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平成13年度観光の状況に関する年次報告

第1章 観光の現状はどうなっているか

第3節 ●国際観光の動向

2 訪日外国人旅行者の動向



  (1) 訪日外国人旅行者数は過去最高の477万人

平成13年における訪日外国人旅行者数は,表1-3-7のとおりで,対前年比0.3%増,14,409人増の4,771,555人となり,微増ながら過去最高を記録した。滞在客は前年比0.3%増の463万人で,そのうち観光客は前年比0.9%増の272万人,業務その他の客が前年比0.5%減の191万人であった。訪日外国人全体に占める比率は,観光客が57%,業務その他の客が40%となっている。
しかし,同時期に対前年比で減少した日本人外国人旅行者数と比べても引き続き約4分の1と少ない水準である。

表1-3-7 訪日外国人旅行者数の推移




図1-3-8 訪日外国人旅行者数の推移




  (2) 地域別

地域別の動向を見ると,アジアからの訪日外客は全体の6割以上を占め,対前年比1.2%増,36,706人増の3,085,239人となった。韓国からの訪日客数は,同6.5%増の113万人と順調な成長を維持し,3年連続で訪日外客数の首位となった。一方,かつてない経済不振に陥った台湾からの訪日客数は,同11.6%減の81万人で,大幅な減少となった。前年まで2年連続のマイナス成長となっていた香港は,同7.8%増の26万人となり,3年ぶりのプラス成長となった。平成12年9月に訪日団体観光旅行が解禁された中国は,観光客が好調な成長を持続し,同11.3%増の39万人となった。

図1-3-9 アジア諸国・地域からの訪日外国人旅行者数の推移




  (3) 州,国籍,地域別

州別,国籍・地域別の訪日外国人数は,表1-3-10のとおりで,国籍・地域別では韓国(113万人,対前年比6.5%増),台湾(81万人,同11.6%減),アメリカ(69万人,同4.7%減),中国(39万人,同11.3%増),香港(26万人,同7.8%増)の順となっている。対前年伸び率では,中国(同11.3%増),フィリピン(同10.6%増)が高い伸びを示している。州別では,アジア州が309万人で全体の64.7%を占め,次いで北アメリカ州が対前年比3.2%減,27,863人減の835,465人,ヨーロッパ州が対前年比1.2%増,7,268人増の615,130人,オセアニア州が対前年比2.3%増,4,114人増の185,684人の順となっている。

表1-3-10 州別,国・地域別訪日外国人旅行者数の推移




  (4) 月・季節別

季節別の訪日外国人数は,のとおりで,冬季(1,2,12月)が他の時期に比べて少なく110万人(全体の23.1%)で,春季(3,4,5月),夏期(6,7,8月),秋季(9,10,11月)は,それぞれ124万人(同26.0%),132万人(同27.7%),111万人(同23.2%)となっている。
月別には,前年と異なり旧正月が新暦の1月となった影響を受けた2月を除き,上半期はプラス成長を維持した。米国同時多発テロ事件発生以降は,アジア通貨危機の影響を受けた平成10年11月以来,35カ月ぶりに3カ月連続マイナス成長を記録した。一方,1月,3月,4月,6月,7月,8月,10月には40万人を突破したが,年間で40万人突破を7回記録するのは,初めてのことである。半期ごとでは,上半期が対前年同期比4.0%増の2,376,953人となり,過去最高を記録したが,下半期は同3.1%減の2,394,602人となった。

図1-3-11 月別訪日外国人旅行者数




  (5) 滞在日数

訪日外国人の平均滞在日数は,8.5日となっており,11年,12年と比較し,回復傾向にある。

表1-3-12 訪日外国人旅行者の平均滞在日数




  (6) 消費額

近年,訪日外国人の1人あたりの消費額(円ベース)は,減少傾向にある。特に,飲食,宿泊費の減少が目立っている。

図1-3-13 訪日外国人旅行者1人1日あたりの消費額の推移(円ベース)



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