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平成16年度 観光の状況に関する年次報告

第3章 訪日促進を中心とする国際観光交流促進施策

第3節 外国人旅行者の受入体制の整備

3 外国人旅行者向けの観光案内所の整備



  (1) 外国人総合観光案内所

国際観光振興機構は、総合観光案内所(TIC:ツーリスト・インフォメーション・センター)を東京で運営し、日本の旅行に関する情報をはじめ、日本人の生活様式や伝統文化を体験したいなどの外国人旅行者の個別化・多様化したニーズに対応して、我が国の文化、生活、産業等あらゆる情報を外国人旅行者に提供している(図3-3-1)

図3-3-1 TIC(ツーリスト・インフォメーション・センター)及び全国「i」案内所配置状況




  (2) 「i」案内所

「i」案内所とは、TICと連携しながら外国人旅行者のニーズに対応した案内や情報の提供を行っている観光案内所であり、地方公共団体又は観光協会によって平成17年3月現在で全国82都市・120箇所に「i」案内所が整備されている。
  COLUMN 7 e-ナビ実証実験  

[e-ナビの背景]
~ビジット・ジャパン・キャンペーンとe-エアポート構想の連携プロジェクト~
官民挙げてビジット・ジャパン・キャンペーンを展開している中、訪日外国人を受け入れる起点となる成田国際空港においては、平成13年よりITを活用した世界最先端の空港を目指す官民一体プロジェクト「e-エアポート構想」を推進しており、国内外の旅客が快適・便利に行動できるよう、様々な取組を実施している。
これらのプロジェクトの一環として、国土交通省、成田国際空港(株)が主体となり、(財)国際観光サービスセンター等の協力を得て、平成17年2月上旬から3月下旬まで、携帯情報端末(Personal Digital Assistance; PDA端末)を利用し、訪日外国人旅行者の行動を支援する「e-ナビ実証実験」を成田国際空港において実施した。
[e-ナビの概要]
~携帯情報端末を利用した訪日外国人旅行者行動支援サービス~
e-ナビ実証実験では、訪日外国人旅行者を対象に実験モニターを募集して、空港ガイド機能、おすすめ観光コース紹介機能、インターネット接続機能等を盛り込んだPDA端末を成田国際空港到着時に無償で貸し出して日本滞在中にサービスを利用し、日本出国時に、成田国際空港で記入した利用サービスに関するアンケートとともに返却するというもので、このアンケート結果などをもとに、訪日外国人旅行者に対する支援に関する評価・分析を行った。
実験モニターには、PDA端末の言語(英語、韓国語、中国語)に応じ、以下のサービスを提供した。
1)おすすめ観光コース紹介サービス(TOKYO Sightseeing Planner)[英、韓、中]
行きたい場所、観光テーマ、空き時間等の条件に応じた東京のおすすめの観光コースを紹介
2)日英・英日音声通訳サービス[英のみ]
「日本語→英語」、「英語→日本語」双方向の旅行会話向け音声通訳サービスを提供
3)成田空港ガイド[英のみ]
空港周辺情報、ホテル、フライト情報、空港アクセス情報、交通乗換案内等を提供
4)PDA電話(国際電話・国内電話)[英、韓、中]
5)インターネット接続サービス[英、韓、中]
6)日本の生活紹介(Guide to JAPAN)[英、韓、中]
日本の文化、生活習慣などをイラスト付で紹介する読み物情報を提供
[e-ナビの展開]
~異言語間のコミュニケーション支援を行う総合旅行者支援サービス~
「e-ナビ」は、訪日外国人旅行者が持ち歩くPDA端末を通じて、空港関連情報、国内の観光情報、旅行会話支援、インターネット・電話等の各種サービスを提供することにより、日本滞在中の外国人旅行者が感じる不便や不安を解消するとともに、日本の文化や魅力を伝えていくことを目的としている。
今後は、時間、位置、個人の趣好に応じたきめ細やかな情報サービス機能、各種コンテンツを拡充させることにより、「いつでも・どこでも」訪日外国人の旅行者をサポートし、異言語・異文化間のコミュニケーションを支援する「総合旅行者支援サービス」の実現を目指すこととしている。

日本の生活紹介



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