大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2023年9月12日(火) 11:03 ~ 11:18
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

台風13号による被害について

(記者)

先週、本州に接近した台風13号ですが、各地で大雨による被害が相次ぎました。
国土交通省が把握している被害の状況をお願いいたします。

(大臣)

まず、今般の豪雨により、お亡くなりになられた方々とその御家族に、心からお悔やみ申し上げます。
また被災された方々にお見舞いを申し上げます。
台風第13号の影響により、伊豆諸島、千葉県、茨城県及び福島県で線状降水帯が発生し、9月7日から9日にかけての総降水量が、平年の9月の月降水量を超える地点があるなど、記録的な大雨となりました。
この影響により、河川については、3県が管理する16水系26河川で氾濫による被害が発生しています。
その他、内水被害を含めて現在調査中です。
土砂災害については、全国で35件発生しており、そのうち千葉県市原市では、住宅に土砂が流れ込み、住民が負傷したとの報告を受けています。
道路については、本日6時時点で、国道や県道の12区間で被災等による通行止めが発生しており、現在、早期通行止め解消に向けて努めているところです。
また、茨城県日立(ひたち)十王町(じゅうおうちょう)高原(たかはら)地区において、日立市が管理する市道が被災し、9月10日より(さわ)(だいら)集落で孤立が発生しています。
鉄道については、本日6時時点で、2事業者2路線で運転を見合わせています。現在、事業者において早期復旧に向けて復旧作業等を進めているところです。
なお、運転を見合わせている千葉県内のいすみ鉄道及び小湊(こみなと)鉄道については、事業者から被災状況調査の支援要望があったことから、鉄道・運輸機構鉄道災害調査隊による現地調査を実施する予定です。
国土交通省としては、これまでに防災ヘリによる調査、自治体へのリエゾンやJETT(ジェット)、災害対策車両の派遣を行うなど、被害の全容把握と被災自治体の支援にあたっています。
本日、豊田(とよだ)副大臣が被災状況と現場ニーズの把握のため、いすみ鉄道、小湊鉄道及び養老(ようろう)(がわ)の視察を行っています。
今後も、被災地の復旧が円滑に進むよう、被災状況調査や路面清掃等の復旧作業を支援するなど、地域に寄り添いながら、現場力を最大限発揮し、全力で対応していきたいと思っています。

西九州新幹線開業1周年について

(記者)

開業からまもなく1年を迎えます西九州新幹線についてお伺いいたします。
大きく2点伺います。
1点目は1周年を迎えるにあたっての大臣の所感と、開業による効果をどう分析されているか。

(大臣)

まず最初の開業1周年に対しての我々国土交通省の受け止めですが、今月23日で、九州新幹線の武雄(たけお)温泉(おんせん)-長崎間は、開業1周年を迎えます。
利用者数は、本年7月25日までの306日間で200万人を突破し、お盆期間中にも多くの方々に御利用頂くなど、順調に推移しているものと認識しています。
また、新幹線が新たに開通した長崎駅や嬉野(うれしの)温泉(おんせん)駅などでは、今後も、駅周辺の開発や宿泊施設の開業が予定されているなど、西九州エリアに様々な効果をもたらしています。
開業1周年を記念し、JR九州や地元自治体においては、割引切符の発売、沿線各駅でのイベントの開催等を企画されていますが、引き続き、多くの方々に御利用頂き、地域の活性化につながるよう、国土交通省としても、関係者と連携しながら全力で取組みを進めていきたいと思っています。

九州新幹線西九州ルート新鳥栖・武雄温泉間について

(記者)

2点目は未着工区間の今後の議論について国土交通省と佐賀県との幅広い協議は今年2月を最後に開かれていませんが、その中間で国土交通省全体としての対応の検討というご発言もありました。その具体的な対応状況と、今後の見通しに関して大臣のお考えを伺えますでしょうか。

(大臣)

それから2点目のいわゆる佐賀県とJR九州、またいわゆる「幅広い協議」ですが、現在の状況、今後の対応という御質問でした。
未着工区間となっている新鳥栖しんとす-武雄温泉間について、フル規格で整備されれば、西九州地方と関西・中国地方が新幹線ネットワークで繋がることから、観光やまちづくりなど、多くの面でより大きな効果が現れると考えています。他方、佐賀県からは、フル規格で整備した場合の在来線の取扱いや地方負担について懸念が示されています。
これまで、国土交通省として、佐賀県との間で「幅広い協議」を行ってきたところですが、新幹線整備の必要性・重要性について御理解いただけるよう、これまでいただいた御指摘・御懸念も踏まえながら、引き続き、議論を積み重ねていきたいと考えています。
御地元の御理解が得られるよう、これからも国土交通省、しっかりと対応していきたいと考えているところです。

米坂線復旧検討会議について

(記者)

大きく2点お伺いいたします。
新潟県と山形県を結ぶJR米坂(よねさか)線が、昨年の豪雨で被災して運休してから1年が過ぎました。
未だに復旧の見通しが立っていないことについての大臣としての受け止めをお伺いしたいのと、関連して先週の8日(金)にJR東日本と両県の沿線自治体による復旧検討会議の初会合が開かれまして、国もオブザーバー参加しているとお伺いしています。
地元自治体は早期復旧を求めている中で地域公共交通のリ・デザインに関する新制度も始まろうとしているわけですが、国として復旧検討の議論にどのような関与をしていくのかお考えをお伺いします。

(大臣)

まず1点目の米坂線についてです。
私も昨年8月豪雨災害の後、現地にお伺いし、現場を見てきました。
非常に大きな災害で、これは時間がかかるなと実感をしたところですし、また現地の方々からいろいろな御要望をお聞きして帰ってきました。
昨年8月の豪雨で被災し、今泉(いまいずみ)坂町(さかまち)駅間で不通となっているJR米坂線については、8日(金)、沿線自治体とJR東日本が出席する「JR米坂線復旧検討会議」が開催され、国土交通省からは地方運輸局がオブザーバーとして出席しました。
この会議では、JR米坂線の復旧にかかる工事費の負担と工期、米坂線が抱える課題等について議論されたと報告を受けています。
国土交通省としては、鉄道での復旧を検討する際には、復旧後の利便性・持続可能性の確保のための方策や、復旧費用の負担のあり方等についても議論することが重要であると考えています。
引き続き、この会議において、沿線自治体とJR東日本の間で、有意義な議論が行われることを期待しており、国土交通省としても、地方運輸局を通じて、必要な助言等を行っていきたいと思っています。

トキエアの就航が延期されていることについて

(記者)

もう1点、新潟空港を拠点とする格安航空会社トキエアの就航が予定よりだいぶ遅れておりまして、見通しが立っていないことについて、昨日国による安全性審査の最終段階である、実証飛行が再開したと聞いております。
10月下旬の夏ダイヤまでの就航が可能か、地元では非常に注目されているのですが、この審査の遅れについて、大臣の見解をお伺いしたいです。

(大臣)

それから2点目のトキエアです。
トキエアは、本年3月31日に航空運送事業の許可を取得し、運航に必要なマニュアル類の整備、安全性を実証するための試験飛行など、就航に向けた準備を進めていると承知しています。
これまで、トキエアから、台風による天候不良などにより、8月に予定されていた試験飛行が一部実施できなかったこと、整備部門の体制や管理方法を一部見直したことなどにより、当初の想定よりも準備に時間を要していると聞いています。
国土交通省としては、引き続き、安全の確保を最優先に、必要な審査を厳正に行っていきたいと思います。現在、手続きとしては、事業許可が出まして、その後いろいろな整備規程、安全規程、施設の検査や安全性実証試験等、国土交通省も関与してやっているところですが、もうここは安全に関わることですから厳正に我々も先ほど申しあげましたけれども、厳正な審査を行っていきたいと思っています。

マンション標準管理委託契約書の改訂について

(記者)

マンションの管理組合と管理会社の方が契約する場合の、契約書のひな形になっているマンション標準管理委託契約書が5年ぶりに改訂されました。
今回の改訂で初めてマンション管理会社の従業員の方に対するカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラの防止条項が初めて入りました。
他にも様々な改訂がなされています。
こちらの改訂の意義と大臣の期待をお願いいたします。

(大臣)

マンションの新築が続く中、住民等で構成する管理組合とマンション管理業者との間で結ばれる「管理委託契約」について、トラブルとなり得る事項を改善するよう求める声が寄せられています。
このため、今般、国土交通省がお示ししている「標準管理委託契約書」、先ほどひな形とおっしゃいましたが、まさにひな形、標準を改訂しまして、1番目は、各種会議のWEB開催、2番目に管理員が休暇を取得する場合の対応等について、管理組合・管理業者の双方が、あらかじめルールを明確にしておくよう促すこととしました。
中でも、近年増加しつつある管理組合・管理業者間のカスタマーハラスメントについては、これを防止する観点から、管理組合側で業務指示を行う者と、管理業者側の受け手を契約で明確にするとともに、「標準管理委託契約書」の解説において、ハラスメントに該当しうる行為を例示しています。
例えば侮辱や人格を否定するような発言、執拗な付きまといや長時間の拘束、夜中の電話等です。
管理組合、管理業者の皆さまが、改訂された「標準管理委託契約書」を活用することにより、的確なマンション管理と良好な居住環境の確保を実現されることを期待しています。私も地元広島でマンションに住んでいますが、私も管理組合の役員をやったことがありますが、管理組合と管理会社が良好な信頼関係を結ぶことは、居住環境を良く保つ上で非常に重要なことです。
そういう意味でも今回の標準の改訂がそういう環境を作ることに貢献できればと思っています。

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