潜水船のトン数の算定方法を定める告示


平成元年五月十九日
運輸省告示第二百六十号
改正
平成一二年一二月二八日運輸省告示第四一五号

船舶のトン数の測度に関する法律施行規則(昭和五十六年運輸省令第四十七号)第八条の規定に基づき、潜水船のトン数の算定方法を定める告示を次のように定める。

目次
第一章 総則(第一条―第六条)
第二章 潜水船のトン数の測度の基準
第一節 国際総トン数(第七条―第十八条)
第二節 総トン数(第十九条)
第三節 純トン数(第二十条―第二十八条)
附則

第一章 総則
第一条  (適用)
潜水船のトン数の算定方法については、船舶のトン数の測度に関する法律施行規則(昭和五十六年運輸省令第四十七号)第一章及び第二章の規定にかかわらず、この告示の定めるところによる。

第二条  (定義)
この告示において「潜水船」とは、構造物の全てが水中に没した状態で航行することができる船舶をいう。
2   この告示において使用する用語は、船舶のトン数の測度に関する法律(昭和五十五年法律第四十号。以下「法」という。)において使用する用語の例による。
3   この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一   測度長 船体の船首の前面から船尾の後面までの水平距離をいう。

二   基線 測度長の中央における船体の内面の下端を通る水線に平行な線をいう。

三   型深さ 船体の基線に垂直な横断面の内面における上端から下端までの垂直距離をいう。

四   船の長さ 測度長の九十パーセント又は船首の前面から舵頭材の中心線までの距離のうちいずれか大きいものをいう。

五   船の幅 金属製外板を有する潜水船にあっては、船の長さの中央における船体の内面間の最大の幅をいい、金属製外板以外の外板を有する潜水船にあっては、船の長さの中央における船体の外面間の最大の幅をいう。

六   付属構造物 船体の外面に取り付けられた構造物をいう。



第三条  (単位及び精度)
長さ、幅、深さ及び高さは、メートルを単位とし、四捨五入により小数点以下二位までとする。
2   トン数は、十トン以上である場合にあっては小数点以下を切り捨て、十トン未満である場合にあっては小数点以下は一位にとどめ、小数点以下二位を切り捨てる。

第四条  (容積の測度)
閉囲場所及び貨物積載場所の容積は、外板の内面から内面まで(金属製外板以外の外板にあっては外面から外面まで)又は周縁の構造上の仕切り、隔壁、甲板若しくは覆いの内面から内面まで測度するものとする。

第五条  (形状が複雑な場所の面積又は容積の算定方法)
面積又は容積を一区分として算定すべき場所のうち形状が複雑なものの面積又は容積は、計算上より精密な結果が得られると船舶測度官が認める場合にあっては、第八条から第十八条まで及び第二十一条から第二十五条までの規定にかかわらず、当該場所を二以上に区分し、各区分した場所ごとにこれらの規定に準じて算定することができるものとする。

第六条  (形状が正整な場所の面積又は容積の算定方法)
形状が正整な場所の面積又は容積は、第九条から第十八条まで及び第二十二条から第二十五条までの規定にかかわらず、平均の長さ、幅、深さ又は高さにより算定することができるものとする。

第二章 潜水船のトン数の測度の基準 第一節 国際総トン数
第七条  (国際総トン数の数値を算定する場合の係数)
法第四条第二項の国土交通省令で定める係数は、次の算式により算定した数値とする。0.2+0.02×log10Vこの場合において、Vは、閉囲場所の合計容積を立方メートルで表した数値

第八条  (閉囲場所の合計容積の算定方法)
閉囲場所の合計容積の算定に当たっては、船体及び付属構造物についてそれぞれの容積を算定し、これらを合算するものとする。

第九条  (船体の容積の算定方法)
船体の容積は、船体の各分長点の位置における横断面の面積に当該分長点の位置に係る別表第一の下欄に掲げる係数をそれぞれ乗じて得た値を合算し、これに測度長の三十分の一を乗じて算定するものとする。

第十条  
船体の分長点は、基線上において別表第一の上欄に掲げる測度長の区分に応じ、測度長の後端における垂線からの距離が同表の下欄に定める距離となる位置に設けるものとする。

第十一条  
船体の分深点は、当該船体の分長点における垂線上において、深さ(当該分長点における横断面の下端から上端までの距離をいう。以下同じ。)五メートル未満の場合にあっては当該深さを四等分、深さ五メートル以上の場合にあっては当該深さを六等分した位置及び上下両端の位置に設けるものとする。

第十二条  
横断面の面積は、当該横断面の下端から数えて偶数番目に当たる分深点における幅に四を、上下両端を除き奇数番目に当たる分深点における幅に二を、上下両端の分深点における幅に一をそれぞれ乗じて得た値を合算し、これに分深点間隔の三分の一を乗じて算定するものとする。

第十三条  (測度長二十四メートル未満の潜水船の船体の容積の算定方法)
測度長二十四メートル未満の潜水船の船体の容積は、第九条から前条までの規定にかかわらず、次の算式により算定するものとする。0.65×L×B×Dこの場合において、Lは、測度長Bは、船体の外面間の最大の幅Dは、測度長の中央における船体の外面の下端から上端までの垂直距離

第十四条  (付属構造物の容積の算定方法)
付属構造物の容積は、付属構造物の各分長点における横断面の面積に、後端から数えて偶数番目に当たる分長点における横断面については四を、前後両端を除き奇数番目に当たる分長点における横断面については二を、前後両端の分長点における横断面については一をそれぞれ乗じて得た値を合算し、これに分長点間隔の三分の一を乗じて算定するものとする。

第十五条  
付属構造物の分長点は、別表第二の上欄に掲げる長さ(当該付属構造物の前端から後端までの距離をいう。)の区分に応じ、同表の下欄に定める等分数により当該長さを等分した位置及び前後両端の位置に設けるものとする。

第十六条  
付属構造物の分深点は、当該付属構造物の分長点における垂線上において、別表第三の上欄に掲げる深さの区分に応じ、同表の下欄に定める等分数により当該深さを等分した位置及び上下両端の位置に設けるものとする。

第十七条  
横断面の面積の算定方法については、第十二条の規定を準用する。

第十八条  (測度長二十四メートル未満の潜水船の付属構造物の容積の算定方法)
測度長二十四メートル未満の潜水船の付属構造物の容積の算定方法については、第十四条から前条までの規定にかかわらず、当該付属構造物の最大の長さに平均の幅及び平均の高さを乗じて算定するものとする。

第二節 総トン数
第十九条  (総トン数の数値を算定する場合の係数)
法第五条第二項の国土交通省令で定める係数は、次の算式により算定した数値とする。(0.6+t/10,000)×(1+(30−t)/180)この場合において、tは、法第四条第二項の規定の例により算定した数値(0.6+t/10,000)の数値が一を超えるときは、その数値は一とする。(1+(30−t)/180)の数値が一未満のときは、その数値は一とする。

第三節 純トン数
第二十条  (純トン数の数値を算定する場合の係数)
法第六条第二項第一号の国土交通省令で定める係数は、次の算式により算定した数値とする。0.2+0.02×log10Vcこの場合において、Vcは、貨物積載場所の合計容積を立方メートルで表した数値

第二十一条  (貨物積載場所の合計容積の算定方法)
貨物積載場所の合計容積の算定に当たっては、貨物積載場所についてそれぞれの容積を算定し、これらを合算するものとする。

第二十二条  (貨物積載場所の容積の算定方法)
貨物積載場所の容積の算定に当たっては、第十四条の規定を準用する。この場合において、同条中「付属構造物」とあるのは、「貨物積載場所」と読み替えるものとする。

第二十三条  
貨物積載場所の分長点は、別表第四の上欄に掲げる長さ(当該貨物積載場所の前端から後端までの距離をいう。)の区分に応じ、同表の下欄に定める等分数により当該長さを等分した位置及び前後両端の位置に設けるものとする。

第二十四条  
横断面の面積の算定については、第十一条及び第十二条の規定を準用する。この場合において、第十一条中「船体」とあるのは、「貨物積載場所」と読み替えるものとする。

第二十五条  (測度長二十四メートル未満の潜水船の貨物積載場所の容積の算定方法)
測度長二十四メートル未満の潜水船の貨物積載場所の容積の算定方法については、前三条の規定にかかわらず、当該貨物積載場所の最大の長さに平均の幅及び平均の高さを乗じて算定するものとする。

第二十六条  (純トン数を算定するための数値)
法第六条第二項第二号の国土交通省令で定めるところにより算定した数値は、次の算式により算定した数値とする。1.25×((T+10,000)/10,000)×(N1+N2/10)この場合において、Tは、国際総トン数の数値N1は、定員八人以下の旅客室に係る旅客定員の数N2は、旅客定員の総数からN1を控除して得た数

第二十七条  (純トン数の数値の算定について特例を定めることができる軽微な変更)
法第六条第三項の国土交通省令で定める軽微な変更とは、当該変更によって閉囲場所又は貨物積載場所の容積に変更を生じないものとする。

第二十八条  (純トン数の数値の算定についての特例)
前条に規定する軽微な変更により純トン数の数値が減少することとなる潜水船の純トン数の数値は、法第八条の規定により国際トン数証書又は国際トン数確認書が最初に交付された日(純トン数の変更に係る書換えを受けた場合にあっては、最後に書換えを受けた日)から起算して一年を経過する日までの間は、当該変更前の旅客定員の数を用いて法第六条第二項及び第二十条から第二十六条までの規定により算定するものとする。

附 則
この告示は、公布の日から施行する。

改正文 
(平成一二年一二月二八日運輸省告示第四一五号) 抄
平成十三年一月六日から適用する。

別表第一(第九条、第十条関係)
測度長 距離及び係数
五十メートル以上 距離 0 0.025L 0.050L 0.075L 0.100L 0.150L 0.200L 0.250L 0.300L 0.400L 0.500L 0.600L 0.700L 0.750L 0.800L 0.850L 0.900L 0.925L 0.950L 0.975L 1.000L
係数 1/4 1 1/2 1 3/4 2 1 2 3/2 4 2 4 3/2 2 1 2 3/4 1 1/2 1 1/4
五十メートル未満 距離 0 0.05L 0.10L 0.15L 0.20L 0.30L 0.40L 0.50L 0.60L 0.70L 0.80L 0.85L 0.90L 0.95L 1.00L
係数 1/2 2 1 2 3/2 4 2 4 2 4 3/2 2 1 2 1/2
備考Lは、測度長
別表第二(第十五条関係)
長さ(メートル) 等分数
〇・〇五L未満
〇・〇五L以上〇・一〇L未満
〇・一〇L以上
備考Lは、測度長
別表第三(第十六条関係)
深さ(メートル) 等分数
〇・〇五L未満
〇・〇五L以上〇・一〇L未満
〇・一〇L以上
備考Lは、測度長
別表第四(第二十三条関係)
長さ(メートル) 等分数
〇・二五L未満
〇・二五L以上〇・五〇L未満
〇・五〇L以上
備考Lは、測度長

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