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平成13年度観光の状況に関する年次報告

第4章 国内観光振興の施策

第2節 ●旅行の多様化,低廉化

7 観光地における高速道路料金


平成13年9月,扇国土交通大臣の発案により「高速道路料金スーパー割引」が導入された。
出発地と周遊エリアを設定し,高速道路料金を割引くとともに周遊エリア内を乗り放題とすることにより,マイカーを利用しての観光需要等を誘発し,地域経済の活性化及び利用者サービスの向上に寄与することを目的としたもので,高速道路の利用を促進することにより公団の増収にも資するものである。
日本道路公団では,交通量の動向分析をもとに新たな需要の見込まれる区間を選定し,地域の発意による観光施設やイベントとのタイアップを図りつつ,順次全国展開していくこととしている。

表4-2-4 高速道路料金スーパー割引(平成14年3月31日現在)



  COLUMN  

■ 「観光地における多様なバス・鉄道輸送サービス」

交通事業については,これまで規制緩和が推し進められてきたが,こういった規制緩和の流れの中,交通事業者においては創意工夫により様々なサービスが講じられてきている。
特に観光客向けには様々な形態のサービスが行われるようになっている。たとえば,特定のデザインの車両が市内の観光地を巡回するループバスや,蒸気機関車の運行,複数の交通機関で使える便利な乗車券の発売等が人気となっている。
■ <例1:姫路城周辺観光ループバス>

兵庫県姫路市においては,土日・祝日に,世界文化遺産の姫路城周辺を巡回しているビクトリアレッドでレトロ調のボンネット型バスが運行されており人気を呼んでいる。運行ルートは駅前から出発し姫路城の外周を巡回しながら観光スポットを巡って駅前に戻るというもので,ループバス専用におしゃれなデザインの停留所も設けられている。また,平成13年10月からは,大人100円,小人50円のワンコイン運賃になり,ますます利用しやすくなっている。

姫路城周辺観光ループバス(姫路市)



■ <例2:坊っちゃん列車>

愛媛県松山市においては,明治から昭和にかけて市内で運行されていた蒸気機関車が復元運行されて人気を呼んでいる。復元された蒸気機関車は,夏目漱石の小説「坊っちゃん」に登場することから,「坊っちゃん列車」の愛称で人々に親しまれていたものであり,地元地域からの熱い声を受け,地域活性化の起爆剤として期待されている。

坊っちゃん列車(松山市)



■ <例3:出雲空港発着出雲大社・松江観光周遊チケット>

航空機で訪れた観光客が出雲大社から松江市にかけての広域周遊観光をしやすいよう出雲空港では,空港・松江市間及び空港・出雲大社間のリムジンバスの片道輸送サービスに,出雲大社・松江市を結ぶ民鉄,松江市内の循環バス等の2日間乗り放題サービスをセットにした冬季限定割引周遊切符が販売されている。この周遊切符には観光施設の入館料割引サービスも付いている。
また,地元民鉄は,レンタサイクルサービスに併せて電車への自転車持込専用の往復割引乗車券を販売し,環境に優しい周遊観光の振興に寄与している。
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