

施設及び車両の定期検査に関する告示
平成十三年十二月二十五日
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国土交通省告示第千七百八十六号
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鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成十三年国土交通省令第百五十一号)第九十条第二項の規定に基づき、施設及び車両の定期検査に関する告示を次のように定める。 |
第一条
(趣旨)
鉄道に関する技術上の基準を定める省令第九十条第二項に規定する施設及び車両の定期検査については、この告示の定めるところによる。
第二条
(線路の定期検査)
線路については、次の表の上欄に掲げる鉄道の種類ごとに、同表中欄に掲げる施設の種類に応じ、それぞれ同表下欄に掲げる期間を超えない期間ごとに定期検査を行わなければならない。
鉄道の種類 |
施設の種類 |
期間 |
新幹線鉄道以外の鉄道 |
軌道 |
一年 |
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橋りょう、トンネルその他の構造物 |
二年 |
新幹線鉄道 |
軌道(本線の軌間、水準、高低、通り及び平面性に限る。) |
二月 |
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軌道 |
一年 |
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橋りょう、トンネルその他の構造物 |
二年 |
2
トンネルについては、前項の定期検査のほか、新幹線鉄道にあっては、十年を超えない期間ごとに、新幹線鉄道以外の鉄道にあっては、二十年を超えない期間ごとに詳細な検査を行わなければならない。
第三条
(電力設備の定期検査)
電力設備については、次の表の上欄に掲げる設置場所ごとに、同表中欄に掲げる設備の種類に応じ、それぞれ同表下欄に掲げる期間を超えない期間ごとに定期検査を行わなければならない。
設置場所 |
設備の種類 |
期間 |
新幹線鉄道以外の鉄道及び新幹線鉄道(車庫に限る。) |
電車線、列車の運転の用に供する変成機器、異常時に変電所の機器、電線路等を保護することができる装置その他の重要な電力設備 |
一年 |
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前欄に掲げる電力設備以外の電力設備 |
二年 |
新幹線鉄道(車庫を除く。) |
異常時に変電所の機器、電線路等を保護することができる装置(き電側遮断器に限る。) |
三月 |
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電車線(接続点、区分装置、わたり線装置及びき電分岐装置に限る。) |
六月 |
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前二欄に掲げる電力設備以外の電力設備 |
一年 |
2
前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げるものにあっては、同項に定める期間を延長することができる。
一
電力設備に故障が発生し、又は故障の疑いがある場合に、当該電力設備の予備装置が自動的に動作する等の機能を備えたもの
二
電子化され、又は密閉化された機器及び定期的に交換することによって機能を維持する機器であって、機器の機能が前項に定める期間以上に確保されるもの
三
き電線、電車線等を支持する工作物
第四条
(運転保安設備の定期検査)
運転保安設備については、次の表の上欄に掲げる設置場所ごとに、同表中欄に掲げる設備の種類に応じ、それぞれ同表下欄に掲げる期間を超えない期間ごとに定期検査を行わなければならない。
設置場所 |
設備の種類 |
期間 |
新幹線鉄道以外の鉄道及び新幹線鉄道(車庫等に限る。) |
閉そくを確保する装置、列車間の間隔を確保する装置、鉄道信号の現示装置、信号相互間等を連鎖させる装置、列車を自動的に減速又は停止をさせる装置その他の重要な運転保安設備 |
一年 |
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前欄に掲げる運転保安設備以外の運転保安設備 |
二年 |
新幹線鉄道(車庫等を除く。) |
列車間の間隔を確保する装置及び転てつ装置の主要部分 |
三月 |
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鉄道信号の現示装置、信号相互間等を連鎖させる装置及び保安通信設備(列車運転用に限る。)の主要部分 |
六月 |
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前二欄に掲げる運転保安設備の主要部分以外の運転保安設備 |
一年 |
2
前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げるものにあっては、同項に定める期間を延長することができる。
一
運転保安設備に故障が発生し、又は故障の疑いがある場合に、当該運転保安設備の予備装置が自動的に動作する等の機能を備えたもの
二
電子化され、又は密閉化された機器及び定期的に交換することによって機能を維持する機器であって、機器の機能が前項に定める期間以上に確保されるもの
第五条
(車両の定期検査)
車両については、別表の上欄に掲げる車両の種類ごとに、それぞれ同表下欄に掲げる期間を超えない期間ごとに定期検査を行わなければならない。ただし、耐摩耗性、耐久性等を有し、機能が別表の下欄に掲げる期間以上に確保される車両の部位にあっては、この限りでない。
第六条
(検査の特例)
使用を休止した車両(無軌条電車の電車以外の車両にあっては、使用を休止した期間中に発生するおそれのある腐食、変形、電気的絶縁の劣化等車両の強度及び機能の低下を防止するために必要な措置を講じたものに限る。)についての第五条の規定による検査に係る期間の計算については、その使用を休止した期間は、算入しない。ただし、算入しない期間は、次の各号に掲げる検査の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間を限度とする。
一
状態・機能検査 二月(蒸気機関車にあっては、四十日)
二
重要部検査 二年(蒸気機関車にあっては、一年)
三
全般検査 四年
2
第二条から前条までの規定により検査を行わなければならないこととされたときにおいて、現に使用を休止している車両及び特別の事由により検査を行うことができない施設又は車両については、これらの事由が終了するときまでは、検査を延期することができる。
附 則
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この告示は、平成十四年三月三十一日から施行する。 |
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別表(第五条関係)
車両の種類 |
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期間 |
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状態・機能検査 |
重要部検査 |
全般検査 |
機関車、旅客車及び貨物車 |
無軌条電車の電車 |
一月 |
一年 |
三年 |
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蒸気機関車 |
四十日 |
一年 |
四年 |
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貨車 |
三月 |
二年六月 |
五年 |
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懸垂式鉄道、跨座式鉄道及び案内軌条式鉄道の電車 |
三月 |
三年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから四年) |
六年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから七年) |
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内燃機関車及び内燃動車 |
三月 |
四年又は当該車両の走行距離が五十万キロメートル(予燃焼室式の内燃機関又はクラッチが乾式である変速機を有するものについては、二十五万キロメートル)を超えない期間のいずれか短い期間 |
八年 |
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その他の新幹線以外の車両 |
三月 |
四年又は当該車両の走行距離が六十万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期間 |
八年 |
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新幹線の電車 |
三十日又は当該車両の走行距離が三万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期間 |
一年六月(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから二年六月)又は当該車両の走行距離が六十万キロメートル(主回路の制御方式がタップ切換方式である車両にあっては、四十五万キロメートル)を超えない期間のいずれか短い期間 |
三年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから四年)又は当該車両の走行距離が百二十万キロメートル(主回路の制御方式がタップ切換方式である車両にあっては、九十万キロメートル)を超えない期間のいずれか短い期間 |
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新幹線の貨車 |
九十日 |
二年六月 |
五年 |
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その他の新幹線の車両 |
九十日 |
三年又は当該車両の走行距離が二十五万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期間 |
六年 |
特殊車 |
貨車 |
三月 |
三年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから三年六月) |
六年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから六年六月) |
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内燃機関車及び内燃動車 |
三月 |
三年六月(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから四年)又は当該車両の走行距離が二十五万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期間 |
七年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから七年六月) |
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その他の新幹線以外の車両 |
三月 |
三年六月(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから四年)又は当該車両の走行距離が四十万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期間 |
七年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから七年六月) |
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新幹線の電車 |
三十日又は当該車両の走行距離が三万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期間 |
一年六月(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから二年六月) |
三年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから四年) |
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新幹線の貨車 |
九十日 |
三年 |
六年 |
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その他の新幹線の車両 |
九十日 |
三年六月 |
七年 |
備考一 この表において「状態・機能検査」とは、車両の状態及び機能についての定期検査をいう。二 この表において「重要部検査」とは、車両の動力発生装置、走行装置、ブレーキ装置その他の重要な装置の主要部分についての定期検査をいう。三 この表において「全般検査」とは、車両全般についての定期検査をいう。 |

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