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平成16年度 観光の状況に関する年次報告

第2章 観光の現状

第2節 外国人の訪日観光の動向

1 外国人訪日観光の動向



  (1) 訪日外国人旅行者数

平成16年の訪日外国人旅行者数は、前年に比べて17.8%、92万6千人増の614万人であった(図2-2-1)

図2-2-1 訪日外国人旅行者の月別推移(平成16年1月~平成17年3月)



月別にみると、4月以降は前年のSARSによる落ち込みの反動で大幅増となり、特に7月は、単月の訪日外客数としては過去最高の61万人を記録した。
訪日外国人旅行者数が600万人を超えた要因としては、前年のSARSによる落ち込みの反動もあるが、官民を挙げて取り組んだビジット・ジャパン・キャンペーンの推進や訪日査証発給等の緩和措置等観光立国を目指すための取組の成果が現れたものと考えられる。
外国人旅行者受入数の国際ランキングを国際比較できる平成15年でみてみると、日本の521万人は世界で32位であり、アジアの中でも7位と、中国、マレーシア、タイ、シンガポールといった国々の後塵を拝している(図2-2-2、図2-2-3)。

図2-2-2 外国人旅行者受入数の国際ランキング




図2-2-3 外国人旅行者受入数のアジアランキング



訪日外国人旅行者の目的を平成16年の一時上陸客を除いた滞在者601万人について見てみると、観光目的は対前年比25.7%増の384万人、業務その他の目的が前年比7.5%増の217万人であり、訪日外国人全体に占める比率は、それぞれ62.6%、35.2%となった(表2-2-4)

表2-2-4 目的別訪日外国人旅行者数の推移




  (2) 訪日外国人旅行者の国籍

平成16年の国籍別訪日外国人旅行者数は、韓国が8.8%増の159万人と順調な伸びを維持し、6年連続で首位となった。以下、台湾108万人(37.6%増)、アメリカ76万人(15.8%増)、中国62万人(37.3%増)、香港30万人(15.4%増)の順となっており、大幅な増加を示した国・地域も多いが、上位5位の順位には変動が無かった(表2-2-5、図2-2-6)。

表2-2-5 州別,国・地域別訪日外国人旅行者数の推移




図2-2-6 上位10か国地域からの訪日外国人旅行者数の推移



地域別では、アジアが421万人で全体の68.6%を占め、次いで北アメリカ92万人(同15.1%)、ヨーロッパが73万人(同11.8%)、オセアニアが23万人(同3.8%)の順となっている(図2-2-7)
平成16年の対前年同月比の月別推移を上位5か国・地域についてみると、台湾・中国・香港は4月から6月にかけて昨年のSARSの落ち込みによる反動で大幅に増加した。香港は、4月に訪日査証免除の措置が実施されたことも要因の一つと考えられる(図2-2-8)

図2-2-7 州別、国・地域別訪日外国人旅行者の割合(平成16年)




図2-2-8 平成16年上位5か国・地域からの訪日旅行者数月別推移



2 滞在期間が6月以内の出国入国人数について集計した。

  (3) 外国人の訪日旅行の状況

訪日外国人旅行者の滞在期間については、平成16年は前年に比べて5日以内の比率が若干高まり、66.7%となった。一方、10日以内の比率については、前年に比べ0.2ポイント減少し、18.8%となった(図2-2-9)

図2-2-9 訪日外国人旅行者の滞在期間比率推移



また、国際観光振興機構が平成15年~16年にかけて行った「訪日外国人旅行者調査」(注)によると、訪日外国人旅行者の日本での行動の状況は以下のとおりである。
1)訪問先
外国人の都道府県別訪問率についてみると、1位が東京都(54.5%)で半分以上の外国人が訪れている。以下、大阪府(27.0%)、神奈川県(15.8%)、京都府(15.2%)、千葉県(12.1%)の順となっており、これら上位都府県の顔ぶれはここ数年定着している(表2-2-10)
旅行者を居住地別に見ると、韓国、中国居住者は全国平均に比べ大阪、福岡への訪問率が高く、香港居住者は北海道への訪問率が高いなどの特徴がみられる。
2)訪日目的
訪日目的は、業務(36.4%)、観光・休暇(32.0%)、友人・親族訪問(7.6%)の順となっている。これも居住地別により差異がみられ、米国、ヨーロッパ居住者は、業務が4割を超えるが、香港、台湾居住者は観光・休暇が6割を超えている。

表2-2-10 訪問率上位都道府県の推移



3)旅行形態
北米やヨーロッパ、オーストラリア居住者では個人旅行が9割を越える。アジア諸国も個人旅行が過半数を超えるが、団体旅行利用も台湾、中国では4割を超え、うち、台湾のパッケージツアー利用は、3割を占めている(図2-2-11)

図2-2-11 国籍別旅行形態比率



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