平成17年度観光の状況
第3章 訪日促進を中心とする国際観光交流促進施策
第3節 外国人旅行者の受入体制の整備
5 通訳ガイドサービスの充実に向けた取組
(1) 通訳ガイドの数の増加とサービス内容の多様化の促進 |
訪日外国人旅行者の受入環境整備の一環として、「通訳案内業法」及び「外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律」(外客来訪促進法)を改正し、通訳ガイド(現在の通訳案内業免許取得者の言語別内訳は表3‐3‐2のとおり)制度の抜本的な見直しを行うとともに、以下の施策を展開した。
表3-3-2 通訳案内業免許取得者の言語別内訳表
1)「通訳案内業にかかる訪日外国人接遇向上調査検討委員会」を設け、通訳案内士試験及び地域限定通訳案内士試験のガイドラインを策定し、試験内容・レベルの適正化を図った。
2)外国旅行会社に雇用された添乗員が通訳ガイドの役割をも担ういわゆる「スルーガイド」が無資格で通訳ガイド行為を行う例が増えているため、「無資格ガイド対策検討会議」を立ち上げ、無資格ガイド対策について専門家による具体的方策の検討を行った。この検討会による討議の結果を受け、通訳ガイド制度の周知キャンペーンを行い、無資格で通訳ガイド行為を行う者に対して、資格取得を促した。
3)上記周知キャンペーン等の結果、平成17年度の試験においては海外からの受験者が大幅に増加したため、平成18年度より、受験者が多いと見込まれる地域において通訳案内士試験の一次試験を実施する方向で関係各国と調整を進めることとした。
4)個々の通訳ガイドが提供するサービス内容が体系的に公表されておらず、サービスを受けたい外国人旅行者と、サービスを提供したい有資格者との間で需給のミスマッチが生じており、外国人旅行者の急速な増加が必ずしも通訳ガイドサービスへのニーズ拡大に結びついていない結果となっていることから、「通訳ガイド市場活性化連絡会議」を立ち上げ、専門家による具体的方策の検討を行った。この検討会による討議の結果、今後取るべき具体的方策として、インターネットを利用した簡易な通訳ガイド検索システムの早期構築、通訳ガイドのスキルアッププログラムの構築等が挙げられ、現在、これらの課題に取り組んでいる。
善意通訳普及運動とは、街頭・車中等で困っている外国人旅行者に善意で通訳を行うボランティア運動のことである。善意通訳者に対しては、国際観光振興機構が善意通訳バッジと善意通訳カードを交付している。全国の善意通訳者の数は5万1,912人、各地で自主的に組織された善意通訳組織は、39都道府県85団体となっている(平成18年3月現在)。
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