれがある場合
4 火山観測情報の発表は、臨時火山情報又は緊急火山情報の補完等のため、必要と認めるときに行うものとする。
(火山情報を発表する気象官署)
第五条 火山情報の発表は、常時観測実施官署(観測業務規程四六条に規定する常時観測実施官署をいう。以下同じ。)が行うものとする。ただし、大規模な火山活動であって社会的影響が大きい又はその他の理由により気象庁長官が指示した場合には、火山観測中枢(観測業務規程第四七条に規定する火山観測中枢をいう。以下同じ。)が行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、火山活動の特異性その他特段の理由により気象庁長官が指示した場合には、常時観測実施官署及び火山観測中枢以外の気象官署が火山情報の発表を行うことができる。この場合において、常時観測実施官署及び火山観測中枢は、当該気象官署が火山情報を発表するために必要な技術的指導を行うものとする。
(緊急火山情報の関係都道府県知事への通報)
第六条 前条の規定により火山情報の発表を行う気象官署(以下この章において「発表官署」という。)は、別表左欄に掲げる常時観測対象火山に係る緊急火山情報を発表した場合は、当該緊急火山情報を同表右欄に掲げる気象官署(以下「通報担当官署」という。)に迅速に通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた通報担当官署は、直ちにその通知された緊急火山情報を当該官署の所在する都道府県の知事に通報しなければならない。
3 発表官署は、前二項に定めるもののほか、活動火山対策特別措置法第二一条第一項に基づく関係都道府県知事への通報を的確に行うため、発表した緊急火山情報を必要と認める気象官署に迅速に通知しなければならない。
4 前項の通知を受けた気象官署は、直ちにその通知された緊急火山情報を当該官署の管轄区域に係る関係都道府県知事に通報しなければならない。
(関係機関への伝達)
第七条 前条に定めるもののほか、発表官署は、火山情報を発表した場合は、次に掲げる機関に伝達するとともに、通報担当官署その他必要と認める気象官署(以下この条において「通報担当官署等」という。)に通知するものとする。
一 関係地方公共団体の機関
二 関係警察機関
三 報道機関
四 その他発表官署の長が必要と認める機関
2 前項の機関への伝達は、必要に応じて、通報担当官署等が行うことができる。この場合において、通報担当官署等は、発表官署と密接な連絡をとって行うものとする。
3 前項に定めるもののほか、通報担当官署等は、通知を受けた火山情報を必要と認める機関に伝達することができる。
4 緊急火山情報については、第六条に規定する通報は、前三項に規定する伝達に優先して行うものとする。
第八条及び第九条 削除
(伝達及び通報の方法)
第一〇条 火山情報の関係機関への伝達及び緊急火山情報の都道府県知事への通報の方法については、伝達又は通報を行う気象官署の長があらかじめ、関係機関の長及び関係都道府県知事と協議して定めておくものとする。
第三章 常時観測対象火山以外の火山に係る火山情報の発表及び通報
(発表官署等)
第一一条 常時観測対象火山以外の火山に係る火山情報は臨時火山情報、緊急火山情報及び火山観測情報とし、その発表は、地震火山部長が定める気象官署が行うものとする。
(準用)
第一二条 常時観測対象火山以外の火山に係る臨時火山情報、緊急火山情報及び火山観測情報の発表及び伝達、緊急火山情報の都道府県知事への通報並びに伝達及び通報の方法の定めについては、前条に定めるもののほか、第四条第二項から第四項まで及び第六条から第一〇条までの規定を準用する。
第四章 火山情報の構成等
(火山情報の構成)
第一三条 火山情報の構成は、次のとおりとする。
一 情報名
二 情報番号
三 発表年月日時分
四 官署名
五 火山名
六 本文
(本文の内容)
第一四条 火山情報の本文は、おおむね次に掲げる事項を内容とする。
一 火山性地震、火山性微動、火山の噴火及び火山の噴出物の状態
二 火口、噴気地帯等の状態
三 火山噴火予知連絡会が行つた火山現象についての総合判断の内容
四 その他必要と認める事項
2 前項において、必要と認める場合は、火山活動に関する解説又は推移を含めることができる。
(火山情報の承認)
第一五条 火山情報の発表又は通報を行う場合は、気象庁本庁にあつては地震火山部火山課長の、管区気象台にあつては技術部長の、沖縄気象台にあつては次長の、その他の気象官署にあつては当該気象官署の長の承認を受けるものとする。
2 前項の職務にある者は、不在その他の理由により、その職務を行うことができない場合の代行者をあらかじめ定めておくものとする。
第五章 雑則
(伝達及び通報の方法の報告)
第一六条 気象官署は、第一〇条及び第一二条の規定により、火山情報の伝達及び通報の方法を定めた場合は、所轄の気象官署及び管区気象台を経由して気象庁本庁に報告するものとする。これを変更した場合も同様とする。
(火山情報の報告)
第一七条 気象官署は、火山情報の発表又は通報を行つた場合は、その内容を速やかに所轄の気象官署及び管区気象台を経由して気象庁本庁に報告するものとする。
(火山情報原簿)
第一八条 火山情報の発表又は通報を行う気象官署は、火山情報原簿を備えるものとする。
(細則的事項)
第一九条 前各条に定めるもののほか、この規則の実施に関し必要な細目的事項は、地震火山部長が定める。
附 則 この訓令は、昭和五四年一月一日から施行する。
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附 則 (昭和五九年気象庁訓令第八号) 抄 1 この訓令は、昭和五九年七月一日から施行する。
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附 則 (昭和六三年気象庁訓令第一一号) この訓令は、昭和六三年七月一日から施行する。
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附 則 (平成二年気象庁訓令第五号) この訓令は、平成二年六月八日から施行する。
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附 則 (平成四年気象庁訓令第九号) この訓令は、平成四年四月一日から施行する。
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附 則 (平成五年三月三一日気象庁訓令第九号) 1 この訓令は、平成五年五月一一日から施行する。
2 改正前の火山情報取扱規則の規定により発表した火山活動情報は、改正後の火山情報取扱規則の規定による緊急火山情報とみなす。
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附 則 (平成七年気象庁訓令第三号) 抄
(施行期日)
1 この訓令は、平成七年四月一日から施行する。
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附 則 (平成七年気象庁訓令第四号) 抄
(施行期日)
1 この訓令は、平成七年四月一日から施行する。
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附 則 (平成九年気象庁訓令第一〇号)
(施行期日)
1 この訓令は、平成九年九月一日から施行する。
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別表(第6条関係)
常時観測対象火山及び通報担当官署
火山
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通報担当官署
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雌阿寒岳
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札幌管区気象台
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十勝岳
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樽前山
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有珠山
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北海道駒ケ岳
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吾妻山
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福島地方気象台
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安達太良山
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磐梯山
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那須岳
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宇都宮地方気象台
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草津白根山
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前橋地方気象台
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浅間山
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長野地方気象台
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御嶽山
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伊豆東部火山群
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静岡地方気象台
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伊豆大島
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大島測候所
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三宅島
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三宅島測候所
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九重山
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大分地方気象台
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阿蘇山
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熊本地方気象台
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雲仙岳
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長崎海洋気象台
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霧島山
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鹿児島地方気象台
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桜島
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