平成十三年八月三日 |
国土交通省告示第千二百九十六号 |
高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則(平成十三年国土交通省令第百十五号)第五十三条第一項第九号の規定に基づき、同号の国土交通大臣の定める基準を次のとおり定める。 |
1住宅の専用部分に係る基準
(1)段差イ日常生活空間(高齢者の利用を想定する一の主たる玄関、便所、浴室、脱衣室、洗面所、寝室(以下「特定寝室」という。)、食事室及び特定寝室の存する階(接地階(地上階のうち最も低い位置に存する階をいう。)を除く。)にあるバルコニー、特定寝室の存する階にあるすべての居室並びにこれらを結ぶ一の主たる経路をいう。以下同じ。)内の床が、段差のない構造(5mm以下の段差が生じるものを含む。以下同じ。)であること。ただし、次に掲げるものにあっては、この限りでない。1)玄関の出入口の段差で、くつずりと玄関外側の高低差を20mm以下とし、かつ、くつずりと玄関土間の高低差を5mm以下としたもの2)玄関の上がりかまちの段差3)勝手口その他屋外に面する開口部(玄関を除く。以下「勝手口等」という。)の出入口及び上がりかまちの段差4)居室の部分の床のうち次に掲げる基準に適合するものとその他の部分の床の300mm以上450mm以下の段差a介助用車いすの移動の妨げとならない位置に存すること。b面積が3m2以上9m2(当該居室の面積が18m2以下の場合にあっては、当該面積の1/2)未満であること。c当該部分の面積の合計が、当該居室の面積の1/2未満であること。d長辺(工事を伴わない撤去等により確保できる部分の長さを含む。)が1,500mm以上であること。eその他の部分の床より高い位置にあること。5)浴室の出入口の段差で、20mm以下の単純段差(立ち上がりの部分が一の段差をいう。以下同じ。)としたもの又は浴室内外の高低差を120mm以下、またぎ高さを180mm以下とし、かつ、手すりを設置したもの6)バルコニーの出入口の段差。ただし、接地階を有しない住戸にあっては、次に掲げるもの並びにバルコニーと踏み段(奥行きが300mm以上で幅が600mm以上であり、当該踏み段とバルコニーの端との距離が1,200mm以上であり、かつ、1段であるものに限る。以下同じ。)との段差及び踏み段とかまちとの段差で180mm以下の単純段差としたものに限る。a180mm(踏み段を設ける場合にあっては、360mm)以下の単純段差としたものb250mm以下の単純段差とし、かつ、手すりを設置できるようにしたものc屋内側及び屋外側の高さが180mm以下のまたぎ段差(踏み段を設ける場合にあっては、屋内側の高さが180mm以下で屋外側の高さが360mm以下のまたぎ段差)とし、かつ、手すりを設置できるようにしたものロ日常生活空間外の床が、段差のない構造であること。ただし、次に掲げるものにあっては、この限りでない。1)玄関の出入口の段差2)玄関の上がりかまちの段差3)勝手口等の出入口及び上がりかまちの段差4)バルコニーの出入口の段差5)浴室の出入口の段差6)室内又は室の部分の床とその他の部分の床の90mm以上の段差(2)通路及び出入口の幅員イ日常生活空間内の通路の有効な幅員が780mm(柱等の箇所にあっては750mm)以上であること。ロ日常生活空間内の出入口(バルコニーの出入口及び勝手口等の出入口を除く。)の幅員(玄関及び浴室の出入口については、開き戸にあっては建具の厚み、引き戸にあっては引き残しを勘案した通行上有効な幅員とし、玄関及び浴室以外の出入口については、軽微な改造により確保できる部分の長さを含む。)が750mm(浴室の出入口にあっては600mm)以上であること。(3)階段蹴込みが30mm以下であること。(4)手すりイ手すりが、次の表の(い)項に掲げる空間ごとに、(ろ)項に掲げる基準に適合していること。ただし、便所、浴室、玄関及び脱衣室にあっては、日常生活空間内に存するものに限る。(い) | (ろ) |
空間 | 手すりの設置の基準 |
階段 | 少なくとも片側(勾配が45度を超える場合にあっては両側)に、かつ、踏面の先端からの高さが700mmから900mmの位置に設けられていること。ただし、ホームエレベーターが設けられている場合にあっては、この限りでない。 |
便所 | 立ち座りのためのものが設けられていること。 |
浴室 | 浴槽出入りのためのものが設けられていること。 |
玄関 | 上がりかまち部の昇降や靴の着脱のためのものが設置できるようになっていること。 |
脱衣所 | 衣服の着脱のためのものが設置できるようになっていること。 |
(い) | (ろ) |
空間 | 手すりの設置の基準 |
バルコニー | 1) 腰壁その他足がかりとなるおそれのある部分(以下「腰壁等」という。)の高さが650mm以上1,100mm未満の場合にあっては、床面から1,100mm以上の高さに達するように設けられていること。2) 腰壁等の高さが300mm以上650mm未満の場合にあっては、腰壁等から800mm以上の高さに達するように設けられていること。3) 腰壁等の高さが300mm未満の場合にあっては、床面から1,100mm以上の高さに達するように設けられていること。 |
2階以上の窓 | 1) 窓台その他足がかりとなるおそれのある部分(以下「窓台等」という。)の高さが650mm以上800mm未満の場合にあっては、床面から800mm(3階以上の窓にあっては1,100mm)以上の高さに達するように設けられていること。2) 窓台等の高さが300mm以上650mm未満の場合にあっては、窓台等から800mm以上の高さに達するように設けられていること。3) 窓台等の高さが300mm未満の場合にあっては、床面から1,100mm以上の高さに達するように設けられていること。 |
廊下及び階段(開放されている側に限る。) | 1) 腰壁等の高さが650mm以上800mm未満の場合にあっては、床面(階段にあっては踏面の先端)から800mm以上の高さに達するように設けられていること。2) 腰壁等の高さが650mm未満の場合にあっては、腰壁等から800mm以上の高さに達するように設けられていること。 |
2住宅の共用部分に係る基準
(1)共用廊下住戸から建物出入口、共用施設、他住戸その他の日常的に利用する空間に至る少なくとも一の経路上に存する共用廊下が、次に掲げる基準に適合していること。イ共用廊下の床が、段差のない構造であること。ロ共用廊下の床に高低差が生じる場合にあっては、次に掲げる基準に適合していること。1)勾配が1/12以下(高低差が80mm以下の場合にあっては1/8以下)の傾斜路が設けられているか、又は、当該傾斜路及び段が併設されていること。2)段が設けられている場合にあっては、当該段が(2)イの1)から4)までに掲げる基準に適合していること。ハ手すりが共用廊下(次の1)及び2)に掲げる部分を除く。)の少なくとも片側に、かつ、床面からの高さが700mmから900mmの位置に設けられていること。1)住戸その他の室の出入口、交差する動線がある部分その他やむを得ず手すりを設けることのできない部分2)エントランスホールその他手すりに沿って通行することが動線を著しく延長させる部分ニ直接外部に開放されている共用廊下(1階に存するものを除く。)にあっては、次に掲げる基準に適合していること。1)転落防止のための手すりが、腰壁等の高さが650mm以上1,100mm未満の場合にあっては床面から1,100mm以上の高さに、腰壁等の高さが650mm未満の場合にあっては腰壁等から1,100mm以上の高さに設けられていること。2)転落防止のための手すりの手すり子で床面及び腰壁等(腰壁等の高さが650mm未満の場合に限る。)からの高さが800mm以内の部分に存するものの相互の間隔が、内法寸法で110mm以下であること。(2)主たる共用の階段次に掲げる基準に適合していること。イ次の1)から4)まで(住戸のある階においてエレベーターを利用できる場合にあっては、3)及び4))に掲げる基準に適合していること。1)踏面が240mm以上であり、かつ、けあげの寸法の2倍と踏面の寸法の和が550mm以上650mm以下であること。2)蹴込みが30mm以下であること。3)最上段の通路等への食い込み部分及び最下段の通路等への突出部分が設けられていないこと。4)手すりが、少なくとも片側に、かつ、踏面の先端からの高さが700mmから900mmの位置に設けられていること。ロ直接外部に開放されている主たる共用の階段にあっては、次に掲げる基準に適合していること。ただし、高さ1m以下の階段の部分については、この限りでない。1)転落防止のための手すりが、腰壁等の高さが650mm以上1,100mm未満の場合にあっては踏面の先端から1,100mm以上の高さに、腰壁等の高さが650mm未満の場合にあっては腰壁等から1,100mm以上の高さに設けられていること。2)転落防止のための手すりの手すり子で踏面の先端及び腰壁等(腰壁等の高さが650mm未満の場合に限る。)からの高さが800mm以内の部分に存するものの相互の間隔が、内法寸法で110mm以下であること。ハ住戸のある階においてエレベーターを利用できない場合にあっては、当該階から建物出入口のある階又はエレベーター停止階に至る主たる共用の階段の有効幅員が900mm以上であること。(3)エレベーター住戸が建物出入口の存する階にある場合を除き、住戸からエレベーター又は共用の階段(1階分の移動に限る。)を利用し、建物出入口の存する階まで到達でき、かつ、エレベーターを利用せずに住戸から建物出入口に到達できる場合を除き、住戸からエレベーターを経て建物出入口に至る少なくとも一の経路上に存するエレベーター及びエレベーターホールが、次に掲げる基準に適合していること。イエレベーター及びエレベーターホールの寸法が、次に掲げる基準に適合していること。1)エレベーターの出入口の有効な幅員が800mm以上であること。2)エレベーターホールに一辺を1,500mmとする正方形の空間を確保できるものであること。ロ建物出入口からエレベーターホールまでの経路上の床が、段差のない構造であること。ハ建物出入口とエレベーターホールに高低差が生じる場合にあっては、次に掲げる基準に適合していること。1)勾配が1/12以下の傾斜路及び段が併設されており、かつ、それぞれの有効な幅員が900mm以上であるか、又は、高低差が80mm以下で勾配が1/8以下の傾斜路若しくは勾配が1/15以下の傾斜路が設けられており、かつ、その有効な幅員が1,200mm以上であること。2)手すりが、傾斜路の少なくとも片側に、かつ、床面からの高さが700mmから900mmの位置に設けられていること。3)段が設けられている場合にあっては、当該段が(2)イの1)から4)までに掲げる基準に適合していること。
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附 則 |
この告示は、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)の施行の日(平成十三年八月五日)から施行する。 |
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