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平成16年度において講じようとする観光政策

第3章 観光交流空間の形成に向けた取組み

第7節 観光レクリエーション施設等の整備

1 観光レクリエーション施設の整備



  (1) オートキャンプ場等の整備

キャンプ場等の整備を引き続き行う。また,都市公園におけるオートキャンプ場の整備を推進する。
さらには,北海道オートリゾートネットワーク構想を推進するため,オートキャンプ場などの整備を行う。16年度は,音更町等において整備を進める。また,北海道オートリゾートネットワーク協会を中心として構想の一層の充実,発展を図るための事業を引き続き進める。

  (2) 国民保養温泉地

温泉の公共的利用の増進のため,保健・休養等に適した温泉地を国民保養温泉地に指定する。また,国民保養温泉地の中から「ふれあい・やすらぎ温泉地」の選定を行い,自然ふれあい・温泉センターや歩道等各種利用施設の整備を推進する。

  (3) 過疎地域におけるレクリエーション地区等の整備

過疎地域の有する自然・文化・歴史・景観等の優れた地域資源をいかした,人・文化・情報等の交流を図るための施設の整備を推進することにより,国民のゆとりある生活への欲求,自然環境への関心等を満たし,都市等との地域間交流の促進を図るため,地域間交流施設整備事業を推進する。

  (4) 森林・公園等を活用したレクリエーション施設等の整備

1)森林
ア 多様な利用に対応した森林空間の整備
森林の保健・文化・教育的利用を通じて国民の福祉の向上と山村地域の活性化に資するとともに,完全学校週5日制の実施や教育課程への「総合的な学習の時間」の導入に対応するため,子どもたちの森林体験活動や林業体験学習の場となる森林・施設の整備など,森林環境教育,森林づくりへの国民参加,すべての世代の健康づくりなど多様な利用に対応した森林空間の整備を推進する。
イ 保健保安林等                  
保健保安林等の機能向上を図るため,共生保安林整備事業等により森林の整備等を実施するほか,保安林施設整備事業として実施する指導案内図板等の整備について助成する。
ウ レクリエーションの森等
レクリエーションの森において森林レクリエーション施設の整備等を引き続き実施する。
人と森林とのふれあいの場を創造する事業を積極的に推進することとし,民間能力を活用しつつ休養施設,スポーツ施設,教養文化施設等を総合的に整備する。
「ふれあいの森」や「木の文化を支える森づくり」,「遊々の森」の設定を推進する。
国有林野内の代表的な巨樹・巨木100本(「森の巨人たち百選」)の保護を図るための地域の取組に対する支援を行う。
2)公園
ア 自然公園におけるレクリエーション地区等
自然公園施設の総合的,計画的な整備を推進する。
また,自然公園の利用拠点等において,現在のニーズに適した公園利用への転換を推進し,利用の活性化を図るための総合的・計画的な整備を推進する。
さらに,ふるさと自然公園国民休養地の整備を推進する。
イ 都市公園等の整備
都市公園の整備等を推進する。特に遺跡や城址,樹林などの地域の歴史・文化・自然的資産を活かし,地域の核となる都市公園の整備を推進するほか,多様な生物の生息生育基盤や身近な自然とふれあう場を確保し,環境負荷の小さい快適で持続可能な都市,自然と共生する魅力的な都市の実現を図るため,自然再生緑地の整備を推進する。
国営公園については平成16年度には,国営昭和記念公園等17公園の整備を引き続き行うとともに,平成16年7月に新たに開園する国営アルプスあづみの公園等16公園について適切な維持管理を行う。
大規模公園については,用地の買収及び施設の整備を引き続き実施する。
大都市圏その他の都市圏域の広域レクリエーション需要を充足することを目的に,レクリエーション都市の整備を進める。
ウ 国民公園
皇居外苑,新宿御苑及び京都御苑を広く国民に供するため,適正な維持管理を行う。
3)自然体験施設
ア 自然歩道等
長距離自然歩道について,平成16年度は,北海道自然歩道の整備を推進する。また,利用情報提供等の機能を備えた利用拠点(ウォーカーズ・パーク)の整備や老朽化した自然歩道の再整備を行う。
利用集中特定山岳地域登山歩道について,自然環境を保全しつつ安全に配慮した施設の整備を推進する。
また,ウォーキング・トレイルや大規模自転車道の整備を推進する。

  (5) 親水レクリエーション施設の整備

1)河川周辺レクリエーション施設
河川周辺レクリエーションの振興や山地渓流レクリエーション施設やダム周辺レクリエーション施設,遊漁等施設等の整備を図る。
2)海周辺レクリエーション施設
ア マリーナ等
海洋性レクリエーション活動の拠点となる公共マリーナの整備を行うとともに,放置艇の収容を目的とするボートパーク整備事業を推進する。また,民間事業者による施設整備に対して低利融資等の支援を行うとともに,重要港湾において第三セクターの行うマリーナ整備に対して港湾管理者が行う無利子貸付に対する埠頭整備資金を活用しての無利子貸付の支援,「総合保養地域整備法」に基づく民間マリーナに対する税制上の特例措置等の支援を行う。
イ 親水性に富む港湾施設等
親水性に富む緑地整備の推進や,海域の生態系や自然環境の保全・回復・創出に資する臨海部の森・大規模な緑地等の整備を港湾環境整備事業の一環として積極的に推進する。
ウ みなとの博物館ネットワークの構築
海や港に関わる様々な文献等を所蔵・展示する「博物館」や「展示場」をネットワーク化することにより,利用者の利便性や博物館の魅力の向上を図る。
エ 交流等に資する漁港施設
フィッシャリーナの整備を推進するとともに,簡易な係留施設等の整備を行う漁港高度利用促進対策事業や都市と漁村の交流に資する整備を行う新漁村コミュニティ基盤整備事業を支援する。併せて,漁港内における快適な環境を保全・創出するため,漁港環境整備事業,漁港交流広場整備事業を支援する。
オ 海岸環境整備事業
安全で,利用しやすく親しみのもてる海岸の創造,さらには,自然と共生し快適で潤いのある海岸環境の保全と創出を図る海岸環境整備事業について計画的な実施を支援する。
カ ビーチ利用促進モデル事業
マリーナ等の整備と連携しつつ,大規模なビーチ,遊歩道等の整備を重点的に促進する「ビーチ利用促進モデル事業」を推進する。
キ コースタル・コミュニティ・ゾーン 
地域住民が海と親しみ,集い,憩える場としてコースタル・コミュニティ・ゾーンの整備を推進する。
ク 海と緑の健康地域づくり-健康海岸-
砂浜の保全・復元,遊歩道の整備など健康増進のために利用しやすい海岸づくりを推進する。
ケ いきいき・海の子・浜づくり
自然・教育活動の場(自然体験活動,環境教育等),マリンスポーツの場として利用しやすい海岸づくりを推進する。
コ 自然豊かな海と森の整備-白砂青松の創出-
「白砂青松」で代表される自然豊かな海と森の整備対策事業を推進する。
サ 都市と農漁村の交流促進や観光振興に資する海岸づくり事業
都市と農漁村の交流に資する施設の防護,又は景観や利用に配慮した海岸保全施設の改良を実施するなど都市と農漁村の交流促進や観光振興に資する海岸づくりを推進する。
シ 日本の水浴場88選
望ましい水浴場の整備促進を図るため,全国的に見て特に優れた水浴場を選定し顕彰した「日本の水浴場88選」の普及・啓発等を促進する。
ス 岬のオアシス構想
地元自治体が実施する公園化事業と連携する「岬のオアシス構想」を推進する。
3)ダム周辺レクリエーション施設
ダムを活かした水源地域の自立的・継続的な活性化を図るための「水源地域ビジョン」を策定・推進し,水を軸とした地域間交流を促進するとともに,ダム貯水池その他周辺においてダム湖活用環境整備事業等を実施する。
また,地方公共団体が事業主体となるレストラン,キャンプ場等,ダム堤体や貯水池を利用したレクリエーション事業と一体となったレクリエーション多目的ダム事業を実施する。
さらに,地域活性化を支援する「地域に開かれたダム」事業を実施する。
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