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平成16年度 観光の状況に関する年次報告

第2章 観光の現状

第1節 国民の観光の動向

2 国民の海外旅行の動向



  (1) 海外旅行者数の推移

平成16年の海外旅行者数は約1,683万人となり、これは過去最高を記録した平成12年の約1,782万人に次ぐ人数となった。前年に比べると約353万人の増加で、対前年比26.6%増となった(図2-1-5)

図2-1-5 日本人海外旅行者数の推移



月別にみると、前年発生したイラク戦争、重症急性呼吸器症候群(以下、「SARS」という)の影響により、平成15年3月以降、対前年比は長らくマイナス傾向であったが、平成16年3月から回復基調に転じ、平成16年4月からは前年の低迷の反動から大幅な伸びを示した(図2-1-6)

図2-1-6 日本人海外旅行者数の月別推移(平成16年)



また、円高の進行により海外旅行に割安感が働いたことに加え、いわゆる「韓流ブーム」等も海外旅行者数増に寄与したと考えられる。
なお、日本人海外旅行者数の国際ランキングを国際比較できる平成14年で見てみると日本の1,652万人は世界で13位であり、アジアの中では第3位である(図2-1-7)

図2-1-7 外国旅行者数国際ランキング(平成14年) 外国旅行者数アジアランキング(平成14年)



2 滞在期間が6月以内の帰国日本人数について集計した。

  (2) 海外旅行の傾向

データがほぼ出揃っている平成15年の日本人の海外旅行の旅行先(受入国・地域統計)をみると、上位5位までは、アメリカ、中国、韓国、タイ、香港の順となっている。アメリカは、同時多発テロが起きた平成13年以降、毎年10%以上の減少傾向にあり、これまで概ね増加傾向にあった中国をはじめとする主要アジア諸国がSARSの影響により大幅な減少に転じた(表2-1-8)

表2-1-8 日本人海外旅行者の各国別訪問者数(受入国(地域)統計)



平成16年の統計は、まだ得られていないが旅行会社の主催する海外パッケージ旅行では、各方面とも前年からの反動増によりプラスに転じたが、なかでも中国及び韓国は好調であった。
海外旅行者の旅行日数をみると、平成16年は、5日以内が59.0%、10日以内が27.2%と前年に比べ5日以内の海外旅行者数が増加している(図2-1-9)

図2-1-9 日本人海外旅行者の滞在期間比率推移




  (3) 海外旅行者の属性

平成16年の日本人の海外旅行者の性別構成をみると、男性は全体の56.5%にあたる951万人、女性は全体の43.5%にあたる732万人であり、平成15年に比べ女性の比率がやや増加した(図2-1-10)。平成15年と比べて、男女とも人数は増加しており、男性で約25.0%、女性で約28.7%の増加となった。

図2-1-10 日本人海外旅行者の性別構成比の推移



年齢階層別にみると、男性の場合、30歳代が218万人(男性全体の22.9%)と最も多く、ついで40歳代205万人(同21.5%)の順となっているのに対し、女性の場合には20歳代が191万人(女性全体の26.1%)と最も多く、次いで30歳代156万人(同21.3%)の順となっている(図2-1-11)

図2-1-11 日本人海外旅行者の性別・年齢階層別推移




  (4) 海外旅行者の出国時の輸送モード

平成16年の日本人海外旅行者の出国の際の輸送モードを見ると、総数1,683万人のうち、1,658万人、全体の98.5%が航空機を利用している。空港別利用状況では、新東京国際空港(成田国際空港)利用がシェアを伸ばし出国日本人全体の56.2%を占め、次いで関西国際空港利用が22.3%となっている。海上輸送は25.3万人で、全体の1.5%となっている(表2-1-12)

表2-1-12 出国日本人の旅客輸送の状況



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