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平成16年度 観光の状況に関する年次報告

第5章 観光交流空間の形成

第2節 自然環境の保全と観光への活用

5 都市の緑地保全と観光への活用



  (1) 都市の緑地保全

1)大都市近郊緑地の保全
都市再生プロジェクトの一環として策定された「首都圏の都市環境インフラのグランドデザイン」に掲げられた施策等を多様な主体の連携により推進し、水と緑のネットワークの形成を図るとともに、近畿圏においてまとまりのある自然環境の保全のための取組を検討した。
また、首都圏及び近畿圏における近郊緑地保全区域制度の充実により、近郊緑地保全区域の適切な管理を進めるとともに、近郊緑地特別保全地区について、地方公共団体及び緑地管理機構による土地の買入れや緑地の保全・活用のために必要な施設整備を促進するなど、積極的な緑地保全措置を講じた。
2)都市緑地の保全・創出
都市緑地法(旧都市緑地保全法)に基づき、都市計画に特別緑地保全地区を定めている。(平成16年3月末現在312地区1,721ha(近郊緑地特別保全地区を除く))。これらの地区において、宅地の造成等の行為を規制するとともに、緑地保全等統合補助事業により、地方公共団体による土地の買入れや保全利用のための施設整備の機動的な実施を支援した。
都市における緑地の保全及び緑化の推進並びに都市公園の整備を一層推進し、緑豊かで良好な都市環境の形成をはかるため、都市緑地保全法、都市公園法等を改正する「都市緑地保全法等の一部を改正する法律」が国会で成立し、平成16年施行された。
3)都市緑化の普及啓発
春季における「都市緑化推進運動」(4月~6月)や「都市緑化月間」(10月1~31日)において、全国「みどりの愛護」のつどい、全国都市緑化フェア等を開催するとともに、「みどりの愛護」功労者表彰、都市緑化及び都市公園等整備・保全・美化運動における都市緑化功労者表彰等を行い、広く都市緑化意識の高揚、緑豊かな魅力ある環境づくりを推進するための普及啓発を図った。
4)都市公園美化・環境衛生対策
都市公園については、地方公共団体が地域住民等の協力を得つつ、清掃、補修等のきめ細かい管理を行った。また、国営公園については、快適な利用が可能となるよう国が清掃等維持管理を行った。

  (2) 都市の緑地の観光への活用

1)都市公園におけるオートキャンプ場の整備
広域化、多様化するレクリエーション需要に対応するため、国営公園や大規模公園等において、野外活動の拠点となる質の高いオートキャンプ場や滞在型の体験学習施設などの整備を推進した。
2)都市公園の整備
潤いのある良好な都市景観の形成、動植物の生息・生育地の確保等に資するとともに、災害時には避難地・避難路として機能するほか、スポーツ、文化活動、レクリエーションの場を提供するなど多様な機能を果たすオープンスペースである。また、樹林の保護や遺跡、文化財等の歴史的遺産の保存、都市における観光レクリエーション等に寄与する貴重な資源となっている。
平成16年度は、魅力ある都市づくり、個性と工夫に満ちた地域社会の形成、公平で安心な少子・高齢社会への対応、循環型経済社会の構築や地球環境問題への対応に重点をおいて、都市公園等整備の推進を図った。
3)国営公園の整備・管理
国家的記念事業や我が国固有の優れた文化的資産の保存活用及び一の都府県を超える広域の見地から、国が整備・管理を行う都市公園である。平成16年度は全国17箇所を整備し、うち16箇所が開園している。
4)大規模公園の整備
地方公共団体が設置する広域の利用に供することを目的とした都市公園であり、広域公園とレクリエーション都市とがある。
広域公園は、地方生活圏等一つの市町村を超える区域を対象とするものであり、その規模は約50ha以上で、選択性・多様性に富んだ屋外レクリエーション拠点として整備するものである。また、レクリエーション都市は、大都市圏その他の都市圏域の広域レクリエーション需要を充足することを目的に、自然環境の良好な地域において、大規模な公園を核とした各種レクリエーション施設、宿泊・休養施設や道路等の基盤施設を一体的に整備するものである。平成16年度は、引き続き奥只見レクリエーション都市等において整備を進めた。
5)国民公園の管理
旧皇室苑地である皇居外苑、新宿御苑及び京都御苑については、国民公園として快適な利用に資するため、園内清掃、樹木整備、老朽化した施設の改修等を行った。
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