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平成14年度において講じようとする観光政策

第3章 観光関連施設の整備

第4節 ●観光レクリエーション施設等の整備

1 観光レクリエーション施設の整備



  (1) オートキャンプ場等の整備

国立・国定公園の優れた自然の中で,家族が快適に長期滞在し,野生動物との出会いや星空の観察など自然とふれあうことのできるグレードが高く環境にやさしいキャンプ場(エコロジーキャンプ)の整備を引き続き行う。
広域的なレクリエーション需要に対応した,質の高いオートキャンプ場の整備を目標とし,都市公園の体系的整備を活かしたネットワーク化を図るため,都市公園におけるオートキャンプ場の整備を推進する。
北海道オートリゾートネットワーク構想を推進するため,オートキャンプ場などの整備を行う。平成14年度は,名寄市,音更町等において整備を進める。
また,北海道オートリゾートネットワーク協会を中心として構想の一層の充実,発展を図るための事業を引き続き進める。

  (2) 国民保養温泉地

温泉の公共的利用の増進のため,保健・休養等に適した温泉地を国民保養温泉地に指定する。また,国民保養温泉地の中から「ふれあい・やすらぎ温泉地」の選定を行い,自然ふれあい・温泉センターや歩道等各種利用施設の整備を推進する。

  (3) 農山漁村地域におけるレクリエーション地区等の整備

自然・文化・歴史・景観といった優れた地域資源を有する過疎地域において,その優れた地域資源をいかして人・文化・情報等の交流を図るための施設の整備を推進し,もって国民のゆとりある生活への欲求,自然環境への関心等を満たし,都市等との地域間交流の促進を図るための地域間交流施設整備事業を推進する。

  (4) 森林・公園等を活用したレクリエーション施設等の整備

1)森林
ア 森林の総合利用の推進
(ア)森林の新たな利用の推進
平成14年度からの完全学校週5日制等の導入に対応して,森林環境教育等の場となる森林・施設の整備,フィールド及び指導者の募集・登録と関連情報の一体的提供,全国シンポジウムの開催,企画・運営者の育成や学校林の整備・活用等を推進するとともに,子どもたちの入門的な森林体験活動を促進する「森の子くらぶ活動推進プロジェクト」とその受入体制の整備を実施する。
また,高齢化の進展に対応して森林浴等国民の健康の維持増進に資する観点から,森林総合利用施設等において,年齢や障害の有無にかかわらず多様な利用方法の選択肢を提供するユニバーサルデザイン手法の導入を図る。
(イ)里山林等の保全・整備・利用
「里山利用林」の設定,「森林の育て親」の募集,新たな保全・利用活動の立ち上げに対する支援等を実施する。また,都市が山村で行う「ふるさと共生の森」の設定等森林と人との共生林の整備に向けた条件整備を実施する。
(ウ)森林空間の整備
森林環境教育,健康づくり等新たな森林利用に対応した,多様な森林等の整備を推進する森林空間総合整備事業を実施する。
イ 保健保安林等
保健保安林等の機能向上を図るため,共生保安林整備事業として実施する森林の造成等の整備について助成するほか,保安林施設整備事業として実施する指導案内図板等の整備について助成する。
ウ レクリエーションの森等
レクリエーションの森において森林レクリエーション施設の整備等を引き続き実施する。
人と森林とのふれあいの場を創造するヒューマン・グリーン・プランを積極的に推進することとし,民間能力を活用しつつ休養施設,スポーツ又はレクリエーション施設,教養文化施設等を総合的に整備する。
国民の自主的な森林の整備等の活動の場として「ふれあいの森」の設定を推進する。
次世代へ残すべき遺産として選定した国有林野内の代表的な巨樹・巨木100本(「森の巨人たち百選」)の保護を図るための地域の取組みに対する支援を行う。
2)公園
ア 自然公園におけるレクリエーション地区等
自然公園施設の総合的,計画的な整備を推進する。
また,自然公園の利用拠点等において,現在のニーズに適した公園利用への転換を推進し,利用の活性化を図るための総合的・計画的な整備を推進する。
都道府県立自然公園内で,都市近郊の住民が積極的に働きかけるという体験を通じて,自然との調和のあり方を学ぶとともに,郷土の自然を守り育てていこうとする意識を培う場(ふるさと自然公園国民休養地)の整備を推進する。
国設鳥獣保護区において,人の利用の適正化,野生鳥獣の生態等に関する普及啓発,鳥獣の生息に適した環境の保全・形成を行うための施設の整備を推進する。
イ 都市公園等の整備
平成13年度に引き続き都市環境の保全,改善や自然との共生,広域レクリエーション活動や個性と活力ある都市,農村づくり等への対応を図るため,都市公園等の整備を推進する。
特に,遺跡や城址,樹林などの地域の歴史・文化・自然的資産を活かし,地域の核となる都市公園の整備を推進する他,都市において樹林地の保全や湿地,干潟の再生・創出などにより,多様な生物の生息生育基盤や身近な自然とふれあう場を確保し,環境負荷の小さい快適で持続可能な都市づくり,自然と共生する魅力的な都市環境の形成のため,自然再生緑地整備事業を創設し,整備を推進する。
国営公園については,平成14年度には,国営武蔵丘陵森林公園等16公園の整備を引き続き行う。また,平成14年3月に新たに開園した国営明石海峡公園等15公園について適正な維持管理を行う。
大規模公園については,用地の買収及び施設の整備を引き続き実施する。
国の補助事業として地方公共団体が主体となり,第3セクター方式により,レクリエーション施設をはじめとする各種公園施設を配置する都市計画公園を中核として,その利用に伴う宿泊・休養施設や,道路等の基盤施設を併せて一体的に整備するレクリエーション都市の整備を進める。
ウ 国民公園
皇居外苑,新宿御苑及び京都御苑を広く国民の利用に供するために適正な維持管理を行う。
3)自然体験施設
ア 自然歩道
長距離自然歩道については,14年度は,引き続き近畿自然歩道の整備を推進する。また,利用情報提供等の機能を備えた利用拠点(ウォーカーズ・パーク)の整備や老朽化した東海,九州,中国,四国及び首都圏の各自然歩道の再整備を行う。
利用集中特定山岳地域登山歩道について,自然環境を保全しつつ安全,適切な施設の整備を推進する。
歩行者専用道路や幅の広い歩道等を整備する「ウォーキング・トレイル事業」を推進する。
イ 大規模自転車道
交通の安全を確保し,併せて心身の健全な発達に資する大規模自転車道の整備を推進する。

  (5) 親水レクリエーション施設の整備

1)河川周辺レクリエーション施設
ア 河川周辺レクリエーションの振興
環境学習や自然体験活動などの場として整備し,さらに,河川を舞台とした清流ふれあい交流活動を推進する。
特に地域において河川等を自然体験の場として活用の要望の強い場所においては,必要な施設,体制の整備を行い,水辺の楽校(がっこう)として利用を図る。
また,河川の高水敷等を公園,緑地,運動場等に利用するための諸施設の整備等を,河川環境整備事業により実施する。
イ 山地渓流レクリエーション施設
高水敷の整備や緑化等に加え市町村が実施する野外活動拠点整備と一体となった渓流整備,または良好な渓流環境の再生を砂防環境整備事業により実施する。
ウ ダム周辺レクリエーション施設
ダム貯水池の持つレクリエーション機能を発揮するため,ダム湖活用環境整備事業を実施する。
また,常時一定水位で利用可能な湖面を創出するレクリエーション湖面整備ダム事業を実施するとともに,地方公共団体等が事業主体となるレクリエーション多目的ダム事業を実施する。
さらに,「地域に開かれたダム」事業を実施する。
エ 遊漁等施設
内水面環境活用総合対策事業により遊漁等施設の整備を行う。
2)海洋性レクリエーション施設
ア マリーナ等
海洋性レクリエーション活動の拠点となる公共マリーナの整備を行うとともに,放置艇の収容を目的とするボートパーク整備事業を推進する。また,PFIの活用を含む民間事業者による施設整備に対して,低利融資等の支援を行う。
ウォーターフロント空間の魅力の増進のため,人工海浜等の親水性に富む港湾・海岸の整備を進めるとともに,歴史的港湾施設(例:横浜港「赤レンガ倉庫」)等の整備を推進する。
重要港湾における第三セクターの行うマリーナ整備に対して港湾管理者が行う無利子貸付に対する埠頭整備資金を活用しての無利子貸付の支援,「総合保養地域整備法」に基づく民間マリーナの整備する金融上の助成措置・税制上の特例措置等の支援を行うほか,バリアフリー施設として整備される旅客船ターミナルに政策金融による支援策を拡充する。
イ 親水性に富む港湾施設等
海域の生態系や自然環境の保全・再生・創造等,親水性を活かした臨海部大規模緑地の整備等を自然再生事業として推進する。
3)漁港レクリエーション施設
フィッシャリーナの整備を推進するとともに,簡易な係留施設,総合交流施設等の整備を行う漁港漁村活性化対策事業を推進する。併せて親水施設等の整備を行う漁港環境整備事業,漁港交流広場整備事業を推進する。
4)海岸レクリエーション施設
ア 海岸環境整備事業
安全で,利用しやすく親しみのもてる海岸の創造,さらには,自然と共生し快適で潤いのある海岸環境の保全と創出を図る海岸環境整備事業を全国で計画的に実施する。
イ コースタル・コミュニティ・ゾーン
地域住民が海と親しみ,集い,憩える場としてコースタル・コミュニティ・ゾーンの整備を推進する。
ウ 海と緑の健康地域づくり―健康海岸―
砂浜の保全・復元,遊歩道の整備など健康増進のために利用しやすい海岸づくりを推進する。
エ いきいき・海の子・浜づくり
自然・教育活動の場(野外活動,体験学習等),マリンスポーツの場として利用しやすい海岸づくりを推進する。
オ 日本の水浴場88選
望ましい水浴場の整備促進を図るため,全国的に見て特に優れた水浴場を選定し顕彰した「日本の水浴場88選」制度の普及・啓発等を進める。
カ 海水浴,森林浴を同時に楽しめる等,「白砂青松」で代表される自然豊かな海と森の整備対策事業,地元自治体が実施する公園化事業と連携する「岬のオアシス構想」を推進する。
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