造船業財務諸表準則


昭和二十六年十月十九日
運輸省告示第二百五十四号
改正
昭和二九年九月二五日運輸省告示第四二四号
昭和五一年五月二五日運輸省告示第二六四号
昭和五三年三月三一日運輸省告示第一八九号
昭和五八年三月三一日運輸省告示第一三六号
昭和六二年六月二二日運輸省告示第三四六号
平成四年一月一〇日運輸省告示第一三号
平成六年三月三〇日運輸省告示第二二五号
平成一一年三月二五日運輸省告示第一六六号
平成一二年六月八日運輸省告示第二三八号
平成一四年二月二六日国土交通省告示第一〇八号
平成一四年九月三〇日国土交通省告示第八五〇号

造船法(昭和二十五年法律第百二十九号)第七条の規定により、鋼製の船舶の製造又は修繕をする事業を営む者は、次に掲げる財務諸表準則によることを勧告する。

目次
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 貸借対照表
第一節 総則(第四条―第七条)
第二節 資産
第一款 流動資産(第八条―第十九条)
第二款 固定資産(第二十条―第四十六条)
第三款 繰延資産(第四十七条―第五十九条)
第三節 負債
第一款 流動負債(第六十条―第七十一条)
第二款 固定負債(第七十二条―第七十六条)
第三款 雑則(第七十七条―第七十九条)
第四節 資本
第一款 資本金(第八十条・第八十条の二)
第二款 資本準備金及び利益準備金(第八十一条―第八十四条)
第三款 その他の剰余金又は欠損金(第八十五条―第八十八条の二)
第三章 損益計算書
第一節 総則(第八十九条)
第二節 損益計算書
第一款 総則(第九十条―第九十二条)
第二款 売上高及び売上原価(第九十三条―第九十六条)
第三款 販売費及び一般管理費(第九十七条―第九十八条)
第四款 営業外収益及び営業外費用(第九十九条―第百十四条)
第五款 特別利益及び特別損失(第百十四条の二―第百十四条の五)
第六款 当期未処分利益金額又は当期未処理損失金額(第百十四条の六)
第七款 雑則(第百十四条の七―第百十四条の八)
第三節 売上原価明細表(第百十五条―第百二十六条)
第四章 削除
第五章 利益処分計算書又は損失処理計算書
第一節 総則(第百六十二条・第百六十三条)
第二節 利益処分計算書(第百六十四条―第百六十七条)
第三節 損失処理計算書(第百六十八条―第百七十条)
附則

第一章 総則
第一条  
この準則は、鋼製の船舶の製造又は修繕をする事業(以下「造船業」という。)を営む株式会社が、証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の規定により、大蔵大臣へ提出する貸借対照表、損益計算書及び利益処分計算書又は損失処理計算書(以下「財務諸表」という。)の用語、様式及び作成方法について定める。

第二条  
財務諸表の用語、様式及び作成方法は、次に掲げる基準に適合するようにするものとする。

一   財政状態及び経営成績に関する真実の内容を表示すること。

二   利害関係人に対して財政及び経営の状況に関する判断を誤らせないために必要な会計事実を明瞭に表示すること。

三   会計処理の原則及び手続については、正当な理由により変更を行う場合を除き、財務諸表を作成する各時期を通じて継続して適用されていること。

四   その他一般に公正妥当であると認められる会計基準


2   財務諸表に記載すべき事項で同一の内容のものについては、正当な理由により変更を行う場合を除き、財務諸表を作成する各時期を通じて、同一の表示方法を採用しなければならない。

第二条の二  
この準則において「一年内」とは、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内の日をいう。
2   この準則において「親会社」とは、他の会社等(会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)をいう。以下同じ。)の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配している会社をいい、「子会社」とは、当該他の会社等をいう。親会社及び子会社又は子会社が、他の会社等の意思決定機関を支配している場合における当該他の会社等も、その親会社の子会社とみなす。
3   前項に規定する他の会社等の意思決定機関を支配している会社とは、次の各号に掲げる会社をいう。ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の会社等の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる会社は、この限りでない。

一   他の会社等(会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)の規定による更生手続開始の決定を受けた会社、商法(明治三十二年法律第四十八号)の規定による整理開始の命令を受けた会社、破産法(大正十一年法律第七十一号)の規定による破産宣告を受けた会社その他これらに準ずる会社等であつて、かつ、有効な支配従属関係が存在しないと認められる会社等を除く。以下この項において同じ。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している会社

二   他の会社等の議決権の百分の四十以上、百分の五十以下を自己の計算において所有している会社であつて、かつ、次に掲げるいずれかの要件に該当する会社イ自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、他の会社等の議決権の過半数を占めていること。ロ役員若しくは使用人である者、又はこれらであつた者で自己が他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者が、当該他の会社等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること。ハ他の会社等の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。ニ他の会社等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下この号及び第六項第二号ロにおいて同じ。)を行つていること(自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の過半となる場合を含む。)。ホその他他の会社等の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。

三   自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせた場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)に他の会社等の議決権の過半数を占めている会社であつて、かつ、前号ロからホまでに掲げるいずれかの要件に該当する会社


4   この準則において「関連会社」とは、会社(当該会社が子会社を有する場合には、当該子会社を含む。)が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該子会社以外の他の会社等をいう。
5   前項に規定する子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合とは、次の各号に掲げる場合をいう。ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないことが明らかであると認められるときは、この限りでない。

一   子会社以外の他の会社等(会社更生法の規定による更生手続開始の決定を受けた会社、商法の規定による整理開始の命令を受けた会社、破産法の規定による破産宣告を受けた会社その他これらに準ずる会社等であつて、かつ、当該会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと認められる会社等を除く。以下この項において同じ。)の議決権の百分の二十以上を自己の計算において所有している場合

二   子会社以外の他の会社等の議決権の百分の十五以上、百分の二十未満を自己の計算において所有している場合であつて、かつ、次に掲げるいずれかの要件に該当する場合イ役員若しくは使用人である者、又はこれらであつた者で自己が子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者が、当該子会社以外の他の会社等の代表取締役、取締役又はこれらに準ずる役職に就任していること。ロ子会社以外の他の会社等に対して重要な融資を行つていること。ハ子会社以外の他の会社等に対して重要な技術を提供していること。ニ子会社以外の他の会社等との間に重要な販売、仕入れその他の営業上又は事業上の取引があること。ホその他子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在すること。

三   自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせた場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)に子会社以外の他の会社等の議決権の百分の二十以上を占めているときであつて、かつ、前号イからホまでに掲げるいずれかの要件に該当する場合


6   この準則において「関係会社」とは、財務諸表を提出する会社(以下「財務諸表提出会社」という。)の親会社、子会社及び関連会社並びに財務諸表提出会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等をいう。

第二条の三  
財務諸表作成のために採用している会計処理の原則及び手続並びに表示方法その他財務諸表作成のための基本となる事項(次条において「会計方針」という。)で次に掲げる事項は、利益処分計算書又は損失処理計算書の次に記載しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、記載を省略することができる。

一   有価証券の評価基準及び評価方法

二   棚卸資産の評価基準及び評価方法

三   固定資産の減価償却の方法

四   繰延資産の処理方法

五   外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準

六   引当金の計上基準

七   収益及び費用の計上基準

八   リース取引の処理方法

九   ヘッジ会計(ヘッジ手段(資産(将来の取引により確実に発生すると見込まれるものを含む。以下この号において同じ。)若しくは負債(将来の取引により確実に発生すると見込まれるものを含む。以下この号において同じ。)又はデリバティブ取引に係る価格変動、金利変動及び為替変動による損失の可能性を減殺することを目的とし、かつ、当該可能性を減殺することが客観的に認められる取引をいう。以下同じ。)に係る損益とヘッジ対象(ヘッジ手段の対象である資産若しくは負債又はデリバティブ取引をいう。)に係る損益を同一の会計期間に認識するための会計処理をいう。以下同じ。)の方法

十   その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項



第二条の四  
会計方針を変更した場合には、次に掲げる事項を前条による記載の次に記載しなければならない。

一   会計処理の原則又は手続を変更した場合には、その旨、変更の理由及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容

二   表示方法を変更した場合には、その内容



第二条の五  
法人税その他利益に関連する金額を課税標準として課される租税(以下「法人税等」という。)については、税効果会計(貸借対照表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得の計算の結果算定された資産及び負債との金額との間に差異がある場合において、当該差異に係る法人税等の金額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当期純利益の金額と法人税等の金額を合理的に対応させるための会計処理をいう。以下同じ。)を適用して財務諸表を作成しなければならない。

第二条の六  
財務諸表において注記すべき事項については、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和三十八年大蔵省令第五十九号。以下「規則」という。)の規定による。ただし、大蔵大臣が造船業に関し、注記を記載することが適当でないと認めて別に指示した事項については、この限りではない。
2   注記は、脚注(当該注記に係る事項が記載されている財務諸表中の表又は計算書の末尾に記載することをいう。)として記載することが適当であると認められるものを除き、第二条の三及び第二条の四の規定による記載の次に記載しなければならない。ただし、第二条の三の規定により記載した事項と関係がある事項については、これと併せて記載することができる。
3   特定の科目に関係ある注記を記載する場合には、当該科目に記号を付記する方法その他これに類する方法によつて、当該注記との関連を明らかにしなければならない。

第三条  
財務諸表に掲記される科目その他の事項の金額は、百万円単位又は千円単位をもつて表示するものとする。

第二章 貸借対照表 第一節 総則
第四条  
第一条の貸借対照表の様式及びその記載方法は、この章の規定の定めるところによる。

第五条  
貸借対照表の様式は、報告式とし第一号表の例による。

第六条  
資産及び負債の科目の記載の配列は、流動性配列法による。

第七条  
資産、負債及び資本は、次に掲げる科目に分類し、更にこれを細分して記載する。

一   資産流動資産固定資産有形固定資産無形固定資産投資その他の資産繰延資産

二   負債流動負債固定負債

三   資本資本金資本剰余金利益剰余金



第二節 資産 第一款 流動資産
第八条  
流動資産は、次に掲げる科目に区分して記載する。

一   現金預金

二   受取手形

三   売掛金

四   有価証券

五   製品

六   原材料及び貯蔵品

七   半成工事

八   前渡金

九   前払費用

十   繰延税金資産

十一   その他


2   前項各号に掲げる科目に属する資産で別の名称によつて表示することが適当であるものについては、当該資産を示す名称を付した科目をもつて掲記することができる。

第八条の二  
親会社株式(商法第二百十一条ノ二第一項に規定する親会社及び同条第三項の規定により親会社となる会社の発行したものに限る。第三十九条において同じ。)は、流動資産に親会社株式の科目をもつて別に掲記しなければならない。

第九条  
現金預金の科目には、現金、当座預金、振替貯金、定期預金等の金額を記載する。但し、一年内に期限の到来しない預金を除く。

第十条  
受取手形の科目には、通常の取引(当該会社の事業目的のための営業活動において、経常的又は短期間に循環して発生する取引をいう。以下同じ。)に基づいて発生した手形上の債権の金額を記載する。ただし、破産債権、更生債権その他これらに準ずる債権で一年内に回収されないことが明らかなものを除く。

第十一条  
売掛金の科目には、売上代金の未収額その他営業上の未収額を記載する。ただし、破産債権、更生債権その他これらに準ずる債権で一年内に回収されないことが明らかなものを除く。

第十二条  
有価証券の科目には、売買目的有価証券(時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券をいう。以下同じ。)及び一年内に満期の到来する有価証券の価額を記載する。ただし、関係会社の発行に係るものを除く。

第十二条の二  
製品の科目には、販売の目的をもつて所有する製造品その他の生産品の金額を記載する。

第十三条  
原材料及び貯蔵品の科目には、原料、材料、消耗品、消耗工具、器具、備品又はその他の貯蔵品の価額を記載する。
2   自製部分品、購入部分品又は作業屑の価額は、原材料及び貯蔵品に含めて記載する。

第十四条  
半成工事の科目には、受注工事の仕掛中のもの及び仕掛品(製品又は部分品の製造のため仕掛中のものをいう。以下同じ。)の価額を記載する。
2   引渡を完了した受注工事の原価であつて、第九十四条の二第一項第一号ただし書又は同条第二項第一号の方法による場合に売上に計上されないものは、半成工事の科目に記載する。

第十五条  
前渡金の科目には、原材料及び貯蔵品購入代、外注加工費並びに請負工事代等に対する前払金額を記載する。ただし、破産債権、更生債権その他これらに準ずる債権で一年内に回収されないことが明らかなもの及び第三十条第二項に規定する前渡金を除く。

第十六条  
前払費用の科目には、前払保険料、前払賃借料等のうち、一年内に償却されて費用となるべきものを記載する。

第十六条の二  
流動資産の科目中の繰延税金資産の科目には、流動資産に属する資産又は流動負債に属する負債に関連する繰延税金資産及び特定の資産又は負債に関連しない繰延税金資産で貸借対照表日後一年内に取り崩されると認められるものを記載する。

第十七条  
その他の科目には、短期貸付金(金融手形を含む。)、立替金、未収入金等の資産で、当該事業の通常の取引において一年内に現金化できると認められるもの又は仮払金その他の未決算勘定の金額を記載する。
2   前項の資産のうち、次の各号に掲げる資産で、その金額が資産の総額の百分の一(第四号の資産については、各資産の種類ごとにその金額が資産の総額の百分の一)を超えるものについては、それぞれ当該各号において示した科目をもつて掲記する。
(資産の種類) (科目)
一 株主、役員又は従業員に対する立替金その他の短期債権 株主、役員、従業員短期債権
二 短期貸付金(金融手形を含む。) 短期貸付金
三 未収収益 未収収益
四 その他の資産 当該資産を明示する名称を付した科目


第十八条  
流動資産に属する資産に係る引当金は、当該各資産科目に対する控除科目として、当該各資産科目別に貸倒引当金その他当該引当金の設定目的を示す名称を付した科目をもつて掲記する。ただし、次に掲げる方法によることを妨げない。

一   当該引当金を当該各資産科目に対する控除科目として一括して掲記する方法

二   当該引当金を当該各資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各資産の金額として表示する方法



第十九条  
削除

第二款 固定資産
第二十条  
有形固定資産は、次に掲げる科目に区分して記載する。

一   建物

二   構築物

三   ドツク船台

四   機械装置

五   船舶

六   車両運搬具

七   工具器具備品

八   土地

九   建設仮勘定

十   その他


2   前項の場合には、第八条第二項の規定を準用する。

第二十一条  
建物の科目には、建物及び暖房、照明、通風等の附属設備の価額を記載する。

第二十二条  
構築物の科目には、岸壁、さん橋、橋、軌道、貯水池、煙突その他土地に定着する土木設備又は工作物の価額を記載する。

第二十三条  
ドツク船台の科目には、乾ドツク、浮ドツク、船台又は船架の価額を記載する。

第二十四条  
機械装置の科目には、機械及び装置(コンベヤ、ホイスト、クレーン等の搬送設備又は揚卸設備を含む。)並びにその他の附属設備の価額を記載する。

第二十五条  
船舶の科目には、船舶及び水上運搬具の価額を記載する。

第二十六条  
車両運搬具の科目には、鉄道車両、自動車及びその他の陸上運搬具の価額を記載する。

第二十七条  
工具器具備品の科目には、工具、器具又は備品の価額を記載する。ただし、耐用年数が一年以上で取得価額が相当額以上であるものに限る。

第二十八条  
土地の科目には、土地の価額を記載する。

第二十九条  
第二十一条から前条までにおいて規定する資産については、営業の用に供するもの(遊休設備を含む。)に限る。

第三十条  
建設仮勘定は、第二十一条から第二十八条までに規定する資産を建設する場合における支出及び当該建設のために引当購入した材料等の価額を記載する。
2   前渡金であつて、建設工事又は建設用の材料代に対する支出であることが明らかなものは、建設仮勘定に含めて記載する。

第三十一条  
その他の科目には、その他の有形資産で流動資産又は投資たる資産に属しないものの価額を記載する。

第三十二条  
前条の有形資産のうち、その金額が資産の総額の百分の一を超えるものについては、当該資産を明示する名称を付した科目をもつて掲記する。

第三十三条  
第二十条第一項第一号から第七号まで及び第十号に掲げる科目に記載する有形固定資産に対する減価償却累計額は、当該各資産科目に対する控除科目として、当該各資産科目別に減価償却累計額の科目をもつて掲記する。ただし、次に掲げる方法によることを妨げない。

一   当該減価償却累計額を当該各資産科目に対する控除科目として一括して掲記する方法

二   当該減価償却累計額を当該各資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各資産の金額として表示する方法



第三十四条  
無形固定資産は、次に掲げる科目に区分して記載する。

一   営業権

二   特許権

三   商標権

四   実用新案権

五   意匠権

六   ソフトウエア

七   その他


2   前項の場合には、第八条第二項の規定を準用する。

第三十五条  
前条第一項第七号の資産のうち、その金額が資産の総額の百分の一を超えるものについては、当該資産を明示する名称を付した科目をもつて掲記する。

第三十六条  
各無形固定資産に対する減価償却累計額は、当該資産の価額から直接控除し、その控除残高を各無形固定資産の価額として表示する。

第三十七条  
投資その他の資産は、次に掲げる科目に区分して記載する。

一   投資有価証券

二   関係会社株式

三   関係会社社債

四   その他の関係会社有価証券

五   出資金

六   関係会社出資金

七   長期貸付金

八   株主、役員又は従業員に対する長期貸付金

九   関係会社長期貸付金

十   破産債権、更生債権等

十一   長期前払費用

十二   繰延税金資産

十三   その他


2   前項の場合には、第八条第二項の規定を準用する。

第三十八条  
投資有価証券の科目には、流動資産に属さない有価証券の価額を記載する。ただし、関係会社株式、関係会社社債及びその他の関係会社有価証券を除く。

第三十九条  
関係会社株式の科目には、会社の所有する株式のうち、関係会社の発行に係るものの価額を記載する。ただし、売買目的有価証券に該当する株式及び親会社の株式を除く。

第四十条  
関係会社社債の科目には、会社の所有する社債のうち、関係会社の発行に係るものの価額を記載する。

第四十条の二  
その他の関係会社有価証券の科目には、会社の所有する有価証券のうち、関係会社の発行に係るものの価額を記載する。ただし、関係会社株式及び関係会社社債を除く。

第四十一条  
出資金の科目には、会社の有する出資金の価額を記載する。但し、関係会社に対するものを除く。

第四十二条  
関係会社出資金の科目には、関係会社に対する出資金の価額を記載する。

第四十三条  
長期貸付金の科目には、会社の有する貸付金であつて、流動資産に属さないものの金額を記載する。但し、関係会社及び株主、役員又は従業員に対するものを除く。

第四十三条の二  
株主、役員又は従業員に対する長期貸付金の科目には、株主、役員又は従業員に対する長期貸付金の金額を記載する。

第四十四条  
関係会社長期貸付金の科目には、関係会社に対する長期貸付金の金額を記載する。

第四十四条の二  
破産債権、更生債権等の科目には、破産債権、更生債権その他これらに準ずる債権で一年内に回収されないことが明らかなものの金額を記載する。

第四十四条の三  
長期前払費用の科目には、前払費用のうち一年を超える期間を経て費用となるものの金額を記載する。

第四十四条の四  
投資その他の資産の科目中の繰延税金資産の科目には、繰延税金資産のうち第十六条の二に規定するもの以外のものを記載する。

第四十五条  
その他の科目には、第三十七条第一項第一号から第十二号までに掲げる資産以外の資産で、流動資産、有形固定資産、無形固定資産又は繰延資産に属する資産以外の長期資産の金額を記載する。
2   前項の長期資産のうち、その金額が資産の総額の百分の一を超えるものについては、当該資産を明示する名称を付した科目をもつて掲記する。

第四十六条  
第十八条の規定は、投資その他の資産に属する資産に係る引当金について準用する。

第三款 繰延資産
第四十七条  
繰延資産は、第四十八条から第五十四条までに規定する費用であつて、資産として繰延経理を行つたものを次に掲げる科目に区分して記載する。

一   創立費

二   開業費

三   新株発行費

四   社債発行費

五   社債発行差金

六   開発費

七   建設利息


2   前項の場合には、第八条第二項の規定を準用する。

第四十八条  
創立費の科目には、商法第百六十八条第一項第七号の規定により支出した金額及び設立登記のために支出した税額を記載する。

第四十九条  
開業費の科目には、会社成立後営業開始までに支出した開業準備のための費用を記載する。

第五十条  
新株発行費の科目には、新株発行手数料その他新株発行のため直接支出した費用を記載する。

第五十一条  
社債発行費の科目には、社債発行手数料その他社債発行のため直接支出した費用を記載する。

第五十一条の二  
社債発行差金の科目には、商法第二百八十七条の規定による社債差額を記載する。

第五十二条  
開発費の科目には、新技術の採用、経営組織の改善、市場の開拓等のため支出した費用を記載する。

第五十三条  
削除

第五十四条  
建設利息の科目には、商法第二百九十一条第一項の規定により株主に配当した利息を記載する。

第五十五条  
各繰延資産に対する償却累計額は、当該繰延資産の金額から直接控除し、その控除残高を各繰延資産の金額として記載する。

第五十六条から第五十九条まで  
削除

第三節 負債 第一款 流動負債
第六十条  
流動負債は、次に掲げる科目に区分して記載する。

一   支払手形

二   買掛金

三   短期借入金

四   未払金

五   未払費用

六   未払法人税等

七   繰延税金負債

八   前受金

九   預り金

十   前受収益

十一   延払工事利益繰延金

十二   引当金

十三   その他


2   前項各号に掲げる科目に属する負債で別の名称によつて表示することが適当であるものについては、当該負債を示す名称を付した科目をもつて掲記することができる。

第六十一条  
支払手形の科目には、通常の取引に基づいて発生した手形上の債務の金額を記載する。

第六十二条  
買掛金の科目には、仕入先との間の通常の取引に基く営業上の未払金額を記載する。

第六十三条  
短期借入金の科目には、期限一年内の借入金(金融手形を含む。)又は当座借越の金額を記載する。ただし、株主、役員又は従業員からの借入金を除く。

第六十四条  
未払金の科目には、未払配当金その他の未払債務で買掛金以外のものの金額を記載する。
2   未払金のうち、次の各号に掲げる負債で、その金額が負債及び資本の合計額の百分の一を超えるものについては、それぞれ当該各号において示した科目をもつて掲記する。
(負債の種類) (科目)
一 未払配当金 未払配当金
二 期限経過の未償還社債 未償還社債


第六十五条  
未払費用の科目には、未払賃金、未払利息その他の継続的な役務の給付を内容とする契約に基づいて提供された役務の対価で未払のものの金額を記載する。

第六十五条の二  
未払法人税等の科目には、法人税、住民税(都道府県民税及び市町村民税をいう。以下同じ。)及び事業税の未払額を記載する。

第六十五条の三  
流動負債の科目中の繰延税金負債の科目には、流動資産に属する資産又は流動負債に属する負債に関連する繰延税金負債及び特定の資産又は負債に関連しない繰延税金負債で貸借対照表日後一年内に取り崩されると認められるものを記載する。

第六十六条  
前受金の科目には、受注工事、受注品等に対する前受金の受入額を記載する。

第六十七条  
預り金の科目には、営業上の諸預り金、預り保証金等の金額を記載する。ただし、株主、役員又は従業員預り金を除く。

第六十八条  
前受収益の科目には、前受利息、前受賃貸料等の金額を記載する。

第六十九条  
延払工事利益繰延金の科目には、第九十四条の二第二項第二号の方法により契約額の総額を売上金額として計上する場合に控除される未実現利益の金額を記載する。

第七十条  
引当金の科目には、引当金のうちその使用が一年内であることが確実に見込まれるものの金額を記載する。ただし、資産に係る引当金を除く。
2   引当金は、船舶保証工事引当金等その目的を示す名称を付した科目をもつて掲記する。

第七十一条  
その他の科目には、第六十一条から前条までの規定により、第六十条第一項第一号から第十二号までの科目に記載すべき負債以外のもので、一年内に償還すべき債務又は仮受金その他の未決算勘定の金額を記載する。
2   前項の負債のうち、次の各号に掲げる負債で、その金額が負債及び資本の合計額の百分の一(第三号のその他の負債については、各負債の種類ごとにその金額が負債及び資本の合計額の百分の一)を超えるものについては、それぞれ当該各号において示した科目をもつて掲記する。
(負債の種類) (科目)
一 株主、役員又は従業員からの短期借入金 株主、役員、従業員短期借入金
二 株主、役員又は従業員からの預り金 株主、役員、従業員預り金
三 その他の負債 当該負債を明示する名称を付した科目


第二款 固定負債
第七十二条  
固定負債は、次に掲げる科目に区分して記載する。

一   社債

一の二   転換社債

二   長期借入金

三   関係会社長期借入金

四   繰延税金負債

五   引当金

六   その他


2   前項の場合には、第六十条第二項の規定を準用する。

第七十三条  
社債の科目には、会社の発行した社債を額面額をもつて記載する。ただし、転換社債、第六十四条第二項第二号の規定に該当するもの又は貸借対照表日から起算して一年内に償還すべき負債を除く。

第七十三条の二  
転換社債の科目には、会社の発行した転換社債を額面額をもつて記載する。ただし、第六十四条第二項第二号の規定に該当するもの又は貸借対照表日から起算して一年以内に償還すべき負債を除く。

第七十四条  
長期借入金の科目には、期限一年以上の借入金(金融手形を含む。)の金額を記載する。ただし、関係会社からの長期借入金及び株主、役員又は従業員からの長期借入金を除く。

第七十五条  
関係会社長期借入金の科目には、関係会社からの長期借入金の金額を記載する。

第七十五条の二  
固定負債の科目中の繰延税金負債の科目には、繰延税金負債のうち第六十五条の三に規定する以外のものを記載する。

第七十五条の三  
引当金の科目には、引当金のうち第七十条の規定により計上されたもの以外のものの金額を記載する。ただし、資産に係る引当金を除く。
2   引当金は、退職給付引当金等その目的を示す名称を付した科目をもつて掲記する。

第七十六条  
その他の科目には、第七十三条から前条までの規定により、第七十二条第一項第一号から第五号までの科目に記載すべき負債以外のものであつて、流動負債に属さない債務の金額を記載する。
2   前項の負債のうち、次の各号に掲げる負債で、その金額が負債及び資本の合計額の百分の一(第二号のその他の固定負債については、各負債の種類ごとにその金額が負債及び資本の合計額の百分の一)を超えるものについては、それぞれ当該各号において示した科目をもつて掲記する。
(負債の種類) (科目)
一 株主、役員又は従業員からの長期借入金 株主、役員、従業員長期借入金
二 その他の固定負債 当該負債を明示する名称を付した科目


第三款 雑則
第七十七条  
第八条第一項第十号に掲げる繰延税金資産と第六十条第一項第七号に掲げる繰延税金負債とがある場合には、その差額を繰延税金資産又は繰延税金負債として流動資産又は流動負債に表示しなければならない。
2   第三十七条第一項第十二号に掲げる繰延税金資産と第七十二条第一項第四号に掲げる繰延税金負債とがある場合には、その差額を繰延税金資産又は繰延税金負債として投資その他の資産又は固定負債に表示しなければならない。

第七十八条及び第七十九条  
削除

第四節 資本 第一款 資本金
第八十条  
資本金は、資本金の科目をもつて記載する。

第八十条の二  
新株式払込金又は申込期日経過後における新株式申込証拠金は第七条の規定にかかわらず、資本金の次に別の区分を設け、新株式払込金額又は新株式申込証拠金の科目をもつて掲記する。

第二款 資本剰余金
第八十一条  
資本剰余金に属する剰余金は、次に掲げる項目の区分に従い、当該剰余金の名称を付した科目をもつて記載する。

一   資本準備金

二   その他資本剰余金(資本準備金及び法律で定める準備金で資本準備金に準ずるもの以外の資本剰余金をいう。)



第八十二条  
資本準備金の科目には、商法第二百八十八条ノ二に規定する資本準備金の積立金額を記載する。
2   法律で定める準備金で資本準備金に準ずるものは、資本準備金の次に別の科目を設け、当該準備金の名称を付した科目をもつて掲記する。

第八十三条  
第八十一条第二号のその他資本剰余金に属する資本剰余金については、当該資本剰余金の発生源泉を示す名称を付した科目をもつて掲記する。

第八十四条  
削除

第三款 利益剰余金
第八十五条  
利益剰余金に属する剰余金又は損失金は、次に掲げる項目の区分に従い、当該剰余金又は損失金を示す名称を付した科目をもつて記載する。

一   利益準備金

二   任意積立金

三   当期未処分利益又は当期未処理損失



第八十六条  
利益準備金の科目には、商法第二百八十八条に規定する準備金の金額を記載する。
2   法律で定める準備金で利益準備金に準ずるものは、利益準備金の次に別の科目を設け、当該準備金の名称を付した科目をもつて掲記する。

第八十七条  
任意積立金の科目には、第八十六条第一項に規定する積立金以外に、会社が利益金の処分によつて留保した積立金の金額を記載する。
2   前項の任意積立金に属する剰余金については、減債積立金、配当平均積立金等の当該積立金の設定目的を示す名称を付した科目をもつて掲記する。

第八十八条  
資本の部に計上されるその他有価証券(売買目的有価証券、満期保有目的の債券(満期まで所有する目的をもつて保有する社債券その他の債券(満期まで所有する意図をもつて取得したものに限る。)をいう。)並びに子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券をいう。)以下同じ。)の評価差額は、第七条の規定にかかわらず、利益剰余金の次に別に区分を設け、その他有価証券評価差額金の科目をもつて掲記しなければならない。

第八十八条の二  
自己株式は、資本に対する控除項目として資本の部の末尾に記載しなければならない。

第三章 損益計算書 第一節 総則
第八十九条  
第一条の損益計算書及び第百十五条の規定により損益計算書に添附する売上原価明細書の様式並びにその記載方法は、この章の規定の定めるところによる。

第二節 損益計算書 第一款 総則
第九十条  
損益計算書の様式は、報告式とし第二号表の例による。

第九十一条  
収益又は費用は、次に掲げる科目に分類し、更にこれを細分して記載する。

一   売上高

二   売上原価

三   販売費及び一般管理費

四   営業外収益

五   営業外費用

六   特別利益

七   特別損失



第九十二条  
造船業を営む株式会社であつて、他の種類の事業を兼ねて営む場合における売上高及び売上原価については、事業の種類ごとに区分して記載することができる。

第二款 売上高及び売上原価
第九十三条  
売上高の科目には、受注工事の売上金額(当該事業年度の損益計算に著しい影響を及ぼさない前事業年度以前の売上高の修正を含む。)、製品の販売高並びに原材料及び貯蔵品の売却額の合計額を掲記する。ただし、製品の販売高が売上高の科目に計上されている合計額の百分の二十を超える場合には、これを別に区分して掲記する。
2   前項の受注工事の売上金額、製品の販売高又は原材料及び貯蔵品の売却額は、これらについて売上値引及び戻り高がある場合には、当該売上値引及び戻り高を控除する。

第九十三条の二  
長期延払契約及び割賦販売による売上高が売上高の総額の百分の二十を超える場合には、当該名称を付した科目をもつて別に掲記する。

第九十四条  
売上原価の科目には、第九十三条の規定により売上高の科目に記載したものの売上品原価(当該事業年度の損益計算に著しい影響を及ぼさない前事業年度以前の売上原価の修正を含む。)を記載する。ただし、同条第一項ただし書の規定により製品の販売高を区分した場合は、製品の売上原価を区分して掲記する。

第九十四条の二  
受注工事に係る第九十三条第一項の売上金額又は前条の売上原価は、第一号の方法により計上するものとする。ただし、工事期間が長期の受注工事であつて合理的に収益が見積ることができる場合には、第二号の方法により計上することができる。

一   受注工事の引渡を完了した事業年度の売上として計上すること。この場合において、売上金額又は売上原価が決定しないときは、これを見積り計上することとする。ただし、事業年度末に引渡を完了した受注工事の売上金額及び売上原価のいずれかについて見積り計上が困難なときは、当該受注工事に係る売上金額及び売上原価を翌事業年度の売上として計上することができる。

二   仕掛中の受注工事についてその進ちよく状況に応じて計算した製造原価及びこれに対応して見積つた売上金額を、当該事業年度の売上として計上すること。


2   売上金額が長期延払又は割賦契約によつて支払われる受注工事の第九十三条第一項の売上金額又は前条の売上原価は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかの方法により計上することができる。

一   当該長期延払又は割賦収入額の金額を売上高とし、これに対応する売上原価の金額を売上原価として計上すること。

二   当該長期延払又は割賦契約額の総額を売上高とし、売上原価の総額を売上原価として計上すること。この場合において、その未実現利益は科目を設けて控除することとする。


3   製品に係る第九十三条第一項の販売高又は前条の売上原価は、一般に公正妥当と認められる方法によつて計上する。

第九十五条  
削除

第九十六条  
売上高から売上原価を控除した額(売上原価が売上高を超える場合は、売上原価から売上高を控除した額)を売上総利益金額(売上総損失金額)として表示しなければならない。

第三款 販売費及び一般管理費
第九十七条  
当該事業年度の販売及び一般管理業務に関して発生した費用(売上原価の要素として処理するものを除く。)は、販売費及び一般管理費に属するものとする。
2   販売費及び一般管理費は、適当と認められる費目に分類し、当該費用を示す名称を付した科目をもつて掲記する。
3   第一項の規定にかかわらず、販売及び一般管理業務に関して発生した費用で半成工事又は仕掛品に係るものについては、半成工事又は仕掛品に配賦し、当該半成工事又は仕掛品に係る工事又は製品が売上に計上された事業年度にその額を販売費及び一般管理費に計上することができる。
4   前項の規定により、販売及び一般管理業務に関して発生した費用を半成工事又は仕掛品に配賦している場合の当該会社の販売費及び一般管理費は、第二項の規定にかかわらず、販売費及び一般管理費の科目をもつて一括して掲記することができる。

第九十七条の二  
通常の取引に基づいて発生した債権についての貸倒引当金繰入額又は貸倒損失は、異常なものを除き販売費として、当該費用を示す名称を付した科目をもつて別に掲記する。

第九十八条  
売上総利益金額から販売費及び一般管理費の金額を控除した額(販売費及び一般管理費の金額が売上総利益金額を超える場合は、販売費及び一般管理費の金額から売上総利益金額を控除した額、売上総損失金額がある場合には、売上総損失金額に販売費及び一般管理費の金額を加えた額)は、営業利益金額(営業損失金額)として表示しなければならない。
2   前項の規定に基づき、営業利益金額又は営業損失金額を表示する場合において、第九十七条の二ただし書の規定により販売費及び一般管理費の次に別に記載した費用があるときは、当該費用の金額を販売費及び一般管理費の合計額に加算しなければならない。

第四款 営業外収益及び営業外費用
第九十九条  
営業外収益は、次に掲げる科目に区分して記載する。

一   受取利息及び割引料

二   受取配当金

三   その他


2   前項第三号のその他の営業外収益のうちその金額が営業外収益の総額の百分の十を超えるものについては、その内容を明示する名称を付した科目をもつて掲記する。

第百条  
受取利息及び割引料の科目には、有価証券利息を除く受取利息及び割引料の金額を記載する。

第百一条から第百四条まで  
削除

第百五条  
営業外費用は、次に掲げる科目に区分して記載する。

一   支払利息及び割引料

二   その他


2   前項第二号のその他の営業外費用のうちその金額が営業外費用の総額の百分の十を超えるものについては、その内容を明示する名称を付した科目をもつて掲記する。

第百六条から第百十三条まで  
削除

第百十四条  
営業利益金額又は営業損失金額に、営業外収益の金額を加減し、次に営業外費用の金額を加減した額を、経常利益金額又は経常損失金額として表示しなければならない。

第五款 特別利益及び特別損失
第百十四条の二  
特別利益に属する利益は、前期損益修正益、固定資産売却益その他の項目の区分に従い、当該利益を示す名称を付した科目をもつて掲記する。ただし、各利益のうち、その金額が特別利益の総額の百分の十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該利益を一括して示す名称を付した科目をもつて掲記することができる。

第百十四条の三  
特別損失に属する損失は、前期損益修正損、固定資産売却損、災害による損失その他の項目の区分に従い、当該損失を示す名称を付した科目をもつて掲記する。ただし、各損失のうち、その金額が特別損失の総額の百分の十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該損失を一括して示す名称を付した科目をもつて掲記することができる。

第百十四条の四  
経常利益金額又は経常損失金額に特別利益の金額を加減し、次に特別損失の金額を加減した額を、税引前当期純利益金額又は当期純損失金額として表示しなければならない。

第百十四条の五  
次の各号に掲げる項目の金額は、その内容を示す名称を付した科目をもつて、税引前当期純利益金額又は税引前当期純損失金額の次に記載しなければならない。

一   当該事業年度に係る法人税、住民税及び事業税(利益に関連する金額を課税標準として課される事業税をいう。次号において同じ。)

二   法人税等調整額(税効果会計の適用により計上される前号に掲げる法人税、住民税及び事業税の調整額をいう。)


2   税引前当期純利益金額又は税引前当期純損失金額に前項各号に掲げる項目の金額を加減した金額は、当期純利益金額又は当期純損失金額として記載しなければならない。
3   法人税等の更正、決定等による納付税額又は還付税額がある場合には、第一項第一号に掲げる項目の次に、その内容を示す名称を付した科目をもつて記載するものとする。ただし、これらの金額の重要性が乏しい場合は、第一項第一号に掲げる項目の金額に含めて表示することができる。

第六款 当期未処分利益金額又は当期未処理損失金額
第百十四条の六  
当期純利益金額又は当期純損失金額に前期繰越利益金額若しくは前期繰越損失金額、一定の目的のために留保した利益のその目的に従う取崩しによる利益金額、商法第二百八十九条第二項の規定により減少した利益準備金の額、自己株式処分差損、自己株式消却額又は商法第二百九十三条ノ五第一項の金銭の分配(以下「中間配当」という。)の金額及び中間配当に伴う利益準備金の積立金額を加減した額を、当期未処分利益金額又は当期未処理損失金額として表示しなければならない。

第七款 雑則
第百十四条の七  
当該会社の採用する原価計算方法に基づいて計上される原価差額は、一般に公正妥当と認められる原価計算の基準に従つて処理された結果に基づいて、売上原価に含めて記載しなければならない。ただし、原価性を有しないと認められるものについては、営業外収益若しくは営業外費用として、又は特別利益若しくは特別損失として記載するものとする。

第百十四条の八  
引当金繰入額は、その設定目的及び引当金繰入額であることを示す名称を付した科目をもつて別に掲記する。

第三節 売上原価明細書
第百十五条  
損益計算書には、第九十四条に規定する売上原価の内訳を示すために、売上原価明細書を添附する。

第百十六条  
売上原価明細書の様式は、個別原価計算の方式を採り、第三号表の例による。

第百十七条  
売上原価明細書は、次に掲げる科目に区分して記載する。

一   直接材料費

二   直接経費

三   用役費

四   加工費

五   原価差額

六   保証工事引当金繰入額又は保証工事引当金取崩額

七   その他



第百十八条  
削除

第百十九条  
直接材料費の科目には、売上原価に記載した工事の製造原価として、直接に賦課した材料費及び自製品費の金額を記載する。

第百二十条  
削除

第百二十一条  
直接経費の科目には、売上原価に記載した工事の製造原価として、直接に賦課した外注加工費、請負工事費等の合計額を記載する。

第百二十二条  
用役費の科目には、売上原価に記載した工事の製造原価として各製造部門において発生した用役の費用を配賦したものの合計額を記載する。

第百二十三条  
加工費の科目には、売上原価に記載した工事の製造原価として配賦した直接労務費と製造間接費の合計額を記載する。

第百二十四条  
原価差額の科目には、第百十四条の七の規定により売上原価に含めて記載する原価差額を記載する。

第百二十五条  
保証工事引当金繰入額又は保証工事引当金取崩額の科目には、船舶等の保証工事引当金を計上した場合に、当該工事費として製造原価に賦課した引当金の繰入額と取崩額との差額を記載する。

第百二十六条  
第九十三条第一項ただし書の規定により、販売した製品を区分記載した場合は、その製造原価の内訳を示すため、別に製品の売上原価明細書を添付する。

第四章 削除
第百二十七条から第百六十一条まで  
削除

第五章 利益処分計算書又は損失処理計算書 第一節 総則
第百六十二条  
第一条の利益処分計算書及び損失処理計算書の様式及びその記載方法は、この章の規定の定めるところによる。

第百六十三条  
利益処分計算書及び損失処理計算書の様式は、報告式とし、第四号表(A)又は同表(B)の例による。

第二節 利益処分計算書
第百六十四条  
利益処分計算書には、利益処分に関する勘定を次に掲げる科目に区分して記載する。

一   当期未処分利益

二   利益処分額

三   次期繰越利益


2   その他資本剰余金を処分した場合には、その内容は、前項の規定により記載したものとは区分し、次に掲げる科目をもつて記載する。

一   その他資本剰余金

二   その他資本剰余金処分額

三   その他資本剰余金次期繰越額



第百六十五条  
第八十五条第二号の任意積立金を取崩して当期の利益処分に充当する場合には、当該取崩金額は、前条第一項第一号の当期未処分利益に当該金額を加算する形式により、当該積立金取崩高を示す名称を付した科目をもつて掲記する。

第百六十六条  
削除

第百六十七条  
第百六十四条第一項第二号の利益処分額は、次に掲げる科目に区分して記載する。

一   利益準備金

二   配当金

三   役員賞与金

四   資本金

五   任意積立金

六   その他


2   前項第五号の任意積立金については、第八十七条第二項の規定を準用する。
3   第一項第六号のその他の科目には、当該処分の目的を示す名称を付した科目に区分して記載する。

第三節 損失処理計算書
第百六十八条  
損失処理計算書には、損失処理に関する勘定を次に掲げる科目に区分して記載する。

一   当期未処理損失

二   損失処理額

三   次期繰越損失


2   その他資本剰余金を処分した場合には、その内容は、前項の規定により記載したものとは区分し、次に掲げる科目をもつて記載する。

一   その他資本剰余金

二   その他資本剰余金処分額

三   その他資本剰余金次期繰越額



第百六十九条  
削除

第百七十条  
第百六十八条第一項第二号の損失処理額は、次に掲げる科目に区分して記載する。

一   任意積立金取崩額

二   その他資本剰余金取崩額

三   利益準備金取崩額

四   資本準備金取崩額



附 則

1この準則は、昭和二十六年四月一日以後に始まる事業年度に係る財務諸表から適用する。

2この準則は、企業再建整備法(昭和二十一年法律第四十号)の規定による旧勘定及び新勘定を併合していない特別経理会社(会社経理応急措置法(昭和二十一年法律第七号)に規定する特別経理会社をいう。)に係る財務諸表については適用しない。

3第三十二条の規定は、会社がこの準則の規定による貸借対照表をその日現在において作成する日を含む事業年度開始の日前に取得した有形固定資産に属する資産で同条の規定による減価償却引当金の掲記が困難であると認められるものについては、適用しない。


附 則 
(昭和五一年五月二五日運輸省告示第二六四号)
この告示は、公布の日から施行する。

附 則 
(昭和五三年三月三一日運輸省告示第一八九号)

1この告示は、公布の日から施行する。

2改正後の造船業財務諸表準則は、昭和五十二年四月一日以後に開始される事業年度に係る財務諸表について適用し、同日前に開始された事業年度に係るものについては、なお従前の例による。


附 則 
(昭和五八年三月三一日運輸省告示第一三六号)

1この告示は、公布の日から施行する。

2この告示による改正後の造船業財務諸表準則(以下「新準則」という。)は、昭和五十七年十月一日以後終了する事業年度に係る財務諸表について適用し、同日前に終了する事業年度に係るものについては、なお従前による。

3昭和五十七年十月一日前に終了した最終の事業年度に係る貸借対照表に記載されている負債性引当金以外の引当金(貸倒引当金及び減価償却引当金を除く。以下同じ。)で同日以後最初に終了する事業年度において取り崩したものがある場合における損益計算書の表示については、なお従前の例による。この場合において、新準則第百十四条の五の二の規定の適用については、同条中「一株当たり当期純利益金額又は当期純損失金額」とあるのは、「一株当たり当期利益金額又は当期損失金額」とする。

4昭和五十七年十月一日前に終了した最終の事業年度に係る貸借対照表に記載されている負債性引当金以外の引当金は、取り崩したものを除き、同日以後最初に終了する事業年度に係る貸借対照表においては、資本の部中その他の剰余金の科目に記載し、その旨を注記しなければならない。

5商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百八十七条ノ二に規定する引当金は、新準則第六条及び第七条の規定にかかわらず、当分の間、固定負債の次に別の区分を設けて記載することができる。この場合においては、別の区分を設けて記載しなければならない理由を注記しなければならない。

6前項の引当金は、その設定目的を示す名称を付した科目をもつて掲記する。

7前項の引当金については、一年内に使用されると認められるものであるかどうかの区別を注記しなければならない。ただし、その区分をすることが困難なものについては、この限りではない。


附 則 
(昭和六二年六月二二日運輸省告示第三四六号)

1この告示は、公布の日から施行する。

2有価証券の募集又は売出しの届出等に関する省令等の一部を改正する省令(昭和六十二年大蔵省令第二号)による改正前の有価証券の募集又は売出しの届出等に関する省令(昭和四十八年大蔵省令第五号)の様式の規定により作成して提出する有価証券届出書又は有価証券報告書に掲げる財務諸表については、なお従前の例による。

3この告示の施行の日以後に提出する有価証券届出書又は有価証券報告書に掲げる財務諸表のうち、この告示による改正前の造船業財務諸表準則の規定により作成して提出した有価証券届出書又は有価証券報告書に掲げた財務諸表と同一の内容のものについては、なお従前の例による。


附 則 
(平成四年一月一〇日運輸省告示第一三号)

1この告示は、公布の日から施行する。

2この告示の公布の日前に終了した事業年度に係る財務諸表については、なお従前の例によることができる。


附 則 
(平成六年三月三〇日運輸省告示第二二五号)

1この告示は、公布の日から施行する。

2この告示の公布の日前に終了した事業年度に係る財務諸表については、なお従前の例によることができる。


附 則 
(平成一一年三月二五日運輸省告示第一六六号)

1この告示は、平成十一年四月一日から施行する。ただし、第百十四条の五及び第二号表の改正規定は、平成十一年三月三十一日から施行する。

2この告示による改正後の造船業財務諸表準則は、この告示の施行の日以後に開始する事業年度に係る会計の整理及び財務諸表の作成について適用し、同日前に開始する事業年度に係るものについては、なお従前の例による。ただし、同日前に開始する事業年度に係る財務諸表のうち同日以後に作成されるものについて適用することができる。

3この告示による改正後の造船業財務諸表準則第百十四条の五及び第二号表は、平成十一年三月三十一日以後終了する事業年度に係る財務諸表について適用し、同日前に終了する事業年度に係るものについては、なお従前の例による。

4改正後の造船業財務諸表準則を適用して財務諸表を作成する最初の事業年度においては、当該事業年度よりも前の事業年度に係る法人税等調整額は、前期繰越利益(又は前期繰越損失)の調整項目として処理するものとする。


附 則 
(平成一二年六月八日運輸省告示第二三八号)

1この告示は、公布の日から施行する。

2この告示による改正後の造船業財務諸表準則第二条の三第九号、第十二条、第三十九条、第五十九条、第七十五条の三、第八十八条の二及び第一号表の規定並びに第七十七条の三を削る改正規定については、平成十二年四月一日以後開始する事業年度に係る財務諸表について適用し、同日前に開始する事業年度に係るものについては、なお従前の例による。


附 則 
(平成一四年二月二六日国土交通省告示第一〇八号)

1この告示は、公布の日から施行する。

2この告示による改正後の造船業財務諸表準則は、この告示の施行日以後終了する事業年度に係る財務諸表について適用し、同日前に終了する事業年度に係るものについては、なお従前の例による。


附 則 
(平成一四年九月三〇日国土交通省告示第八五〇号)
商法等の一部を改正する法律(平成十三年法律第百二十八号。以下この条において「改正法」という。)の施行前に開始した事業年度に係る会計の整理及び財務諸表の作成に関しては、この告示の施行後も、なお従前の例による。ただし、改正法の施行前に開始した事業年度に係る財務諸表のうちこの告示の施行後に作成するものについては、この告示による改正後の造船業財務諸表準則の規定を適用することができる。

第一号表(第五条関係)
第二号表(第九十条関係)
第三号表(第百十六条関係)
第四号表(A)(第百六十三条関係)
第四号表(B)(第百六十三条関係)

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