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第I部 観光政策の新たな展開

第2章 観光立国の実現に向けた国際的な旅行動向の把握と分析

1 世界の観光旅行の現状

(2) 主要国における観光の現状


 アジア、EU、アメリカの主要国における観光の現状について比較を行うため、国別の人口、GDP等の基本情報、観光旅行の実施状況や旅行環境に大きな影響を与える休暇関係データについて取りまとめた(表I-2-1-4)。

表I-2-1-4 主要国における観光の現状(平成20年)


調査対象国:日本、韓国、フランス、英国、ドイツ、オーストラリア、アメリカ、中国(参考)
 (注)中国は統計情報の収集が完全ではないため、参考とした。
1) 国内宿泊旅行の回数
 我が国における平成20年度の国内宿泊旅行(ビジネス旅行を含む)の回数は2.8回であり、国内旅行の統計が無い中国を除く7か国中、4番目となっている。最も旅行回数が多いのはフランスとオーストラリア(3.4回)であり、少ないのは英国(1.9回)である。
2) 国内旅行における宿泊数
 我が国における平成20年度の国内旅行1回当たりの宿泊数は2.0泊であり、統計がない中国を除くと最も少ない。宿泊数が最も多いのはフランスであり、国内旅行1回当たり5.8泊となっている。
3) 延べ国内旅行宿泊数
 1)、2)を基に、国内旅行における1人当たり延べ宿泊数を見ると、我が国の延べ宿泊数は、5.6泊と最も少ない状況である。韓国、英国の延べ宿泊数は我が国とほぼ同水準であるものの、アメリカ、オーストラリアの延べ宿泊数は我が国の約2倍、フランスは約3倍の水準となっている。
4) 海外旅行の回数
 我が国における海外旅行の回数は0.13回であり、中国(0.03回)に次いで少ない。旅行回数が多いのは英国(1.12回)、ドイツ(1.04回)であり、1人当たり年に1回は海外旅行に行っている水準となっている。
5) 観光GDP
 我が国における観光GDPは903億ドル(平成20年)で、アメリカ(3,700億ドル)に次いで大きいが、GDP全体に占める観光GDPのシェアは1.9%となっており、韓国(1.5%)の次に低い状況である。
 観光GDPのシェアが最も高いのは中国(4.2%)であり、フランス(3.7%)、オーストラリア(3.6%)が続いている。
6) 労働時間等
 欧州各国は、年間労働時間が少なく、年次有給休暇日数は多い。我が国における年間労働時間(1,785時間)、年次有給休暇付与日数(平均18日)はアメリカとほぼ同水準である。
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