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第III部 平成25年度に講じようとする施策

第8章 観光旅行の促進のための環境の整備

第6節 観光地域における環境及び良好な景観の保全

1 観光地域における環境の保全



  (1) エコツーリズムの推進

 エコツーリズム推進法に基づき、エコツーリズムに取り組む地域への支援、全体構想の認定・周知、技術的助言、情報の収集、普及啓発・広報活動などを総合的に実施するとともに、魅力あるプログラムの開発、ガイド等の人材育成など、地域におけるエコツーリズムの活動の支援を行う。

  (2) 国立・国定公園の保護と利用の推進

 環境省とIUCN(国際自然保護連合)の共催により、アジア地域における国立公園等保護地域の管理の経験の共有と多様な関係者の協力体制の構築などを目的として、アジアにおける国立公園等の関係者が参集する初めての国際会議である「第1回アジア国立公園会議」を平成25年11月に宮城県仙台市で開催する。会議においては、三陸復興国立公園をはじめとする日本の国立公園やその魅力を紹介することにより、日本の国立公園への国際的な関心を高めるとともに、東北地方はもとより日本全国の観光のPRも行う。また、日本初の国立公園のひとつである瀬戸内海国立公園指定80周年にあわせて、広島県と愛媛県が共同で、広域観光振興イベント「瀬戸内しまのわ2014」を平成26年3月21日から開催し、開通15周年を迎えるしまなみ海道を活用した国際サイクリング大会など、瀬戸内海の島々等を舞台とした多様なイベントや100以上の観光プログラムが連続展開される。

  (3) 世界自然遺産地域の適正な保全管理

 世界遺産登録から20周年を迎える「屋久島」及び「白神山地」について、「屋久島」は平成24年度に策定した新しい世界遺産地域管理計画に基づき、「白神山地」は新しい世界遺産地域管理計画を策定した上で同計画に基づき、シカ被害対策や利用の適正化等の課題を踏まえ、モニタリング調査や適切な保全管理を実施する。また、「知床」の五湖地域におけるヒグマと利用者との軋轢回避や植生保護を図るための利用調整によるより深い自然体験の機会の提供、「小笠原諸島」における外来種対策や観光客等への適切な利用に関する普及啓発など登録時の勧告事項を踏まえた質の高い保全管理の実施など、我が国の世界自然遺産地域について、科学的知見に基づき、地域の関係者との合意形成を図りながら、引き続き保全管理の充実を図る。
 また、平成25年1月に我が国の世界遺産暫定一覧表への記載を決定した「奄美・琉球」について、関係行政機関、地域関係者及び専門家等との連携・協働により、世界的に優れた自然環境の価値を保全するために必要な方策の検討、保全管理体制の整備及び保全の推進等の取組を進める。

  (4) 環境対応車の普及促進による観光地域の環境の保全及びその魅力の向上

 超小型モビリティは、その回遊性の高さを生かし立寄り地点を増加させるとともに、乗ること自体が楽しい魅力的な交通手段を提供することで、観光地としての魅力向上・集客増加につながることが期待されており、今後、地方公共団体等によるまちづくり等と一体となった取組を重点的に支援する。

超小型モビリティの例(左:トヨタ自動車株式会社 i-ROAD、右:日産自動車株式会社 New Mobility Concept)


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