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平成18年度観光の状況

第II部 平成18年度の観光の状況及び施策

第5章 観光旅行の促進のための環境の整備

第6節 観光地における環境及び良好な景観の保全



  1 観光旅行者による自然体験活動を通じた環境の保全に関する知識の普及及び理解の増進


  (1) 良好な景観形成の推進

景観緑三法(「景観法」「景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」「都市緑地保全法等の一部を改正する法律」)が平成16年6月に公布され、平成17年6月に全面施行されたことを受け、景観行政団体による景観計画の策定等、景観法に基づく良好な景観形成の推進を図るとともに、基本理念等の普及・啓発、多様な主体の参加を図るための景観に関する教育の充実、先進的な取組事例に関する情報提供、専門家の育成等、ソフト面での支援策について、充実を図るとともに、都市緑地法に新たに位置付けられた地区計画等緑化率条例制度等の推進も行った。
また、都市計画法や建築基準法に基づく規制誘導方策についても、地方公共団体による良好な景観の形成に配慮した運用の推進を図った。
さらに、改正屋外広告物法において制度化された屋外広告業の登録制度、簡易除却制度の対象拡充、景観行政団体である市町村における屋外広告物条例の制定等について、制度の活用促進を積極的に図った。

  (2) 世界遺産条約の目的と概要

世界遺産条約(「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」)は、顕著な普遍的価値を有する文化遺産及び自然遺産を人類全体のための遺産として国際的な協力の下で損傷・破壊等の脅威から保護することを目的として、昭和47年の第17回ユネスコ総会で採択され、昭和50年に発効した。我が国は、平成4年に同条約を締結し、平成19年1月現在、締約国数は183か国である。
我が国では、13件(文化遺産10件、自然遺産3件)が世界遺産一覧表に記載され、世界遺産全記載件数は830件(文化遺産644件、自然遺産162件、複合遺産24件)となっている。

  (3) 日本の世界遺産の状況と観光への活用

平成19年2月現在、10件が文化遺産として世界遺産に登録されている(表II-5-6-1)。
各々の世界遺産においては、案内板や説明板の設置等観光客に世界遺産としての価値を分かりやすく伝えるための整備を行っている。
平成18年1月には「石見銀山遺跡とその文化的景観」の推薦書、同年12月には「平泉-浄土思想を基調とする文化的景観」の推薦書を世界遺産委員会に提出した。
平成19年2月現在、自然遺産としては、3件が登録されている(表II-5-6-1)。これらについては、管理計画に基づき、入山者の増加に対応した保全対策を実施するなど、保護・管理を行うとともに、世界遺産センター(屋久島、白神山地)等において、遺産地域の管理、調査研究及び普及啓発等を実施した。
また、平成19年1月に、我が国の「暫定一覧表」に、文化遺産4件(「富岡製糸場と絹産業遺産群」「富士山」「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」)、自然遺産1件(「小笠原諸島」)を記載した。

表II-5-6-1 世界遺産一覧表に記載された日本の文化遺産及び自然遺産



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