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平成14年度において講じようとする観光政策

観光の振興による活力に満ちた地域づくり,国づくりの実現を目指して


日本人海外旅行者数と比べて少ない訪日外国人旅行者数の増加は,国際相互理解の増進の観点に加えて,国際収支の改善,地域における交流人口の増加を通じた活性化,産業や雇用の創出の観点から重要であり,このため訪日外国人旅行者の増加の為の施策を戦略的に推進する。
特に本年は,ワールドカップサッカー大会の開催,日韓国民交流年や日中国交正常化30周年に当たり,また成田空港における暫定平行滑走路の共用が開始されることから,この機会を捉えて観光地としての魅力ある日本のイメージをマスメディアの活用等多様な媒体を活用して積極的に発信する。
同時に,外国人旅行者が日本の豊な自然,文化伝統といった訪日観光の素晴らしさを実感し,訪日前に有していたイメージを改善すべく,ワールドカップ期間中,外国人向け特別運賃割引等の導入,旅客の支払円滑化のための世界初の複数通貨対応のICカードプロジェクト,言語トラブル解消のためのジャパン・トラベル・サポートの実施など,来日した外国人旅行者が円滑で快適な旅行を行えるための施策を様々な分野で講じることとする。これらの情報発信や,快適で魅力ある訪日旅行体験に基づく再訪問(リピーター)や口こみでの紹介を通じ,日本への潜在的な旅行者の市場を拡大することとする。特に,期間中の特別措置や実証実験を含むこれらの受入れに関する諸施策の実施に当たっては,その評価を行って今後の外国人旅行者訪日促進のための施策の更なる展開の実現に向けて取組むこととする。
また,国民の旅行促進のための取組みとして,米国同時多発テロ事件後低迷している航空を利用した旅行需要喚起のための施策や休暇取得の推進のための啓蒙活動等を行うとともに,国内観光地の魅力を向上すべく,地域づくりの取組みや関係者によるサービスの向上の取組みを支援していくこととする。特に観光を活かした魅力ある地域づくりに当たっては,地域固有の自然,歴史,文化,伝統といった観光資源を,地域住民全体が参加して掘り起こし,住民一人一人が自分の住む地域に誇りと自信をもって取組むことが必要であり,国としてもこのような取組みの推進を積極的に支援することとする。
これらの観光振興の諸施策の推進に当たっては,関係省庁,民間観光関係者の連携・協力を一層拡大して取組むこととする。
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