船舶安全法施行規則に規定する定期検査等の準備を定める告示


平成九年七月一日
運輸省告示第四百二十号

船舶安全法施行規則(昭和三十八年運輸省令第四十一号)第二十四条第一号、第二号、第三号、第四号、第七号、第八号、第十号、第十一号及び第十三号、第二十五条第一項第二号並びに第二十八条第一号の規定に基づき、船舶安全法施行規則に規定する定期検査等の準備を定める告示を次のように定める。


第一条  (船体の検査の準備)
船舶安全法施行規則(昭和三十八年運輸省令第四十一号。以下「規則」という。)第二十四条第一号イの船体外部に係る事項の告示で定める外観検査の準備は、次のとおりとする。

一   ドック入れ又は上架をすること。ただし、総トン数五十トン未満の木船にあっては、すえ船とすることができる。

二   かじを持ち上げるか又は取りはずすこと。

三   船体に付着した海草、貝等を取り除くこと。

四   船底包板の一部を取りはずすこと。

五   木製船体主要部の固着くぎの一部を抜くこと(定期検査を受ける場合に限る。)。

六   船体外部の適当な場所に安全な足場を設けること。


2   規則第二十四条第一号ロの船体内部に係る事項の告示で定める外観検査の準備は、次のとおりとする。

一   船体内部にある貨物及び固形バラストを取り出すこと。

二   船体内部の船体に固着しない物品を取りかたづけること。

三   タンクのマンホールを開き、かつ、内容物及び危険性ガスを排出すること。

四   貨物区画の内張板の一部を取りはずすこと。

五   甲板被覆及び船底セメントの一部を取りはずすこと。

六   木製船体主要部の固着くぎの一部を抜くこと。

七   船体内部の適当な場所に安全な足場を設けること。


3   規則第二十四条第一号ハの告示で定める板厚計測の準備は、船体主要部のさび落としをし、かつ、厚さを測定できるようにすることとする。

第二条  (機関の検査の準備)
規則第二十四条第二号イの主機の告示で定める解放検査の準備は、次のとおりとする。

一   内燃機関イシリンダカバーを取りはずし、かつ、ピストン及びシリンダライナを取り出すこと。ロシリンダカバー、ピストン及びシリンダの冷却部を検査できるように解放すること。ハクランク腕の開閉量を測定できるようにすること。ニクランク軸の受金の上半並びにクロスヘッドピン及びクランクピンの受金を取りはずし、クランク軸を回転できるようにし、かつ、クランク軸とクランク腕との接合部を検査することが困難なものにあっては、クランク軸を持ち上げておくこと。ホ排気タービン過給機及び掃気装置の内部を検査できるように解放し、作動部分を取り出すこと。ヘ作動に直接関係のある重要な弁を解放すること。

二   蒸気タービンイタービン車室の上半を取りはずし、かつ、ロータを持ち上げておくこと。ロ作動に直接関係のある重要な弁を解放すること。

三   ガスタービンイタービン及び圧縮機の車室の上半を取りはずし、かつ、ロータを持ち上げておくこと。ロ燃焼器及び熱交換器の内部を検査できるように解放すること。ハ作動に直接関係のある重要な弁を解放すること。


2   規則第二十四条第二号イの補助機関の告示で定める解放検査の準備は、発電機又は船舶の推進に関係のある補機を駆動する補助機関にあっては前項に掲げる準備とする。
3   規則第二十四条第二号イの動力伝達装置及び軸系の告示で定める解放検査の準備は、次のとおりとする。

一   動力伝達装置を解放すること。

二   プロペラを取りはずし、かつ、プロペラ軸及び船尾管内にある中間軸を抜き出すこと。

三   各軸受の上半又はカバー及びスラスト受を取りはずし、かつ、各軸を回転できるようにすること。

四   船尾管後端の軸受及び張出軸受と軸とのすき間を測定できるようにすること。

五   ピッチを変更する機構を有するプロペラのプロペラ内部の変節機構又は回転部分を検査できるように解放し、かつ、各羽根を取りはずすこと。

六   ピッチを変更する機構を有するプロペラに附属する管制弁及び変節油ポンプを検査できるように解放すること。


4   規則第二十四条第二号イのボイラ及び圧力容器の告示で定める解放検査の準備は、次のとおりとする。

一   ボイラの内部及び火部並びに圧力容器の内部を掃除し、マンホール、どろ孔及びのぞき孔のカバーを取りはずし、かつ、附属する重要な弁及びコックを解放すること。

二   ボイラの火格子さんを取り出し、かつ、煙室戸を開くこと。

三   ボイラの外衣の一部を取りはずし、かつ、板及び管の厚さを測定できるようにすること。


5   規則第二十四条第二号イの補機及び管装置の告示で定める解放検査の準備は、次のとおりとする。

一   補機の内部を検査できるように解放し、作動部分を取り出すこと。

二   燃料油タンク、こし器、弁、コックその他の管装置の内部を検査できるように解放すること。



第三条  (排水設備の検査の準備)
規則第二十四条第三号イの告示で定める解放検査の準備は、次のとおりとする。

一   ポンプのプランジャ、ピストン、羽根車その他の作動部分を取り出し、かつ、弁箱を解放すること。

二   最高航海喫水線以下で船外に通じる弁及びコックを解放すること。

三   ごみよけ箱及びどろよけ箱を解放すること。



第四条  (操だ、係船及び揚錨の設備の検査の準備)
規則第二十四条第四号イの錨、錨鎖及び係船用索の告示で定める外観検査の準備は、錨、錨鎖及び係船用索を適当な場所に陳列することとする。

第五条  (危険物その他の特殊貨物の積付設備の検査の準備)
規則第二十四条第七号イのタンクの告示で定める外観検査の準備は、次のとおりとする。

一   タンクのマンホールを開き、かつ、内容物及び危険性ガスを排出すること。

二   タンク内外の適当な場所に安全な足場を設けること。



第六条  (荷役その他の作業の設備の検査の準備)
規則第二十四条第八号イの揚貨装置の告示で定める解放検査の準備は、次のとおりとする。

一   ウィンチの内部の主要部分を検査できるように解放すること。

二   デリックブームの基部のピンを取りはずすこと。



第七条  (昇降設備の検査の準備)
規則第二十四条第十号イの告示で定める解放検査の準備は、巻上機の内部の主要部分を検査できるように解放することとする。

第八条  (焼却設備の検査の準備)
規則第二十四条第十一号イの告示で定める解放検査の準備は、焼却炉の内部の主要部分を検査できるように解放することとする。

第九条  (満載喫水線の検査の準備)
規則第二十四条第十三号の告示で定める標示の検査の準備は、満載喫水線の標示を検査できるように安全な足場を設けることとする。

第十条  (第一種中間検査を受ける場合の機関の検査の準備)
規則第二十五条第一項第二号イの主機の告示で定める解放検査の準備は、次のとおりとする。

一   内燃機関イシリンダカバーを取りはずすこと。ロクランク腕の開閉量を測定できるようにすること。ハクランクピンの受金の三分の一に相当する数のクランクピンの受金を取りはずし、かつ、クランク軸を回転できるようにすること。ニ排気タービン過給機及び掃気装置の内部を検査できるように解放すること。

二   蒸気タービンタービン車室の上半及びロータ軸受の受金の上半を取りはずし、かつ、ロータを回転できるようにすること。

三   ガスタービンタービン及び圧縮機の車室の上半並びにロータ軸受の受金の上半を取りはずし、かつ、ロータを回転できるようにすること。


2   規則第二十五条第一項第二号イの補助機関の告示で定める解放検査の準備は、発電機又は船舶の推進に関係のある補機を駆動する補助機関にあっては前項に掲げる準備とする。
3   規則第二十五条第一項第二号イの動力伝達装置及び軸系の告示で定める解放検査の準備は、次のとおりとする。

一   減速装置ののぞき孔のカバーを取りはずすこと。ただし、のぞき孔がない減速装置にあっては歯車の歯を検査できるように解放すること。

二   プロペラを取りはずし、かつ、プロペラ軸及び船尾管内にある中間軸を抜き出すこと。

三   各軸受(スラスト軸受を除く。)の上半又はカバーを取りはずし、かつ、各軸を回転できるようにすること。

四   船尾管後端の軸受及び張出軸受と軸とのすき間を測定できるようにすること。

五   ピッチを変更する機構を有するプロペラのプロペラ内部の変節機構又は回転部分を検査できるように解放し、かつ、羽根を一枚取りはずすこと。


4   規則第二十五条第一項第二号イのボイラの告示で定める解放検査の準備は、第二条第四項に掲げる準備のうちボイラに係るものとする。
5   規則第二十五条第一項第二号イの補機及び管装置の告示で定める解放検査の準備は、内部を検査できるように解放することとする。

第十一条  (製造検査を受ける場合の船体の検査の準備)
規則第二十八条第一号イの船体内外部に係る事項の告示で定める外観検査の準備は、船体内外部の適当な場所に安全な足場を設けることとする。


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