前(節)へ   次(節)へ
平成13年度観光の状況に関する年次報告

第1章 観光の現状はどうなっているか

第5節 ●アメリカ同時多発テロ事件の旅行に与えた影響

3 旅行の安全性信頼への回復



  (1) 日米観光交流の促進

テロ事件発生後,航空機を利用した旅行への不安感等の理由により,海外旅行を中心に,旅行のキャンセル・手控えが相次いだ。その後平成14年に入ってから徐々に回復しつつあるものの,特に米国本土については,ニューヨークをはじめとして日本人観光客の海外旅行需要の回復が他地域より遅れている。このため,エヴァンズ米国商務長官から扇国土交通大臣に米国への訪問を要請する書簡が送られ,更に14年2月に来日したブッシュ大統領と小泉首相との間においても,テロ事件後の旅行の安全性信頼への回復を図り,日米両国間の観光交流を一層促進することで意見が一致を見たことを受けて,以下の施策を実施した。
1)米国への観光ハイレベル・ミッション
3月3日から7日にかけて,日本の官民合同観光交流促進ミッション(団長:羽生国土交通審議官)は,ニューヨーク,ワシントンにおいて,米国関係者と今後の両国間の観光促進方策につき協議した。その結果,「ビジット・ニューヨーク(VISIT N.Y.)1000」やフライワールドキャンペーンの実施,旅行に関する安全情報提供システムの構築,両国間の観光交流を図るための官民合同の協議の枠組みづくり等について意見が一致した。
2)ビジット・ハワイ(VISIT Hawaii)1000
3月9日に,日本,ハワイ双方の伝統芸能実演をはじめとした交流行事を実施し,一般旅行客も含めた1,000人を超える官民合同使節団(団長:高木国土交通大臣政務官)がハワイを訪問した。日本からの一般旅行客が参加する3,000人規模の民間交流行事も同時期に開催され,ハワイヘの旅行需要回復に貢献した。

  (2) 航空保安対策の強化

空港警戒体制,航空機内における保安対策等の強化を実施するとともに,国際民間航空機関の航空保安に関する閣僚級会合等における国際的な取組みを通じて航空を利用した旅行に関する一般の人々の信頼の回復を図っている。
前(節)へ   次(節)へ
All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport