大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2021年1月15日(金) 11:20 ~ 11:34
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日は、閣議案件について御報告はございませんが、その他1点報告をさせていただきます。
13日の河野大臣、平井大臣との「2+1会合」についてです。
菅内閣として、政府一体となって規制改革・デジタル化を強力に推進するとの方針で、一昨日13日、デジタル改革担当大臣の平井大臣、行政改革・規制改革担当の河野大臣と2回目の意見交換を行いました。
今回の会合では、まず、タクシーの利便性向上、ソフトメーター導入やIT点呼の拡大等です。
2つ目は、自動運転に係る改造車の基準緩和手続きの合理化、また、完全キャッシュレスに対応した自動運転サービス車両の規制緩和、そして、有料道路の障害者割引における申請手続のデジタル化などについて意見交換を行い、いずれも前向きに取り組んでいくことで認識を共有しました。
特に、私からは、東京オリピック・パラリンピック大会のレガシーとしての「真の共生社会の実現」の観点から、有料道路に限らず、障害者割引を導入している各種手続について、マイナンバーカードとの連携によるオンライン化を図るなど、障害者にとってより利用しやすい環境整備ができるよう、鋭意取り組んでいきたいと申し上げたところです。
今後とも、政府一丸となって、国民の利便性向上のために必要な規制改革・デジタル化の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
私から報告は以上です。

質疑応答

(問)新型コロナウイルスの緊急事態宣言が11都府県に拡大したことを受けまして、移動の自粛なども呼び掛けられているところかと思いますが、その実効性を高めるための国土交通省の取組などがあればお願いします。
(答)先日御報告したことと大宗が重なりますけれども、一昨日の新型コロナウイルス政府対策本部において、緊急事態措置を実施すべき区域に栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県及び福岡県の2府5県が追加されました。
こうした状況については、1都3県と同様に、私どもも強い危機感を持ち、移動の自粛を促すことは非常に重要だと考えております。
国土交通省としては、政府対策本部開催後、持ち回りで省内の対策本部を開催し、私より省内の関係部局に対し、改めて以下の必要な指示を行ったところです。
具体的には、追加された2府5県における外出・移動の自粛の観点から、空港や鉄道駅、高速道路のサービスエリア・パーキングエリア等における移動自粛の呼び掛けや、主要空港へのサーモグラフィーの設置の取組を継続実施すること、それに加え、2府5県を対象エリアに含む高速道路周遊パスについて、新規申込の受付を停止すること、公共交通機関等のエッセンシャルワーカーを含めた所管事業者等に対して、感染拡大予防ガイドラインに基づいて、感染予防に万全を期していただくこととともに、テレワークによる出勤7割減や時差出勤の推進等についても協力の要請をするということです。
また、省内の体制確保について、2府5県においても、在宅勤務・交代制勤務等により、出勤職員を通常時の3割まで減らすことを徹底し、省内に感染者が万が一発生した場合でも、機能が著しく損なわれないようにすることなどを指示したところです。
国土交通省としまして、国民生活や経済活動等を維持するべく、感染防止対策の一層の徹底を図りつつ、今後の動向を丁寧に把握しながら、関係地方公共団体や関係事業者と連携をし、全力で対応してまいりたいと考えております。
 
(問)長野県軽井沢町のツアーバス事故から5年を迎えます。
これまでの国土交通省の再発防止対策や今後の大臣の決意をお願いいたします。
(答)本日15日、軽井沢スキーバス事故の発生から5年を迎えます。事故で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた皆さま、御家族の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
特に、犠牲となられました13名の学生の皆さま、そして、今なお後遺症に苦しまれている皆さまにおかれましては、正にこれから社会での活躍が期待される前途洋々の人生の新たなスタートを目前にしての事故で、御本人はもとより、御遺族、御家族の皆さま、関係者の皆さまの悲しみと怒りはいかばかりかとお察し申し上げる次第です。
本日この後、私自身も事故現場を訪問させていただき、交通事故撲滅の誓いを新たにし、献花を捧げさせていただく予定です。
御遺族の皆さまにも心からお悔やみを申し上げる予定です。
国土交通大臣として、交通事故撲滅を掲げ、安全対策を推進しているところですが、引き続き関係者の皆さまとの連携を続けながら、再発防止に努めてまいります。
実は5年前、事故発生から10日後に公明党国土交通部会として、私自身も現地調査を行いましたが、大変悲惨な状況を目にしまして、二度とこのような事故を起こしてはならないと大変怒りを覚えました。
党の立場から、貸切バス事業者の安全対策や運行管理の徹底、また、当時流行っておりました夜行バスによるスキーツアーが随分多く主催されておりましたが、安さが優先され、安全対策が非常に欠如しているところが見られましたので、こうした安全を軽視した過激な競争の是正など、再発防止について党としても強く申し入れを行ったところです。
国土交通省は、この事故を受けて対策検討委員会を設置し、御遺族の皆さまの御意見も受け入れながら、平成28年6月に、85項目に及ぶ貸切バスの安全運行の総合対策をとりまとめ、その施策を順次実施してまいりました。
具体的には、貸切バスについて、道路運送法及び関係省令を改正し、事業許可における5年ごとの更新制の新設。適正化機関を新設し、全ての貸切バス事業者に年1回の巡回指導を実施。営業所ごとの運行管理者の必要選任数の引上げ等の取組を行ってきたところです。
また、発注元である旅行業者に対しても、旅行サービス手配業者、いわゆるランドオペレーターの登録制度の創設、旅行業者が作成する募集広告のパンフレット等への、運行する貸切バス事業者の記載の義務付け等の取組を行ったところです。
こうした施策の効果もあり、この事故以降、貸切バスの乗客の死亡事故は発生しておらず、乗客以外も含めた死傷者数も減少しているところです。
現在、コロナ禍の影響で、全国の貸切バス事業者は、大変厳しい経営状況に置かれておりますが、経営状況が厳しいということが原因となって安全が軽んじられないように、引き続き、悲惨な事故を二度と起こさせないという強い決意の下に、国土交通省としても安全対策を推進し、貸切バスの安全・安心の確保に万全を期してまいりたいと決意しているところです。
 
(問)先ほどの軽井沢バス事故について、2つ併せて御質問させていただきます。
まず1点目ですが、新型コロナウイルスの影響で、先ほど仰られたように貸切バスの運行が激減し、業界は苦しい状況が続いています。
そうした中でバス会社は、運賃値下げの圧力などから、運賃を法令の下限より下げざるを得ない状況が見えてきました。
業界関係者からは、このままでは安全コストが確保できず、重大事故につながるおそれがあるとの懸念の声も聞かれます。
こうした事態の受け止めと今後の対応をお聞かせください。
2つ目ですが、一方で、バス会社を巡回指導する全国の適正化センターでも、ウイルスの影響で運営状況が悪化し、指導員を削減するなどの動きが出てきています。
こうした事態は巡回指導を減らさざるを得ず、事故を未然に防げないおそれも出てきています。
これに併せての受け止めと今後の対応についても教えてください。
(答)今の2つの質問に共通していることは、コロナ禍の影響で、安全性が損なわれるようなことは絶対に認めるわけにはいきませんし、それを許してはならないと考えております。
まず、1問目の質問ですが、先ほど申し上げましたように、国土交通省は、軽井沢のスキーバス事故を受けまして、平成28年6月に取りまとめた、貸切バスの安全な運行を実現するための「総合的な対策」に基づき、1つは、運賃・料金の上限・下限の運送引受書への明記の義務付け、2つ目は、下限割れ運賃に関する国土交通省の通報窓口の設置、そして、旅行業界に対し新運賃・料金制度の周知徹底等の措置を総合的に講じているところです。
国土交通省の通報窓口には、令和2年4月から12月にかけて、19件の下限割れ運賃等の情報が寄せられており、この19件の情報の違反については確認をしているところですが、確認がされた貸切バス事業者に対しては、今後、監査を実施して、法令違反が確認された場合には行政処分を行うこととしております。
これはスピード感を持って対応することが大事だと思っておりますので、迅速な対応をしてまいりたいと考えております。
さらに、その違反に対して旅行業者等の関与が疑われる場合には、自動車部局から観光部局へ通報し、観光部局が立入検査を行うこととしております。
これも同様ですが、下限割れ運賃の提供を行ったと認められる場合には、当該旅行業者等に対しても行政処分を行うこととしております。
また、このような取組と併せて、国による監査や軽井沢スキーバス事故以降に設置された貸切バス適正化機関による巡回指導を通じて、違法な運賃による運送契約を的確に把握し、是正させているところです。
他方で、2つ目の質問にもありましたように、各適正化機関の業務運営は、貸切バス事業者が納付する負担金により成り立っておりますが、コロナ禍の影響で、大変厳しい経営環境に置かれているということは御指摘のとおりですので、各適正化機関において、事業者の経済的な負担を軽減する観点から、令和2年度の負担金について、分割納付や納付猶予などの負担軽減策を講じているところです。
そうしたことをしっかり受け止めながら、国土交通省としても、コロナ禍における対策費、予算もありますので、国の責任として、適正化機関がしっかりと回っていくように支えていかなければならないと思っておりますので、十分対応していきたいと考えております。
 
(問)自民党が政府に対して、希望する働き手に週休3日を可能とする環境の整備を促す方針としています。
この週休3日について大臣のお考えをお聞かせください。
(答)自民党の議論というのは、まだ議論されている段階で、国土交通省として具体的な話を全く聞いておりませんので、私からのコメントは差し控えたいと思います。

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